From Seattle, WA, USA
by Alex
プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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フランス・イタリア食べ歩きの旅: 現実的な世界 【ローマ → シアトル】
現実的な世界 【ローマ → シアトル】 … 4月26日(月)

 咳はあまり出なくなって夜中に起きる頻度も減ったけど、朝の調子の悪さは変わらない。もともと朝は苦手なんだけどね。今日はシアトルに帰らなきゃいけない日。重い頭をもたげながら朝6時に起床。シャワーを浴びて荷作りをする。最低限のものを持ってきたはずなのに、全く着なかった服も出てくる有様。今度からもうちょっと服を減らすことにしよう。旅先で買うってこともできるし。パリで買った服や、ヴェネツィアで買った料理本、フィレンツェで買ったワインとビスコッティ、それにあちこちの史跡で買ったガイドブックなんかを詰め込むと、もうバッグはパンパン。空港までは一苦労しそうだ。

 朝8時に頼んであるタクシーで空港に向かった。天気は快晴で気持ちいい。タクシーはヴェネツィア広場やコロッセオ、チルコ・マッシモなんかのそばを走る。ローマのいい復習になった感じかな。ホテルから空港までは固定料金で€48.荷物を抱えながら電車に乗ったり降りたりすることを考えれば、何も考えずに空港に行けるこの料金は高くはないと思う。

 12日間のこの旅、思った以上に気力と体力を酷使した旅だった。一人では全く行動できない人を案内して回るというのは、想像以上にハードなことを体感した。それにペースを落として歩くって、フルペースで歩くよりもずっと疲れるのはなんでだろう。

 でも僕もイタリアには15年前に行ったことがあるとはいえほとんど忘れてたし、新しい場所にも行けて嬉しかったし、美味しい食事も楽しかった。それに母が楽しんでくれたことがなによりかも。アメリカとは全く違う文化を体験してもらうことができたのがよかった。母はこの旅で、体力が落ちたことを痛感したと言ってた。それは僕も同じ。これからの旅行予定は、少しスケジュールを減らさなきゃいけないかもしれないなぁ。でも僕にとっては、何もしない時間ってのは、何かしている時間よりも疲れちゃうことが多いんだけどね。

 帰ったすぐ次の日から仕事だっていう現実が待ってる。あーん、この旅行と仕事との間にバケーションが必要だよう(笑)。
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by alexsea | 2004-04-26 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 非現実的な夜景 【ローマ】
非現実的な夜景 【ローマ】 … 4月25日(日)

 隣の部屋に新しく入ったおじさんが、真夜中の3時頃にテレビのスポーツチャンネルを見ているらしく、時々「あーっ」とか「いけいけ!」みたいなニュアンスの声が薄い薄い壁から聞こえてくる。よっぽどフロントに電話して注意してもらおうと思ったんだけど、ここのホテルのサービスレベルから考えてそれも期待できない。仕方ないので耐えていたら、30分くらいでテレビを消して寝に入ってくれたみたいなので助かった。今回の旅行のホテルはどこもなかなかいい場所ばかりだったんだけど、最後の最後でちょっと失敗しちゃった感じだな。まぁ立地条件がいいってことだけが取り柄かも。

 今日は今回の旅行で、最後のフル観光のできる日。外は曇ってて空気が冷たいけど、雨が降ってないだけいい。朝9時にコロッセオ(Colosseo)を予約してあったので、スペイン広場からタクシーでそこに向かった。おっとその前に、フロントに1時には帰ってくるからその前に掃除しといてって頼むことも忘れない。さすがにコロッセオはオープン直後ということもあってそんなにビックリするほど人はいなかったけど、早朝にしては多い感じ。こんなので午後になったらどんなことになるんだろう。予約してあるので短い列に並んで荷物検査を通り抜けて、長い列のできたチケット売り場を横目に、誰も並んでいない“Reservation Only”と書いてある窓口に向かってチケットをゲット。やっぱり予約は効果があるもんだ。

 母の足の調子がちょっと悪いので、透明なエレベータを使って二階に上り、そこから観光を始める。いやー、さすがにここはスゴイ。卒業旅行でも来たんだけど、あまりよく覚えていない。でも底の抜けた競技場の約1/5のエリアに蓋がされていて、競技場の地面自体をイメージし易くなったみたい。真ん中に通路も作ってあったのでそこを歩けるのかとも思ったんだけど、封鎖されていて入っていけないみたいだ。いつかあそこにも入って観光できるようになるのかな。血なまぐさい闘技が行われて、何千人もの人たちがここで命を落としたんだろう。それを見て楽しんでいた皇帝と観客たち。そう考えると、ただの遺跡というだけではなく、なんだかちょっと不気味な感じがしてしまう。あぁでも本当に最盛期のこの場所を見てみたい。今は雑草が生えて朽ちてしまったこの場所だけど、当時の血塗られた栄光の姿はさぞ美しいことだったろう。

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ローマといえばコロッセオ

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以前はなかった足場がかけられている

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コンスタンティヌス帝の凱旋門

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コロッセオから見るフォロ・ロマーノ

 ゆっくり見て回った後は、まだ時間もあるということで近くのドムス・アウレアという場所にも行こうかと思ったんだけど、ここは予約がなきゃ入れないことに気づいて残念ながらパス。フォロ・ロマーノも丘を上り下りするから母の足に悪いのでパス。チルコ・マッシモ(Circo Massimo)という、昔の円形競技場跡を横に見ながら、『真実の口』のあるサンタ・マリア・イン・コスメディン教会(Santa Maria in Cosmedin)に向かうことにする。このチルコ・マッシモ、今はジョギングに使われたり、犬の散歩に使われていて、とてもノンビリした雰囲気。横にはフォロ・ロマーノの遺跡が見えるし、ローマに住んでたら結構好きな場所になってたかもしれない。

 コロッセオからゆっくりと歩くこと約30分、やっとのことでサンタ・マリア・イン・コスメディン教会に到着。何人かの「写真待ち」ラインに並んだ後、ビデオとデジカメ両方で母が手を入れるところの絵をゲット。後ろに待ってる人がいたからあまりゆっくりできなかったのがナンだけど、母の手は何事もなく抜けてメデタシメデタシ。

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ご存知『真実の口』

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こんな教会の中にある

 さて、今日の観光スケジュールはこれで全てこなしてしまった(笑)。昼は母のリクエストにより、濱清(はませい)という日本料理屋に食べに行く予定。それにしてもまだ早過ぎる。タクシーでスペイン広場に戻った後は、スペイン階段のすぐ脇にあるBabington’s Tea Roomsという場所でお茶にする。本当はCafé Grecoに入ってみたかったんだけど、日曜だからどうかわからないけど閉まってたのでしょうがない。ここのBabington’s Tea Roomsは、スペイン階段のあたりがまだイギリス人のGettoだった頃の名残らしい英国風のティールーム。キチンとした香りのいい紅茶なんて久しぶりだった。一杯€9.50と、ほとんど日本並の高さだったけど。でもそのせいかあまり客がいなくて、静かな一時を過ごすことができた。

 その後は通称「骸骨寺」と言われる、サンタ・マリア・インマコラータ・コンチェツィオーネ教会(Santa Maria Immacolata Concenzione)に歩いて行ってみようということになる。ここには卒業旅行のときに行った覚えが微かにある。到着してみると、なんと去年の12月から改装工事のためクローズしているんだそうな。ガーン。仕方ないので外観の写真だけでも撮ってきたんだけど、曇り空のせいかその場所のせいか、なんだか暗いホラー映画のような印象を受けてしまった。これってやっぱり骸骨寺だと思うからだよね? 入れなくてちょっと安心した気もした(笑)。

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閉まっていた骸骨寺
何ともいえない陰惨な雰囲気が…

 この後はバルベリーニ広場にあるトリトーネの噴水を横目に見ながら、濱清に向かう。着いた時点ではオープン5分前だったのでまだ閉まってたんだけど、外にあるメニューを見ているうちに、中から出てきた日本人らしき男の人が、看板をコンセントに繋いだり、途中まで下りていたシャッターを完全に上げに出てきた。僕たちがメニューを読んでいるのを明らかに見てたハズなんだけど、完全に開け終えると中にすぐ戻ってしまおうとするので、「もうよろしいんですか?」って聞いてみたら、目も合わせずに「はい、どうぞー…」だって。うーん印象悪し。こっちが聞く前に「お待たせしました、どうぞ」くらい言えよ。

 店の中は落ち着いた雰囲気。すぐ側のレジで店員何人かが集まって雑談をしてたのが気になった。僕はとんカツ定食、母は和風焼肉定食を注文。味はまあまあ美味しかったと思う。最初出てきたとき、ご飯がなんかくすんだ色だなって思ったんだけど、食べてみると味も香りもいい。照明のせいなのか、そういう米なのか。僕は日本食は長期間食べなくても平気な方なんだけど、久しぶりのご飯・味噌汁・漬物の組み合わせは、自分が日本人であることを思い出させてくれた。ただねー、やっぱりサービスがなってないって思う点が何度も。チェックを頼んだら、持ってきて隣で待ってるし。カードくらいゆっくり出させてくれよ。んでアメックスを出したら「あ、アメックスはダメなんです」だって。ガイドブックにはちゃんと“A”のマークがあったハズなんだけどな。それにカードを断る時はもっと他の言い方があるだろうに。「申し訳ありません、アメックスは取り扱っていないんです」とか? なんかサービスの年齢が悪い意味で“若い”って感じてしまった。実際みんな若かったもんなー。サービスの基本をちゃんと習ってるんだろうか?

