From Seattle, WA, USA
by Alex
プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

プロフィールはこちら
レストラン訪問記はこちら
旅行記はこちらからどうぞ。
カテゴリ
全体
[一覧] 旅行記
旅行記
日記
夢日記
エッセイ
過去日記
映画・DVD
レストラン
検索
最新のコメント
>るうこさん お久..
by alexsea at 14:08
お久しぶりです♪日食です..
by るうこ at 12:53
>FIELDSATAN ..
by alexsea at 00:35
おお、シアトルでも見られ..
by FIELDSATAN at 22:49
>amyさん お久..
by alexsea at 12:27
以前の記事
2017年 11月
2017年 10月
2017年 08月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2016年 10月
2016年 08月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 04月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 10月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 10月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 05月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 06月
2004年 05月
2004年 04月
2004年 03月
2004年 02月
2004年 01月
2003年 12月
2003年 11月
2003年 10月
2003年 09月
2003年 08月
2003年 07月
2003年 06月
2003年 05月
2003年 04月
2003年 03月
2003年 02月
2003年 01月
2002年 12月
2002年 11月
2002年 10月
2002年 09月
2002年 08月
2002年 07月
2002年 06月
2002年 05月
2001年 03月
2001年 02月
2001年 01月
ブログジャンル


<   2006年 08月 ( 15 )   > この月の画像一覧
運命を感じた東欧への旅: 家路
家路 … 8月29日(火)

 約2時間の睡眠の後、荷物をまとめ、まだ真っ暗なうちにホテルをチェックアウトする。フロントのおじさんに、「素晴らしいホテルでした。また来たらここに泊まります」と言うと、満面の笑顔でお礼を言ってくれた。フレンドリーだけど結構運転の荒いタクシーで空港に向かい、ここからまたアムステルダム経由でシアトルに戻る。疲れてたのと眠たいのとで、帰りの飛行機のことはあまり覚えていない。離陸する前からもう寝に入っていた気がする。

 こういう3泊ずつたくさんの街をまわるっていう欲張りな旅行もいいけど、やっぱり年を取ってきたからなのかな、一つの場所にゆっくり腰を落ち着けて、その街をじっくりと楽しみたいって感じに好みが変わってきた気がする。特にクラクフ、プラハ、ウィーンは結構早歩きでまわってしまった感があるので、いつかまたゆっくりと訪れたいという思いでいっぱい。まあ今回は、今度ゆっくり訪れる場所を決めるための、オーディション旅行だったって考えればいいのかな。

 普段は毎日毎日楽しい尽くしの旅行なんだけど、今回はアウシュヴィッツとか、Dariuszからの民主化直後の話とか、色々と考えさせられることが多かった。それにウィーンで感じた、あの奇妙な心地良さ。あれは一体何だったんだろう? やっぱり前世に関係していたんだろうか? こんな感じの、ただの観光だけじゃない旅も、なかなかいいかもしれない。

 でもシアトルに戻ってきたときの安心感は本物。もうこの街が、僕の心にとっては「家」になっちゃったんだなぁ。
[PR]
by alexsea | 2006-08-29 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: Unforgettable Dinner
Unforgettable Dinner … 8月28日(月)

 この旅の最終日は、ホテルのすぐ裏にあるカプツィーナー教会(Kapzinerkirche)から見ていくことにする。僕の部屋からも建物が見えてたんだよね。朝の9:30、朝食も食べる前に、オープンと同時に中に入る。ここはハプスブルグ家の歴代皇帝を含むたくさんの人たちが安置されている場所。この日のオープン直後だったから中はヒッソリと静まり返っていて、そんな中で数々の棺が置いてあるのを見ると、やっぱりちょっと不気味な気分になってくる。こんな時には、霊感がなくて本当によかったと思う。霊感のある人だったら何か感じたり見えたりしてたかもしれないし。でもやっぱり棺は豪華なんだよねー。昨日博物館でじっくりと勉強できたエリーザベトの棺も見ることができたし。面白かったのが、ここにあるのは心臓と内臓を取り除いた遺体であるらしいこと。心臓はアウグスティーナー教会、内臓は最初の日に訪れたシュテファン寺院に納められているらしい。ハプスブルグ家の慣習ということらしいけど、どうしてそういうことをやり始めたんだろう。オーストリアのトップに君臨していた人たちの墓所。ちょっと神妙な気分になりながら、この場所を後にした。

d0113429_11555128.jpg
カプツィーナー教会

d0113429_11555376.jpg
手前の棺がエリーザベトのものらしい

 朝っぱらからちょっと重い気分になっちゃったけど、お腹は空いたぞ。ということで、オペラハウスのすぐ前にあるスターバックスでラテてドーナツの朝食をとる事に。ホテルよりもうーんと安い朝食だけど、満足度はあまり変わらない。

d0113429_11555511.jpg
ドーナツ大好き!

 ラテで暖かくなって(外はやっぱり肌寒い!)、糖分とカフェイン補給もできた後は、色々とショッピングを楽しんでみることにする。まずはオペラハウスの中にあるアルカディア(Alcadia)というCD屋。今回の旅行で子供の頃クラシックを聴いてたときのことが懐かしくなってしまったので、ここでCDを物色してみることにする。モーツァルトは昨日モーツァルトハウス・ウィーンで買ったから、ここではスメタナの『我が祖国』を買ってみる。合唱バージョンじゃない『モルダウ』を聴くのはスメタナ博物館が初めてだった。帰ったらこの組曲を全曲聴くことができるぞ!

 この後はまだ午前中で人もまばらなケルントナー通りを北上して、シュテッフル(Steffl)というデパートに入る。ここはシアトルに帰ってきてから知ったんだけど、モーツァルトが最期に住んでいた家の跡らしいんだよね。今はかなりモダンな外見のビルになっちゃってる。ここではメンズコーナーで、ピエール・カルダンのオレンジ色のセーターを発見! ウィーンでしか買えないってわけじゃないけど、後でわざわざ探すのもナンだし。ちょっと値が張るけど、呼ばれちゃったからには仕方がない。ということでサクッと買ってしまった。この後はシースルーのエレベーターで最上階まで上がって、ここからの景色を堪能。低い屋根がたくさんある中、シュテファン寺院のモザイクの屋根がひときわ目立ってた。

 今回の旅行ではここまでずっと現地の料理を食べてきたけど(移動中にファーストフードの中華を食べたことは一度あったけど)、やっぱり二週間も日本料理を食べないと体が欲してる感じ。というわけで今日の昼は日本食。天満屋という日本料理屋に入ることにする。入ってみてビックリしたけど、かなり本格的な場所なんだよね、ここ。日本語で「いらっしゃいませ!」って言われるのが、かなり新鮮に感じてしまった。オーストリア人のサーバーもちゃんと日本語を話すし。僕が頼んだ唐揚げ御膳はかなり満足の味。ひじきや柴漬けも泣かせてくれるぜ。シアトルに住んでいる日本人がウィーンで日本の心を感じてしまうという、なんともインターナショナルな感覚だった。ここはウィーンに住んでたら足しげく通っちゃいそうな場所だったなぁ。

d0113429_11555789.jpg
天満屋の唐揚げ御膳

 ランチに満足した後は、お土産を買わなきゃねということで、ホテルのすぐ前にあるチョコレート屋でモーツァルトクーゲルンをたくさん買い込むことにする。これはシアトルにいたときに友達にもらっていたく感動したチョコレート。丸いチョコレートを噛んでみると、中に色々と違った味の層があって、個人的に大好物になってしまった。一番有名なミラベルのをたくさん買い込んだんだけど、シアトルに帰ってきてから調べてみたら、ミラベルのはオリジナルじゃないそうな! まあ美味しいからいいけど、今度はザルツブルグでしか買えないというフュルストのを食べてみたいぞ。

 ホテルに戻ってちょっとだけ昼寝した後は、いわゆるウィーンのヴェルサイユらしい、シェーンブルン宮殿(Schloß Schönbrunn)を訪れることにする。ここはホテルから徒歩10分くらいのところにあるKarlsplatzの駅から、U4という電車でたった6つ目のところ。ここは午前中に行くとツアー客で溢れかえっていて、ゆっくりと見ることができないらしい。そういえばヴェルサイユも朝一で行ったのに、すごい混みようだったもんなー。ガイドブックに午後3時頃がいいとのことが書いてあったので、それを中心にスケジュールを組んだ。駅から10分ほどのところにある宮殿には、観光客はたくさんいるものの、我慢できないほどじゃない。オーディオガイドを借りて、全室すべて見学することのできるグランドツアーを申し込むことにする。中は撮影禁止だったんだけど、やっぱり豪華は豪華だったねー。ただやっぱり何組かの団体客がいるらしくて、ゆっくりとオーディオガイドを聞いてるときにドヤドヤと入ってきてガイドが大声で説明し始めるのはすごくイヤだったので、団体客を追い越すように早足で見てしまった。午後3時でこれなんだから午前中なんてもっとヒドイんだろうなぁ。エリーザベトの浴室なんて場所もあって(結構小さい)、皇帝・皇妃のプライベートな面も垣間見ることができて面白かった。出口のところにあるショップでは、ウィーン少年合唱団のCDを購入。じっくりと聴いたことないんだけど、曲名を見るとAmazing Graceとかいい曲を歌ってるじゃん。これは帰ってから楽しみだぞ。

d0113429_11555937.jpg
ウィーンのヴェルサイユ?

d0113429_1156191.jpg
外には気持ちのいい庭園が

 さあ、今回の旅での「観光」は全て終了。電車でKarlsplatzまで戻って、ホテルまで歩いて帰る。今夜はシアトルからドイツ人の友達に電話で予約してもらっていた、ウィーンで一番と言われるレストラン、Steirereckに行くことになっている。ホテルでちゃんとした服装に着替えてから、ちょっと早めに出発して、市立公園(Stadtpark)の中にあるたくさんの像を見ながら、やはり公園の中にあるレストランに向かうことにする。シュトラウスやシューベルトの像を見ながら(そういえば小さい頃、シューベルトの『軍隊行進曲』が大好きだったんだよなぁ)、のんびりと歩いて行く。いいよなぁ、こんな雰囲気。公園のベンチには老人が腰掛けてくつろいでたり、カップルがいちゃいちゃしてたりして、本当に平和。こういう大きな公園が街中にあるっていうのは絶対いいと思う。そういうしているうちにSteirereckの入り口に到着。かなり大き目のモダンな外見の建物で、中にはたくさんの料理人が忙しそうにしているのがガラスを通して見えた。

d0113429_1156911.jpg
シュトラウス像

d0113429_11561261.jpg
シューベルト像

 Steirereckでのディナーの様子は、こちら。ウィーンでの最後の夜に相応しい、素晴らしいディナーだった。
[PR]
by alexsea | 2006-08-28 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: 音楽の溢れる街
音楽の溢れる街 … 8月27日(日)

 ふかふかのベッドでぐっすりと睡眠をとったら、風邪気味っぽかったのが治っちゃったみたいだ。ホテルの2階にあるレストランに入って、朝食を食べることにする。パンも焼きたてみたいでとても美味しい朝食だったんだけど、最後にお勘定が来てビックリ。そういえばツアーのホテルでは全て朝食込みだったけど、今回はExpediaのスペシャルだから朝食は付いてなかった気が。でもいくらなんでも朝食に一人€27は高すぎ!

 気持ちいい朝の空気を吸い込みながら、新しくオープンしたらしいモーツァルトハウス・ウィーン(Mozarthaus Vienna)へと歩いて行く。ここはモーツァルトがウィーンで住んでいた場所で、今はモーツァルトの博物館に改造されている。オーディオガイドを片手に、普通のアパートの一室一室に飾ってある展示物を眺めていく。展示物にある直筆のサインとかを見てると、彼が本当に身近に感じられたみたいな気がする。この窓から見える景色をモーツァルトも見てたんだとか思うと、やっぱり感慨深いものがある。モーツァルトって、映画『アマデウス』で観たくらいの知識しかなかったけど、やっぱり他の人とはちょっと違ったところがあったみたいだな。歴史には興味がないんだけど、僕は子供の頃から音楽とは切り離せない人生だっただけに、この博物館が思ったよりも楽しめたのが自分でもびっくりした。博物館の終わりは土産物屋になっていて、モーツァルトハウスのメモパッドとか、オーディオガイドの中で使われていた曲を集めた2枚組みのCDなんかを買いこんでちょっとホクホク。足も疲れたし喉も渇いたので、出口のところにあるカフェでちょっと一休みすることにする。

d0113429_11484290.jpg
モーツァルトハウス・ウィーン

 モーツァルトハウス・ウィーンを出たときにはもう正午も近いということで、ホーエルマルクト(Hoher Markt)という広場にアンカー時計(Ankeruhr)を見に行くことにする。これは毎日正午に人形が動き出すという時計で、10分前くらいに行った時にはもう人が集まっていた。でもプラハの天文時計のときみたいな大混雑じゃなかったけどね。ウィーンに深く関わりのある人たちの人形が12体、次から次へと動いて行く。全部終わるまでに、たっぷり15分くらいかかったんじゃないかな。途中でなんとなく飽きちゃうみたいな感じはしたけど、なかなか面白かったぞ。

