From Seattle, WA, USA
by Alex
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シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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日本2023: 秩父三社巡りのバスツアー

今日はバスツアーの日だ!

この旅行のプラニングをしている時、一日はどこか郊外の方に行ってみたいなぁと思っていた。8月に新宿から出るバスツアーをネットで検索してみると、結構色々な場所が出てきたんだけど、その中でいきなり目を引いたのが、四季の旅という会社による『秩父三社巡りツアー』。三峰神社、秩父神社、宝登山神社を全部日帰りでまわるという日帰りのバスツアーで、ちょうどまだ何も予定が入っていない日にツアーが計画されてたし、値段も¥7,980とかなりお手頃だった。

三峰神社は、漫画家山本まゆりさんの霊能者寺尾玲子シリーズで、憑き物落としで有名な神社として漫画に何度も登場した場所だ。それほど行きたいと思っていた場所ではないけど、行けると思うと興味がわいてくる。ちなみにバスツアーを使わないとするとどうやって行くのか調べると、電車とバスを乗り継いで片道3時間以上はゆうにかかるみたいだし、運賃も片道¥3,000はかかる。それだったらバスツアーに参加して、他の二つの神社にも連れて行ってもらえると嬉しいよね。各神社では十分な自由時間があるみたいだし、これはなんかしっくりくるものがある。というわけで、すぐに申し込んでしまった。

今朝は5時に起きて6時にはホテルを出て、丸ノ内線で西新宿駅まで。駅から上がったところにあるファミリーマートでサンドイッチと麦茶を買って、都庁の方へと歩いていった。集合場所である都庁下の大型バス駐車場に着いたのは6時半。集合時刻の6:45までそこで待っていたんだけど、風の流れがないもんだから暑い暑い! 6:45頃にやっと受付が始まって、7時きっかりにバスは出発した。「リクエストできるならば、なるべくバスの前方の窓際の席をお願いします」と書いておいたせいか、運転手のすぐ後ろの窓際の席をもらうことができた。やっぱりそういう希望はダメ元でリクエストしてみるもんだね。

「やまちゃん」こと山本さんという男性が今回の添乗員で、とても感じのいい人だった。バスが走りだしてすぐ、三つの神社の見どころが書かれた紙を全員に配ってくれた。また後で詳しく説明してくれるらしい。僕はサンドイッチを食べた後は、少し寝に入ることにした。この関越自動車道は、この間草津に行った時も通ったしね。

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添乗員さんが配ってくれたこの情報は、すごく役に立った

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コンビニで買ってきたサンドイッチで朝食

途中の高坂サービスエリアで20分のトイレ休憩の後、バスは高速を下りて普通の道を走り始めた。二瀬ダムの上を通った後は、いよいよ本格的な山道に入る。狭い車線を難なく上がっていく運転手さんは、やっぱりすごい技術だなぁと感心しながら運転を見てた。

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二瀬ダムの「上」をバスは通っていく

添乗員の山本さんが、『三峰神社』の色々な見どころを説明してくれた後、お勧めの一つの『山ノ神』と呼ばれる場所はわかりにくいので、希望者は到着したらまず最初に案内してくれるとのことだった。結構な人数が手を挙げていたみたいだけど、僕はなぜかまずご本殿に挨拶しなきゃいけないような気がしていたので、それはパスすることにした。

三峰神社の駐車場に到着したのは10:15頃。これからは自由参拝で、12:45にバスに戻ってくればいい。まずトイレを済ませてから、どんどん坂道を上っていった。三連鳥居を抜け、赤や金でとても豪華に見える随身門を抜けると、いきなり森の中に来たような気になる。この落ち着いた森の感じは、伊勢神宮の自然の中を歩いている感覚に近い。でも伊勢神宮は背筋がピンとなるような透明な空気の感じがあったんだけど、ここ三峰神社ではもう少し重い、厳かな感じだ。なんて表現したらいいんだろう? いい人なんだけど怒らすと怖い上司がすごく真剣に仕事をしているので、その近くで物音を立てちゃいけないと感じるような、ちょっと緊張感のある雰囲気。決して居心地が悪いというわけじゃないんだけど、同じように森の中のような伊勢神宮と比べて、少し空気が重いなとは感じた。

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三峰神社に到着! 三連鳥居はすごくユニーク

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随身門は、中国っぽい印象も受ける

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三峰の狛犬はオオカミらしい

ご本殿には赤、青、緑、金色なんかが使ってあって、細かい彫刻がなされていてとても綺麗だ。派手といえば派手だけど、厳かな雰囲気が溢れているので、圧倒的な力を持っているように感じる。僕の前には一人お参りをしている人がいるだけだったので、ほとんど待たずに参拝することができた。ここでも余計な願い事はせずに、感謝だけを伝えた。

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ご本殿は綺麗な彫刻がされていて、とても綺麗

ご本殿のすぐ前の敷石には、平成24年の辰年に浮き出た龍のような模様が紹介されていた。なるほど、二つの赤い目を持つ龍の頭のように見える。写真だけだと、はぁそうですかって感じになるかもしれないけど、実際に見るとミステリアスで結構スゴイと思う。

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足元の敷石には、龍の顔が浮き出たという場所も

この後は社務所で、自分用とお土産用のお守りを購入。長い間ずっと闘病中の友達のためにも、病気平癒御守を買った。病魔を三峰の神様とオオカミたちが追い払ってくれますように!