 ホテルに戻ってみると、今度はちゃんと掃除されててホッとした。また耳栓をして1時間半ほど昼寝することにする。もうローマで見たいところはほとんど見ちゃったし、外は雨が降ってて寒くて、その中で人ごみに揉まれるのもイヤだったんで、昼寝から起きた後はホテルのインターネットを使ったり旅行記を書いたりして、ゆったりとした午後を送った。

 今夜のディナーはLa Terrazza dell’Eden。眺めがいいことで有名な、Hotel Edenの中にあるレストラン。最後の夜くらいは眺めのいい場所でディナーを食べたかった。スペイン階段を上れば歩いて行けるような場所なんだけど、寒くて雨も降ってるのでタクシーで行くことにした。

 La Terrazza dell’Edenでのディナーの様子は、こちら

 ディナーの後はタクシーでホテルに戻り、次の日の空港までのタクシーをフロントで手配してもらってから、この旅行最後の眠りについた。
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by alexsea | 2004-04-25 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 最低のレストラン体験 【ローマ】
最低のレストラン体験 【ローマ】 … 4月24日(土)

 なーんかやっぱり夜になると咳が出るんだよなぁ。日中は全然平気なんだけど、夜中に咳で目が覚めてなかなか止まってくれない。そのせいかどうなのか、朝起きたときにはなんだか今ひとつすっきりしない気分。でも昨日引きこもった分、今日頑張ってあちこち見てまわらなきゃ。地図と首っ引きで、歩いて主要な場所を観て回れるコースを考えてあるんだ。フィレンツェでアートをいやってほど見たんで、本当は予定に入ってたんだけどヴァティカン美術館は今回はパスすることにした。母もアートはあまり興味がないらしいし。そのかわり、土曜日の午後1時までしか開いていないというコロンナ美術館をルートに含めることにした。ここは『ローマの休日』で、最後に記者会見が開かれた場所。行ってみたいと思ってたんだ。

 朝8:30頃ホテルを出発。スペイン広場へ母を連れて行く。朝のスペイン広場は昼間と全く違う顔! まだ人もまばらで写真も思うように撮れる。この近くにホテルを取っておいてよかったよかった。いかんせん壁の薄さとフロントの冷たげなサービスが悔やまれるけど。

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混んでないスペイン階段!

 スペイン広場の次はトレヴィの泉(Fontana di Trevi)まで歩いていく。朝の涼しい空気が気持ちいいし、道も混んでいないので、ローマの裏通りの顔をじっくりと眺めることができる。こういう裏通りの景色って僕は好きなんだ。なんだかその街の本当の顔が見れるみたいで。トレヴィの泉は15年前に来た時には、改装工事中で水も張ってなかった状態。コインを投げ入れられなかったからローマに帰ってこれるか心配だったんだけど、どうだ帰ってきたぞ! ここ、やっぱり迫力あるなぁ。さすが観光名所だってのが頷ける。朝の光を浴びた彫刻は、まるで神々しいほどの威光を放ってる。その下に水色の噴水があって、もう本当に爽やかな感じ。朝早いだけあって観光客もまだ少ない。日本人は早起きなのか、そこにいた8割方は日本人だったぞ。ちゃんと肩越しにコインを投げ入れてきたぞ。母が投げ入れたときには、本当に泉に入ったのかどうか心配でオロオロしてたのがかわいかったかも。最初は誰もコインを投げ入れてなかったんで、みんな本当にやっていいのかどうか心配してたのかな。白人の老夫婦と僕たちがやってるのを見てか、我も我もとコインを投げ入れる人が相次いだ。

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トレヴィの泉

 さて時間は朝9時。コロンナ美術館(Galleria Colonna)が開く時間だ。中に入って階段を上がり戸口を通り抜けると、もうそこはキンキラキンの世界! ちょうどアン王女たちが立ってた舞台の左側、彼女たちが入場・退場してくる場所から入ることになる。金色に縁取られた大広間、立ち並ぶ彫刻、まるでパズルでもしているかのように、壁という壁を埋め尽くしてある色とりどりの絵画。モノクロームの映画からはこの豪華さは伝わってこなかった。客も僕たちの他に4~5人いたくらいで、ほとんど静寂の中、じっくりとその雰囲気を満喫することができた。『ローマの休日』ファンは絶対にここをスケジュールに入れるべき! 土曜日だけオープンってのがちょっとナンなんだけどね。

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コロンナ美術館
『ローマの休日』の最終シーン(絵葉書より)

 またもや「帰ったら映画を観て確認しなきゃ!」と母と二人で話しながら、今度はパンテオン(Pantheon)へと歩いていく。パンテオンと聞いてまず思い出すのが、15年前の卒業旅行でここに来たときに、どうしようもなくトイレに行きたくなってしまったこと(笑)。もう破裂寸前で、確かマクドナルドかどっかに駆け込んでトイレを使わせてもらったんだと思う。こういう変な事はよく覚えてるよな。パンテオンを見た母の最初の印象:「なんか牢獄みたい」。そんなぁ、全ての神に捧げられたという神殿をつかまえて、牢獄はないでしょう。でも確かに窓もほとんどないし、数少ない窓には鉄格子がはまってるし、横から見たら神殿だとは思えないかもしれない。正面に回るとスゴイ。たくさんの大きな柱が入り口の天井を支えている様は、本当に重鎮そのもの。大きな天窓がここのトレードマークだよね。昔は単なる穴だったと思うだけど、今はガラスかプラスチックか何かで塞がれてるんだよね? まさかまだ開きっ放しなんてことないよね? ここにも『受胎告知』のフレスコ画があったぞ。今度はガブリエルがマリアにプロポーズしてるのを、神様が覗き見してるみたいな感じ?

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パンテオンの天窓

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またもや『受胎告知』

 この後はナヴォーナ広場(Piazza Navona)。ここで『河の噴水』の真ん前にあるカフェに入って小休憩。ここのカフェでトイレに行ったときにチップが必要だったんだけど、€2コインしかなかったもんだからそれをあげたら、そこにいたおばあちゃん満面の笑顔になっちゃったのがかわいかった。トイレットペーパーはいる?とか、後で汗を拭いたりするときのためにこのティッシュを持って行きなさいとか、色々と世話を焼いてくれた。僕たちがカフェを離れるくらいの時間になって、広場にはやっと団体が到着し始めたみたい。『ムーア人の噴水』、『河の噴水』、『ネプチューンの噴水』と3つの素晴らしい彫刻のある噴水を持つこの広場は、観光客に大人気の場所らしい。夜が楽しい場所らしいんだけど、今日のディナーの帰りにでもちょっと寄ってみようかな。

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『河の噴水』

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誰かが犬に肉をあげたらしく美味しそうに食べてた

 この後はサンタンジェロ橋(Ponte Sant’Angelo)まで行って、ここがアン王女がボートの上で踊ってた場所だよって母に教えると感動してた。川岸に行くことはできなくなってるみたいで、橋の上から階段を写すことしかできなかった。

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テヴェレ川とサンタンジェロ城

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『ローマの休日』で主人公たちが下りた階段

 ヴァティカン美術館はパスすることにしたけど、サン・ピエトロ寺院(Basilica di San Pietro)は外すことができないので、サン・ピエトロ広場(Piazza San Pietro)を通り抜けて歩いていく。カトリックの総本山だけあって、さすがここは迫力あるわ! 15年前にも来たんだけど全く覚えてない。荷物検査を通り抜けた後、サン・ピエトロ寺院に入場。すぐ右側にミケランジェロの『ピエタ』がある。傷ついたキリストを抱えて嘆くマリアの像からは、悲しみがひしひしと伝わってくる。やっぱりミケランジェロってスゴイよな。この寺院の中は他にも素晴らしい彫刻や絵画で一杯なんだけど、どこまでも同じような雰囲気が続いているので、不謹慎ながらちょっと飽きてしまう。この中でウェディングドレスを着た人を発見(2組)。ここって結婚できるようなとこなの? でもイタリアでは離婚は許されないって話を聞いたことがあるから、頑張ってね。

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ヴァティカンにそびえ立つサン・ピエトロ寺院

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悲しみが伝わってくるピエタ像

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サン・ピエトロ寺院で結婚式??

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ド派手な衛兵のユニフォーム

 ヴァティカンは昔から政治にとても影響を与えてきた場所。行かなかったんだけど、宝物館にはヴァティカンの力の大きさを示す聖器類があるという。政治と宗教の結びつきが一番嫌いな僕としては、まるで敵の陣地に乗り込んでしまったかのような不思議な感覚をちょっとだけ覚えた。

 もう時間もお昼間近。歩き回ってかなり疲れたしお腹も空いたということで、サン・ピエトロ広場の前からタクシーをつかまえてスペイン広場まで戻ることにした。最初は昨日の夜食べたレストランで昼も食べようかと思ったんだけど、12時半にならないと開かないらしい。ブラブラ歩きながらその時間を待ってたんだけど、ちょうどそのレストランの道を挟んだ真ん前に、Fior Fioreという小ぎれいなピッツェリアを発見。ここでいっかということになって、そこで食べることにした。トマトのピザ、ハムのピザ、アーティチョークのピザ。どれもシンプルだけど、カリカリの薄いクラストが美味しかった。飲み物も入れて€7.54だから、とてもお得なランチ。

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結構美味しかったピザ

 よく歩き回りました。よく観光しました。ホテルに戻って耳栓をして(笑)、1時間ほど昼寝をした。やっぱり早い時間に観光して午後は休息ってのが、僕たちのペースに合ってるみたいだ。部屋がまだ掃除されてなかったから、タオルだけ新しいのに取り替えてもらわなきゃいけなかったけど。昼寝から起きて外を見ると雨が降り始めていた。ホテルのコンピュータでネットをチェックしに行ってる間に、雨はどんどん強くなってる音がする。雷もゴロゴロ鳴ってるし。空は結構明るいのに、大粒の雨がこれでもかってくらい降ってる。僕たちが観光してるときにこんな雨が降らなくてよかった。しばらくして雨が止んだのを確かめてから、まだ休んでいたい母を置いて、僕は一人で街の散策に出かけた。雨のすぐ後で日がさんさんと照ってるもんだから、蒸し暑い蒸し暑い。違う道を通ってサンタンジェロ橋の方までずーっと歩いていって、そこからナヴォーナ広場の近くにある今夜行くレストランをチェック、そこから最短のコースを考えながらホテルまで帰ってきた。ホテルのすぐ脇の道Via del Corsoは、まるで新宿か渋谷の歩行者天国のような道。歩行者天国という宣言はなされていないと思うんだけど、人が車道にまで溢れ出してきていて、時々通る車の肩身が狭そう。高級ブランド店が並ぶスペイン広場の前の道Via delle Carrozzeとは違って、ここはもうちょっと気軽に入れそうな店が並んでる。ショッピングには面白い道かもしれない。