d0113429_11484920.jpg
アンカー時計

 街を徘徊しながらランチを食べるレストランを探す。そのついでにウィーンで2番目に古いらしいペーター教会(Peterskirche)もちょっとだけ覗いたりしてみる。日曜日だからかもしれないけど、店が開いてないところが多いんだよね。メインの通りからちょっと横に入ったところにあるレストランに入って、チキンとマッシュルームのペネとグラスワインでランチにする。カレーっぽい香りのするソースがかかってて、ちょっと重かったけどなかなか美味しかった。

d0113429_11485460.jpg
ペーター教会

d0113429_11485698.jpg
小さいながらもやっぱり中は豪華絢爛

d0113429_11485892.jpg
ランチのパスタ。まあそれなりに…

 デザートはここでは食べずに、Demelでまたまたザッハートルテを頼むことにする。店の入り口のケーキのショーウィンドウのあるところで、外の席でザッハートルテが食べたいということを係の人に告げると、注文を書いた紙をくれるので、それを席に着いてからウェイトレスに渡す。それと同時にメランジェと言われるラテみたいなコーヒーも注文することにする。Demelのザッハートルテは、Sacherのに比べるとほんの少しだけ甘さが控え目みたいに感じた。どちらも日本人の感覚からするとやっぱり甘いんだけど、僕の口にはSacherのよりもDemelのザッハートルテの方が合った気がしたな。

d0113429_1149490.jpg
カフェ Demel

d0113429_1149641.jpg
Demelのザッハートルテは上のチョコレートが三角形

d0113429_1149835.jpg
メランジェって、いわゆるカプチーノだよね

 こうしてザッハートルテを食べ、メランジェを飲みながら道行く人々を眺めていると、本当に気持ちがいい。近くにはバイオリンを弾いている人もいるし、ウィーンはどこに行っても音楽が聞こえる気がする。それにしてもなんだろう、昨日も街を歩いていて感じた、この居心地の良さは。ヨーロッパはあちこち行ったけど、こんな感覚は初めてかもしれない。ウィーンの土地が放っているエネルギー? 僕がその波長によく合うってことなのかな。もしかすると前世のどこかで、ここに住んでいたことがあるのかもしれない。そんなことを考えてしまうほど、このウィーンの穏やかなオーラが気にいってしまった。今回のツアーを延長してまで来たいと思ったこの場所、やっぱりこの土地に呼ばれてたんだろうなぁ。

 もっとゆっくりしていたかったけど、色々と見たい場所もあったので、この後はすぐ近くの王宮(Hofburg)へと行くことにする。王宮には色々な博物館が入っているらしいけど、とりあえず銀器コレクション(Silberkammer)と、皇帝の部屋とシシィ博物館(Kaiserappertements und Sisimuseum)だけをまず見てみることにする。銀器コレクションは、その名の通り王宮で用いられていた銀器・金器・磁器なんかが展示してある場所で、当時の王宮での食生活を想像するにはいい場所かもしれないけど、なにせ数が多いので途中で飽きてしまう。食器にはあまり興味がない方だしね。それとは逆に、皇帝の部屋とシシィ博物館は本当に興味深く見ることができた。皇妃エリーザベトのことはガイドブックで読むまで全く知らなかったんだけど、最初はシャイな女性だったらしいんだけど、途中から自分の“美”に目覚めてそれを保つために莫大な努力をして、最後には暗殺されてしまった悲劇の主人公。彼女が自分のプロポーションを保つためにエクササイズをしたという運動器具は、豪華な家具や調度品が飾ってある中で、とても人間的な面を見せてくれた気がした。美しい皇妃が実は裏ではジム通いなんて、なんとなく可愛いじゃん? 動機はもっとポリティカルなものだったのかもしれないけど、なんとなく現代の見た目至上主義に通じるものがあって、エリーザベトがとても身近に感じられた。ここまでじっくりと楽しめた博物館ってあまりなかった気がする。

d0113429_11491450.jpg
王宮

d0113429_11491727.jpg
銀器コレクションの一部

 王宮を出た後は、ブルク公園(Burggarten)の中にあるモーツァルト像を見に行った。像の前には芝生の上にト音記号の形に花が植えてあって、さすが音楽の街!と感動。その後はホテルまで歩いて帰って、ホテルの前のバーでカクテルを何杯かひっかける。疲れた体にはカクテルが一番。ここのバーのスペシャルティ・カクテルの一つで、なんとなくトロピカルな感じでフルーティーで美味しかった。ここでしばしウィーンの雑踏を楽しんだ後は、部屋に戻ってちょっとだけ昼寝することにする。Koreyはまだ街をうろついてたみたいだけど。

d0113429_1149187.jpg
公園には巨大なモーツァルト・クーゲルンのバルーンが

d0113429_1149208.jpg
モーツァルト像の前にはト音記号!

 今夜の夕食はPlachuttaというレストランで。ここは昨日ホテルから予約しておいてもらったんだ。詳しくはこちらを参照。美味しかった!
[PR]
by alexsea | 2006-08-27 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: パスポート騒動、再び
パスポート騒動、再び … 8月26日(土)

 まだ見足りない感じのプラハとも今日でお別れ。今日はこれから電車に乗って、オーストリアのウィーンへと旅立つ。このツアーの話が来たときに、訪れる国々を地図で見ていて、いつかは行きたいと思っていたオーストリアがすぐ近くだということを発見。すぐに3泊足して、ウィーンに行くことにしてしまった。決断から電車やホテルの予約まで、すごくトントン拍子に進んだんだけど、もしかしたらこのときからオーストリアに呼ばれていたのかもしれない。

 朝食をホテルで取って、ツアーのみんなとハグで別れた後は、タクシーに乗り込んでチケットに書いてあったPraha Holešovice駅へと向かう。座席指定がされていないチケットだったので、指定席を貰おうと窓口に行くと、なんとこの電車はここの駅からではないと言われてしまう。そんなー! チケットにちゃんとココって書いてあるのに! ヨーロッパでもこうなのかい。アメリカでもこんなことはザラにあるので、やっぱりキチンとした日本って特殊な存在なのかもしれない。それにしてもちょっと多めに時間を見ておいてよかった。窓口のお姉さんに言われたとおり地下鉄に乗って、プラハのメインの駅であるPraha-hlavní nádražiに行くことにする。なんだよー、ここだったらホテルからもすぐなので、あんなにタクシー代払うこともなかったのに!

 駅に着いてホームに上がると、向かいのホームにはなんと蒸気機関車が止まっているではないですか。特別な路線か何かなのかな? 周りの人もしきりに写真を撮りまくっていた。こういうのが好きなKoreyもかなり興奮していたみたい。僕は飛行機とか車とか電車とか、全く興味がないんだよなー。

d0113429_11414527.jpg
なぜプラハの駅に機関車が?

 10:01に電車は定刻通りプラハを出発。たった$30ほどの差だったので一等車に乗ったんだけど、それほど高級な感じは受けなかったなぁ。二等車はコンパートメント形式になってるらしい。ニュージャージーからの40代後半くらいのカップルと向かい合わせだったのでちょっとだけ話をした。この旦那さんがなんかVal Kilmerをもうちょっと老けさせような感じだったのが印象に残ってる。ちょっと落ち着いた後は、混む前に食堂車に行って何か食べようということになった。

d0113429_11415036.jpg
一等車といってもこんな感じ

 食堂車といえば、2年前に母とヨーロッパ旅行をしたときに、フランスからイタリアに向かう電車の中で食べた電子レンジ製のまずいラザニアが頭にあったから、そんなに期待してなかったんだよね。ところが行ってみると、全部で20人ほどしか座れない小さな場所なんだけど、奥にちゃんとしたキッチンがあって、何か作ってるのが見える。20代前半くらいの若いコックが一人と、60代くらいのお爺さんサーバーが一人の、ちゃんとしたレストランっぽいじゃないですか。これだったらあのラザニアよりはいいかもね。まずはビールのBudwar(バドワイザーの本家)と、僕はグラーシュ・スープに、メインにグラーシュも頼んでしまう。同じ「グラーシュ」でも、スープとスープじゃないのとでは、全然違う料理だってのが面白い。

 このグラーシュ・スープ、激ウマ! しっかりとしたストックで作ってあるスープは、パプリカの香りがアクセントになって、文句のつけどころがない。これって観光客目当ての下手なレストランよりもずっと美味しいんじゃないの? メインのグラーシュも、肉は柔らかでパプリカの味をよく吸っていて、これも最高レベルの美味しさ。んー、食堂車でこのレベルの食事ができるなんて思いもよらなかったぞ。これは本当に嬉しい驚きだった。驚きといえば、このお爺さんサーバー。さすがにヨーロッパの電車だけあって、僕たちがそこにいる間だけでも、チェコ語、ドイツ語、スペイン語の3ヶ国語でオーダーを取ってた。ここらへんでは当たり前のことなのかもしれないけど、やっぱりスゴイと思っちゃうよなぁ。

d0113429_1142213.jpg
グラーシュ・スープ

d0113429_1142432.jpg
グラーシュ

 食事に大満足した後は、席に戻って、景色を見ながらウトウトしてた。ここらへんの風景は本当に素晴らしい。どんなに小さな町でも、必ず教会や聖堂の高い塔が見える。日本でも、どこへ行っても神社やお寺があるのと同じような感覚なんだろうな。途中で雨が降ったけど、ウィーンに着く前には晴れ空に戻ってラッキー。予定通り午後2:28にウィーンに到着した。

 まずここでやらなきゃいけないことは両替。ブダペストでの二の舞になるのはいやだから、カードを差し込むんじゃなくてスライドする方式のATMがあるといいんだけど……と探していると、なんとATMマシンにAMEXのマークが! アメックスのキャッシングサービスが使えるATMなんだね。AMEXのカードは変に曲がってるなんてことはないので、ここでやっとこさ現金を引き出すことができた。今回の旅行で初めてだよ、自分の現金を手にできたのは(笑)。やっぱり現金が手元にあるのとないのじゃ、安心感が違う。

 路面電車Dに乗り込んで、ホテルから近いオペラハウス前で降りる。路面電車を降りてオペラハウスを横切った後くらいにKoreyが一言、「あれ、僕のカバンは?」 どうやら彼はスーツケースは持って出たけど、パスポートを入れてある小さな肩掛けカバンを路面電車の中に置き去りにしてきてしまったらしい。…ここまで来てまたパスポート騒動かいっ! 僕はしばし呆然。勘弁してくれようぅ。Koreyは路面電車の駅に戻ろうとしてたけど、「戻ってどうするわけ? もう路面電車は行っちゃった後だよ? それよりもホテルに早く着いて、フロントの人に助けてもらった方がいいよ」との僕の声にようやく正気に戻ったらしく、ホテルにまず行くことに。今回泊まるAmbassador Hotelまでは歩いて2分ほど。チェックインしようとフロントに着くと、パニック状態のKoreyは僕たちが何者か`も言わずにいきなり「パスポートが入ったカバンを路面電車に忘れちゃった!」とまくしたてるので、フロントのお姉さんは目パチクリ状態。まずはチェックインしようよとなだめて、全て手続きが終わった後、そのお姉さんに路面電車の会社に電話してもらうことにして、部屋で待つことになった。

 このホテル、すごく重鎮な建物で、部屋ものすごく広い! 「3泊すると3泊目は無料」っていうExpediaでのオファーがあったから決めた場所だったんだけど、この部屋の広さは予想以上。これ、たぶんジュニアスイートみたいな感じだよ。ヨーロッパでこんなに広い部屋に巡り合えたのって初めてだ。バスルームもすごくキレイだったし。Koreyのパスポート事件がなければキャーキャー言って喜んでるところだったけど、やっぱり彼はそんな余裕はないらしい。カバンが出てこなかった時のことを考えて、アメリカ大使館に電話してた。今日が土曜日で、帰るのは火曜日。もしパスポートが出てこなくても、緊急パスポートを月曜日には発行できるらしいので、帰るのには支障がないらしい。パスポートの他にはお菓子とか、ジャンクものしか入ってなかったらしいから、カバンが戻ってこなくても全然平気みたい。でも彼は気が気じゃないらしくて、路面電車の会社からフロントに電話が入るのをホテルのバーでビールを飲みながら待ってると言う。とりあえずはよかったじゃんとなだめて、僕はお風呂に入ることにする(笑)。バスタブがある部屋なんてブダペスト以来だよー。風呂に浸かってのんびりしてると、電話がかかってきた。フロントのお姉さんからで、バッグがちゃんと見つかったのでKoreyはそれを取りにオペラハウスの駅に向かったとのことらしい。あーよかった! これで一安心だ。しっかし彼のパスポート騒動はこれで二度目だぜ?(一度目はみんなでパリで年越しをしたとき) もうちょっとちゃんとしてくれよー。€20を封筒に入れて、フロントでいろいろとやってくれたお姉さんに後で渡すことにする。イヤな顔一つもせずにいろいろとやってくれた人には、ちゃんと感謝しなくちゃ。本当ならこの午後を使ってホテルの近辺を見てまわる予定だったんだけど、バタバタしてたし、またちょっと風邪気味だったりしたので、ホテルで夕食の時間まで昼寝することにした。Koreyはずっとバーでビール飲んでたみたい。

d0113429_11421049.jpg
ホテルの部屋

d0113429_11421192.jpg
部屋から見える景色

 5時半頃ホテルを出て、ガイドブックで見つけていたレストランに行くことにする。ホテルの前がいつも歩行者天国の道なので、あちこちに音楽を奏でている人やパフォーマンスをしている人がいる。なんとなく新宿の歩行者天国を思い出させるんだけど、なんだろう、この土地から感じる落ち着いた静かなエネルギーは。今までのツアーが結構忙しいスケジュールだったので、その忙しさから逃れられたからかなと最初は思ったんだけど、どうもそれだけじゃ終わらないような、なんともいえないしっとりとした居心地の良さを感じる。この人混みの中でさえだよ? やっぱりここウィーンには導かれて来たのかな。

d0113429_11421959.jpg
ホテルのすぐ前の歩行者天国(ケルントナー通り)