また森の中のような道を、さらに奥へと歩いていく。『えんむすびの木』の所には小さな小屋があって、イザナギノミコトとイザナミノミコトらしいキャラがアニメ風に書かれていた。最初えんむすびの木自体を見つけることができなくて、どこだろうと悩んでいたんだけど、この小屋のすぐ後ろの崖の上に二つの木がお互いを抱くように立っていて、しめ縄がしてあるのを発見。あれがえんむすびの木なんだ! ここでお願いする人には、いいご縁があるといいね。

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アニメ文化も取り入れてるって、いいよね

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小屋の上にあるのが、えんむすびの木

さらに少し歩くと、三峰神社の御眷属であるオオカミを祀る『御仮屋神社』がある。添乗員の山本さんによると、ここはパワースポットとして有名らしい。さらに彼が言うには、その後ろにある崖のところに立つと、下から昇ってくるパワーをたくさん感じることができるとのこと。御仮屋神社にお参りした後、言われた通りすぐ裏にある崖の上に立ってみた。あーなるほど、こりゃ気持ちいいや! 「パワー」かどうかはわからないけど、崖の下から涼しい風がコンスタントに立ち昇ってきてて、気持ちいいことこの上ない。この場所に来るまで風がなくて蒸し暑かったので、涼しい風が汗を乾かしてくれるのがとても嬉しい。急に湿度が下がった気がして、すごく快適に思えた。いつも思うんだけど、僕はパワースポットと呼ばれる場所のパワーがどんな感じなのかよくわからない。でもこんな風に気持ちいい!と感じられる場所は、みんな個人的なパワースポットだと思っちゃっていいんじゃないかと思う。気持ちよかったら充電される気がするよね。この場所には10分くらい立って、止むことのない風をずっと体に受けていた。添乗員さん、ナイスなアドバイスをありがとうございました!

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御眷属のオオカミを祀る、御仮屋神社

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すぐ上には崖があって、そこには下から気持ちのいい風が!

この後はご本殿の近くまで戻って、売店でお土産を物色。最初はTシャツでも買おうかと思ったんだけど、どうもこれだ!というデザインのものが見つからなかったのでパスした。

ご本殿をもう一度見てみようと思って戻ってみると、参拝客で長蛇の列になっていてビックリ! 30~40人は並んでいたと思う。うわー、これって添乗員さんと一緒に『山ノ神』に行った人たちなのかな? 並ぶのがイヤな性格なので、行かなくて本当によかったと思った。

何人かの人が手水舎の写真を撮っていて、そこで気づいた。お参りの前に手水舎を使うのを忘れてた! その場でちゃんと手を洗ったけど、また長い列に並び直してお参りするのはちょっと…なので、心の中で神様に謝っておいた。ごめんなさい!

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ご神木の前で深呼吸して「気」をいただく

この後は入り口の方に戻って、ヤマトタケルノミコトの銅像を見たり、奥宮を遥拝する場所で、下界が一望できる見晴らしのいい遥拝殿に行ったりした。あいにく奥宮の方は雲に隠れて見えなかったけど、こんな高くに来ていたのかと驚く景色だった。

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遥拝殿からは奥宮が見える日もあるらしい

この時点でもう11時半くらいだったので、混んでくる前にランチを食べることにしよう。三峰での食事はいくつかオプションがあるけど、僕が既に決めていたのは、三連鳥居のすぐ外にある『大島屋』の『わらじかつ丼』。幸い外のテラス席が空いていたので、そこで食べることにしよう。風があまりなくて蒸し暑いけど、景色がいいから許せる。

運ばれてきたわらじかつ丼は、ご飯の上に薄くて大きなカツが二枚も乗っているもの。上のカツを丼の蓋の上に乗せてから、下のカツと一緒に食べ始める。ご飯には薄味のタレがかかっているけど、カツにはかかっていない。でもちゃんと味が付いてるみたいだ。うーん、なんかこの肉、ちょっとスジばっていて噛み切りづらいし、肉自体の味が薄い感じ? ちゃんとした肉を使ったらすごく美味しくなりそうなんだけど、はっきり言ってこれはあまり感心しなかった。一枚のカツとご飯を半分くらい食べたところでギブアップ。期待していただけに、残念だったなぁ。

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わらじかつ丼は、ちょっと期待外れ…

20分ほどで出て、今度はご本殿の向こうにあるコーヒーハウス『小教院』でお茶にしよう。ここは「アンティーク喫茶」と呼ばれる場所のようで、明治初頭の文明開化の雰囲気を残すインテリア。靴を脱いで入らなきゃいけないけど、中はレトロな感じで面白い。一日限定20個のコーヒーゼリー(¥450)がまだあったので、それとアイルミルクティーを注文。深い味わいのコーヒーゼリーは、生クリームとガムシロップのちょっとの甘さで、さらに美味しさが花開く感じでとてもよかった。

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深い味わいのコーヒーゼリーが美味しい!