 レストランの予約は8時。20分前にホテルを出て、ゆっくりゆっくり歩きながらQuinzi & Gabrieliに向かう。そこでのディナーの様子は、こちら

 さっきの道をゆっくり歩いてまたホテルに戻る。歩行者天国のような状態はもうなくなって、人はちゃんと歩道を歩いてる。夜の冷たい風が気持ちよかったけど、心はモヤが晴れなかったな。部屋に帰ってみると、フロントにお願いしておいたトイレットペーパーも届いてなかったし。んー、観光は充実してたけど、サービスを受ける立場の人間としては最低の一日だったかもしれない。明日のレストランはもっとちゃんとしてるといいな。
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by alexsea | 2004-04-24 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 引きこもりの日 【フィレンツェ → ローマ】
引きこもりの日 【フィレンツェ → ローマ】 … 4月23日(金)

 朝9時頃ホテルをチェックアウトして、重い重い荷物を引きながらフィレンツェの駅に向かう。電車の予約チケットに座席番号が印刷されていないので、それを問い合わせなきゃいけないのでちょっと早く駅に着かなきゃいけない。もう前回2回のような落ち着かない電車の旅はイヤだよ。今度はちゃんとコンピュータで調べてくれて、その中にはちゃんと座席がリザーブされていることが記されている。窓口のおじさんも、なんで座席番号が印刷されてないのか不思議がってた。コンピュータに登録されてある座席番号をチケットに手書きで書いてくれて、やっと安心のできる旅を手に入れることができた。

 まったく椅子やベンチのない駅でずっと待った後、ローマ行きの電車に乗り込む。昨日のことがあるもんだから、以前にも増して警戒心が強くなってる。でも常時スキを作らないようにしているというのは、精神エネルギーを大量に消費するみたい。もう電車に乗り込んだときにはヘロヘロになってしまった。でもなんだか頭がフル回転してるような感じで、眠ることができないんだよね。ローマまでの約1時間半の電車の旅を終えた後は、タクシー乗り場でタクシーをつかまえる。ここで黄色いタクシーのカードを手に持ったおじさんが近づいてきて、どこに行くのか聞いてきた。白タクとかこういう呼び込みは信用してはいけないってことをガイドブックに書いてあったので、自分で運転手に言うからと相手にしないでいると、運転手は英語が喋れないよと言ってくる。ますます怪しい。でもちゃんと僕はホテルのアドレスを持っているので、タクシーに乗り込んで走り出すまで行き先を言わなかった。その怪しいおじさんも僕たちが乗り込むまでずっと近くにいたしね。なんかちょっとドライバーとも会話してたみたいだからボラれないかどうか心配だったんだけど、メーターもちゃんと動いてるし大丈夫だったみたい。スペイン階段の前を通ってHotel Mozartに向かった。

 Hotel Mozartはスペイン広場から徒歩10分以内の場所。場所的に便利なことを第一条件に選んだのでここになった。地下鉄の駅も近いしね。まだ部屋の用意ができてなかったので、大きな荷物だけを預けて、近くのレストランにランチを食べに行った。まだ最終的に部屋に入るまでは観光する気にならなかったので、ランチの後はホテルのフロントで部屋が用意できるまで待ってた。

 なんか精神的に疲れてしまったので、すぐに出かける気にならない。いきなり昼寝してしまうことにする。でもここのホテル、壁が薄いらしくて、廊下の音とかがすごく大きく聞こえてきてウルサイことこの上ない。ホテルの前の道の音も、まるで窓が開いているかのように入ってくるし。こりゃ夜寝るときには耳栓が必要かもしれないな。唯一いいことは、ホテルの道を挟んだ真向かいが音楽院らしいので、楽器を練習する音が聞こえてきてなんとなく新鮮な気分。

 ちょっと寝た後は、まだ休んでいる母を置いて、近くの散策にでかけることにした。まずはスペイン広場(Piazza di Spagna)。ここは本当にものすごい人出! 階段は人で埋め尽くされているし、階段を写真に撮っている人たちで、噴水の周りもスゴイことになってる。あまり人のいない朝に来るのがいいかもしれないな。階段は15年前には確かなかったと思われる花々で溢れていた。白・赤・ピンクのツツジの花が満開で、階段に色を添えていい。でもこれって本当は観光客をあまり座らせないようにするための作戦だったりするのかな? 『ローマの休日』でアン王女がジェラートを食べていたのは確か階段のワキに腰掛けてだった。今はそこには植物の鉢が置かれていて、座ることができない。

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イモ洗い状態のスペイン広場

 一しきり人ごみに揉まれた後は、スペイン階段の前の通りから一つ裏に入った、Via Marguttaという通りを歩いてみることにする。ここは『ローマの休日』で、新聞記者が住んでいたアパートがある場所。タクシーの運転手に“Via Margutta 51”って言ってたのを覚えてる。道のワキには「この通りはローマと全世界が持つ宝物です。綺麗に、そして魅力的に保つのに力を貸してください」との看板があって、落書き禁止、喧嘩禁止、ポイ捨て禁止のマークがついている。違反者は厳しく処罰されるそうな。そのせいか、この通りは本当にしっとりとした雰囲気に包まれていた。途中の建物のそばに、見事な藤棚を発見。こういうのを見ると心が落ち着いてしまう。Via Margutta 51の建物は改装工事中らしく足棚が組まれていた。プライベートなアパートらしく中に入ることはできないけど、入り口のドアが開いてて、そこから中をちょっとだけ垣間見ることができた。『ローマの休日』は僕が大好きな作品だけあって、ミーハーだけどなんだか感慨深い気分。

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Via Marguttaのサイン

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しっとりとして情緒溢れる通り

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キレイな藤棚

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Via Margutta 51は改装中

 ホテルに戻って、8時に予約してあるOtello alla Concordiaというレストランに出かける。ここはホテルから本当にすぐ近く。通りからちょっと入ったところに入り口があって、ちょっと落ち着いた気分のトラットリア。観光客が多かったけど、地元の人も食べに来てるみたい。僕たちは白ワインのボトル、前菜の盛り合わせを頼んで、僕はメインに子牛のサルティンボカ、母はローマ風子牛のシチューとトマトサラダを注文した。前菜の盛り合わせはプロシュートやサラミ、酢漬けのマッシュルームやアーティチョーク、チーズなんかが盛ってあって、軽い白ワインにとてもよく合った。僕のサルティンボカはシンプルなんだけど、非のつけどころのない味。イタリアの家庭料理の、どっしりとした自信みたいなものを感じさせてくれる一品だった。母のローマ風子牛のシチューも、肉がホロホロで本当に美味しかった! デザートのジェラート盛り合わせも文句のない味。これで全部で€48なんだから、とてもお得に感じてしまう。ここは絶対にオススメの店。

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Otello alla Concordia

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子牛のサルティンボカ…最高!

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やっぱりイタリアはジェラート

 帰りは母を連れてVia Margutta通りを歩いて帰る。51番地の建物はもう入り口が閉まってたけど、映画好きの母にもここは感慨深い場所だったらしい。「帰ったらまた映画を観てみなきゃ」って繰り返してた。

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夜の藤棚

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by alexsea | 2004-04-23 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 盗難未遂事件 【フィレンツェ】
盗難未遂事件 【フィレンツェ】 … 4月22日(木)

 やっぱりちょっと飲み過ぎてたみたいで夜中に起きて水をがぶ飲みしなきゃいけなかったのと、部屋の暑さでよく眠れなくて、ちょっと頭が重い目覚め。でも今日は史跡や美術館の予約満載の、フィレンツェを目一杯楽しむ日。頑張ってピシッとしなきゃ。

 朝食を食べた後は、まずはメディチ家礼拝堂(Cappelle Medicee)。8:15のオープンと同時に予約してある。でもオープン時にそこにいたのは僕たちと他に1グループだけ。オープンと同時のところは予約しなくてもOKかもな。ここの『君主の礼拝堂』は、残念ながら修復中らしく足場がかけられてたりしたんだけど、それでも大理石や様々な石をこれでもかってくらいに使ってる様には圧倒されてしまう。とにかく床だけじゃなくて、壁という壁や窓の周りまで、様々な色に輝く石だらけ。やっぱりスゴイ。新聖具室にはミケランジェロの有名な彫刻が置いてあって、ガイドブックに「あたかも天に昇るかのような錯覚を受ける」と書いてある通り、まるで雲の上の神々の住む場所に来てしまったかのような感じ。この感覚、好きだったなぁ。

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ミケランジェロのロレンツォ像と『黄昏』と『暁』(絵葉書より)

 これを見終わった後に、母がトイレに行きたいと言いだした。でも礼拝堂のトイレは清掃中のサインがついてて閉まってるし(開いてすぐに掃除するなよ)、時間が時間だけに外のバーもレストランも開いてない。緊急事態らしいので、仕方なくホテルまで戻らざるを得なかった。ホテルが近くて本当によかった。まー自然の摂理には勝てないよね。でも次の予約までの時間をこれで潰せたのでよかったのかも。

 お次はダヴィデ像で有名なアカデミア美術館(Galleria dell’Accademia)。9:30の予約をしてある。予約の方の列に並んでいると、後ろから団体が来て、僕たちを通り越して中に入ってしまった。あからさまに嫌な顔をすると、ガイドのおばさんは「あ、私たちはチケット持ってるの」とのこと。僕も手に持っている予約表を見せて「僕も持ってるんだけど」と言っても始まらない。ああいうガイドって神経が図太くなきゃやっていけないんだろうか、むかつくー。でもそのむかつきも、ダヴィデ像を見た瞬間に吹っ飛んでしまった。すっごっいー! 筋肉から血管から、石で造ってあるというのが信じられない。この圧倒的な存在感。やっぱりミケランジェロはすごいなんだなぁ。ずっと前から左手に何を持ってるんだろうって思ってたけど、なんか細くて長い布のようなものを持ってて、背中の方に垂らしてるんだね。これは実際に後ろに回ってみなければわからなかった。それにやっぱり右手がスゴイ。ゴリアテを倒すための石を持ってるらしいけど、ここから意思が感じられるような、なんともいえない波動が発せられているかのよう。いやはや、本物が見られて本当によかった。