 ウィーンのシンボルともいえるシュテファン寺院(Stephansdom)がちょうど通り道にあったので、寄ってみることにする。寺院の前には昔の衣装を着た人たちが、どうやらオペラや音楽のコンサートのチケットを売っているみたいだ。シュテファン寺院はやはり荘厳で素晴らしい場所。ちょうど6時のミサが始まるところだったらしくて、中にはパイプオルガンの音色が響いていた。

d0113429_11422135.jpg
シュテファン寺院の前には
衣装を着けてチケットを売る人たちが

d0113429_11422782.jpg
シュテファン寺院の中は豪華

 今日のディナーは、ここから歩いて10分くらいのFiglmüller。ここはヴィーナー・シュニッツェルと呼ばれる、巨大な子牛肉のカツで有名な店。日本の料理で何が一番好物かと言われると迷わずトンカツと答えてしまう僕だから、このシュニッツェルはどうしても食べに行きたかった。現地に到着すると……やっぱり並んでる。でもそんなに長い列じゃないし、待っていようということにする。なんか支店もあるようなことが書いてあったんでそのことをKoreyと話してたら、僕たちの後ろに並んでたカップルの女の人が、「ここが本店で、そこに書いてあるのは二号店なのよ」って教えてくれた。どうもこの人はウィーンの人らしい。現地の人が来るレストランに間違いはないよね! 二人なんだけどというと、いきなり席に通されてしまった。大きなテーブルに相席といった感じだけど、5分も待たなくて座れてしまったことにビックリ。僕はもちろんシュニッツェルとポテトサラダを注文することにする。あと、ワイン。シャルドネを注文しようとすると、サーバーの人が「シャルドネは甘いですよ。もし甘くないのがよかったらリースリングがいいですよ」と教えてくれる。ええっ? 普通は逆じゃないの?って思ったんだけど、サーバーはこういう事態に慣れているらしい。それじゃ、リースリングを頼んでみましょうか。

d0113429_1142292.jpg
レストラン Figlmüller

 頼んで10分もしないうちに運ばれてきたシュニッツェルは、下の大きな皿からはみ出すほどデカイ! 紙のような薄さに叩いて伸ばしてあって、それをカラッと揚げてある。上に乗ってきたレモンを絞って食べてみると……んーーー、ウマいっっ! シンプルなんだけど、カツ好きな僕には堪えられない美味しさ。ちょっと甘めのポテトサラダもよく合ってるし。さらにこのリースリング、やっぱり甘くないんだわ(笑)。所変われば、ワインに対する常識も変わるってことなんだね。もう美味しいからバクバク食べてたんだけど、大食いの僕でもさすがにこの大きさを全部平らげるのは無理。1/3くらい残してしまった。同席しているのは、ウィーンに住んでいるらしいカップルと、彼らにアメリカで訪れるべき場所を教えているらしいアメリカ人。みんな同じシュニッツェルを食べてたと思うんだけど、3人ともキレイに平らげてる。すっげー。どーゆー胃をしてるんだ。それにしても、ここのレストランは大成功だった!

d0113429_11423436.jpg
皿からはみ出るヴィーナー・シュニッツェル!

d0113429_11423680.jpg
ポテトサラダはちょっと甘め

 お腹は一杯だったんだけど、僕にはウィーンで成すべきことがあった。それはザッハートルテを食べること! ウィーンで有名なチョコレートケーキ。これをどうしても現地で食べてみたかったんだー。本家のHotel Sacherのザッハートルテと、Demelのザッハートルテ。どちらが本家かで一時期は裁判沙汰にまでなったみたいなんだけど、今は仲良く共存しているらしい。両方とも食べて帰るのが、今回の僕のウィーンでの任務。

 Hotel Sacherは、僕たちが泊まっているHotel Ambassadorとオペラハウスの中間にある、ウィーンで最上級のホテル。ここのカフェに入ってザッハートルテを食べることにする。僕たちの席の真ん前くらいに色々なケーキの乗っているカートがあって、どれも本当に美味しそう。ウィーンにもっと長く滞在するんなら、いろんな種類のケーキを食べてみたいところだけど、僕の心はザッハートルテに決まっている。コーヒーは寝られなくなるから、どうしようかなぁとメニューを眺めていると、ザッハーリキュールなるものがあるのを発見。隣のテーブルを見ると、ポートワインのグラスに入った茶色い液体がある。どうもアレがそうらしい。「ザッハー」と名が付くからには美味しいんじゃないの?というわけで、それも注文してみることにする。

d0113429_1142439.jpg
Hotel Sacherはウィーンで最高級のホテルの一つ

 ザッハートルテは、当たり前のように美味しかった。僕にはほんのちょっとだけ甘すぎる気もしたけど、アメリカで食べるデザートのように口が曲がるような甘さじゃない。高級でしっとりとした甘さっていえばいいのかな。普通のチョコレートケーキみたいに大味じゃないんだよね。生地がとてもいい味を出してる。ザッハーリキュールの方は、まさにこのザッハートルテをそのままネットリとした液体にして、それにブランデーを加えた感じ。ブランデーが強くてかなりパンチのある飲み物だけど、どっしりとした男性的な味で、個人的にかなり気に入ってしまった。一瓶買って帰ろうかとも思ったけど、こういうのって機会がないとなかなか飲まないもんだしなぁというわけで、今回はパスすることに。もし飲みたいと思ったら、もしかしたらアメリカからでも買えるかもしれないし(と思って今検索してみたら見つからなかったり。ひーん)。

d0113429_11424849.jpg
ザッハートルテ

d0113429_1142506.jpg
ザッハーリキュール

 いやはや、パスポート事件を除けば大成功のウィーン第一日目。いい気分をもうちょっと長続きさせたかったので、ホテルのすぐ裏にあるシャンペンの専門店Reissで一杯飲んでから部屋に戻ることに。暑くも寒くもない、とても心地のいい夜だった。
[PR]
by alexsea | 2006-08-26 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: モルダウの流れ
モルダウの流れ … 8月25日(金)

 今日は夜みんなでディナーするまでフリー。昨日ゆっくりと見ることができなかった旧市街の方に行ってみたいと思う。それとショッピング! 昨日GabbyとAnnがデパートでたくさん安いクリスタル製品を見つけたみたいなので、僕もそこに行ってみたいと思ってた。

 まずはホテルを出てヴルタヴァ川(Vltava)まで出て、そこから北上してカレル橋のたもとまで。ヴルタヴァ川は、スメタナ作曲の『我が祖国』からの曲で有名。ドイツ語で「モルダウ」。確か中学のときだったと思うけど、『モルダウの流れ』っていう合唱曲を習ったよな。クラスで歌ったときには、僕はピアノで伴奏したっけ。今回の旅行に来る前に家で思い出しながら弾いてみたら、驚いたことに楽譜もないのに全部弾けてしまった。小さい頃に体で覚えたものって、なかなか忘れないものだね。

d0113429_11331371.jpg
ヴルタヴァ川とカレル橋

 スメタナはチェコを代表する作曲家。プラハにスメタナ博物館(Muzeum Bedřicha Smetany)があることは知ってたんだけど、個人的な旅行プランには入れてなかった。でもせっかくプラハに来たんだから行っておきたいなということで、急遽行くことにしたもの。この博物館はカレル橋のすぐそばにある、歴史を感じさせる建物の中にある。スメタナは1863年から1869年まで、ここに実際に住んでいたらしい。一緒に行ったMikeとKoreyにはあまり興味がないと思ったので、すぐ外のカフェでビールを飲んで待っててもらうことにして、僕は中に入る。

d0113429_11331892.jpg
カレル橋の脇にあるスメタナ博物館

 オープン直後だったらしく、僕が最初の客らしい。僕の後に日本人の夫婦らしき人たちが入ってきたけどね。やっぱりスメタナは日本人には認知度が高いのかな。建物の中の二つの大きな部屋を使って、スメタナに関する色々なものが置いてあった。ピアノとその周りに椅子がずらっと並んでたりしたから、ここで誰かが演奏することもあるんだろう。僕自身は本当に『モルダウの流れ』のことしか知らなかったから、『売られた花嫁』なんていう日本語のポスターが貼られてるのを見たときにはちょっとビックリした。面白かったのが、奥の部屋の中にある指揮台と、いくつもの楽譜台。それぞれの楽譜台の上には、スメタナが作曲したそれぞれの交響曲に関する情報を入れたバインダーが置いてあった。『我が祖国』もちゃんとあったぞ。この部屋は単にそれだけのものなのかなと思ってたんだけど、色々と見て回ってるうちに急に『モルダウ』のメロディーが部屋中に流れ始めた! 振り向くと、さっきは椅子に腰をかけてた博物館のおじさんが、指揮台に立って指揮棒から出るレーザーを楽譜台に当ててる。なるほどー! このレーザーで楽譜台を指し示すことによって、その台にある音楽が流れるってことなのか! この指揮台は一段高くなってるから、僕は上がっちゃいけないと思ってたんだよな。このおじさん、やり方を教えてくれたんだね。いやはやしかし、スメタナ博物館に流れる『モルダウ』のメロディー。窓からはヴルタヴァ(モルダウ)川が見える。『モルダウ』を習った頃には、それを聴きながら曲のタイトルの川を見ることができるなんて思いもよらなかった。これは感動したなぁ。僕が子供の頃はクラシック音楽をよく聴いてた。その頃の音楽に対する愛情を、心の底から揺り起こされた感じ。あれほどその作曲家を身近に感じたのは初めてだった。あー、来てよかった!

d0113429_11332087.jpg
いろいろな交響曲の情報が乗ってる楽譜台を

d0113429_11332269.jpg
この指揮棒のレーザーで指すと音楽が流れ始める

 ホワホワした気分で外に出て、MikeとKoreyに合流。そこからまた旧市街広場の方に歩いて行くことにする。昨日見ることができなかった、金のヘビの家を見たいと思ってたんだ。ここはプラハで一番古いカフェらしい。壁に大きな金のヘビの紋章がある。いくつかの観光客の団体が周りにいて、ガイドから説明を受けているらしかった。

d0113429_11333193.jpg
金のヘビの家

 お次はショッピングのためにBlue Prahaというお店に入る。ここはコンテンポラリーなクリスタル作品がたくさん置いてあって、ここでお気に入りのアイテムを見つけちゃった。一つは青い傘をしたキノコのペーパーウェイト。こんな感じのヤツ、小さい頃に持ってたんだけど、確か落として壊しちゃったんだよな。もう一つは透明な置き物で、中にクリスマスツリーを連想させる、波のような細工がしてあるもの。この二つは見た瞬間に欲しい!と思ったんだけど、今日はこれからデパートにも行く予定だし、ちょっと今のところはパスすることにした。デパートで同じヤツで安いのがあるかもしれないしね。

 次はどこに行こうか迷った。今夜は郊外の城でフェアウェル・ディナーの予定だし、それまでにお腹が空いてないといけないから、ランチは早めに食べたい。ガイドブックに、旧市街広場の近くでなんとなく美味しそうな店が書いてあったからそこに行きたかったんだけど、まだもうちょっとそれには早い。かといってデパートに行くには時間が中途半端すぎる。どうしようかとブラブラしてたら、MikeがSex Machine Museumなるものを見つけてしまう。いわゆる大人のおもちゃの博物館ですね。ガイドブックにも載ってないような場所なんだけど、急遽入ることにしてしまった。しっかしヨーロッパって、どうしてこういうの好きかなぁ。パリにもこんなのあったし。ま、いわゆる、アレですよね。昔々から大人のおもちゃには並々ならぬ努力が注ぎ込まれていたみたいで、「コレって一体なに??」ってモノがそりゃーたくさん。昔から今への「おもちゃ」の変遷は、見ていて予想外に面白かった。ここから出るときに、小さい子供を連れた家族が中を興味深く覗きこんでた。 大丈夫なのか?!

