From Seattle, WA, USA
by Alex
プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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ポルトガル2016: コインブラでファド体験
夜中に目が覚めて長い間寝つけなかったので、今朝はちょっと寝不足気味かもしれない。昨日の夜は雨が降ったり止んだりだったんだけど、外を見ると快晴なのでよかった。今朝はポルトを離れる前に、ネットで見つけた店で朝食を食べる予定。ポルトガルの美味しいレストランを探してたときに偶然見つけた店で、ローストポークのサンドイッチが美味しいらしい。

宿のチェックアウトは11時なので、荷物はまだ置いたままアパートを出た。レストランはここから歩いても20分くらいなんだけど、サン・ベント駅やMajestic Caféよりも東側に位置してる。ということは、あの急な坂をまた上らなきゃいけないわけ。朝から汗をかきたくないので、1ブロック離れたホテルの前からタクシーで行くことにした。上り坂ばかりなので、車で行くことにして本当によかった。

さてCasa Guedes(訪問記へ)に着いてみると、8時半開店のはずなのにまだ開いてない! えー、どうしよう。シャッターの下りた店の前で5分ほど待ってたんだけど、開く気配がない。仕方なく帰ろうと道を歩き出した時に、店のドアが開いて誰かが出てきた。あっ、あの顔はネットの記事で見たことがある、ここの店のオーナーだ! 人の気配がしたと思って出てきてくれたらしい。「今日はちょっと開けるのが遅くなっちゃったけど、入って座って!」と言われて、まだ開店途中の店のカウンターに座らせてもらった。あーよかった。メニューを見るとローストポークのサンドイッチの他にも、ハムサンドイッチやローストポークにチーズを載せたものもあるらしい。僕はそのローストポークとチーズのサンドイッチを注文。深い味わいのローストポークととろけたチーズのコンビネーションがもう最高! ファーストフードなんだけど満足度は高い。ここに来てよかった!

帰りは下り坂ばかりなので、アパートまで歩いて帰る。月曜の朝!って感じの雰囲気がビシバシ伝わってきて、観光客で溢れてた週末のポルトとは雰囲気が違う。うん、ポルト、僕の感性に合う街かもしれない。ここにはちょっと腰を据えて、長期間滞在してみるのもいいかもしれないな。

アパートから荷物を出して、鍵をカウンターの上に置いてチェックアウト。さあ車に乗って南下することにしよう。今日の目的地はコインブラなんだけど、その前にちょっと寄ってみたいところがあった。これもネットで見つけた場所で、ポルトから車で20分ほどのところにあるらしい。

ミラマール(Miramar)という町を通り抜けて、海岸のちょっと前に車を止めて海の方に歩いて行くと…、あったあった! セニョーラ・ダ・ペドラ礼拝堂(Capela do Senhor da Pedra)! 波打ち際の岩の上に、遠くから見るとまるでミニチュアハウスのような可愛い礼拝堂が立ってる。近くまで行ってみたかったんだけど、とにかく波がすごいんで遠くから眺めるだけにしておいた。大きな波が岩で砕けて、礼拝堂を屋根から濡らすくらいなんだもん。僕らが写真を撮ってる間に、カップルが果敢にも中に入って行った。まぁ中に入っちゃえば大丈夫だとは思うけどね。それにしても、青空と砂浜の間に建つ小さな礼拝堂は最高に綺麗だったけど、この世のものじゃないような不思議な感じがした。なんだろう、テレビや映画のセットとかじゃなくて、なんかパラレルワールドみたいな? すごく現実離れしていて、僕が大好きな種類の風景だった。

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セニョーラ・ダ・ペドラ礼拝堂は素晴らしく現実離れしてた

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礼拝堂を見て帰る途中にあった廃墟。一体何の建物だったんだろう?

さて、ここからまた車を走らせること約1時間半。コインブラ(Coimbra)のHotel Almedina Coimbra Centroに到着。幸いにも部屋は用意できてたんで、すぐチェックインできた。一晩€40と格安だからちょっと危惧してたんだけど、フロントの対応はいいし、部屋も清潔でいい感じ。ただ建物が古いんだよね。全体的なデザインが1970年代って感じで、テレビで見た昔のドラマに出てきそうなホテル。

荷物を置いて、いざコインブラの観光へ出発しよう。大通りを南下して、サンタ・クララ橋(Ponte de Santa Clara)へと向かう。大通りを歩いてるのはほとんど地元の人ばかりみたい。橋の近くにはバス停があって、そこで待ってるのも地元民らしかったし。サンタ・クララ橋の辺りはかなり都会的な雰囲気で、ここにあるポルタジェン広場(Largo da Portagem)が旧市街の入口になっている。広場の周りの白壁の建物とそびえ立つ銅像が、なぜかオーストリアを連想させたな。なんでなんだろう?