バスには集合時間の10分前くらいに帰った。三峰神社、いいところだったなぁ。ここのちょっと重たい空気は独特な感じだった。

三峰を出たバスは、また狭い山道を降りていって二瀬ダムの上をまた通り、ローカルな道を秩父神社へと走っていく。この神社に関してはまったく前知識がなかったけど、添乗員さんによると、ご本殿の彫刻が有名な場所らしい。1時間ほどのバスの旅の後、バスは秩父駅の駐車場に停車。ここから5分ほど歩いた場所に秩父神社がある。この時点で13:50くらいだったので、バス集合は14:55。

秩父神社』はそれほど大きな場所ではなく、町の守り神といった雰囲気の神社。ここでまず最初に気づいたのは、極彩色とも言えるくらいカラフルに塗られたご本殿の彫刻たち。近くに立てかけられた看板によると、ちょうどご本殿の塗り直し工事が行われているらしい。だからこんなに鮮やかなんだろうな。赤・青・緑・黄色、茶色に金色、きらびやかな色に塗られたご本殿は、確かに木の古さは感じられるとはいえ、最近造られた映画のセットかのような印象も受けた。

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塗り直し工事が行われているからか、
ご本殿の彫刻は目が覚めるような極彩色

お参りした後は、ご本殿の彫刻をじっくりと見よう。印象的だったのは、『お元気三猿』。他の神社で「見ざる、聞かざる、言わざる」の彫刻がある場所があるけど、ここは「よく見て、よく聞いて、よく話そう」というポジティブな猿たちの彫刻で、そのユーモラスな表情はとても可愛いと思った。

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『お元気三猿』はユーモラス

北辰の梟(ふくろう)はちょうど修復作業中で見れなくて残念だったけど、『つなぎの龍』はまた鮮やかな色で、飛び出してくるかのようだった。よく見ると、この龍は黒い鎖に絡められている。伝説によると、この龍が夜な夜な近くの池に現れたので鎖で繋ぎ止められたとのこと。そりゃこれだけカラフルな龍が飛び回っていたら、みんな驚くと思うぞ(笑)。

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この龍は鎖に縛られている

境内の他の神社にもお参りしたけど、集合時間までにはあと30分もある。ゆっくりと秩父駅まで歩いて帰って、駅に併設されている『じばさん商店』という店に入ってみることにしよう。地元の特産品やお土産物やたくさんあって面白かったけど、僕が欲しいと思うようなものはあまりなかった。フードコートのような場所で発見したのが、秩父地酒試飲機。¥100を入れて12種類の地酒と地ワインから選んでボタンを押すと、小さなカップに注がれて試飲できるもの。こりゃ面白そうだけど、アルコールが入るとトイレが近くなってしまうかもしれないので、一つだけ選んで試飲してみることにした。「初心者におすすめ」と書いてある、特別純米酒の『秩父錦』。うん、まろやかな口あたり。これは多くの人に好かれるような、全体的によくまとまった感じの日本酒だな。他のも試飲してみたかったけど、ここは我慢我慢!

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¥100で地酒のテイスティング!

バスに乗ってすぐに、添乗員の山本さんがみんなにお土産を配ってくれた。『カエデの樹』というお菓子で、アーモンドがたくさん入ったヌガーのようなものを、最中の皮で包んだ感じのもの。後でホテルで食べてみたら、なかなか美味しかった。このツアーは結構安い上に、お土産までくれるの? ちゃんと利益出てる??と心配になってしまった(笑)。

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添乗員さんから配られたお土産

三社巡りツアー、最後のストップは『宝登山神社』。さっきの駐車場から30分もかからない場所で、到着したのは15:20頃。15:50まで自由時間だけど、最初に希望者だけ鳥居の所で集合写真を撮ってくれるらしい。ツアー客の誰とも話す機会はなかったけど、こういうのも縁だと思うので、写真に入れてもらうことにした。この集合写真と添乗員さんが撮ったいくつかの見どころの写真はGoogleフォトにアップロードされて、後でバスの中で彼がQRコードを見せてくれて、そこにアクセスすることで無料でダウンロードできるようになってる。写真で金を取る会社が多いのに、つくづくこのツアー会社は良心的だと思うなぁ。今回のツアーに参加できてよかった。

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宝登山神社の鳥居の前で記念写真

宝登山神社は、前の二つの神社に比べるとこじんまりした感じ。添乗員さんは「他の神社に比べてシックな感じ」と言っていたけど、まさにその通りかもしれない。龍の彫刻は素晴らしいものの、極彩色じゃなくて落ち着いた美術品といった感じ。周りの人の、「前みたいにけばけばしくないのがいいわねぇ」というような声も聞こえてきた。僕も同感です。

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落ち着いた感じのご本殿

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この龍の彫刻はスゴイ

この神社の見どころとしては、ご本堂のすぐ裏にある小さな池。伝説によると、ヤマトタケルノミコトがここで禊をしたとのこと。濁った緑色の水が入った小さなお風呂くらいの場所だけど、神話の登場人物がここに入ったという話を聞くと、いきなりミステリアスに見えてくるから不思議だ。

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ヤマトタケルノミコトが禊をしたという場所

さて、これで三社巡りツアーは終わり。人によっては合わない神社もあるらしいけど、僕は三社全部とても楽しめたのでよかったと思う。三峰神社のあの重鎮で神聖な空気に比べて、秩父神社と宝登山神社はもっと優しい雰囲気。三社とも自然に囲まれていて、とても気持ちのいい場所だった。行ってみたいとずっと思っていた場所ではなかったけど、偶然このツアーのことを見つけて、ちょうどスケジュールが空いている日に予定されていて、全部トントン拍子でツアーに参加できたっていうのは、何か意味があるのかもしれない。

帰りもバスの中ではずっとウトウトしてたと思う。三芳でトイレ休憩になりますというアナウンスがあった時にGoogleマップで現在位置を見てみたら、…あれ、僕たちもう三芳を通り過ぎてない?? ちょっと経ってから、「すみません、過ぎてしまったようです…」と申し訳なさそうなアナウンスがあった(笑)。というわけでバスは新宿まで直行。高速を下りてから、やっぱり我慢できない人がいたらしく、コンビニのトイレを借りるために一般道で2分くらい止まったりした。僕は全然気にしなかったけど、自分じゃなくて本当によかったと心から思った。トイレに行きたいツラさは十分知ってるし、その上僕だったらすごく言い出しにくかったと思うし。

帰りのトイレ休憩がなかったせいか、新宿には予定よりも早く18時に到着した。いやはや、密度の濃い素晴らしいツアーだった!