d0113429_11333471.jpg
Sex Machine Museumには
なんだこりゃ?と思うようなモノばかり

 ここを出た後は、旧市街広場のちょっと南にある、ちょっとした市場エリアへ。ここは甘いものやフルーツ、ナッツ、土産物なんかを売る店が連なったところで、見ていて本当に楽しかった。果物を売る店からは本当にいい香りが流れてきてたし、ナッツやチョコレートは量り売りで楽しそうだったし。もうちょっとプラハで時間があるんだったら、ここら辺でフルーツとか買って食べても面白かっただろうに。でももう僕たちには今日しか残されていないので、仕方なく横目に通り過ぎることにする。

d0113429_11334394.jpg
面白そうな市場

d0113429_11334520.jpg
店先に並ぶチョコレートの数々

 さてさて、ランチの時間。Mucha(ムハ)というレストランに歩いて行く。このMuchaという人、後で知ったんだけどアールヌーボーの先駆者のような人で、パリのメトロの入り口とかのデザインをした人らしい。なるほどね。このレストランの入り口、どうりでパリのメトロの入り口みたいだと思った。僕はPlate “Mucha”という盛り合わせセットを頼んだ。肉はホロホロでなかなか美味しかったんだけど、Mikeの頼んだグラーシュが美味しそうだったなぁ。僕もアレを頼めばよかった…。

d0113429_11334614.jpg
レストランMucha

d0113429_11334890.jpg
Plate "Mucha"は盛りだくさん

 お腹が一杯になった後は、ツェレトゥナー通りを通って火薬塔(Prašná brána)を通り抜け、市民会館(Obecní dům)を横目に見ながらKOTVAというデパートへ。ここでクリスタルが安かったらたくさん買おうと思ってたんだけど、あるのはトラディショナルなデザインばかり。確かにキレイなんだけど僕の趣味には合わない。っていうか、ここは普通にダイニングルームで使うようなものばかり置いてあるんだよね。僕はちょっとモダンな美術品っぽいものを探していたので、残念ながらここでは気に入ったものを見つけることができなかった。帰りにさっき寄ったBlue Prahaまた行かなきゃだな。いいクリスタルが見つからなかったからといって、完全にここが失敗というわけでもなかった。紳士服の売り場には、僕好みの安いシャツがいっぱい! 気がついたら半袖シャツ2枚と長袖シャツ2枚を買っちゃってた。最近はこんな風にシャツに「呼ばれる」ことが少なくなったので、今回は呼ばれまくりで楽しかった! デパートを出た後は、またツェレトゥナー通りを通って旧市街広場へ。さっきのお気に入り製品をBlue Prahaで買った後、ホクホク気分でホテルに歩いて帰った。

d0113429_11335455.jpg
火薬塔

 ホテルでちょっとだけ昼寝をした後、今夜のフェアウェル・ディナーのためにいい服に着替えてバスに乗り込む。僕とKoreyはこの後ウィーンに向かうんだけど、このツアーとしては最後の夜。というわけで、豪華にお城でディナーというのがツアーに組み込まれていた。

 Nelahozeves Castleは、プラハから約1時間の距離にある。小さなNelahozevesという町を通り抜け、細い山道を大型バスで登っていくと、そこにお城はあった。ドイツなんかのお城を考えてるとちょっとイメージが違うかも。城というよりは、宮殿といった感じの建物かな。最初は中庭に通されて、シャンペンとオードブルのサービス。ここで一しきり歓談した後、ガイドに連れられて城の内部のツアーへ。ここはプライベートな城だったらしいんだけど、ドイツ占領下の時代にはやはり政府によって使われていたらしい。でも城を壊すなんてことはされなくて、美術品の収集場所になっていたらしい。その後この城は前の持ち主の下に変換されて、オーナーはニュージャージーの方に住んでいるということ。写真とかは撮ることができなかったんだけど、美術品はみんななかなか面白かった。歩く度に軋む床となんとなく暗い感じの照明が、ちょっと不気味的ではあったけど。

d0113429_1221491.jpg
中庭でのレセプション

 ツアーの後はダイニングルームへ。他にも小さなダイニングルームがたくさんあるみたいで、小さなグループが大勢賑わってるのが見えた。ダイニングルームにも美術品が飾ってあって、天井も高くていい感じ。

d0113429_1222071.jpg
広いダイニングルーム

 ここでは本当は普通のコースかベジタリアンのコースか選べることになってるんだけど、今回は少数しかベジタリアンのコースを予約しなかったらしい。そっちの方にとても興味があったんだけど、女性軍がベジタリアンのコースがいいらしく、僕は普通のコースを頼むことにした。

 最初のコースはTroutをまるで巻き寿司のように巻いてあるもの。プレゼンテーションが凝ってるよね。美味しいことは美味しいんだけど、なんだかちょっとパサパサしてる感じ? 一つ食べただけでもうなんか飽きちゃって、三つ全部食べるのはちょっと苦労が必要だった。うーん、やっぱりこの程度のレベルなのかなぁ。

d0113429_12221032.jpg
Stuffed trout with cream dill and walnuts

 お次はスープ。ビーフコンソメにレバーのニョッキが入ってる。ビーフコンソメは繊細で雑味がなくてとても美味しいんだけど、レバーのニョッキがレバー臭くてダメ(笑)。臭くて重くて、このコンソメスープにはとても場違いな感じ。このコースを頼んだ人たちはみんな同じ意見だったらしく、みんなレバーのニョッキを残してた。ベジタリアンの方は豆のスープで美味しそう。ああ、失敗したなぁ…。

d0113429_12222519.jpg
Homemade beef consommé with liver gnocchi and vegetable julienne

 メインコースは、ビーフのフィレにクリームソース、それにダンプリングが添えられてる。周りにあるのはクランベリーのソース。なんか愚痴ばかり言いたいわけじゃないんだけど、これもプレゼンテーションはキレイなんだけど、肝心のお味の方が…。見目に重点を置きすぎたせいか、ビーフ自体はとてもドライでパサパサしてしまっている。クリームソースが肉の味を凌駕しちゃってるし。あーん、城自体はいい雰囲気なのに、料理がこれじゃ台無しだよー。でもこのレベルが最大公約数なのかもしれないなぁ。期待してきただけに、ちょっとガッカリ。

d0113429_1223734.jpg
Filet of beef with cream sauce, cranberries and Carlsbad dumplings

 デザートは、本来ならばチョコレートケーキだったんだけど、僕はベジタリアンの方のストロベリームースの方がよかったし、Dennisはチョコレートケーキが欲しかったらしいので、トレード成立。これもまあ、まずまずといった感じの味だった。やっぱりプレゼンテーションは凝ってるんだよね。もうちょっとだけ味の方に力を注いだら、素晴らしくなるんだけどなぁ。でも、何もしなくても客が来るこういう場所では、あまり力をかける必要がないのかも。

d0113429_1223199.jpg
Strawberry mousse with walnuts and lemon balm

 ディナーの途中に、ツアーディレクターのMichaelがみんなに今回の旅のお礼を言って、一人一人にペンダントをプレゼントしてくれた。これは以前Michaelがフランスのグルメツアーをやったときから始まった伝統のようなもので、このツアーで出会った新たな友達をつなぐ絆のようなものという意味らしい。今回の旅は少人数だけあって、一人一人と深く知り合えた気がする。みんな本当に素晴らしい人たちだった。こんな旅仲間とだったら、どこに行っても疲れないかもしれないな。一人一人の名前が書かれた紙をMichaelが袋の中に入れて、それをDennisがくじ引き。当たった人にはMichaelから“Thank you”の意味でスペシャル・プレゼントがあるらしい。Dennisが袋の中から取り出したのは、なんと僕の名前! みんなから拍手される中、Michaelから素晴らしい美術品のお皿をもらってしまった。これはクラクフでMichaelが買ってきたものらしい。Dennisの「それ裏にMade in Japanって書いてあるよ」っていう冗談にみんなで大爆笑(もちろんMade in Poland)。家に帰ったらこの皿を立てる台をどこかで買ってきて、リビングルームにでも飾らなきゃ! 本当にいい思い出ができたなぁ。

d0113429_11343836.jpg
一人ひとりがもらったペンダント

d0113429_1134411.jpg
僕が当たったクラクフからのお皿

 Dennisの誕生日がもうすぐだったのでみんなで大声でHappy Birthdayを歌ったり、最後に配られた食後酒のBecherovkaに人それぞれの反応を示したり(Dennisは「ゲーッ!!」って感じだった(笑))しながら、フェアウェルディナーもこれで終わり。バスに乗ってホテルに戻る。でも僕の一日はまだ終わってない。まだ夜のプラハを見てない! スーツを脱ぎ捨てて普通の服に着替え、MikeとKoreyと三人で旧市街広場に向かう。これは『Monster』で夜のプラハのことを読んでから、絶対に見てみたかったんだ。コミックで「おとぎの国みたいだ」とのことだったけど、まさにその通り。ライトアップされた旧市街広場は、まるで別世界のように感じた。Mikeも“Surreal!”って叫んでたもの。もう真夜中だったんでそんなに人は多くなかったけど、それがまたよかったのかもしれない。ライトアップされたプラハ城もキレイだった! プラハは二泊三日じゃ全然足りない。また今度いつか、もっとゆっくりと訪れてみたい。今回のツアー、最初は高いからどうしようかと思ったけど、本当に来てよかった。やっぱり新たな土地に行くと、自分の中の世界が広がる感じがする。

d0113429_11344898.jpg
Becherovkaを飲んだ直後のDennis

d0113429_11345357.jpg
ライトアップされた旧市街広場は、本当におとぎの国のよう

d0113429_11345690.jpg
闇に浮かぶプラハ城も神秘的

[PR]
by alexsea | 2006-08-25 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: モーツァルトの足跡
モーツァルトの足跡 … 8月24日(木)

 ホテルで美味しい朝食を食べた後は、ロビーでŠárka(シャールカ)というガイドのおばさんに挨拶。みんなでバスに乗り込んで、まずはプラハ城(Pražský hrad)の方から観光が始まる。

 プラハ城はヴルタヴァ川の西岸の小高い丘にそびえ立っている。近くから見るとこれが面白くて、様々な建築様式が混ざったような姿をしている。城の周りにある建物も、モダンなものもあればゴシック様式っぽいものもあって、はっきりいってちょっとまとまりがない感じ。でも城の中でも一際目立つ聖ヴィート大聖堂の尖塔は、やっぱり確実な威厳を持って迫ってくる感じだった。城の門の前にあるフラッチャニ広場は人で溢れていたけど、ミュージシャンたちの生演奏もあって、ここから見える東岸の景色もキレイで、なかなか気持ちいい場所。なんでこんなに混雑してるのかなって思ったら、毎正時にある衛兵交代をみんな待ってるんだね。Šárkaに連れられて門を入ったすぐ内側で衛兵交代を待っていると……来ました来ました。靴の音をリズミカルに地面に響かせながら3人の衛兵が中から出てきた。柵も何もないからすごく近くまで寄って見れちゃう。これって妨害とかするヤツとかいなんだろうか(笑)。空色のユニフォームに身を包んだ衛兵は、ユニフォームと仕草のせいなのか、みんなとてもカッコいい。でも一時間も直立不動で立ってるなんて大変だよなぁ。いたずらをする観光客なんかもいるんじゃないかな。今回は見れなかったけど、正午のセレモニーは音楽を伴った大々的なものらしい。

d0113429_1123132.jpg
プラハ城門

d0113429_1123387.jpg
衛兵交代。カッコいいよね

 門を通り抜けた後は、聖ヴィート大聖堂(Katedrála sv. Víta)へ。ここもすごい人だかり! いつものように、カメラ・ビデオ用のステッカーを入り口で買ってから中に入る。……大聖堂の外もすごい迫力だけど、こりゃ中も凄まじいや。数あるステンドグラスの中で「これはスゴイ!」と思ったのが、ムハによる『聖キリルと聖メトディウス』。後でガイドブックにも書いてあったのを発見したんだけど、これは他のステンドグラスと一線を画してる感じ。とにかくグラデーションがもの凄い。真ん中は明るい色で、外側に行くほど暗い色になっていく。こんな感じに作られたステンドグラスを見るのって、僕は初めてじゃないかな。絵柄自体もとてもドラマチックな感じで、ストーリーを読み取れるような気がした。ここの大聖堂の中には、クリスマスキャロルで有名な(って僕はアメリカでコーラスに入ってから初めて知った曲なんだけど)、聖ヴァーツラフとしても知られるウェンセスラス王の墓があったりした。クリスマスになると歌う曲の中の人がここに眠ってるなんて、やっぱりちょっと不思議な気がする。

d0113429_1123985.jpg
聖ヴィート大聖堂は豪華絢爛!

d0113429_11231123.jpg
『聖キリルと聖メトディウス』
これは見入ってしまった

 大聖堂を出た後は、敷地内にあるカフェでコーヒーブレイク(僕はもちろんアイスクリーム)。その後は黄金小路(Zlatá ulička)と呼ばれる場所に行くことに。狭い通りに小さな家が所狭しと並んでいる所なんだけど、ここは城内で仕える召使いなんかが住んでいた場所で、錬金術師も住むようになって、この名前がついたということらしい。この黄金小路に入るにはまた別料金が必要なんだけど、実はこの家々は今は全て土産物屋になってるんだよね。土産物屋に行くためにお金を払ってチケットを買うなんて、なんかヘンな気がした(笑)。でも歴史的な場所だから仕方がないか。僕はあまり知らないんだけど、『変身』で知られる作家カフカもここで仕事をしたことがあるらしい。この家々の一つに、折り畳み式の階段があるのを発見。普段は折り畳んで壁に寄せておくんだけど、使いたいときには引っ張り出すと階段になるっていう仕組み。狭い空間を上手く利用した、グッドアイデア賞ものです。黄金小路を出ると、城の下まで続く緩やかな坂道があって、そこから見える景色は最高だった。土産物屋が並ぶ坂道をみんなでゆっくりと下りて、カレル橋へと向かう。

d0113429_11232951.jpg
黄金小路
青い家がカフカが住んでいた場所

d0113429_1123172.jpg
のんびりとカレル橋へと向かう

 カレル橋(Karlův most)はプラハで一番有名な場所なんじゃないかな。30体もの聖人像が立ち並ぶ歩行者専用の橋は、プラハの顔といっても過言じゃないと思う。一番最初に建てられた彫像は聖ヤン・ネポムツキー像で、これだけが青銅でできているみたい。この像の足元にあるレリーフは観光客に触られて変色しているんだけど、ここに触るとプラハにまた戻ってくることができるという言い伝えがあるらしい。ローマのトレヴィの泉みたいな? 僕もちゃんと触ってきたぞ。聖人像の中には観光客がいたずらしたのもあって、ビール瓶を掲げてる像があった。これには笑っちゃったけど、なかなかナイスだと思った。ちょっと残念だったのが、漫画『MONSTER』で読んだみたいな、マリオネットを操る人が一人もいなかったこと! これって偶然いなかっただけなのかなぁ。「カレル橋で見かけたフランツ・ボナパルタの息子」とかいうタイトルで写真を撮りたかったのに(笑)。

d0113429_11233844.jpg
誰がイタズラしたのか
聖人像の一つには神々しいビール瓶が!