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ダヴィデ像のお尻(絵葉書より)

 実はプランするときにちょっとミスしたのが、サン・ロレンツォ教会はメディチ家礼拝堂のすぐ裏なのに、10時にならないとオープンしないという事実。この中には、午前中しか公開されないというミケランジェロがデザインした階段や図書館があるらしいので、どうしても見てみたかった。アカデミア美術館の他の美術品をすっ飛ばして、そっちの方に向かうことにした。

 サン・ロレンツォ教会(San Lorenzo)はなんとなく質素な外観と内装で、ふつーの教会っぽいんだけど、感動したのがやっぱり図書館。所狭しと並べられたベンチ。天井にはギッシリと彫り物がしてあるし、一つ一つ違うステンドグラスもなかなか。昔の人はこんな場所で本を読んで勉強してたのかと、なかなか感慨深いものがあった。階段もなんとなくモダンなデザインがちょっとだけ入ったみたいな、不思議な感じだったし。この図書館の奥には当時の本を展示してある部屋があって、勝手に昔の本は文字ばかりなんだろうと思っていた僕は、色とりどりの装飾や絵が入った本に感動してしまった。活字を使ったみたいな本もあったり、手書きみたいなものもあったな。

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質素な外観のサン・ロレンツォ教会

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ミケランジェロデザインの図書館に続く階段

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とても豪華だけど厳粛な雰囲気

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ここに本を置いて勉強したんだろう

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天井にはこんな彫り物がぎっしり

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キレイに色づけされた本

 この後、膝が痛くなってきてるので美術館巡りはスキップしてホテルで休みたいという母は、途中でサンドイッチを買ってホテルに戻っていった。うん、無理してローマで動けなくなったりしたら大変だもんね。それに僕も自分のペースで見れるからいいかも。歩行速度を半分に落として歩かなくてもいいし(笑)。

 母を見送った後はサン・マルコ美術館(Museo di San Marco)に向かう。11時の予約。ここはかつて修道院だったところで、2階にはたくさんの部屋があって、一つ一つにフレスコ画が描かれている。フラ・アンジェリコの『受胎告知』がここでは有名なんだけど、じっと見てるとなんだか手抜きをしたようなところも見つかって、なんだかちょっとだけ微笑ましかった。聖母マリアと天使ガブリエルの対話に重点を置いたらしく、そこはものすごくキレイなんだけど、その対話にあんまり関係ないところ、例えば背景にある柵とかは、左側1/3はちゃんと上の三角形の所まで細かく描かれているんだけど、その右側は柵の上の三角形のところが黒く塗りつぶしてあったりして。あー、こういうスゴイ絵を描く人でも、やっぱり手抜きはしたいんだなって思えて、とても楽しかったりした(笑)。でもやっぱり一つ一つの部屋の中のフレスコ画はキレイだったぞ。ここはフレスコ画を楽しむのももちろんのこと、修道院の部屋を一つ一つ見て回るという、雰囲気を楽しむ的なところもあると思う。

 さて、ウッフィツィの予約がしてある午後2時まではまだ2時間ある。せっかく一人で歩きまわれるんだからということで、ドゥオーモのクーポラに上ってみることにした。10分ほど並んで中に入った後は、階段を上がる…上がる…上がる…。どひー、すんげーツライ。でも「あ、もうダメかも」って思ったくらいのときに踊り場があったり、他の階段に移ったりするので、足を極限まで酷使するって感じじゃなかったな。でもこれは母には逆立ちしたって無理だわ。途中で教会のフレスコ画のすぐ下を通るところに出るんだけど、ここからのフレスコ画の眺めは最高! 下からじゃよく見えなかった細々したところまで鮮明に見えて、地獄の場面のオドロオドロしいところなんかは鳥肌が立つみたいだったし。でもここの通路は一人分の幅しかないので、立ち止まると後ろの人全てを止めることになる。僕のすぐ前のおじさんはビデオカメラでフレスコ画を撮ってたので、僕はかなり待たなきゃいけなかった。待たせたらゴメンとかありがとうとか言えよ、おじさん。

 さてこの階段なんだけど、途中までは上り専用の階段だからいい。でも途中から上り下り両用になってしまって、上から降りてくる人波を待たなきゃいけない場面が何度か。交通整理でもやってくれりゃ楽だと思うんだけど、そういうところは人任せなんだよな。上って、ちょっと待って、上って、ちょっと待ってを繰り返して、やっとこさクーポラに登頂成功! 吹き出る汗が、上ってきた階段の段数がいかに多かったかを物語っていた。この頃になると気温も上がってきてるしね。いやー、ここからの眺めはやっぱり最高! どこまでも続くレンガ色の屋根。その中に所々に見える教会の丸屋根や鐘楼。彼方に見える緑色の丘。それにすぐ目の前に見えるジョットの鐘楼! やっぱりフィレンツェに来たらこの風景を見なきゃだな。母には後でビデオで見せてあげよう。ジョットの鐘楼の展望台って、クーポラよりもちょっとだけ低いみたい。それにたぶんフレスコ画を間近に見れるようなことなんてないんだろうから、やっぱりクーポラを選んで正解だったかも。

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さすがさすがの景色!
ジョットの鐘楼を望む

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結構怖いよう

 今度は上りの人々を避けながら、階段を下りる下りる下りる。ほとんど螺旋階段だから目が回りそうになるけど、やっとのことで地上に下りることができた。ウッフィツィまでにはまだ時間もあるし、お腹も空いたのでどこかでランチにしなければ。シニョリーア広場に向かう途中で、簡単そうなセルフ・サービスの店を見つけたので入ってみる。玄関に『地球の歩き方』の表紙が飾ってあった。どうやらガイドブックに載ってるホット・ポット(Hot Pot)という店のようだ。ここでマカロニのパスタとCoke Lightを頼んで、道際のテーブルに座って食べることにしよう。

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Hot Potでのランチ

 通りをちょっとした柵で区切ってあって、僕はその端っこのテーブルに座った。隣には4人のちょっとお年を召された観光客のグループ。通りに面する側に座ると、柵の間から荷物を取られたら困るな、ということで、その隣の観光客のグループに背を向けるように座り、ジャケットと荷物を内側の席の上に置く。マカロニパスタはセルフサービスの店としてはなかなかいい味を出してたと思う。人を眺めながら食べていると、柵の向こうの通り側から女の人にイタリア語で何か話しかけられた。「え?」というような顔をしていると、どんどん話しかけてくる。なんで僕みたいなアジア人にイタリア語で話しかけてくるんだとか思ったとき、“何か”が僕の頭を逆方向に振り返らせた。すると、テーブルと店の間に立って会話をしていたかのように見えたカップルの男の手が、僕のバッグに今にも届くかという位置にあって、僕が振り向いたのを知ってその手は急にバッグから離れていった。慌てて荷物を押さえて、いまだにイタリア語で話しかけてきている通り側の女を睨んでやった。その僕のバッグを盗ろうとしたカップルは、話をしながら何気なく離れていったし、通り側の女もいつのまにか消えていた。後ろの観光客のグループも見ていたらしく、一人が店の人を呼んで、あいつがバッグを取ろうとしていたというようなことを話している。何も盗られていないことを確認してから、心配そうにこっちを見ている店の人とその観光客のグループに、大丈夫、何も盗られていないということを伝えた。

 …いやー、本当にあるんだね、こういうことって。男一人、女二人のグル。いつも気を抜かないようにはしてるつもりだったんだけど、ちょっとしたスキがあったらしい。これを教訓にして、以前にも増してセキュリティを強化しなければ。パスポートとかは金庫に入れてあるから大丈夫だけど、財布の中にはクレジットカードも入ってるし、カバンの中にはビデオカメラも入っていたので、盗られたらかなり面倒なことになる。冷静だったけど、かなり内心ドキドキだった。でもあの時どうして振り向いたんだろう。別に話しかけてくる女が怪しいと思ったわけでもないし、荷物に伸びてくる手が見えたわけでもない。直感? 神様のお告げ? なんにしても感謝しなければ。

 前よりも固く荷物をガードしながらシニョリーア広場に向かい、ロッジア・デイ・ランツィ(Loggia del Lanzi)の中に座って時間を潰すことにする。ここは昔々、雨をしのぐ集会場所として造られた場所らしく、今は彫刻が何体も置いてある。ここの段に(荷物を抱えながら)座って、道行く人を見ているのは楽しい。目の前にある彫刻も、日常から全く離れた世界を作り上げてくれてたし。まだ時間もあったので、ヴェッキオ橋(Ponte Vecchio)の方にも行ってみた。人でごった返してたけど、アルノ川はすごく平和な雰囲気だったな。ロッジア・デイ・ランツィの前を通ってウッフィツィに向かうときに、さっきの男一人女二人の盗みグループを発見。のうのうと笑ってる奴らにすんげー腹が立ったけど、何もできやしない。僕の場合は結果的に大丈夫だったんだけど、もし彼らが成功していたなら、フィレンツェは僕にとって印象のいい場所ではなくなってしまう。いや、もう既に少し。あちこちに警察がいて取り締まりをやってるらしいんだけど、もっともっと頑張って、観光客にも安全な場所にしてほしいな。