この広場から旧市街の中の方に伸びるのが、フェレイラ・ボルゲス通り(Rua Ferreira Borges)。この通りにはカフェやレストラン、ショップなどが立ち並んでいて、観光客と地元の人が半々といった感じだった。このどこかでランチにしようかと思ったんだけど、お腹もあまり空いてないし、惹かれる店もなかったし、コーラ休憩をするだけにしておいた。

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フェレイラ・ボルゲス通りがまっすぐ伸びてる

フェレイラ・ボルゲス通りを北上して、この街の中心の一つである5月8日広場(Praça 8 de Maio)を通り抜け、市場(Mercado Municipal)の向こうのエレベーター(Elevador do Mercado)を目指す。5月8日広場は街の中心の一つにしてはかなりこじんまりした感じの場所で、広場であることも気づかずに通り過ぎる人もいるんじゃないかってくらいだった。市場はやっぱり朝が賑やかなのか、昼過ぎだと活気がない感じだったのでパス。その向こうにある、大学のある丘と地上を結ぶ透明なエレベーターの駅に入った。料金の€1.60を払っている間にエレベーターが来てしまったんだけど、僕らが払い終えるまで待っててくれたからよかった。普通のエレベーターで上がった後、そこでケーブルカーのように斜めに上っていくエレベーターに乗り換える。時間的には大したことないんだけど、この高さを足で上ったらかなりツライだろうなぁ。

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近代的なエレベーター

ここから大学の方にゆっくり歩いて行こう。大学の壁には落書きがあったり、建物の前でイチャイチャしてるカップルもいて、『学生の街』っていうエネルギーが伝わってくる。そんな大学の建物に囲まれたところにあったのが、新カテドラル(Sé Nova)。バロック様式のこのカテドラルは、品の良さと優雅さを兼ね備えた感じ。特に目を引いたのが、ラッパのようにパイプが水平に飛び出たパイプオルガン。天使が舞い踊るこの素敵なパイプオルガンは左右に一つずつあって、その場の雰囲気を優しいものにしていた気がする。背筋を伸ばされるような気になる教会もあるけど、この場所はもっと優しいオーラに包まれてた感じ。宝物庫は廊下に物が並んでるだけって感じだったけど、結構興味深く見ることができた。

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大学の街らしく、落書きがあったり…

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若いカップルがイチャイチャしてたり

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水平にパイプが伸びてるパイプオルガンには天使が群れる

この後はここから歩いて5分もかからない、コインブラ観光の目玉とも言える旧大学(Velha Universidade)へ。門のすぐ前にチケット売り場があって、そこで見たい場所がセットになったコンボチケットを買うことになる。僕らはその日開いてない場所だけを除いた€10のコースを選択。有名な『鉄の門(Porta Férrea)』から中に入ると、広々と気持ちのいい中庭に出た。観光の見どころは、この中庭をぐるっと囲むようにあるらしい。

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旧大学の『鉄の門』

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中庭は広々としていて気持ちがいい

一番有名なジョアニア図書館(Biblioteca Joania)は時間制で、チケットに書いてある時間まで10分ほど扉の前で待たなきゃいけなかった。この場所については前知識がなかったせいで、中に入った途端に思わず息を呑んだ。すごいっ、スゴすぎる! フィレンツェにあるミケランジェロがデザインした図書館も豪華だったけど、ここは格が違う感じ。デザインから装飾から、手を抜いてるような場所が一つもない。撮影禁止だったのが本当に残念だった。ネット検索でも写真は見られるけど、実際に見るのとは迫力が全然違う。

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ジョアニア図書館の入口

最初からすごい感動した後は、図書館の地下の展示を見たり、その隣の学生牢を見たりした。学生牢って確かドイツのハイデルベルクでも見たけど、学生専用の牢屋があったなんて、大学はそれだけで一つのコミュニティだったんだなぁ。図書館の隣にはサン・ミゲル礼拝堂(Capela de São Miguel)があって、ここは修復工事中だった。小さめの礼拝堂で綺麗だったんだけど、ここも撮影禁止だったのが残念無念。

この後は学生たちが利用するカフェテリアで一息つこうかと思ったんだけど、なんとなく惹かれる食べ物もなかったし、若い雰囲気の中におじさん二人で入っていくのもちょっと気が引けたのでやめておいた(笑)。建物の裏からはコインブラの景色を眺めることもできた。綺麗だったけど、やっぱり端の方は都会的なビルが立ち並んでいて、ちょっと残念な気がしたな。

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大学からコインブラの街を眺める

十分に観光した後は、旧大学の裏道に入って坂をどんどん下りていく。やっぱり大学の街だけあって、壁にもかなり落書きがされてる。でもギャングのタグのような落書きじゃなくて、反政府的なメッセージみたいなのが多かったのが印象的だった。

旧カテドラル(Sé Velha)の前には観光客の団体がいて、ガイドの説明を聞いてた。カテドラル関係はもう見飽きた感じだったのでここはパスして、そのすぐそばのカフェに入ってちょっと休むことにした。いつもの通りサイダーと、Tosta da Mistaというハムとチーズの焼きサンドイッチ。ランチ抜きだったんで、美味しかった!