今夜はホテルの近くの店で、小・中学校の友達と飲むことになってる。最初はHくんとだけの予定だったんだけど、Dくんも出てこられるということだったので、プチプチ同窓会になったのが嬉しい。場所は、4年前にランチを食べに入った場所。その時に餃子をたくさん頼む人たちを見て、いつか餃子をつまみに飲みたいなと思ってたんだ。

ホテルで少し休んだ後、19時半くらいに『餃子の福包 新宿店』へ。この時間でもかなり並んでいたのでちょっと驚いた。人気のある場所なんだなぁ。名前と人数を書いて待っていると、Hくん登場。誰かと話しながらだと、待つ時間も短く感じるよね。20時ちょっと前にカウンターの席に通された。D君はちょっと遅れるそうなので、2人で始めていることにしよう。

今回は餃子に集中したかったので、他の料理はきゅうりを頼んだだけで、大皿30個の焼き餃子(¥1,450)を一人で注文。Hくんも同じ大皿を注文した。ここの餃子、すごく王道な味だけど、ニラとニンニクが効いていてとても美味しい(ニンニク抜きも注文できるらしい)。それにビールと餃子って合うねー! 今の今まで餃子はご飯のおかずとしてしか考えていなかったので、酒のつまみとしての餃子というのは目ウロコな感じだった。Hくんによると、本場中国では餃子をご飯と一緒に食べる人はあまりいないとのこと。なるほど、餃子の皮がご飯代わりというわけですか。ほとんど完全食だね(笑)。

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大皿で餃子を。ビールと合うー!

Hくんと飲みながら色々な話をしていると、Dくんも登場。彼も30個の大皿を頼んで、あらためて乾杯! 僕は小学校5年生の頭に彼らの小学校に転校してきて、中学もみんなで同じところに行った。小1~4と、高校、大学の友達とは結構繋がってるけど、今のところ中学の友達でまた繋がれたのは彼らだけなんだよなぁ。3人であの頃の友達の話をしていて、みんなやっぱり忘れてる名前もいくつかあるし、もうあの世に行ってしまった友達も何人かいる。でもこんな風に、昔の友達と再会できるっていうのは素晴らしいなぁ。あの頃の思い出が芋づる式に出てくるのがたまらない。他に連絡の取れる人が2人くらいはいるみたいなので、次回飲む時には来てくれたらいいなぁ。

Hくん、Dくん、わざわざ出てきてくれてありがとね。また次回日本に行く時も、遊んでやってください!

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楽しかったー! ありがとう!

いやはや、とても長く密度の濃い、充実した一日だった。明日も遠くまで行く予定が入ってる。頑張って観光するぞ!
# by alexsea | 2023-08-08 00:00 | 旅行記 | Comments(0)

日本2023: 親子丼、祖母の思い出、南インド料理

今朝もゆっくり起きて、まずはホテルの近くで昼ご飯から始めよう。

今日のランチは『泰然 -TAIZEN-』で。夜は鳥料理メインの居酒屋らしいけど、有名なのは月・木・金の昼に供される比内地鶏の親子丼。予約ができる場所なので、開店と同時の11時半に予約を入れておいた。売り切れることもあるらしいので、できれば予約しておいた方が無難だと思う。開店5分前くらいに着くとすでに3人くらい待っていたけど、予約の名前が真っ先に呼ばれたので、最初に店内に入ることができた。

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親子丼で有名な泰然

お昼はメニューもなく親子丼(¥1,100)だけ。もうたぶん準備が進んでいたんだろう。席に着いて数分で出てきた。艶やかな玉子に絡められた鶏肉は、見るからに美味しそう。一口食べてみると、最初はちょっと味が薄いような気もしたけど、後から溢れ出てくる旨味がスゴイ! この鶏肉と玉子の旨味のコンビネーションは恍惚となってしまうほど。味つけが濃くないからこそ、鶏肉自体の味や玉子の旨味が見えてくる。あまりにフワフワでトロトロなので、箸ではちょっと食べづらくて、二口めからは一緒に出てきた木のスプーンで食べることにした。隣のカップルの「美味しいねー!」という声に、僕もうんうんと心の中で頷いていた。これだけのものが¥1,100で食べられるなんて、やっぱり日本の食べ物は安くて最高だ。ここの店に来てよかった!

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フワッフワでトロットロで美味しいー!!