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ヴェッキオ橋

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アルノ川は町の喧騒が嘘のようにのどか

 さて、フィレンツェの目玉といわれるウッフィツィ美術館(Galleria degli Uffizi)は午後2時の予約。チケットカウンターでチケットを貰ってから、予約者用入り口から中に入り、セキュリティチェックを受ける。あー、やっぱりここもカメラもビデオも禁止なんだね。残念だけどしょうがない。後で絵葉書でも買うことにしよう。ここは昔メディチ家のオフィスだったところらしいけど、大きな「コ」の字形の廊下の両側にはズラリと彫刻が並んでいて、一つ一つの部屋は華美な絵画で溢れている。美術史もまったく疎い僕はほとんど知ってる作品がなかったんだけど、それでもやっぱりボッティチェッリの『ヴィーナスの誕生』とか『プリマヴェーラ』は知ってた。ガラスの向こうにあって、なんかちょっと青く色褪せたように見えたのが残念。でも『プリマヴェーラ』の右側で微笑んでる女の人の顔がすごくミステリアスだとか、『ヴィーナスの誕生』の風の神のほっぺたは片方だけしか膨らんでなくてヘンな顔とか、そういうことは実際に大きな作品を見てみないとわからない。

 あと気づいたのが、『受胎告知』をテーマにした作品ってすごくたくさんあるんだね。それぞれに印象が違ってるのが面白い(セリフはLunatic Cafeの『うーさんのイタリア旅行記』からヒントをいただきました)。

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「えー? 私? 嫌だなあ」のマルティーニの『受胎告知』

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「よござんすね/よござんす」のレオナルド・ダ・ヴィンチの『受胎告知』

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「遠慮しときます/そこを何とか!」のボッティチェッリの『受胎告知』

 セリフを頭に思い浮かべると、不謹慎ながら笑ってしまうものばかり。ラファエッロの『ひわの聖母』は、「僕のひわだぞ、触るな!/あらあら、まあまあ」とか?

 美術史の知識が全くなくても、さすがに結構楽しめる場所だった。でもさ、『地球の歩き方』とかに載ってる、「見落とせないもの」「必見」ってどういう基準で書いてあるんだろう。有名なもの? きれいなもの? まぁそういう基準で見るのもいいけど、何も考えずに見て「これいい!」って思うのが一番なのでは。ボッティチェッリの『受胎告知』は他で見たことがなかっただけに、初めて見てセリフが浮かんできて笑い転げてたもん(笑)。

 1時間ちょっとかけていろいろな作品を見た後は、バッグをこれでもかというくらい厳重に抱えながら(笑)ホテルに戻り、お風呂に浸かって足の疲れを癒した。今日のディナーはミシュラン3つ星のエノテカ・ピンキオーリ(Enoteca Pinchiorri)。予約した後に、味やサービスの質が落ちたという感想をネット上の色々な人のレビューで読んだのでどうしようかと思ったけど、もう行くしかない。

 Enoteca Pinchiorriでのディナーの様子は、こちら

 フィレンツェ最後の日、盗難未遂でブルーになったときと、エノテカ・ピンキオーリでハッピーになったとき、両極端の感情が訪れた日だった。明日はいよいよ旅の最後の場所、ローマに行く日。よく眠れますように。
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by alexsea | 2004-04-22 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 贅沢な夕涼み 【ヴェネツィア → フィレンツェ】
贅沢な夕涼み 【ヴェネツィア → フィレンツェ】 … 4月21日(水)

 10:32分発のフィレンツェ行きの電車に乗るために、9:30頃ホテルを出発。やっぱり予約チケットに座席番号が書いてないのが気になるので、駅のインフォメーションで尋ねることにする。客が入ってきても振り向きもせずコンピュータと格闘している愛想のすごく悪いおじいさんに尋ねると、まるでバカにするかのように、ここが時間でしょ、ここが列車番号でしょ、とか一つ一つ丸をつけてくる。座席のところになると、ちょっと間が開いたものの、“2人分”という意味だろうと思われる02というところに丸をつけて、これが座席番号だという。ホントかよ~とか思いながら電車に乗ったんだけど、案の定02などという座席はない。みんな10以上99以下。仕方ないので電車が出発するまで待ってから、空いた席に座ることにする。他の人のチケットのトラブルを聞いているらしい車掌を捕まえて、どうなってるのと聞いてみると、彼も「これはおかしい。普通なら座席番号が印刷されているはずだ」と言っている。隣の車両に連れて行かれて、ちゃんと空いている座席に座らせてくれたからよかった。あー、でもこれはこのチケット発券会社にクレームをつけなきゃな。フィレンツェからローマに行く電車でも同じことを繰り返さなきゃいけないのか…。

 それとね、始点から電車に乗るときには、プラットホーム番号が表示され次第、即効でその車両の入り口に行って一番先に乗車することをオススメする。そうしないと、車両の端についている荷物置き場が一杯になってしまうし、満員の電車なら下手をすると頭上の荷物置き場まで誰かに取られているなんてことになりかねない。僕たちの場合は一番前にいたんだけど、荷物運びのおじさんが横入りしてどんどん荷物を置いていっていた。こりゃアカンというわけで、僕も負けじと乗り込んで、唯一残った荷物置き場に僕のバッグを置くことができた。

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窓からはどこかのブドウ畑?

 フィレンツェには予定通り午後1時半頃到着。晴天でぽかぽか陽気で、歩いているとはっきりいって暑い。部屋に着いたら着替えなきゃな。予約してあるHotel Parisは駅から徒歩約10分ほどのところにある。僕たちの部屋は4階。…でもなんとここのエレベーター、改装中で使えないらしい! 僕はいいけど、母にとってはここの階段の上り下りは大変だよー。そのせいなのか何なのか、部屋はジュニアスイートみたいなところでデカイ! ベッドも大きいのがちゃんと二つあるし、バスルームも二つある。天井も高くてアーチになってるし、天井の端の方に昔のペイントが見える。たぶん昔はこういうのが書かれていたってのを示すために、改装のときにもそこをワザと残したんだと思う。まさかヨーロッパでこんな広いところに泊まれるとは思ってなかった。スタンダードルームを予約したんだけどな。チェックアウトのときに高い料金を請求されなきゃいいんだけど(ちゃんと大丈夫でした)。

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Hotel Parisの広い部屋!

 荷物を置いて一息ついた後は、ランチ&観光に出かける。ドゥオーモ広場まで歩いて行って、ドゥオーモの壮大さや洗礼堂に感動しながら中に入ろうとすると、母が「お腹空いたよ」とのこと。そういえば興奮してて感じなかったけど、朝食から何も食べてなくて今は2時なんだよな。ってわけで、洗礼堂のすぐ道を渡ったところにあるピザ屋に入って、お腹に何か入れることにする。今日は7時半に夕食の予約をしてあるから、あまり満腹になってもダメなんだけどね。

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ピザで簡単に昼食

 さてお腹がふくれた後は、とにかく素晴らしい装飾のドゥオーモ・花の聖母教会(Duomo/Cattedrale, Santa Maria del Fiore)に入ってみることにする。中に入ると、ひんやりとした涼しい空気と、巨大な建物から来る荘厳さが身を包む。『最後の審判』のフレスコ画もスゴかった。たぶんヴァティカンのシスティーナ礼拝堂のヤツはもっとスゴイんだろうけど、これも圧倒的な迫力があって、しばしの間見入ってしまった。しかしこの建築物、外の豪華さと中の質素さの差が激しいかも。その後は洗礼堂(Battistero S. Giovanni)に入ったんだけど、ここの天井にあるモザイクも金色に輝いていてスゴかった。宗教のパワーだぜ。ドゥオーモのクーポラ(丸い天井部分)かジョットの鐘楼(Campanile di Giotto…これもデザインがスゴイ)に上りたかったんだけど、いかんせん68歳の母に500段もの階段を歩いて上れというのは酷な注文。もしかしたら明日美術館巡りをした後に一人で上りにいくかもしれない。

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ドゥオーモはデカすぎてフレームに入りきらない…

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ドゥオーモの中のフレスコ画

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洗礼堂の『天国の門』

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ここの天井の絵も素晴らしかった

 サンタ・クローチェ教会に向かってドゥオーモ広場を離れたのはいいけど、なんだかクシャミが頻繁に出てしまう。中がヒンヤリしてたから、汗が冷えたのかなとも思ったんだけど、そのうちクシャミが止まらなくなって、鼻水も出て、目も激カユになってきた。…来たよ、また、花粉症が。そういえばパリでは花粉症の症状があったけど、ヴェネツィアではなかったな。一応用心のためにと、アレルギーの薬を毎晩飲んでるんだけど、その効き目を凌駕してしまうくらいの酷さらしい。今これを書いているときも、両目が真っ赤っ赤。パリに着いたときに、花粉症を追いかけてるみたいだなんて冗談で書いてたけど、冗談にならなくなってきたんですけど。これにあの咳を足すと、もうほとんど三重苦状態? もうたまりませーん。出発前の腰の痛みがなくなったのはよかったけどね。

 サンタ・クローチェ教会(Santa Croce)は、フィレンツェ最古の広場であるサンタ・クローチェ広場に面している。なんとなくのんびりとしたいい雰囲気。でもやっぱり中に入ると、重鎮な空気に身を包まれる。ここにはミケランジェロやガリレオ・ガリレイなんかの墓が納められているらしいんだけど、それはやっぱり一般公開はされていないのかな、見つからなかった。ここの金色のレリーフ『受胎告知』は有名らしい。このテーマってウッフィツィにも山ほどあるらしいから、明日を期待しちゃおう。この教会には中庭があって、緑と鳥の声に溢れていて、とても平和な情景だった。付属美術館もサッと通り抜けただけなんだけど、歴史に興味のある人には面白い場所なのかも。

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サンタ・クローチェ教会

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内部は修復中らしく足場がかけられていた

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『受胎告知』

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爽やかな中庭の回廊

 そろそろ歩き疲れてきたので、シニョリーア広場(Piazza della Signoria)を通ってホテルに戻ることにする。シニョリーア広場にはポセイドンの噴水とかがあって、観光客の写真の的になってた。ダヴィデ像のコピーもこのワキにあるんだけど、なんか周りが修復中らしくて鉄のパイプが組まれてた。この広場いいなぁ。明日時間があったら、ここらへんをブラついてみたいもんだ。

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シニョリーア広場のネプチューンの噴水

 途中でジェラートなんかを買って食べたりした後、ゼーゼー言いながら階段を上ってやっと部屋に辿り着き、ベッドで少し休んだ。なんだか充電・観光・充電・観光を繰り返してるみたい。年を取った母はともかく、僕まで休憩が必要なのは一体どういうわけだ。それだけ僕も年を取ったってことですか?