d0113429_11234020.jpg
聖ヤン・ネポムツキー像
僕も触ってきた

 東岸は西岸とは違って、もっとゴミゴミしていて都会っぽい感じ。人もたくさんいるし、道幅もとても狭い。僕たちはクレメンティヌム(Klementinum)と呼ばれる建物の中庭を通って、旧市街の中心部を目指す。この中庭、外の喧騒がウソのように静か。今は図書館として利用されている場所らしい。

 旧市街の中心は、旧市街広場(Staroměstské nám.)。ここの目玉はやはり旧市庁舎(Staromĕstská radnice)の建物にある、天文時計(Orloj)。天動説に基づいた動きをしているらしい。毎正時には仕掛けが動き出して、キリストの12使徒が二つの窓の中からゆっくりと現れては消えていく。これを見るためにすごい人が集まってるんだけど、この仕掛けが終わった後は、「これだけ?!」っていう笑いに包まれる。確かに人形がただ横に動いていくだけで、大した仕掛けはないんだよね。広場のもっと中心の方には、ヤン・フス像(Pomník Jana Husa)がある。15世紀のチェコで宗教改革を行った人で、チェコの人々にとってはとても大切な人らしい。ここの広場にはレストランやカフェや土産物屋がいっぱい! 時間ができたら、この広場でちょっとゆっくりするのもいいかもしれないな。

d0113429_11241123.jpg
観光客でいっぱいだけどとても楽しい旧市街広場

d0113429_11241494.jpg
超有名な天文時計

d0113429_11241770.jpg
ヤン・フス像

 さて、Šárkaによるツアーはこれでおしまい。ここで解散。彼女にランチでオススメのレストランを聞いたんだけど、広場にある観光客で溢れかえってる店を教えてくれただけ。見るからに味に期待できそうになかったんで、調べてきたデータを元にFlambéeというレストランにMikeとKoreyと僕とで向かうことにする。今夜はオペラ鑑賞。ちゃんとしたディナーの時間がないので、とてもいいレストランで贅沢なランチを食べることにしちゃう。

 Flambéeでのランチの詳細については、ここ

 本当に素晴らしいランチを楽しんだ後は、ホテルまでゆっくりと歩いて帰ることにする。15分くらいの徒歩なんだけど、もっと旧市街広場に近かったらよかったのにな。でも近ければ近いほど、部屋の広さとかは反比例するかもしれないから、今のホテルでよかったのかも。

 ホテルに帰ってフロントに部屋替えのことを聞いてみると、渡された鍵はなんとまた219。これって昨日タバコ臭かった部屋なんだよねってフロントに言ったら、大丈夫なように掃除しましたとのこと。まあまだ臭かったら変えてもらえばいいかってことで、とにかく行ってみることに。……驚いたことに全然匂いがしない! こりゃスゴイや。一体どう掃除したっていうんだろう。単に以前ヘビースモーカーが入ってて、窓を開け放っておく間もあまりなく僕たちが到着しちゃったってことなのかな。匂いがしない部屋なら全然OKってことで、荷物を前の部屋から運んできてちょっと休憩。あ、そうそう。 ご迷惑をおかけしましたってことで、滞在中のミニ・バーは全部タダになるそうな! これは嬉しかったねぇ。いつもはよほどのことがない限り手が伸びないミニ・バーなんだけど、部屋に入った瞬間にファンタとか出してグビグビ飲んじゃってたもん。僕って貧乏性?

 今夜はツアーに組み込まれているオペラ鑑賞。実は僕はオペラは初めて。ミュージカルは大好きなんだけど、オペラはたぶん僕には合わないなとずっと思ってた。2006年はモーツァルトの生誕250周年。各地でモーツァルトに関する様々なイベントが行われているらしい。今回のオペラはモーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ(Don Giovanni)』。1787年10月29日が初演で、今回行くエステート劇場(Estates Theatre)でモーツァルトが指揮をしたらしい。映画『アマデウス』の劇場シーンは、ここで撮影されたとのこと。実際にモーツァルトが指揮をした劇場で初めてのオペラを鑑賞できるって、かなりラッキーかもしれない。

 プランとしては歩いていく予定だったんだけど、ツアーディレクターのMichaelが実際に歩いてみたらちょっと遠かったとのことで、バンのようなタクシーをアレンジしてくれた。エステート劇場は旧市街にある。タクシーから降りて劇場を見上げてみると、思ってたよりもちょっと小さな感じ? シアトルのオペラハウス(McCaw Hall)はウチのコーラスでも使うことがあるんだけど、そこよりも二回りくらい小さい気がする。でも昔の劇場はこのくらいのサイズだったんだろうな。中に入ってスパークリングワインを注文、みんなで観劇を祝って乾杯~(でもこのスパークリングワイン、すごくマズイ)。

d0113429_11245746.jpg
エステート劇場

d0113429_1125073.jpg
…の前にあったインパクト抜群の広告

 内部はやはり小さいながらもかなり豪華。天井のシャンデリア、壁の金の縁取り、舞台の上のレリーフなど、とても時代を感じさせてくれる。ただねー、椅子がちょっとチャチっぽい。座り心地も良くないし。周りが豪華だから、余計に椅子のダメさが悔やまれた。

d0113429_1125739.jpg
豪華な劇場内部

d0113429_112592.jpg
シャンデリア

 最近のオペラは歌詞の訳を表示してくれるところなんかもあるらしいけど、ここはそういうのは一切なし。イタリア語なので、事前にストーリーを知っておかないとわけがわからなくなってしまう。というわけで英語のプログラムを購入。ちゃんと幕ごとにストーリーの解説がついてる。これを読んでストーリーを把握した後、いざ開幕!

 結果としては、とても面白い体験だった。でもやっぱり僕はミュージカルの方が好きだな。確かに音楽もいいし、役者の表情も面白いんだけど、なんか僕自身にはしっくり来ない感じ。ドン・オッタヴィオ役のテノールがいい味出してた。従者役の人も表情豊かで面白かったし。ただ肝心のドン・ジョヴァンニ役のバリトンが、なーんか???な感じだったなぁ。確かにいい声してるんだけど、微妙にフラットになってたりとか。僕の前に座ってたおじさんは、彼のソロのときに頭を振ってたもんな。あ、そうそう。僕らの後ろに、ボストンから来たらしい10台後半か20台前半の若者たちが座ってたんだけど、彼女たちが始終ひそひそ話をしてたのがすごく気になった。僕の隣に座ったAnnが「静かにしなさい!」って注意したんだけど、彼女たちは「指図しないでよ」なんて言う始末。Annはもうキレちゃって席を立って殴りにでもいくような雰囲気。僕は彼女の肩を抱えて椅子に戻して、無言でなだめるしかなかった。まさに、「どひー」状態。どうなることやらって思ってたんだけど、休憩のときに「10時50分頃まで終わらないらしいよ」って僕たちが話してるのを後ろの男の子が聞いたらしく、それを彼女たちに言ったら、「えー? そんなに長くいられないわ。あたし、旧市街のバーに行く!」とみんな席を立って出て行った。それを知ったAnnは「YES!!!」だって(笑)。あの若者たち、たぶん男の子の一人がオペラを提案したんじゃないかな。彼の面目丸つぶれで可哀そうかも。

 外に出てみると小雨がパラついてたんだけど、傘がいるほどでもない様子。タクシーを呼んで帰った人もいたみたいだけど、僕たちは歩いて帰った。本当は旧市街広場まで行ってライトアップされた街を見たかったんだけど、ジャケットにネクタイ姿じゃちょっとね。仕方ないので夜の街は明日に取っておきましょう。
[PR]
by alexsea | 2006-08-24 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: さらばポーランド、いざチェコへ
さらばポーランド、いざチェコへ … 8月23日(水)

 いよいよクラクフとお別れの日。市内ツアーにヴィエリチカ、それにアウシュヴィッツと、ガイドツアーが多かったから、自分で出歩く時間がすごく少なかった。またいつかここに来て、もうちょっとゆっくりと過ごしてみたい。この小さい街独特のしっとりとした感覚、好きなんだよな。

 バスは朝早く、チェコに向けて出発。途中Brno(ブルノ)のちょっと外にあるショッピングセンターのような場所で昼食。色々とあったんだけど、なんだかアジア風の食べ物が恋しくなってしまったので、Panda Expressのチャイニーズで、チキンと焼きソバのセットを注文。ショッピングセンターならでは!って感じの味だった。まぁお腹がふくれて満足だったけど。

d0113429_1120242.jpg
バスの窓からは牧歌的な風景

d0113429_1120471.jpg
お腹はふくれたけど…

 途中はほとんど寝て過ごしてたんじゃなかったかな。さしたるトラブルもなく、バスはプラハに6時過ぎくらいに到着。ホテルの前にバスが止められるような場所がなかったので、ドライバーは迷った挙句、普通のバスの停留所のような場所に止めてしまう。急いで荷物をバスから降ろして、Hotel Cesar Palaceにチェックイン。ここは旧市街の中心から約15分ほど歩いた場所にあるホテルで、新し目の場所らしい。最初に通された部屋は219号室! 僕は誕生日が2月19日だし、他にも219という数字に縁があることが多いので、鍵をもらったときには笑ってしまった。

 ところが! 219号室に入ってみると、タバコ臭くてたまらない。禁煙室を予約してくれてたらしいんだけど、どうもそれが通ってなかったらしい。喫煙室でもいいことはいいけど、このタバコ臭さはちょっと尋常じゃない。おまけにまたバスタブがなくて、シャワーしかついてないし(泣)。ツアーディレクターのMichaelに頼んでホテルにかけあってみてもらうと、今日は満室なんだけど、普通は使ってない部屋を見せてくれるという。案内に来た従業員が219号室に入ると、「うわっ、これはスゴイですね。僕はスモーカーなんだけど、それでも酷いと思いますよ」とのこと。見せてくれた部屋はエレベーターで降りてから階段を上がった、屋根裏部屋のような場所。最初はバスタブがついている部屋を探したんだけど、あってもとても小さくて、リラックスできるようには思えない。というわけで、タバコの匂いがしなくて、インターネットのアウトレットのある部屋ならいいと妥協(いくつかの部屋はネットが通っていなかった)。結局三角屋根の608号室に移動することになった。……しかーし! 実はこの部屋からネットに繋がらないことが発覚。しかもテレビの音声もおかしいし。仕方ないので今日はこれで我慢することにして、明日また新しい部屋を探してもらうことにした。ひー、のっけから大変だったよ。

 さて荷物を移動して、シャワーを浴びてさっぱりしたら、ディナータイム! 本当はプラハでちゃんとしたディナーができるのは今夜しかないんだけど、バスの長旅で疲れてるし、人気のあるレストランは予約なしだとツライと思ったので、ホテルのすぐ近くにあるU Fleků(ウ・フレクー)というビアホールに行くことにした。ここは創業1499年、プラハで最も古いビヤホールらしい。

d0113429_11201114.jpg
入り口の時計にはU Fleků(ウ・フレクー)と書いてある

 U Flekůに行く途中、大通りから同じ方向に向かって進んでいる大勢の団体観光客を発見。この団体がみんな同じ場所に行くんだったらとんでもないなーなんて思っていたら、案の定予感的中。U Flekůの前には黒山の人だかりが……。今夜は他の場所を探さなきゃダメかななんて思ってたら、グループの中の一人が中に入って聞いてみたら、団体は別の部屋にみんな行くらしい。団体に混じって中に入り、5人なんだけどというと、あっけなくすぐにテーブルに案内されてしまった。

 テーブルに座ってすぐ、頼んでもいないのに、ショットグラスを持ったおじさんがまわってきた。なんだかわからないけど、とにかく飲んでみようということで、みんなでトライ。んー、なんていうのかな、色々なスパイスが入っていて、ちょっと甘めで強烈な匂いのリキュールって感じ。アルコール度数はかなり高く感じる。聞いてみると、Becherovka(ベヘロフカ)というお酒らしい。なんでも100種類のハーブが使われている薬草酒で、食前酒や食後酒に飲まれるみたい。なるほどのスパイス感だった。胸が温かくなってくるのを感じる。これは人によって感じ方がそれぞれで、僕は平気だったけど、ひどくマズそうな顔をしている人もいて、結構楽しかった。

 またまた頼んでもいないのに、全員に黒ビールが置かれていく。うー、黒ビールは苦手なんだよなー。でもここの名物らしいし、飲んでみようかということでトライしてみると、今まで体験した黒ビールとは全く違う! 頭の中にあった黒ビールのイメージって、ちょっと甘みがあってどっしりと重たくて、全然僕が好きな味じゃなかったんだけど、これは甘さは全然なく、軽くて味もあり、普通のビールと変わりない感じ。これならいくらでも飲めちゃうぞ。