この後は新宿駅まで地下鉄で行ってから、中央線で千駄ヶ谷駅へ。

この日本旅行を計画している最中に、なぜか祖母のことを思い出していた。母はスナックを経営していたので、夜は早めの夕食の後に出かけていって夜中過ぎにに帰り、朝はまだ寝ていることが普通だった。だから子供の頃は祖母に保育園まで連れて行ってもらったり、日中は祖母に遊んでもらうことが多かった。祖母と母に育てられた感じかな。

祖母は金光教という宗教をやっていて、寝る前には必ず神棚にろうそくを灯して祝詞を読むのが習慣になっていた。だから一緒の部屋に寝ていた僕も、祖母の唱える祝詞を自然に覚えてしまったし、祖母が金光教の教会に行く時にもついて行ったりした。その教会は千駄ヶ谷にあって、小学校低学年くらいの時によく一緒に行ったことを覚えてる。自分が宗教をやってるつもりは全くなかったけど、そこの女性の教会長にやさしくしてもらったのがとても嬉しかった。白い和服姿で神棚の前に現れて、わさわさとした紙のついた木の棒を、信者全体の上でバサッバサッと振る姿がカッコよかったなぁ。これが穢れを祓う儀式だと知ったのは大人になってから。それを知るはずのなかった子供の僕は、最初はちょっと怖かった覚えがあるけど、何度かそれを経験するうちに、バサッバサッとやられた後はなんだか少し気持ちよくなった気がした。目に見えない蜘蛛の巣か何かを払って見通しがよくなったような? あと、バサッバサッの後のシーンとした静寂も気持ちいい気がしたな。子供時代は感受性が強いというから、何かを感じていたのかもしれない。

そんなことを思い出していたので、昔祖母と一緒に歩いた道をまた歩いてみたくなった。Googleマップで調べると、昔歩いて行った辺りに金光教の教会がまだあることを発見。昔歩いたように、千駄ヶ谷の駅から歩いてみることにした。

千駄ヶ谷駅を出てすぐ左側に見えるのは東京体育館。昔とは少し形が違う気がしたけど、これはあの頃からあった。この横を祖母に手を引かれて歩いてたんだよな。

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千駄ヶ谷駅からの景色

どういう経路で教会まで歩いていたのかあまり覚えてないけど、途中で『鳩森八幡神社』があるのを発見。この神社、あの頃見たことあったっけ? あの頃はここに来たことはないと思うけど、こういうのも縁なので、お参りしていくことにした。都会の中のオアシスといった感じの場所で、やさしい感じのする居心地のいい場所だったな。

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鳩森八幡神社は、なんだかやさしい感じの場所

千駄ヶ谷駅から徒歩10分ほどで、金光教の神宮教会に到着。昔は木造の日本的な家だった記憶があるけど、今では建て替えられていて宗教的な感じは一切しない。ちょうど目の前で工事が行われていたので、素早く撮った写真はこの一枚だけ(家の写真を何枚も撮ってたら不審に思われちゃうよ(笑))。立ち止まって昔を懐かしむことができなかったのが少し残念だけど、それも必然なのかもしれない。

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祖母と一緒に昔通った金光教の教会

そういえば、大人になってから夢にこの場所が出てきたことがあった。あまりに印象的だったので、そのことは夢日記に書き残してある。10年前のことだった。

おばあちゃんとよく行った、千駄ヶ谷の金光教教会を訪ねる夢。普通の民家のような感じで、中に入ると若い女の人が、「教会員になるんだったらそちらに」みたいな感じで、すぐ後ろに貼ってある紙を指さしてくる。「教会員になるつもりはないんですが、昔こちらに祖母とよく訪ねたもので、懐かしくて来てみました。ちょっと中を見させていただいていいですか?」と言って、玄関奥の畳の敷いてある部屋を見せてもらう。昔ここでお祓いをやってたのかなとか思いながらちょっと見ていると、土足で畳に上がっていたことに気がついた。「ごめんなさい! 海外で長く生活していたもので……」と謝って、ほうきを貸してもらって綺麗にさせてもらうことにする。シャッシャッと掃くほうきと、少しずつ出てくるゴミがとてもリアリティに溢れていたのを覚えてる。最後の方になったらその畳の部屋に子供が二人くらい出てきて遊んでて、真ん中にはコンピュータを開けたものが置いてあったりした。塵取りでゴミを取ろうとしたら、さっきの女の人が掃除機でゴミを吸い込むような感じだった。ここで夢が終わった。

本当に夢って面白いよね。でも今度日本に行った時には、中をちょっと見せてもらいたい気もするな。教会員になるつもりは全くないけど(笑)。

この後は、原宿の方に歩いて行くことにしよう。原宿にはスウォッチショップがあることを調べておいたんだ。ちょっと前に腕時計が壊れてしまって、ずっとスマホを時計代わりに使ってたんだけど、やっぱり旅をしている時には腕時計があった方が絶対に便利だ。この前ロンドンでスウォッチショップに入ったけど、高かったからパスしたんだよな。今は円安ドル高なので、日本で買うとお得なんじゃないかと思う。

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途中のカフェの入り口には可愛い犬の置物が…
と思ったら本物の犬だった。今日は閉まっていて残念!

それにしても蒸し暑い! どこかで冷たいものを飲んで休憩しようと思った矢先に、「エスプレッソフレーバーのかき氷 バニラアイス添え」と大きな看板に書いてある場所を見つけた。旅行する前に行きたい場所を全て計画するのもいいけど、こんな風に偶然見つけた場所に入るのも面白いよね。今回は呼ばれるようにして入ったんだけど、『UA BAR』のかき氷は最高だった! だいたい僕はコーヒー味のアイスクリームが大好きなので、エスプレッソフレーバーでしかも練乳もかかっているこのかき氷は、好みのど真ん中! 今思い出しても、もう一度食べたい感じだもん。この場所を偶然見つけることができて、本当によかった!