ちょっと疲れが取れた後は、さらに坂を下って、Quebra Costasという坂の途中にあるバーでジンのオンザロックを飲んだ。今日観光を始めた頃は暑いくらいだったのに、なんだか寒くなってきたぞ。ホテルまで上着を取りに帰ろうかとも思ったけど、それをするには中途半端な時間なんだよなぁ。この後6時からファドの演奏の予約があるんだけど、自由席なのでチケットを貰った後は早目に並ばなきゃいけないから、結局僕は我慢することにした。Koreyは半袖のシャツでかなり寒そうだったので、近くの土産物屋でセーターを買ってた。バーから坂をすぐ下ったところにあるFado ao Centroでチケットを貰った後は、そのすぐ近くのカフェQuebra o Galhoに入ってホットチョコレートを頼んだ。

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雰囲気のいい坂の途中にあるバーで一杯

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コインブラは大きめの街だけど、裏通りはとてもいい感じ

カフェからはFado ao Centroの入口が見える。5時半くらいに3人くらい並び始めたのが見えたので僕らも並ぶことにした。ホットチョコレートを飲んだせいもあるかもしれないけど、店を出た時には少し暖かくなっていてホッとした。開演までの30分で列は結構伸びて、最後には20人くらい並んでたんじゃないかな。開館と同時に入場。僕らの前の人たちは最前列の右側に座ったので、僕たちは最前列の左側をゲット。舞台までは1mくらいしかない。これだけ近いと、なんだかこっちの方が照れくさくなっちゃうな。

開演時間になると、さっきのチケット係の女の人が舞台に出てきて、ファドについての解説をしてくれた。それに引き続いて、黒いマントに身を包んだ男性が3人登場。一人はシンガー、一人は普通のギター、もう一人は12弦ギターの奏者らしい。普通ファドは女性が歌うことが多いんだけど、ここコインブラでは男性がファドを歌うのが伝統的。もともとは男子学生が女性に歌を捧げていたのが始まりらしい。だから学生の黒マントを羽織ってるんだね。

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いよいよファドの演奏!

演奏が始まると…、やっぱりスゴイわ。リスボンで聴いた男性ファドシンガーよりも若いからか、もっと若い情熱、激しい感情が溢れ出てくる感じ。途中でシンガーが替わって、彼がほとんどの歌を唄った感じなんだけど、どちらのシンガーも音楽的に危ういところは何ひとつなく、安心して素晴らしいメロディーに身を委ねることができた。もちろんポルトガル語だから歌詞はわからないけど、歌の前にどんな曲かということをちゃんと解説してくれるので、その情景を目に浮かべながら聴くことができる。最後の方では観客に一緒に歌わせたり、昔は咳払いが拍手の印だったこともあるらしく、曲の終わりに観客がみんな咳払いしたこともあった。コンサートが終わった後は、裏庭でポートワインのサービス。そこでCDも売ってたので買ってしまった。音楽的に素晴らしかっただけじゃなくて、ファドに関する理解が深まるようなコンサートだったな。

この後はディナーに行くことにしよう。予定している Zé Manél dos Ossos(訪問記へ)は大人気でしかも予約が取れない場所なので、開店の30分くらい前だったけど店まで行って待つことにした。さすがに僕らが一番だったけど、開店時には10人くらいの列ができてたから、早く着いて正解だったな。店の壁は、まるでおもちゃ箱をひっくり返したような混乱ぶり。面白い置物がたくさんあって、壁という壁を埋めるかのように客からのメッセージの紙が貼ってあった。大学の街らしくていいなぁ、こういうの。ここで出る料理も気取ってなくて、とても素朴で、でも最高に美味しいものばかり。本当にいい店だった!

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アルメディーナ門はライトアップされるととても綺麗

夕食後はかなり疲れていたので、僕はホテルに戻って寝ることにした。Koreyはさっきバーがあった辺りに戻ってみるとのこと。よくエネルギーが続くなぁ(笑)。
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by alexsea | 2016-10-24 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
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