 メニューから頼んだ料理は、ローストポークに、ザワークラウトとクネドリーキが乗ったもの。ローストポークはよく煮込んであって味もどっしりしていて、とても美味しい。ザワークラウトは普通っぽかったけど、酢がよく効いていて箸休めにピッタリ。クネドリーキはチェコ独特のパンのようなもので、更には二種類乗って出てきた。白っぽい方はまさに蒸しパンといった感じ。黄色っぽい方は、ポテトかなんかを入れてあるのかな? 白いクネドリーキよりももっとネットリしていて、ちょっとだけ甘みもあって面白かった。

d0113429_11201343.jpg
飲み食いに夢中で写真をこれだけしか撮ってない…

 アコーディオンとチューバの演奏が店のあちこちで行われていて、とても賑やか。音楽と黒ビールと美味しい料理と楽しい会話。グラスに1/3ほどビールが残っていると、サーバーがどんどん次のビールを置いていくので、結局3杯ほどグビグビと飲んでしまった。アコーディオンとチューバが『フニクリ・フニクラ』を演奏し始めると、客の一部はそれに合わせて歌いだす。名前は忘れたけど、ロシアの民謡みたいな音楽が演奏されたときにも、大勢の人が歌っていた。ホール全体が一体になった感じで、ハッピー感が満ち溢れていて、すごく幸せになってしまった。こんな雰囲気って、昔ドイツに行ったときに一度感じて以来かな。ビールって人を幸せにする力があるのかも。もちろん観光客で溢れてる場所だったけど、地元の人もあちこちにいるみたい。いいよなー、こういうの。

 すっかりハッピーになった後は、どこにも出歩かずにホテルに戻って寝ることにした。明日はいよいよプラハ観光だ!
[PR]
by alexsea | 2006-08-23 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: 暗黒の歴史、アウシュヴィッツ
暗黒の歴史、アウシュヴィッツ … 8月22日(火)

 アウシュヴィッツ(Auschwitz)。たぶん学校の授業で習ったとは思うんだけど、ヒットラーの時代にユダヤ人が大量虐殺された場所、それだけの知識しか僕は持っていなかった。日本では学校で習っただけだけど、アメリカに来てからもっと頻繁に映画やドラマで耳にする機会が多くなった。はっきり言って、僕は落ち込むのが好きじゃない。重いテーマの映画は大嫌いだし、ハッピーエンドじゃないと絶対に観る気がしない。それでもアウシュヴィッツの近くにいる以上、ここは絶対に行っておかなければいけないような気がした。たぶんツアーの他のみんなも同じような考えだったんだろう。ツアーのベースには組み込まれていないオプショナルツアーだったんだけど、全員申し込んだらしい。

 アウシュヴィッツは、クラクフから車で約1時間半離れているオシフィエンチム(Oświęcim)という街にある。当時は“囚人”の登録場所であった建物が、このアウシュヴィッツ博物館の入り口になっていて、ここでガイドのMagda(マグダ)に会い、彼女に連れられて暗黒の歴史のある建物群へと移動していく。囚人の収容所への入り口には、有名な門がある。「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)」と書かれたこの門。いくら働いても決して自由になることはできなかった人々の空しさが刻み込まれている気がする。

d0113429_11145569.jpg
アウシュヴィッツの門

d0113429_11145757.jpg
いたるところに高圧鉄線が

 建物の中は撮影不可だったので(っていってもバンバン撮影している人もいたけど)写真やビデオは撮れなかった。でも中でも一番グッと来たのが、ある部屋にガラス越しに置いてある髪の毛の山、山、山。ここで殺された人々の生の髪の毛。ここで起こったことが、お話でも言い伝えでもない、紛れもない事実なんだということを思い知らされてしまった。なんで人間が同じ人間に対してこんなことをできるんだろう? この髪の毛を見た瞬間、自分の中の感情のグラスが一杯になってしまって、注意しないと泣き崩れてしまいそうだった。感情を切り離さないといけなかった。グループのほとんどの人が涙を流してたけどね。Annなんかはもうほとんど泣き崩れそうになってた。「新しい門出」を夢見てきた人たちの生活用品の数々。子供たちのたくさんの靴。当時殺された人々の“囚人写真”。どれも心に重くのしかかってきた。

d0113429_111518.jpg
「死の壁」では人々が銃殺された

d0113429_1115479.jpg
新しい人生を夢見て来た人たちなのに

 「死の壁」で銃殺された人たち。「飢餓室」で飢えて死んだ人たち。「立ち牢」に入れられて休むことも許されずに力尽きて死んでいった人たち。シャワーだと告げられて裸にさせられて入ったガス室で、天井からチクロンBという青酸カリの錠剤を投げ込まれて、苦しんで死んでいった人たち。ガス室が初めて使われた時には、ナチ側もどれだけ錠剤を投げ入れたらいいかわからずに、最初の実験台になった人たちは二日間も苦しみぬいた後に亡くなったらしい。短時間にどれだけ多くの人の命を奪えるかという、「人の死の生産率」がここでは計算されていた。こんな想像もつかないようなことが、たった60年前に実際に起こっていた。

d0113429_1115893.jpg
絞首台

d0113429_11151039.jpg
ガス室への入り口

 アウシュヴィッツでの実験を元に、より「生産性の高い」収容所としてできたのが、ビルケナウ(Birkenau)と呼ばれる場所。ここはアウシュヴィッツから車で約20分のところ。ナチの証拠隠滅のためにかなりの部分が遺跡化しているけど、一つの狭いベッドに3人から4人の人を詰め込んだりとか、アウシュヴィッツよりもさらに輪をかけて非人間的な扱いをしていたらしい。今は草や花が咲き乱れる平和的な光景なんだけど、つい60年前はここはまさに地獄だった。

d0113429_11152415.jpg
証拠隠滅のためビルケナウは半分遺跡化している

d0113429_11152955.jpg
人々が捕らえられていた建物の中

 僕は観光名所に行くと、そこの場所のことを説明したDVDを買うのが好きで、アウシュヴィッツでも見学後にDVDを買おうと思っていた。でも実際に見学を終えてみると、あまりの悲惨さにDVDを買って後で家でも見ようという気にはとてもとてもなれない。でもこの世の地獄を知っておくというこの体験、僕の人生にとってとても貴重なものになったと思う。もう二度とこの場所には来たくないけど。

 帰りのバスの中で、BobがDariuszに、ポーランドが民主化される前と後の暮らしの違いはどうだったのかを尋ねた。どれだけ仕事をしても貰うものは同じなので、タイムカードだけを押して後は仕事をサボる奴がたくさんいたらしい。食料品の買い出し(配布)も、かなりの長さの列に並ばなければいけなかったので、ほとんど一日がかりの仕事だったらしい。車を買うにも家を買うにも、申し込んでから9年くらい待たなければいけなかった。車も自分で車種や色を決められずに、まわってきたものを自分のものにするしかなかったらしい。政府の都合でその待ち時間が延ばされることも少なくなかったということを聞いた。共産主義が終わった後は後で、貧しい状態から脱出するのにかなり時間がかかったみたい。普通に仕事をしていると雀の涙ほどの給料しか貰えないので、Dariuszは裏で密輸もしていて、それで大儲けしたらしい。大罪のように思えるけど、そのころはたくさんの人がやっていたんだって。でも一度捕まってしまって、それでやめることになったらしい。貯めたお金でアメリカに渡り、ホテルでサーバーやバーテンの仕事をしてお金をどんどん貯めていったんだって。クラクフに帰ったときにはそのお金で家と中古のBMWを買って、クラクフの中では裕福な暮らしを始めることができたらしい。それから自分でガイドの会社を設立して今に至るとのこと。なんともいえない波乱万丈な物語だよなぁ。笑顔で淡々と語ってくれたけど、当時の苦労は並々じゃなかったと思う。日本やアメリカに比べると、ポーランドは今でさえ物価が安いけど、民主化直後は今の比じゃなかったらしい。今の予算で昔のポーランドに行ったとしたら、王様のような扱いを受けられたみたい。結局のところ、このDariuszの話が僕にとってのクラクフでのハイライトの一つになった。実際に暮らしていた人の話は本当に説得力がある。自分の生活がいかに恵まれたものであるかを、再認識してしまった。

 二日間のDariuszにお礼と別れを告げ(チップもうーんとはずんで!)、ついでにレストランのオススメも教えてもらうことにした。当初のプランではChłopskie Jadłoというレストランに行こうかと思ってたんだけど、彼の話によると二日前に行ったPod Aniołamiとそんなに変わらないらしい。「もっと安くて楽しいところがあるよ」と教えてくれたのが、C. K. Browar(C. K. ブロヴァール)という場所。ここは店でビールを醸造しているところで、ビヤホールのような感覚で楽しめる場所らしい。そんじゃそこに行くことに決定! グループ内のビール好きに声をかけようと思ったら、あれよあれよという間に話が広がって、ほとんど全員で行くことに。んー、グループを引率するつもりはないから、行きたかったらロビーに7時集合ねーって言うだけにしておいた。

 最初は歩いて行こうかと思ってたんだけど、なんとなく雨もパラついているんで、ホテルにタクシーを呼んでもらって分乗して行くことに。C. K. Browarは、入り口から地下に潜ったところにある(クラクフってみんなこんな感じ?)、まさに若い人むけのビヤホールといった感じの場所。アメリカとかだと、ビールをたくさん頼むときにはピッチャーに入ってくるけど、ここではなんと大きな筒にビールが入っていて専用の注ぎ口がついてるデカイものを運んできてくれるらしい。まず最初に、サーバーがここで作っているビール各種のサンプラーを持ってきてくれた。色々と味があって楽しいけど、僕はやっぱりライトビールかな。っていっても、普通の“ライトビール”とは違ってちゃんと濃厚な味がするから嬉しい。普通はビールがあまり好きじゃない僕も、こんな感じのビールだったら、雰囲気でいくらでも飲めちゃう気がする。

d0113429_11154513.jpg
C. K. Browarは楽しいビヤホールって感じ

d0113429_11155066.jpg
ビールのピッチャーにビックリするBobとAdam

 ライトビールのデカイ筒を持ってきてもらって、僕が頼んだ食事はポーク・メダリオン、マッシュルームソース。これにはフレンチフライが山ほどついていて、別皿で付け合せ各種もついてくる。ビヤホールらしい大味な感じだったけど、なかなか美味しかったんじゃないかな。もうちょっとソースがたっぷりかかってたらよかったのにな。音楽が大きくて声を張り上げて喋らなきゃいけなかったけど、なんだか学生時代に戻ったかのような感じで、とても楽しかった。みんなもかなり飲んでたと思う。帰りは希望者だけで、Dariuszに教えてもらったバーへ。僕はそこでやっぱりズブロッカのソーダ割りを飲んだりしてたけど、次の朝はまたチェコに向けて長いバスの旅なので、11時以前にはバーを出てみんなで歩いてホテルまで帰った。結構酔ってたから、冷たい風が頬に当たって気持ちよかった。

d0113429_11155229.jpg
ポーク・メダリオン
うーむなかなか

[PR]
by alexsea | 2006-08-22 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: チャクラでエネルギー充電?!
チャクラでエネルギー充電?! … 8月21日(月)

 朝起きてテレビでニュースを見ていると、昨日離れたばかりのブダペストがすごいことになっているらしい。昨日の日曜日は聖イシュトヴァーンの日ということで、ブダペストにとっては建国記念日のようなもの。河でレースが行われたり花火が上がったりして、街中はお祭り気分一杯になると聞いていた。ところが花火が終わる頃からものすごい嵐が始まって、木は倒れて車を押し潰すわ、河に浮かんでいた船同士がぶつかって人が何人も河に投げ出されるわで、死者が何人も出たりする大惨事になってしまったらしい。僕らとしては、せっかくのお祭りの日に街を離れなきゃいけないなんてアンラッキーだなって最初は思ってたんだけど、この話を聞いて、いかに僕たちがラッキーだったかを思い知らされてしまった。いやはや、本当に怖いもんだ。

 さて、今日は市内ツアーの日。朝食を食べた後、ロビーに集まってバスに乗り込む。まずヴァヴェル城までバスで行って、そこからはずっと歩きのツアーらしい。クラクフは小さな街だから、見所は歩きで十分まわれるらしい。今回のガイドはDariusz(ダリウス)。にこやかでエネルギッシュな彼の英語はとても聞きやすい。アメリカで暮らしたこともあるそうな。

 ヴァヴェル城(Zamek Królewski na Wawelu)は、クラクフの街の景観の中でも最も目を引く大きな建物。着工されたのは14世紀のことらしい。城への坂道を上ったあと、川べりを見てみると竜の洞窟の目印になっている竜の像が見えた。時々火を吹くらしいのでしばらくみんなで見てたんだけど、結局吹かなかったので、城の方へと向かうことにする。