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まるで僕のために作られたかのようなかき氷!

かき氷を食べ終わって、外に出て気づいた。やっぱりかき氷は体を内側から冷やしてくれるので、汗がスッと引いたし、外の暑さもしばらくの間は気にならなくなる。夏が超苦手な僕にとっては必須のアイテムだとわかった。さっきは暑さで景色を見る余裕もあまりなかったのに、かき氷を食べた後は街がとても綺麗に見える。もっと早くに気づくべきだった!

お洒落で、でも落ち着いている原宿の裏通りは、歩いていてとても楽しい。ショップで売られている商品は若い人向けばかりだけど、そういう店を見ているだけでハッピーになれる感じ。原宿はこういう裏通りがベストなのかもしれないな。超激混みの原宿通りをヘロヘロになって通り抜けるだけじゃ、この気持ちよさは味わえない。

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気持ちのいい原宿の裏通り

昔アスキーでバイトしていた時にはよく通った表参道を抜け、スウォッチショップ原宿に到着。すごく感じのいい女の子にいろいろ説明してもらった。新作の “What If” シリーズは正方形のフェースが特徴的で面白いけど、いかんせん厚すぎるんだよなぁ。僕は紙のように薄い時計が大好きなので、結局はSkinシリーズに落ち着いてしまう。前にも持っていたかもしれないような無難なデザインのやつを買うことにした。後でアメリカでの値段を調べたら、やっぱり日本で買った方がちょっとだけお得だったみたい。

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表参道の大通りを歩道橋から

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このスウォッチショップでお買い物

この後はすぐ近くのGYREというビルに入って、MoMAデザインストアを物色。草間彌生のアイテムも置いてあったけど、やっぱりみんな高いや。ちょっと食指が動きかけたアイテムもあったけど、最近では物欲はなるべく削ぎ落そうという方向で行ってるので、何も買わずに店を離れた。

かなり混みあった歩道を歩いて、明治神宮方面へ。新しい原宿駅は初めて見たけど、これは悲しいなぁ。昔の木造で日本的な駅が大好きだったのに…。外観だけ同じような感じで残して、内部だけ新しくすることはできなかったんだろうか? 日本の文化というか美観が失われていくようで、とても寂しかった。

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近代的に建て替えられてしまった原宿駅……

明治神宮は、日本に来る度にほとんど毎回訪れている気がする。たくさんの木々に囲まれた、あの気持ちよさは特別だもん。蒸し暑さは変わらずとも、セミがうるさいくらい鳴いている緑の中を歩くと、心が軽くなる気がする。ここでも今回の旅行が無事に続けられていることを感謝しておいた。なんだか今回の旅、友達に会う以外は神社仏閣巡りになってる気がするな(笑)。

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明治神宮は、いつ来ても気持ちがいい

西参道から外の世界に戻り、ここからはゆっくり新宿まで歩いて帰ることにした。通ったことのない道をずっと歩いていく時には、昔自転車で知らない町を通り抜けた時の、あの冒険心とワクワク感が蘇ってくる。夏は暑いからあちこち歩けないのが本当に残念だ。今度夏以外の季節に日本に来る時には、あまりプランを立てずに知らない町を歩き回る時間も作ってみたい。

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知らない道を歩くのって、結構好きだな

新宿駅に着く直前に、あるビルに立ち寄った。僕のコンピュータ人生は、このビルの4階から始まったといっても過言ではないと思う。

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この真ん中のビルから、僕のコンピュータ人生が始まった

あれは確か10歳の終わりでもうすぐ11歳になる頃だったと思うけど、劇団の仕事の帰りに立ち寄った本屋で『RAM』というコンピュータ雑誌の創刊号を購入。その雑誌で紹介されていたコンピュータショップの一つが、ここの4階にあった『ムーンベース』だった。すぐに自転車で行ってみたんだけど、とてもビジネス的なショップで、小学生が行くのは場違いのような気がしたのは覚えてる。でも店員さんはやさしく話しかけてくれて、そこにあったコンピュータで僕の名前が画面に100回表示されるプログラムを書いてくれた。ローマ字で書かれた僕の名前が、画面いっぱいに表示された時の僕の驚きといったら…! 難しそうだと思っていたコンピュータが、一気に身近に感じた瞬間だった。

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当時の雑誌に載っていたムーンベースの広告

それ以来、プログラム言語BASICのことが学べる本を買って、ムーンベースに通ってコンピュータを触らせてもらい、使い方を自分で覚えていく日々が続いた。その後西新宿のタンディラジオシャックのことを知って、そこに毎日のように通うようになったので、ムーンベースには行かなくなってしまった。でもあの時にムーンベースの店員さんが話しかけてくれていなかったら、今の自分はなかったかもしれない。

あんなに何度も通った場所なのに、建物は小さく、階段はとても狭く感じる。4階には今では何も入っていないみたいだけど、2階にはコーヒー屋『フォレスト』があることを調べておいたので、そこで一服することにした。違うフロアといえど、レイアウトは同じ。やっぱり子供の頃だったから、昔は広く感じた場所でも狭く感じてしまうなぁ。あそこにスタートレックのゲームが走ってるコンピュータがあって、あの辺りにSOL-20、PERSONAL 11、そしてその隣にはPET 2001が並んでたよなぁ、とか昔のムーンベースでのレイアウトを思い出してみる。その頃の匂いまで思い出せそうで、涙が出るほど懐かしい。