 今日の夕食はIl Latini。ここでのディナーの詳細は、こちら

 ディナーにすっかり満足して、お土産にVin SantoとCantucciniも買ってからホテルに戻った。部屋がすごく暑かったので、窓を開けて夕涼み。目の前に見えるレンガ色の屋根、その向こうにはサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の鐘楼が見える。星もいくつか見えて、とてもいい気持ち。あー、こんなゆったりとした時間、贅沢だよなぁ。

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ノンビリとした、フィレンツェの夕べ

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by alexsea | 2004-04-21 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: ドクターの往診 【ヴェネツィア】
ドクターの往診 【ヴェネツィア】 … 4月20日(火)

 朝8時ごろ起床。ホテルで朝食を食べた後、午後に医者を呼んで貰いたいということをフロントに伝えてから、サン・マルコ寺院に出発。今日は昨日よりも晴れていて、青空が見えていて気持ちいい。

 サン・マルコ寺院(Basilica di San Marco)は9:45に開く。30分以上前なのに、もう結構人が並んでた。でも昨日ほどの寒さじゃないので、この中で待つのは苦じゃない。サン・マルコ広場には、ハトがもうイヤってほどいる。餌を€1で売ってるおばさんやおじさんがいて、彼らが時々餌をパッと投げているからハトが始終集まってるみたいだ。映画『メリー・ポピンズ』の中の“Feed The Birds”っていう、僕が大好きな曲が頭の中で流れ始めた。そんなにずっと食べるものをあげ続けて大丈夫なのかなとか思ってハトを見ると、案の定丸々太った鳥ばかり。まぁ食べるものが一杯あっていいとは思うんだけど、あれで健康を壊さないでほしいな。列が動き始めて寺院の横にあるサインを読むと、肩掛けのバッグとかは持って入れないということが書いてある。寺院の近くに無料で預かってくれるところがあるらしいので、母に待っててもらって、僕はダッシュでそこまで行ってバッグを預けてきた。前に中学か高校生くらいのイタリア人の集団がいて、彼らはみんなバックパックを持ってたので大丈夫なのかなと思ってたら、案の定入り口の所で止められて横に出されてた。可哀想だったけど、その分僕たちが静かに見学できるのでラッキー(笑)。

 サン・マルコ寺院はさすがにみんなが並ぶくらい素晴らしい壮大な場所だった。写真・ビデオ撮影が禁止だったんで、お見せできないのが残念。でも宝物館とパラ・ドーロ(Pala d’Oro)はもっとスゴかった。宝物館には宝石でキンキラなものがたくさんあったし、パラ・ドーロは見た瞬間に息を呑む美しさ! これは金を払ってまで見る価値はあるよ。金で縁取られた様々な聖人の絵(だと思う)、その周りに散りばめられた宝石類。ライトを反射してキラキラ輝いていた。これは絶対に見るべし。一個欲しいな、ああいうの。

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サン・マルコ寺院の内部(絵葉書より)

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キンキラキンなパラ・ドーロ(絵葉書より)

 目がキンキラキンになった後は、サンティッシマ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会(Ss. Giovanni e Paolo)に歩いて行くことにする。地図が小さいので道に迷わないかなって不安だったんだけど、有名な所ってちゃんとサインがついてるんだね。“Ss. Giovanni e Paolo”って書いてあるサインに従って行けば、ちゃんと着くようになってる。ここも豪華な教会で、ヴェネツィアングラスの粋を結集させたステンドグラスが有名な場所。確かに単なるステンドグラスではなく、なんとなく三次元的な感覚がある。一つのガラスの中にも色の濃淡があって、それが立体的に見せているらしい。これはなかなかスゴかった。ちょうど教会の中を一周して出口に向かおうかとしているときに、僧侶が他の観光客に「そっちに行っちゃダメ」って言ってるのを見た。え? 僕たち今そこから来たのに、と思ってたら、教会の入り口から花を乗せられた棺を持った人々が入ってきた。どうやらこれから葬儀が始まるらしい。ちょうど見終わった後でよかった。こういう実際の葬儀の場面になんて滅多に出くわせないもんだから、なんか不謹慎かもしれないけど、ちょっとだけラッキーとか思っちゃった。

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サンティッシマ・ジョヴァンニ・エ・パオロ教会

 違う道をゆっくりゆっくり歩いてホテルに戻りちょっと休んで、また昨日の昼に行ったセルフサービスの店に行くことにした。僕はマッシュルームピザ、母はラザニアをゲット。マッシュルームピザは美味しかったけど、ラザニアは油っぽくて味もそっけなくて、電車の中のラザニアといい勝負だった。

 ランチの後はホテルにまた戻り、フロントで医者のことを聞いてみる。午前中は捕まらなかったけど、またもうすぐ電話をかけてみて、連絡がついたら部屋に電話をくれるという。んで部屋で30分ほど待っていると電話が来て、医者が今部屋に向かっているとのこと。まさか部屋に往診に来てくれるとは思わなかったのでちょっと慌てたけど、出かけなくていいから楽かもしれない。来たのは英語の通じるDott. Sparla Micheleというドクター。胸の痛みのことを聞いてきたから、それはないというと、「なんだ、心電図計持って来ちゃったよ」って言って笑ってた。肺から音がするということを言って調べてもらったんだけど、音は今は聞こえないらしい。僕も昼間は音が聞こえないなって思ってたんだ。咳もあまり出ないし。夜になると咳は出るし音も聞こえるってことを告げると、もし肺炎や気管支炎だったらいつも音が聞こえるらしい。熱は36度7分。ちょっと僕の平熱よりも高い気はするけど、これだったら平熱のレンジだよね。咳止めは今使ってるのでいいので、もっと肺の中のゴミを出すような薬の処方箋を書いてくれることになった。んで、もし熱がこれから上がってしまったときのために、熱さましと抗生物質の処方箋も書いてくれた。これは今に今必要なわけじゃなくて、もしイタリアを旅行中に必要になったらという、万が一のため。診察代は€160。往診に来てくれるなんて思ってなかったから、まだ銀行に行ってない。手元には€60しかないのでUS$でもいいかと聞くと、それでもOKだというので、US$200を支払った(ギリギリセーフ)。ドクターが出て行ってから領収書を書いてもらうのを忘れたのに気づいて、ホテルの玄関までダッシュで行ってドクターを捕まえて書いてもらった。快く承諾してくれたのでよかった。まぁ大きな進歩はなかったものの、診てもらったということが安心につながるし、薬もあるのでこれから良くなると思う。うーん、これで旅行中にドクターにかかるのは、ニュージーランドで耳の炎症を見てもらったときに続いて二度目だ。三度目はないことを心から祈ろう。ホテルのフロントでドクターを呼んでくれたおじさんに、感謝の意味で€10を渡して部屋に戻った。

 薬局はシエスタのため今は閉まってるらしいので、ちょっとだけまた休んでから今度は一人で外に繰り出す。まだ3時半を過ぎてもまだ薬局は閉まってたので、サン・マルコ寺院の方まで行って色々と写真を撮ったり、リアルト橋近辺の店を見たりした後、やっと開いた薬局に行って薬をもらってきた。ふう。本当にこれでよくなるといいんだけど。

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裏通りの運河と

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リアルト橋から見た大運河

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サン・マルコ広場はハトでいっぱい

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ランプの上もハトだらけ

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サン・マルコ寺院の上には紀元前からの青銅の馬たちが

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青空に金色がよく映える

 今夜はヴェネツィアで唯一のミシュラン星つきレストラン、Da Fioreを7:30に予約してある。

 Da Fioreでのディナーの様子は、こちら

 ヴェネツィアの夜はひっそりとしていて、観光客で満員の昼間とはまるで違った顔を見せてくれる。静かな裏路地に響く水の音。満潮に向かっているみたいで、大運河の水位がすごく上がっていた。ライトアップされてキレイなリアルト橋から写真を撮ったりして、気持ちいい気分のままベッドに倒れこんで寝てしまった。

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夜のヴェネツィアには水音だけが響く…

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by alexsea | 2004-04-20 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 水の都ヴェネツィア 【ミラノ → ヴェネツィア】
水の都ヴェネツィア 【ミラノ → ヴェネツィア】 … 4月19日(月)

 朝起きて咳をすると、なんだか変な匂いがする。痰が出るとかそういうんじゃないんだけど、今までの咳とは明らかに違う妙な匂い。んー、やっぱりちょっと炎症起こしちゃってるのかな。また肺から音が聞こえるようなことがあったら、ホテルで医者を紹介してもらって診てもらわなきゃ。

 朝食をとった後は、ヴェネツィア行きのIC611という電車に乗るためにいざ中央駅へ。ここでも出発直前にならないとプラットホーム番号が表示されないみたいだ。待ってる間に水のボトルと、薬局で咳止めのシロップを一応買ってきた。ホーム番号が表示されたので電車に乗ってみると、指定された車両はもうかなり一杯一杯。コンパートメントを探して前に進んでると、前から荷物を持った人たちが来る。狭い廊下ですれ違ってるときに、後ろの方から日本人の男の声で「すみませーん、前に進んでくださーい」。あのねー、進めるもんなら進んでるよ? どっちも大きな荷物抱えた人たちがすれ違おうとしてるんだから、どっちかがコンパートメントの中に入るかして道を譲らなきゃならないじゃん? 状況をよく見てからそういうことは言ってくださいな。