 ヴァヴェル城の大聖堂(Katedra Wawelska)の前あたりが城と大聖堂を眺める絶好の写真ポイントになっているらしく、多くの観光客が写真を撮ろうとひしめきあっていた。確かに芝生と花で飾られた庭はとてもキレイ。青空と花と大聖堂の建物が、とてもよくマッチしてる。僕たちもここでひとしきりピクチャータイムを過ごした後、いよいよ大聖堂の中へ。

d0113429_10574395.jpg
青空に映える大聖堂

 大聖堂の中はとにかくすごい人ごみだった。Dariuszは歴史とか色々なことを話してくれるんだけど、いかんせん歴史には興味がないので、僕はとにかくキレイなものを写真に撮りまくってた。大聖堂の下にカタコンベがあって、そこに歴代の王の遺体が安置されているらしいんだけど、ここの大聖堂の中にも柩だけが飾ってあったりして、やっぱりヨーロッパの「棺桶見せびらかし好き」を思ってちょっと笑ってしまったり。でも柩とはいっても、もう芸術品のレベル。芸術の粋を尽くしたといっても過言ではないみたい。そりゃ王様とかが入るんだもんね。

d0113429_10575457.jpg
大聖堂の中は人でいっぱい

 カタコンベの中もちょっとだけ説明を聞きながら通り抜けた後、大聖堂の外に出てコーヒーブレイク(僕はアイスクリームを食べたけど)。大聖堂やカタコンベはじっくり見ようとするといくら時間があっても足りないので、Dariuszは本当に重要なポイントだけを押さえて説明してくれたみたいだ。

 ちょっとしたブレイクの後は、旧王宮の中庭へ。広々とした中庭は、旧王宮の建築様式を見るのにピッタリの場所。ここでグループの誰かが言いだした。「ここにチャクラ・ポイントがあるって本当?」 チャクラ・ポイント?? それを聞いたDariuszは苦笑しながら、ここにあるという「人もいる」ということを教えてくれる。なんでもヒンズー教によると、人間の体には7つの“チャクラ・ポイント”があって、地球上にもそれに対応する7つの場所があるらしい。その一つがこのヴァヴェル城の中庭。“チャクラ・ストーン”なるものが埋まっているという説もあるらしい。Dariuszが笑いながら案内してくれたのが、この中庭の一角。その角の壁に背中をつけて立って目を閉じ、瞑想しているような人が三人ほどいるではないですか。僕たちもその一角に近づいて、そこから噴き出しているらしいエネルギーを感じようと努力してみる。……あー、説明を聞く前にここに来たかったなぁ。その角の近くに行ったときに、右手から腕のあたりが痺れるような感覚を受けたんだけど、それが本物のエネルギーなのか、それとも説明を聞いて勝手に頭が作り出した幻想なのか、残念ながらわからなかった。でももし本物のエネルギーを感じることができたんなら面白いな。

d0113429_10581076.jpg
旧王宮の中庭の一角にはチャクラ・ポイントが?!

 シアトルに帰ってから調べてみたら、日本ではこのことはほとんど知られていないらしいけど、英語での検索はたくさんヒット。なんでもヴァヴェル城の人たちはこの噂を否定していて、城の公式ガイドもこのチャクラ・ポイントのことを話すことを禁止されているらしい。それでもかなりたくさんの人が、チャクラのエネルギーを感じようとこのヴァヴェル城を訪れるみたいだ。Dariuszはちゃんと教えてくれてよかった。もしかして本当にエネルギーが噴き出しているんなら、ちょっとだけミステリーパワーを充電できたかもしれないし。こういうのが大好きな僕にとっては、思いもよらないナイストピックだった。

 さて、ヴァヴェル城近辺の観光を終えた僕たちは、Dariuszに連れられて城の横の坂道を下り、旧市街を中央市場広場に向かって歩き出す。昨日行ったレストランのPod Aniołamiも横目に見ながら通り過ぎた。所々の建物の入り口の上に、ライオンやザリガニなんかの彫り物が掲げてあるところがあるんだけど、これは昔、住所の代わりに使っていたものなんだって。だから何丁目何番地とかいうんじゃなくて、「ザリガニの家」とか「ライオンの家」とかの名称で呼ばれてたんだろう。

d0113429_10582654.jpg
クラクフの綺麗な町並み

d0113429_10582988.jpg
「ライオンの家」

 次に僕たちが訪れたのは、フランシスコ修道院。ここは今でもちゃんと修道院として使われているらしい。聖堂に続く廊下はひっそりとしていて、修道院独特の雰囲気をびしばし感じてしまった。ここの聖堂で面白かったのがステンドグラス。かなり昔に作られたものなんだけど、他の教会なんかにあるステンドグラスとは全く違う、とてもモダンなデザイン。そのせいで、当時この製作者はかなりブーイングを浴びてしまったらしい。時代を先取りしてたんだねぇ。『指輪物語』のガンダルフを想像させるこのステンドグラス、個人的にとても気に入ってしまった。

d0113429_1058338.jpg
ガンダルフ?!

 この修道院を出てすぐのところには、大司教宮殿がある。窓には前ローマ法王のヨハネ・パウロ2世の写真が飾られている。彼はこのクラクフ出身だったらしい。里帰りしたときには、写真の飾られてある窓から人々に手を振って挨拶したらしい。この宮殿の中庭には彼の銅像がある。宗教と政治の世界が大嫌いな僕にとっては、ローマ法王という地位はあまり好きじゃない感じなんだけど、いかにクラクフの人たちがヨハネ・パウロ2世を誇りに思っていたか、そんなことが感じられた一瞬だった。

d0113429_10583743.jpg
大司教宮殿の中庭

 さてその後はヤギェウォ大学へ。ここはDariuszが出た大学らしい。庭にはコペルニクスの像が飾られている。そっかー、コペルニクスってここの出身だったのか。大学の建物の中には仕掛け時計があって、動いたりするらしい。残念ながら僕たちは見れなかったけど。建物の中庭の一角に、ちょろちょろと水が流れ出てる泉がある。この水を指につけて額に一の字を書くと、頭が良くなるという言い伝えがあるらしい。僕たちもワイワイとやってきました。

d0113429_10585048.jpg
コペルニクスの像

d0113429_10585212.jpg
賢くなる泉とGabby, Ann, Mike

 群集は中央市場広場を通り抜け、ここで一番目立つ建物、聖マリア教会へと足を運ぶ。ものすごい人だかりなんだけど、ここの教会の祭壇でちょっとしたイベントがあるらしい。「遅れないようについてきて」と言うDariuszにくっつくようにして人ごみをかきわけ、祭壇の目の前に辿り着く。ちょうどそこだけ、まるで僕たちを待っていたかのように誰もいなかったんだよね。みんなたぶんそこには立ったらいけないんじゃないかと思ってたんじゃないかな。僕たちがいきなりそのスペースに現れたものだから、なんだこいつら?っていうような視線が痛かったけど(笑)。でも僕らはガイドの言うとおりにしてるんだから大丈夫! たぶんこのイベントは11:45から始まったんじゃないかな? 修道女が一人祭壇に現れて、ちょっとしたアナウンスをした後、音楽が流れ始めて(録音だけど)、その修道女が祭壇にある大きな扉を開いていく……。扉を開く前も結構キレイな絵が描かれた美術品だったんだけど、扉の中にはもっとキレイな世界が広がっていた。絵と金色の像を組み合わせた3D物語の世界。Dariuszが言うには、これは昔「貧乏人の聖書」とも呼ばれていて、字の読めない貧しい人でも、この美術品の中を見ることで聖書のストーリーがわかるということらしい。素晴らしい! ガイドブックにはこんなこと書いてなかったよな。ビデオや写真はお金を払ってシールを買わなきゃいけないんだけど、買っておいてよかった。ビデオにバッチリ撮ることができたもん。

d0113429_1059563.jpg
開く前と

d0113429_1059853.jpg
開いた後
豪華絢爛~!

 このイベントを見た後は、この教会の外に。この教会の塔の一つから、毎正時にトランペットが鳴らされるらしい。トランペットのプレイヤーは、塔の窓から四方向に一回ずつ、昔々からのメロディーを吹き鳴らす。かなりの人々が集まってトランペットを待ってたけど、これって一日24回もあるんだから、無理して待つ必要もないかも。市の職員(消防署員らしい)が持つトランペットだけが窓から出て、30秒くらいのメロディーを奏で始めた。鎮魂歌のようなこのメロディー、終わりは唐突に訪れる。まだ何か続きそうなものなのに、いきなり途切れてしまう。これは何故だか誰もわからないらしい。ただ昔から、唐突に途切れるメロディーを伝統的に繰り返してきたとのこと。

d0113429_10592071.jpg
この窓からトランペットが吹かれる

 さて、Dariuszによる市内ツアーはこれでおしまい。彼はこれからランチに行くけど、もし一緒に来たい人がいたらどうぞとのことだった。でも全員行くとは彼も思っていなかったらしい(笑)。昼食はDariuszもよく利用するレストラン、U Babci Maliny。入ってすぐ地下に潜って(なんでどこの店も地下に潜るところが多いんだろう?)、カウンターで注文する。僕はもちろんビールと、Dariusオススメのマッシュルームスープ。アメリカの海際の町でよくあるクラムチャウダーのように、サワドーブレッドの器に入って登場。これが激ウマ! とても軽いホワイトシチューのような感じで、マッシュルームの旨味が出てて本当に美味しい。今晩はWierzynekで食事の予定なので、このくらいの軽いランチがいいかもしれない。

d0113429_10593970.jpg
マッシュルームスープ

 ……と思いきや、僕の注文をしてくれた友達が間違えて、なんと取り消したハズのチキンも来てしまった。最初はこのチキンを頼むつもりで途中でスープに変更したんだけど、彼はどっちも注文したいのだと勘違いしたらしい。うー、軽いランチのつもりだったのにー。もうお金も払っちゃったし、全部残すのももったいないので、せめて口をつけてみることにする。白ゴマで覆われたチキンの胸肉に、蜂蜜がかかっているらしい。白ゴマの香ばしさに蜂蜜の甘さがよく合う。美味しいことは美味しいんだけど、あまり甘い料理が好きじゃない僕には向かなかったかな。なんだかんだで結局半分は食べちゃったと思う。うー、夜までにお腹が空けばいいんだけど。

d0113429_10595026.jpg
白ゴマのチキン

 さてさてお腹が一杯になった後は、どうしましょうか。2時半に中央市場広場で待ち合わせて、バスに乗り込んでヴィエリチカ岩塩採掘場に向かうことになっている。それまで時間があるので、中央市場広場あたりをぶらついてみることにした。この広場には舞台のようなものが設置されていて、この上では民族衣装を着た子供たちが歌い踊っていた。この舞台、いつもここにあるものなのか、それとも特設のものなのかわからなかったけど、とにかく子供たちが可愛くて、しばし見入ってしまっていた。この広場の中心にあるのが織物会館。ここで昔織物とかを売ったりしてたらしいんだけど、今は土産物屋が立ち並ぶ場所になっている。知らなかったんだけど、クラクフは琥珀で有名らしい。ここで女性陣は琥珀のアクセサリーなんかを買ってたみたい。

d0113429_1102795.jpg
中央市場広場はゆったりしていて本当に楽しい

d0113429_1101785.jpg
人形使いがエルビスをやってたりとか

d0113429_1104474.jpg
織物会館の中は土産物屋でいっぱい

 そうこうしているうちに、ランチで飲んだビールが体を抜けたがっているみたいだ。織物会館の入り口にトイレがあるみたいだから行ってみよう……と、工事かなんかで閉まってるんですけど。近くのパブリック・トイレの情報も書いてあったから、そっちの方に歩いて行ってみることに。郵便局の前にあるって書いてあるんだけど、その郵便局すら見つからないんですけど(泣)。待ち合わせの時間は迫ってるから、これからバーかカフェに入って何かを頼んでトイレに行かせてもらうってわけにもいかないし……。結局漏れそうになりながら集合時間まで待って(それでさー、こういう時に限って遅れてくるヤツとかいるんだよなー)、みんなでバスまで歩いていく。Dariuszに、トイレに行きたいからホテルで人をピックアップするときに行かなきゃダメかもと伝えると、なんだそれだったらここのバーで貸してもらいなよとのこと。ここらへんは有料のトイレが多いんだけど、そこは大丈夫で、しかも何も買わなくてもOKだよとのこと。それじゃっ!!と、飛び込んで用を足させてもらうことに。みんなはゆっくり歩いて行ってるからとにかく急がなきゃ。というわけでやっと普通の精神・身体状態に戻ることができました。いやはや、あんなに我慢したのって久しぶりだぞ。

 みんなでバスに乗り込んで、ホテルに帰ってる人もピックアップしてから、ヴィエリチカ岩塩採掘場(Wieliczka)にバスは出発。ホテルでまたぐずぐずしてた人もいたので、予定より少し遅くなっちゃったんだけど、Dariuszがバスの中から携帯で電話をして、僕らの予約分を取っておいてくれるように頼んだらしいので、これで一安心。予約がないとかなり待たされたりするらしい。

 ヴィエリチカは、クラクフから約1時間弱のところにある。入り口はなんということもない建物なんだけど、中は人でごった返してた。ここで僕らのガイドに会い、地下に続く長い長い、長~い階段を下りていくことになる。このガイドはポーランド人で、「アー」とか「エー」とかを頻繁に言うのでちょっと耳障りなんだけど(笑)、アメリカに来たことがないのに英語であれだけの説明ができるってのは、やっぱりスゴイことだと思う。僕って日本にいるときにこれだけ英語が喋れたかなって、ちょっと考えてしまった。