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コーヒーフロートで一息つきながら、
ムーンベースのレイアウトを思い出してみる

十分に昔を懐かしんだ後は、そろそろホテルに戻ることにしよう。京王新線の辺りから地下に潜って、丸ノ内線方向へ向かう。小田急デパートが閉館したのは知っていたけど、西口の地下も工事が進んでるんだね。子供の頃に西口に来ると、いつも足元の黒と白のタイルで遊んでいた記憶がある。黒の部分を飛び越えて白のタイルだけを歩いたり、時には逆に白いタイルに触れないように歩いてみたり。その二色のタイルもついになくなってしまったみたいで、とても寂しくなった。でもしょうがないよね。物事は常に変わっていくものなんだから。

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西口の地下も工事中。
知っていたものがどんどん無くなっていくのは悲しいね

ホテルまで帰った後は、コインランドリーで洗濯することにしよう。外に出る度にたくさん汗をかくもんだから、いくらシャツがあっても足りない足りない(笑)。旅行記を書きながらのランドリータイムは、結構リラックスできた。

今夜は19時に練馬の方の南インド料理の店を予約してあるので、18時15分くらいにホテルを出て丸ノ内線、大江戸線と乗り継いで練馬駅へ。どちらの電車も超混雑していてビックリした。そっか、日本だと今くらいはまだラッシュアワーなんだな。満員の丸ノ内線のドアが開いて、誰も降りなかった時にはどうしようかと思ったよ。待っていても状況は変わらないだろうから、中の人たちを押し込むように乗り込んだ。こういう呼吸は子供の時から慣れていたはずだけど、さすがに今となっては全く覚えていない。異邦人になっちゃったんだなぁ。

結構ヘロヘロになって練馬駅で降りてから、歩いて5分ほどで今日の店『ケララバワン』に到着。ここは僕が大ファンの漫画家、流水りんこさんのご主人の経営するレストランで、彼女の漫画で読んでからずっと行きたいと思ってた場所なんだ。パソコン通信仲間でフォトンも一緒にやっていたハンドル名Alpha-2さんが、ここの料理の写真をFacebookに投稿した時にはビックリした。Alpha-2さんはカレー系レストランのエキスパートなので、味的に太鼓判を押されたようなものなので、行きたい気持ちがさらに増してたんだ。今回はそのAlpha-2さんと、同じくパソコン通信仲間で20代にはカラオケにもよく行ったりしていたTakechiとその奥さん、それと僕の4人でここで会うことになっていた。

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練馬駅からすぐ近くのケララバワン

Alpha-2さんともTakechiとも会うのは20代以来だからもう30年以上ぶりだけど、二人とも全然変わってなくて安心した。Takechiの奥さんはその頃に一度お会いしたことがあるだけだったと思うけど、TakechiのFacebookの投稿から、僕が読んだことがあるコミックの漫画家さんだということを知ってとても驚いた。コロナ禍のロックダウン中にKindle Unlimitedでコミックを読みまくっていたんだけど、その時に彼女の漫画をいくつも読んだ覚えがある。世界はどこで繋がってるかわからないよね。

ひとしきり再会を喜んだ後、僕は『スペシャルミールス』(¥2,500)というターリ形式の食事を注文した。たくさんの種類の食べ物が並んでいて、見るからに楽しくなってしまう。それにどれも美味しい! 平坦に一本調子な味ではなく、異なるスパイスがあちこち突き出してる感じで、うわっ美味しいっ!と思わず大声で言ってしまうほど。ピリピリと辛いものもあれば、やさしい味のものもある。量も多くて、かなり大食いな僕でも完食するのが結構大変だったほど。いやはや、本当に美味しい場所でよかった! 30年以上ぶりの再会も楽しかったし、流水りんこさんのご主人でオーナーのサッシーさんともお話しできたし、もう言うことなし。シアトルに帰る前にもう一度来たい気がするけど、スケジュールがきつきつなのでたぶん来れないだろうな。次回日本に来る時にも、絶対ここで食べるぞ!

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『スペシャルミールス』
ジンジャー・チキン
チーラ・パリップ・クートゥ(ほうれん草と豆の煮込み)
トマト・ラッサム
ベンダカ・ポリヤル(オクラのポリヤル)
サンバル
インディカ米
パパド
アチャール
ヨーグルト
パヤサム

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今夜は付き合ってくれてありがとう!

精神的にも肉体的にも、とても満足できた一日だった。明日は早く起きなきゃいけないので、美味しいディナーの後はすぐにホテルに戻って寝に入った。

[後日談] 次の朝写真をFacebookに投稿したら、この間こまどり同窓会に来ていた一人が、なんと流水りんこさんを知っているというメッセージが届いた。んで僕のことをりんこさんに伝えたら、とても喜んでくださったそうな。うっわー、本当に世界はどこで繋がっているかわからない。なんだかこの旅は、こういう縁を感じることがとても多いなぁ。縁の神様、心から感謝です!
# by alexsea | 2023-08-07 00:00 | 旅行記 | Comments(0)

日本2023: こまどり同窓会

僕はとんかつが大好物。アメリカでもとんかつを食べられる場所はあるけど、ほとんどは最低ラインで合格というレベルだし、とんかつ専門店でも単なる「まあまあ」なのが悲しい。だから日本を訪れたら、絶対に美味しいとんかつの店に行こうと決めていた。ネットで検索しまくって、たくさんの候補の中から選んだのが、今日ランチに行く店。一か月くらい前から予約を入れて、この日が来るのを今か今かと待ちかねていた。

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今日もいい天気だけど、もうかなり暑い!