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ミラノ中央駅

 僕たちが乗るべきコンパートメントにももう4人の男の人たちが座っていて、僕たちの荷物の置く場所がない。仕方がないので僕たちの荷物はコンパートメントのすぐ外の廊下に置かなきゃならなかった。でも電車が発車するまでには荷物を持った人たちが通るので、大きな荷物を持った人にはバッグをどけてあげなきゃいけないんで、気が気じゃなかった。発車してからもジュースとかの売り子が来たときに、カートのために荷物をどけなきゃいけなかったし。おまけにイタリア人のおじさんが乗ってきて、ここは僕の席だと言ってくる。確かに彼の切符を見てみると、僕が座ってる席の番号が書いてある。えー? 僕の予約チケットには列車番号と何号車かっていうことと、コンパートメント番号しか書いてなかったぞ。そのおじさんは「ここにいろ」っていうジェスチャーをして、隣のコンパートメントの空き席に移ってくれたからよかった。TGVの移動とは違った意味で、気が休まる旅じゃなかった。半分くらいヴェネツィアに近づいたときに2人降りたんで、他の人の荷物をちょっとつめてもらって、僕たちの大きな荷物を頭上に置くことができた。はー、これでやっとちょっとは気が休まる。

 ヴェネツィアには12時過ぎに到着。ヴァポレットに乗ってリアルト橋で下車。水の色は白みがかった緑色。そういえば15年前の卒業旅行で来たときに感じたあの臭さがないなぁ。やっぱり観光地だということで、水をキレイにする運動でもやっているんだろうか。僕たちの泊まるHotel Rialtoは文字通りリアルト橋のすぐ横。ヴァポレットで降りた真正面にあった。すぐにチェックインして、まるで迷路のようなホテル内を上ったり下りたりしながら部屋に到着。なんだかちょっと少女趣味っぽい部屋で、ミラノのホテルからの落差が激しかった。女の子はこういうの喜ぶかもしれないな。

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ヴァポレットで大運河を行く

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Hotel Rialtoの部屋
ちょっと乙女チック?

 顔を洗ってリフレッシュした後は、お腹も空いたことだし、まずはランチを食べに行こうということになる。ホテルを出てすぐのところに、セルフサービスの店があった。ピザが店先で売られているので、それを買って道で食べてる観光客も大勢いる。美味しそうだったのと、もうあまり歩いてレストランを探すのもイヤだったので、ここで買って中で食べることにしてしまう。僕はペパロニピザ(€3)を食べたんだけど、ちょっとピリッとした辛さがあって美味しかった。でも15年前のローマで食べたピザのような感動はなかったけど。

 ピザでお腹が一杯になった後は、道のサインに従ってサン・マルコ広場(Piazza San Marco)まで行ってみる。さすがに観光客が多くて、特に団体が通るときには、まるで信号が青になるのを待っている歩行者のような気分になってしまう。道の両側には土産物屋が満載。ヴェネツィアの経済って、観光があるからこそ成り立ってるんだろうなぁ。サン・マルコ広場も人で埋め尽くされていた。あー、でもこの広場の開放感。いいなぁ。15年前のことをあまり覚えていないせいか、とても新鮮に感じられた。風がちょっと冷たくて寒いんだけど、すごく気持ちがいい。溜息の橋を見た後は、サン・マルコ寺院は長い列ができていたので明日の朝にまわすことにして、ドゥカーレ宮殿に入ることにする。

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サン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が見える

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溜息の橋

 ドゥカーレ宮殿(Palazzo Ducale)は写真もビデオ撮影も禁止だったんで絵がないんだけど、はーなるほどねーくらいの場所だった。謁見の間とか、大評議の間とかの迫力はやっぱりスゴかったけど。一番よかったのは、溜息の橋を渡って牢獄の方に行けたこと。囚人がここを通って牢獄に行くと、もう二度とこの世に戻ってこれないという嘆きから、この橋の上で溜息をついたというのがストーリー。僕もちゃんと小窓から外を見ながら溜息をついてきた(笑)。牢獄はなんか普通っぽかったけど、やっぱり溜息の橋を渡るってのが一番のポイントかな。あー、そうそう。この橋を渡る前に、日本人のおばさんが「ねえ橋ってまだかしら? どこどこ? この先かしら?」とか大声で騒ぎながら駆け抜けていった。おばさんパワーって、21世紀になってもまだ健在なんですね。

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ドゥカーレ宮殿出口の像

 ドゥカーレ宮殿の後は、鐘楼(Campanile)に人が並んでなさそうだったんで、そっちに行ってみることにする。エレベーターに乗って鐘楼の上に行くと、360度の大パノラマ! もちろん金網が張ってあるんだけど、ここからのヴェネツィアの景色は最高! 風がすごく強くて寒かったけどね。パノラマを写真に収めるのに夢中で、最後の最後でエレベーターで下りる直前まで、上に鐘がぶら下がってるのに気づかなかった。“鐘楼”に登ったのに(笑)。下りるエレベーターの中で、エレベーターを操作してるおじさんが母に「イタリア人?」とか聞いてる。僕がNoっていうと「あんたは日本人、彼女はイタリア人~!」とかいいながら母の肩を抱いたりしてる。ふざけてるつもりなんだろうけど、なんだかどう反応していいのかわからなくて(乗ってる人全てがそうだったと思う、なんか空気が固まってたもん)、ただ微笑んでることしかできなかった。

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鐘楼から見たサン・マルコ広場

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本当に島なんだなって感じ

 この後はサン・マルコ広場の周りにある店をちょっと見たりした後、ホテルに戻って昼寝した。なんか体全体がだるい感じだったんだけど、1時間くらい休んだら元気になったので、まだ寝てる母を置いておいて、旅行記なんかを書いてた。

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サン・マルコ寺院

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こういう路地裏の景色、僕は大好きだ

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リアルト橋

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…の真ん前のHotel Rialto

 今日の夜はどこのレストランも予約してない。いくつか候補はあったんだけど、コーラスの幹部の一人で旅行好き食べ物好きのMikeが、「ヴェネツィアに行くんだったらTrattoria alla Madonnaがいいよ」って、旅行に来る前に教えてくれた。このレストランは候補リストの中に入ってたんで、行ってみようということになる。ガイドブックには「要予約」って書いてある。パリのLa Ferronerieの一件もあったんでフロントのおじさんに「ここって予約しなきゃ入れない?」って聞いたら、「ここは唯一予約できない場所なんです」とのこと。それに8時前に行けば余裕で座れるそうな。この時点で7時15分だったので、それじゃ安心だ。

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Trattoria alla Madonna

 Trattoria alla Madonnaは、リアルト橋を渡った、ホテルのすぐ対岸にあった。入るとすぐシーフードの匂い。日本語メニューと英語メニューをもらって(ル・ブリストルの二の舞はイヤなので)、アピタイザーにプロシュートを、僕はスパゲティ・ボンゴレを、母はビーフステーキを注文した。出てきたプロシュートはなんとなくオレンジ色がかってて、口の中に入れてもなんか硬いし、とろけるような感覚もない。うーん。スパゲティは頼みもしないのに2人分に分けて持ってくるし。まぁスパゲティは美味しいことは美味しかったけど、全然特筆するほどのこともなかったな。変に観光客ズレしてるっていう空気が感じられた。まぁ白ワイン1本を母と二人で空けていい気分になってたからよかったけど。お値段はトータルで€70。

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なんとなくオレンジ色でちょっと硬い気が…

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スパゲティ・ボンゴレ

 気持ちよくホテルに帰ってベッドに入ると、やっぱり咳が出始める。また肺からあの妙な音が聞こえるし。これは明日、早速ホテルの人に頼んで医者を紹介してもらわないと。これがひどくなって旅行が台無しになったら後悔しきれない。
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by alexsea | 2004-04-19 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: これが伝統の鴨料理ねぇ 【パリ → ミラノ】
これが伝統の鴨料理ねぇ 【パリ → ミラノ】 … 4月18日(日)

 朝起きると、体がだるいことに気づく。夜は暑くてシーツを跳ね除けちゃうんだけど、明け方はものすごく寒くなって、それで体調を崩してしまったらしい。もしかすると、しつこい咳のせいかもしれないし。外は雨がざんざん降ってて、かなり寒い。まぁ今日は午後2時過ぎの電車でイタリアに行くから、別に雨が降っててもいいんだけどね。

 最初はクリニャンクールの蚤の市に行こうと思ってたんだけど、遠いし寒いしこんな雨じゃ楽しめないだろうし、というわけで、ホテルの前の通りで日曜日に開かれるラスパイユ(Raspail)の市場を見に行くことにした。ここは野菜や魚、果物やチーズなんかを売っている市場で、地元の人たちが買いに来ている様子。美味しそうなチーズもあったんで買ってみたかったんだけど、ここで買っても食べられないだろうし。仕方ないので一通り見た後はおとなしくホテルに戻ることにした。

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寒い中でも市場は開く

 11時半ごろチェックアウトして荷物を預ける。実はパリの2日目に外から帰ってきたら、僕のバッグも母のバッグも、ジッパーの位置がずれていたってことがあった。メイドか誰かが明らかにバッグを開けたらしい。貴重品は金庫に入れていたんで何も盗られたりはしてなかったんだけど、やっぱり気分が悪い。特にLutetiaは一応4つ星ホテルの一つなんだから、本来こんなことがあっては絶対にいけないはず。チェックアウトの時に「ちょっと個人的に話があるんだけど…」と係の人を呼び出して事情を説明すると、ルームクリーニングのマネージャーにも話してほしいと言われ、紹介された。一応こういうことがあったってことを知ってもらいたいと思って、と彼女に告げると、「本当に申し訳ありません。とても重要なことなので言っていただけて嬉しいです」とのこと。あの後ちゃんと調査してくれたことを祈ろう。

 今日は12時にラ・トゥール・ダルジャン(La Tour d’Argent)でランチを予約してある。地下鉄で最寄り駅まで行って玄関に行くと、11時45分なのにまだ開いてない。仕方ないので近くのカフェでちょっと時間を潰してから行くことにした。ラ・トゥール・ダルジャンは400年以上前に創業した鴨料理が有名なレストラン。ちょっと前までミシュランの3つ星を保っていたんだけど、1996年に2つ星に降格されてしまった場所。降格されたときには、レストランのオーナーはかなり憤慨したらしい。降格の理由は、昔からの味のみを守り続けていて革新性がないとのことらしい。