 岩塩の採掘場ってことだったんだけど、中に入ってみると塩で作った彫刻ばかりがあって、なんとなく美術館のような体裁。それでもところどころには岩塩を昔どうやって採掘したかを再現する人形とかがあって、なかなか面白かった。でも実際の採掘現場を期待して行くと裏切られるかもしれない。面白いのが写真。ここで写真を撮ると(ここでもカメラやビデオは追加料金を払ってステッカーをもらわなきゃいけない)、画面いっぱいにオーブが写ってしまう。“オーブ”って、よくアメリカの心霊番組で出てくる言葉なんだけど、要するに写真に丸い光の玉が写りこんでいる状態。瞬間、「げっ、心霊写真撮っちゃった?!」とか思ったんだけど、これって実は空気中に浮遊してる塩らしい。ガイドが言うには、この空気中の塩を吸い込むと体にいいということが昔から言われているらしい。科学的に証明はされていないみたいだけど、昔は岩塩採掘場の中にサナトリウムがあったりしたらしい。

d0113429_111019.jpg
全てが塩で彫られている

d0113429_111717.jpg
丸いオーブは空気中の塩

 前のグループが部屋に入っていると、後続のグループはその部屋の前で待たなきゃいけない。部屋の前にはトンネルのような場所があるんだけど、そのトンネルの天井から壁からビッチリと塩の結晶が張り付いている。これは人がそのトンネルの中で待つことによって、体温と湿度によって空気中の塩がトンネルの壁で結晶したものらしい。面白いなぁ。

 ここの中で一番感動したのが、礼拝堂の部屋。すごく大きな部屋に、塩の結晶で作ったシャンデリアが3つかかっていて、その奥にやはり塩で作られた礼拝堂がある。周りには塩でできた『最後の晩餐』のレリーフとか、美術品がいっぱい。それに照明を本当に上手く使ってあるんだよね。光に照らされた塩の結晶がとてもキレイ。それにしてもよく作ったよなー、こんなの。ただの採掘場に終わらないこの根性、素晴らしいです。ツアーの後は、すごく小さい牢獄のようなエレベーターにぎゅうぎゅう詰めに押し込まれて、一気に地上へ。なかなか面白い体験だったと思う。

d0113429_1111470.jpg
礼拝堂の部屋は大きい!

d0113429_1113050.jpg
壁に彫られた『最後の晩餐』

 ホテルに帰って一服した後は、ツアーに組み込まれているディナーの時間。クラクフで一番有名なレストランの一つ、Wierzynek(ヴィエージュネック)で。1364年にオープンした場所で、最初はここの家の主人が要人を招いて開いた、20日にも及ぶ大晩餐会だったらしい。昔の服装をした案内係の女性に、剣やら盾やらが壁に飾られているダイニングルームに案内される。

 最初に出てきたのは、崩してしまうのがもったいないくらいキレイに飾られたサラダ。ドレッシングも野菜もいたって普通のものなんだけど。フェタは山羊のチーズで、爽やかな酸味がある。このサラダにはピッタリなんだけど、山羊のチーズは個人的にあまり好みじゃないので、半分以上残してしまった。胃の時差ボケが大活躍中らしく、喉は渇くんだけどあまり食べられない。悔しい~。

d0113429_1115379.jpg
Vegetarian salad with Feta cheese

 次のコースはポテトのピエロギ。上に炒めた玉ねぎが乗っている。クラクフに来てから、ホテルでも街角でも玉ねぎを炒める匂いがあちこちでするんだよね。どうやらポーランド料理の隠れた主役らしい。このピエロギ、皮はプリプリ、中はネットリとしたポテトが詰まっていて、本当に美味しい! メニューにはスパイシーポテトって書いてあったんだけど、全然スパイシーな気がしなかった。ポーランドの家庭料理を食べている感じで、とてもよかったけど。

d0113429_112372.jpg
Dumplings with spicy potato filling served with browned onion

 メインディッシュは鹿肉。ポーランドでは牧畜が盛んらしく、肉料理がとてもポピュラーみたい。皿にかけられて運ばれてきた銀色のカバーが全員一緒に取り払われると、焼いた肉のいい香りが一斉に立ち上る。鹿肉はとてもジューシーで、口に入れた瞬間はすごく美味しいんだけど、噛んでいるうちにレバーのような味に変わってくる。みんなはこれが“gamey”(獣的な味のこと)だっていうんだけど、僕が前に食べた鹿肉はこんな感じじゃなかったんだけどなぁ。僕の考えてた“gamey”は、独特の獣的な香りが口の中にちょっとだけ感じられて、レバーみたいな味は全然しなかった。んー、この味は好きじゃない。他の人も同じような意見らしく、残している人が多かった。逆にすごく美味しかったのが、一緒についてきたピエロギ。中に何が入ってるのかわからなかったけど、マッシュルームか何かなのかな、独特の緑の風味が口に広がって、とても美味しかった。一緒についてきた野菜も白胡椒の香りがして美味しかったし。ちなみに一緒に注がれたワインはMoreau Merlot V.d.P. d’Oc J.Moreau & Fils 2004。カベルネに近いような味だった。

d0113429_1121117.jpg
Saddle of deer served with dumplings and juniper sauce

 デザートはチョコレートケーキ。スフレのような感じで、ねっとりとした中身は甘すぎくなく、とても美味しい。でもこんなに食べられない! 一緒についてきたミント・アイスクリームは本物のミントの葉が入っているみたいで、絶品の味。豪華なディナーを締めくくるにはピッタリだった。

d0113429_1121933.jpg
Chocolate cake with hot filling served with strawberry sauce and mint ice cream

 ディナーで満足した後は、来る途中で見かけたWodka(ウォッカの意味)というバーに行こうかと思ったんだけど、なんか行ってみると普通のカフェっぽいところ。本格的に飲みたかった気分だったので、ここはちょっとパス。ということで、昼間トイレを借りたアイリッシュ・バーに入ることに。最初は6人(Mike、Bob、Korey、Gary、Rafael、僕)だったんだけど、途中でホテルに歩いて帰っていく途中のAdamとSteveが合流。その後、またまたホテルに戻る途中のGabbyとAnnも合流。全部で10人の大所帯になってしまった。ポーランドに来たからには、僕の大好きなズブロッカ(ここではŻubrówkaと書いて「ジュブルフカ」と発音)を飲まなきゃ!ということで、僕はそれを注文。Garyの友人で、ワルシャワから合流したポーランド人のRafaelは「えー、なんでそんなもの飲むの?」って感じだった。いいじゃん、好きなんだから! 結局僕はショットで4杯くらいやったんじゃないかな。ここでRafaelが教えてくれた飲み方が、ズブロッカのアップルジュース割り。いつもストレートかソーダ割りだったんだけど、このアップルジュース割りを試してみると、これが美味しい! ズブロッカの癖のある味と香りが、アップルジュースと本当に良く合ってる感じ。この飲み方、ポーランドではすごくポピュラーらしい。なるほどね、わかる気がする。他の人もズブロッカを試してみてたけど、誰の口にも合わなかったらしい。特にAnnが試したときの、あの「ぐええっ」って顔が忘れられない。

 結局ここでかなりの時間飲んでたんじゃないかな。ウェイトレスは英語が話せるのにも関わらず、Rafaelがポーランド語で、しかも間違った注文をするもんだから、かなりウェイトレスは混乱してた。持ってきたものも間違いが多かったし。それでも笑顔でみんなに接してくれたウェイトレスに感謝! 最後はかなり多目のチップを残して、みんなでホテルに歩いて戻った。あー、楽しかった!!
[PR]
by alexsea | 2006-08-21 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)
運命を感じた東欧への旅: スロヴァキアを通り抜け、ポーランドへ!
スロヴァキアを通り抜け、ポーランドへ! … 8月20日(日)

 今日はもうハンガリーにお別れをしなければならない日。朝食をとった後、8時にバスは出発。牧歌的な景色を見ながら、9:40にはもうスロヴァキア国境を通り抜け、11:30にランチ休憩のあるBanská Bystrica(バンスカー・ビストリツァ)に到着。ここは本当に小さな街で、大きい目抜き通りがある他は何もない場所らしい。でも建物がみんなカワイイんだ! なんとなくシアトルの近くにある、ババリア地方を模して造られたLeavenworth(レブンワース)って場所に似てる気がしたけど、ここはどこを模しているわけでもなく本物なんだもんね。

d0113429_10534063.jpg
Banská Bystricaの中心の噴水

d0113429_10534356.jpg
これが目抜き通りらしい

 大通り沿いにあるレストランになんとなくツアーの全員が入ってしまって、ちょっとした混乱状態に(笑)。でもみんなビールとか頼んで、すごくハッピーにランチできた。僕はGordon Bleuという、豚肉でチーズとマッシュルームを包んで揚げたものを注文。普通はこれ、チキンで包まれていてCordon Bleuっていわれてるんだよね。豚肉にしたからGordonになったのか、それともミススペルなのか、いまだに謎。でも安心できる味で、とても美味しかった。丸いポテトのコロッケは、日本の物とは全然違う風味で、でも楽しい味だったし。

d0113429_10534669.jpg
Cordon Bleuは、なかなかの味

 ランチの後はちょっとだけ大通りをブラブラして、1:30にバスに乗って出発。ここらへんの街は、どんなに小さな街でもキレイな教会があって、目を惹かれてしまう。途中、城みたいなものが見えたりとか。やっぱりバスや電車の旅って楽しい。移り変わる景色を見てると、時の経つのも忘れてしまうほど。まぁ途中から寝てたってのもあるけど(笑)。

d0113429_10535121.jpg
バスから見えた城のようなもの

 そんなこんなで、夕方6:30にやっとのことでポーランドのクラクフにある、Hotel Batoryに到着。ちなみに日本語の「クラクフ」は現地の発音に近い感じ。Krakówと書かれるものだから、アメリカ人は「クラカウ」って発音してるけどね。Hotel Batoryはクラクフの中心部からはちょっとだけ離れた、小さなかわいいホテル。家庭的っていうのかな、そんな雰囲気が漂ってて、小さいながらもいい感じ。ただねー、シャワーが小さい! バスタブがなくてユニット式のシャワーがあるだけなんだけど、日本人の僕ですら小さく感じてしまうくらいなんだから、僕の二倍くらいあるDennisやBobはどうすりゃいいんだ。後で聞いてみると、体を動かす度にシャワーの温度調節に体がぶつかって、熱くなったり冷たくなったり、さんざんだったらしい。やっぱり(笑)。

d0113429_10535573.jpg
Hotel Batoryは家庭的なホテル

 荷物を部屋に置いて、顔を洗ってリフレッシュした後は、夕食の時間。インターネットとガイドブックで、行きたい場所はもうちゃんと調べてある。今日のレストランはPod Aniołami(ポッド・アニオワミ)。行ってみて入れなかったらイヤなので、ホテルの人に予約なしでも入れるかどうか聞いてみると、「んー、ちょっと難しいかも。でも電話してみるわね」とのこと。ラッキーなことに、ホテルの名前で30分後に予約を入れることができてしまった。

 BobとMikeとKoreyと僕の4人で、ホテルでもらった地図を片手に中央市場広場まで歩いていく。この広場には人が一杯! なんとなくイタリアのフィレンツェを思い出してしまった。あっちこっちで大道芸をやってたり、音楽が流れてたり、人々はカフェでおしゃべりしてたり、ショッピングしてたり。ヨーロッパにはこんな感じの広場が街ごとにある感じで、羨ましい限り。シアトルにもスクエアを作るべきだよねーとか話しながら、人で一杯の広場を通り抜けていく。

 Pod Aniołamiは中央市場広場を抜けてすぐのところ。古めかしい入り口を期待していたので、最初はモダンな入り口に気づかずに通り過ぎてしまった。入り口は狭いんだけど、どうやらレストラン本体は地下にあるらしい。中は洞窟のようになっていて、所狭しとテーブルが並べられていた。最初に通されたテーブルは冷房が効いてない場所にあって、歩いてきた僕たちはもう汗だく。ウェイターもそれに気づいたのか、すぐに別のテーブルに案内してくれた。最初のテーブルで隣にいたアメリカ人の老夫婦二組とちょっと会話したんだけど、別のテーブルに移るときにはすごく気まずい思いだったなぁ。

d0113429_1054624.jpg
Pod Aniołami(ポッド・アニオワミ)

 最初に頼んだのはマッシュルームのPierogi(ピエロギ)。ロシアのピロシキと同じで、いわゆるポーランド風ギョウザ。中国のギョウザがロシアを経て伝わったものらしい。さすがヨーロッパ文化とアジア文化とが交わる場所だけのことはあるな。たっぷりの油で調理してあるらしく、こってりしていて美味しいんだけど、とてつもなく重く感じてしまう。時差ボケが抜けてなくって、今夜は特別に調子の悪い胃にはなおさら。3つだけ食べて、後は残してしまった。でもマッシュルームの中身は、コショウか何かのスパイスをうまく使ってあって、本当に美味しかった。

d0113429_1054833.jpg
マッシュルームのピエロギ

 メインコースは子牛とマッシュルームクリームソース。子牛肉はちょっと硬い感じがしたけど、ジューシーでとても美味しかった。マッシュルームクリームソースもよかったし。でもここでもまたディルがちょっと苦手なので、付け合せのポテトはちょっとナンだった。みんなサーモンに思えちゃうんだよぉ(笑)。

d0113429_10541044.jpg
子牛はちょっと硬かった

 繊細な味とはほど多く、どっしりとしたポーランドの家庭料理の味。時差ボケの胃の調子がよければもっと楽しめたかもしれないけど、なるほどクラクフで人気のレストランだと頷ける味だった。バスでの長旅で疲れていたので、この後はちょっと道に迷ったけどホテルに戻って、すぐに寝てしまった。
[PR]
by alexsea | 2006-08-20 00:00 | 旅行記 | Trackback | Comments(0)