 La Tour d’Argentでのランチの様子は、こちら

 タクシーを呼んでもらって、ホテルでバッグを乗せた後、車をリヨン駅(Gare de Lyon)に向かわせる。駅の直前で渋滞に巻き込まれてどうしようかと思ったけど、なんとかOKだった。駅に着いたのは出発の約20分前。この時点ではTGV9247のミラノ行きは、まだプラットホーム番号は表示されてなかった。まずユーロ・パスに有効期限を書き込んでもらってスタンプを押してもらわなきゃならない。帰ってみるとやっとホーム番号が表示されていたので、早速電車に乗り込む。…んだけど、僕たちの車両はなんと一番前! 18両もある電車を横に見ながら、なんとか最前車両に乗り込んだのが出発5分前。いやー、ちょっとだけ焦った。でも実際には出発は10分くらい遅れたんだけど(笑)。

 電車は約7時間の旅。席のすぐ前に3~4歳くらいの男の子を連れたイギリス人の夫婦が座ったから、あちゃーとか思ってたんだけど、この男の子、予想を裏切らずにずっとずっと、ずーっと騒いでいてくれた。もうとにかくハイパーもいいとこ。喋りっぱなし、騒ぎっぱなしで、親も休まる時間がない様子。「お前のOFFスイッチはいったいどこにあるんだ?」みたいに笑いながら言ってたし。でも放任主義じゃないみたいだったので、男の子の声がちょっとでも大きくなると静めたりして、周りにも気を遣う人たちだったので好感が持てた。それにしてもあの男の子、ちょっとハイパー過ぎ。心の中で「眠れ~眠れ~」ってずっと願ってたもん。眠ってくれなかったけど。

 そんなこんなでほとんど眠れなかったので外の風景を見たり、食堂車に行ってラザニアを買ってきたりしてた。このラザニア、電子レンジバージョンだと思うんだけど、とても美味しいとは言えないシロモノ。でも何かお腹に入れておかなきゃ酔ってしまうかもしれないので、仕方なく食べてた。風景は結構良かった。ちょうど菜の花が咲き乱れるシーズンらしく、緑の草原一面に広がる黄色のカーペットは息を呑むほどキレイだったし、イタリアとの国境近くには雪を被った高い山々が連なっていて、今までとは全く違う風景を作り出していた。フランス最後の駅で、パスポート検査官が乗り込んできて簡単な入管チェック。さしたるイベントもなく、電車はミラノ中央駅(Milano Centrale)に夜9時15分ほどに到着した。

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電車の中からは牧歌的な風景が見える

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まずいラザニア

 さて、ミラノのホテルは駅の近くのStarhotel Andersonを予約していたんだけど、これが具体的にどこにあるのかは知らなかった。駅の東側にあることはネットでチェックしてたんで、電車を下りてからすぐに東側に出ると、駐車場を挟んだ向こう側に“Starhotel Anderson”の文字が。ホッとした。中央駅って夜は治安が良くないみたいなことも聞いてたんで、すぐにホテルが見つからなかったらどうしようと心配してた。

 ホテルはまるでアメリカにあるW Hotelみたいな感じで、全てがモダン系インテリアに統一されている。部屋もとてもモダンな感じで、新しいホテルだっていう気合いが入りまくってる感じ。こういうインテリアは個人的に好きだから嬉しかったな。お風呂に入って疲れを癒し、さて寝ましょうかという時になって、咳が止まらなくなった。それになんかよく聞いてみると、肺から変な音が聞こえるみたい。ヒューヒューいう音と、なんか小さな泡がはじけるようなパチパチというような音。肺から音が聞こえるなんて、小学校3年生の時にかかった気管支炎以来だったもんだからビックリ。母が持っていた風邪薬に咳を鎮める効果があるらしいんで、それを飲んでちょっとしたら少しは良くなって眠れたけど。でもあの奇妙な音のせいですごく心配になってしまった。あー、なんで旅行中に限ってこういうことが起こるかなぁ。ひどくならないうちにどこかで医者に診てもらった方がいいかもしれないな。

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ホテルのロビーエリア

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こういうシックなインテリア、好きなんだ~

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by alexsea | 2004-04-18 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
フランス・イタリア食べ歩きの旅: 自分の目線でのパリ探索 【パリ】
自分の目線でのパリ探索 【パリ】 … 4月17日(土)

 パリ3日目。ざんざん降りってわけじゃないけど雨が降ってる! この日は美術館巡りの予定だったから、雨でもまあ構わないといえば構わないんだけど、寒いし、なんかちょっとヤだよね。ルーブル美術館(Musée du Louvre)が開く9:30に合わせてメトロで行ったんだけど、メトロからの入り口が閉まってる! 係の人も「ここはダメダメ」みたいなジェスチャーしてるし。むー、仕方がない。ピラミッドから入りますか。開館直後だということもあってほとんど並ばずに済んだんだけどね。それにカルト・ミュゼを持ってるからチケットを買う必要もないし。

 母はあまり美術には興味がないらしかったんだけど、中に入って大きな絵を見た瞬間「うわー!」と感激の声を上げていた。ここではお約束のモナリザを最初に見学。母曰く、「もっと大きいのかと思ってたけど以外に小さいのね。それになんか暗い感じ」だそうな。大きさはともかく、色合いはちゃんと修復されているんだろうから、描かれた当時もこんな感じだったんだろうな。でも確かに、この絵の暗さとモナリザの微かな笑顔が、ちょっと不気味な感覚を醸し出している気がするよな。

 この後はナポレオン三世の居室を見に行った後、僕が見たことのないハムラビ法典を見に行った。これは「目には目を、歯には歯を」で有名なものらしいんだけど、ただの石の塔のようなもので、単に「ふーん」って感じだった。歴史とかもっと知ってたら、こういうのも感慨深く見れたのかもしれないけどね。

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ハムラビ法典

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ミロのヴィーナス
今度は横から撮ってみました

 有名どころだけを駆け足で回った後は、カフェで一休み。母は絵画に興味がないらしいので、予定していたオルセー美術館はパスすることにした。僕は去年じっくり見たし。そのかわり、僕が行ったことのないピカソ美術館(Musée Picasso)に付き合ってもらうことにする。ピカソという人については、「ちょっと精神を病んでいて最後には自殺しちゃった、変な絵を描く人」くらいの知識しかなかったんだけど、やっぱり色々な作品を集めてあるとスゴイね。いわゆる“普通の”絵を描いていた若い時代から、どれが目でどれが口かもわからないような絵を描くまでの変遷がとても面白かった。中でも、子供の乗った小さい車を押す女の人の彫刻(っていうか何て言うんだろう。鉄で作られたアート)が、とても僕にとっては印象的だった。子供も女の人も機械的で、まるでロボットのような感じ。でもその中になんかヒューマニティーを感じさせてくれるみたいで、しばし目を奪われて見入ってしまった。写真もビデオも禁止だったから中の風景は撮れなかった。残念!

 ピカソ美術館から出た後は、マレ地区を散歩しながらメトロの駅に向かう。途中で無印良品のMujiを見つけて、そこでいいジャケットを見つけたもんだから、さっそく買ってしまった。その後は途中で見つけたベーカリーでサンドイッチを買って、ホテルでランチとして食べることにした。あ、そうそう。場所はよく覚えてなかったんだけど、去年年越しをしたLe Tresorというレストランを歩き回ってるうちに発見。懐かしかった!

 ホテルに帰ってサンドイッチを食べたんだけど、やっぱり美味しいよう。フランスのサンドイッチって、どうしてこんなに美味しいんだろう。やっぱりパンが違うんだよな。最後まで食べると顎が痛くなっちゃうけど、本当に美味しくて幸せになっちゃう。サンドイッチを食べた後は約2時間の昼寝。やっぱり母を連れて歩いているということで気を遣うのか、体力も精神的なエネルギーも、もう底をつきかけているという感じ。とにかく体が重くて、こんなんじゃ何もできない。こんな時には昼寝が一番。

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昨日のランチとは雲泥の差
でも美味しい

 昼寝をした後は、まだ休んでいる母を置いて、一人で散歩に行くことにする。まずはホテルの近くにある奇跡のメダル教会(Chapelle Notre-Dame de la Médaille Miraculeuse)から。ここではミサをやってたから中には入らなかったんだけど、敬虔なクリスチャンの友達Bettyと母に、それぞれ一つずつメダルを買ってきた。その後はサン・ジェルマン・デ・プレ教会(St-Germain des Prés)まで歩いて行く。なんかね、歩いてるときに思ったんだけど、やっぱり人を案内してると自分の観光はできない。一人で歩いてるときに初めて、あー旅行に来たんだな、観光してるんだなっていう気持ちになったのが面白かった。自分の目線で、自分のペースで街を見なければ、僕自身の観光にならない。そういう意味で、母のガイド役から離れての一人散歩は、心のエネルギーを充電するいい時間になったと思う。サン・ジェルマン・デ・プレ教会でちょっとだけミサを見た後は、市庁舎のあたりからマレ地区に抜けてまたブラついてみたりした。この辺りは楽しいブティックとか小物を売ってる店とかあって、とても楽しい。この頃になると雨は上がって晴れ間も見えてたし。ホテルのすぐ裏のポワラーヌ(Poilâne)という店で、明日の朝食用のパンを買ってから、ホテルに戻った。

 今夜はパリ最後の夜。ちょっと贅沢にということで、去年ミシュラン3つ星入りしたル・サンク(Le Cinq)というレストランに行くことになっている。

 Le Cinqでのディナーの様子は、こちら

 タクシーでホテルに帰るとき、ライトアップされたエッフェル塔を初めて見ることができた。このパリでの3日間、結構疲れたけど本当に素晴らしい経験をした。パリはもう、東京とシアトルに次いで、僕の第三の心の故郷だな。
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by alexsea | 2004-04-17 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)