10時40分頃ホテルを出て新宿御苑前の駅へ。今日行く店は歩いても20分ほどで着く場所だけど、食事の後も炎天下の中を歩く予定なので、地下鉄一駅分だけとはいえ体力を温存しておきたかった。すぐ隣の四谷三丁目駅から、徒歩3分で『車力門 ちゃわんぶ』に到着した。迷わずに前から決めていた、『特選ヒレかつ定食』(¥5,400)を注文!

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四谷三丁目にある、車力門ちゃわんぶ

低温でゆっくりと揚げているらしく、調理場からはジュクジュクという静かな音が聞こえてくる。20分ほど待って、やっと出てきました特選ヒレかつ! 豚肉は完全にピンク色だけど、もちろんちゃんと中まで火が通ってる。ソース、辛子醤油、塩と、好みで使えるらしい。

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肉は綺麗なピンク色!

最初は一番シンプルな塩で、まず一口……。うっわー、軟らかいっ! フワッと噛み切れる食感は、今までとんかつで感じたことのないものだ。香ばしい衣と一緒に噛みしめると、口の中は豚肉の旨味でいっぱいになる。やっぱり僕にとって豚は一番美味しい動物だ! この店の評判は伊達じゃない! ただあまりにも今まで食べてきたとんかつと食感が違うので、何かとんかつとは別の食べ物のようにも思えてしまった。なんだろう、とんかつなんだけど、そこからパラダイムシフトされたみたいな? とんかつってこんな表現もできるんだ!と、すごく驚いた。

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フワッフワな噛み心地。こんなの初めてだ!

辛子醤油もソースも使ってみたんだけど、僕は塩で食べるのが豚肉の味をダイレクトに味わえる感じで一番好きだった。二番目は辛子醤油。ソースは自家製ブレンドなのかもしれないんだけど、なんだかちょっと弱い感じがする。まぁ僕が普通のとんかつを食べる時には、ドボドボと下品にソースをかけて豚肉との味のコンビネーションを楽しむ感じだったんで、それはこのとんかつには乱暴すぎるよな。ここのソースは、あくまでも豚肉の味を引き立てるヘルパーとして供されたものみたいなので、その弱さは頷けるかもしれない。

いやー感動した。個人的に¥5,400の価値はあったと思う。ただ、普通のとんかつを想像してこの店に来ると、ちょっとあれ?って思うかもしれない。エルフとハイエルフくらい違うもん!(←なんの話だ)

すっかり満足した後は、昭和の面影を色濃く残す車力門通りを歩いて、曙橋方面へ。予報ではいつ雨が降ってもおかしくない感じだったので、途中のコンビニで折り畳み傘を買っておくことにした。

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この辺りは昭和っぽい風景がたくさん残ってる

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グルメ的なかき氷の店を発見。
そういうんじゃなくて、僕はもっとシンプルなかき氷を食べたいんだよな

曙橋駅の辺りは、覚えていたよりもずっと道路が広くなっていた。たぶん大掛かりな道路拡張工事があったんだろう。この坂を、劇団の西村先生と一緒に歩いた頃のことを思い出す。当時は坂の途中に『セミコロン』って店があって、劇団のみんなと何度かそこで食べたなぁ。まだ僕はレストランの経験が全然浅かった時代だけど、その頃でもとても美味しいと思ったことは記憶に焼きついてる。

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曙橋駅の周りは記憶と全然違う

そこから15分ほど歩くと、僕が通っていた劇団『グループこまどり』があった場所に行き着く。ここは4年前にも見に来たけど、今夜は劇団の同窓会があるので見ておきたかったんだ。僕が『劇団こまどり』に入った時、劇団自体は中井にあった。そこに毎週日曜日に通って演技の稽古をしていたんだけど、その頃のオーナーが門を閉めることになり、そこで西村先生が引き継いで『グループこまどり』を設立。僕が高校くらいの時に、この曙橋近くの建物に稽古場を移したというわけ。すごく小さな稽古場だったけど、ここでは色々なことをやったなぁ。最初はいつも発声と滑舌の練習から始まって、朗読のセリフや、野田秀樹の戯曲『少年狩り』なんかを何度も何度も練習したのを覚えてる。

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中央の建物の中に、グループこまどりが入っていた

稽古のことで今でも覚えてるのが、街を歩いている時に誰かに肩を叩かれて振り返るシーン。僕はすぐに振り返ったんだけど、先生は振り返るまでに「えっ、誰だろう?」って間がないとダメでしょと言ってきた。現実の世界では僕はやっぱりすぐに振り返ると思うけど、今ならば先生の言っていたこともわかる気がする。ちょっと驚いたような間があると、その方が「見せる」演技になるのかもしれないね。

あと、この稽古場で覚えているのは、みんなでクリスマスパーティーをやった時のこと。みんな何か一芸やったんじゃなかったかな。僕は『ホワイトクリスマス』を歌ったんだけど、長谷有洋くんに「もっとカッコよくジャズ風に歌ってよ!」と言われたこととか、新八で一緒だった大が自作ミラーボールを作ってきたけど、モーターが速すぎてみんな大爆笑したこととか(笑)。ああ、本当に楽しい時代だったなぁ。

考えていると、思い出がとめどなく溢れてくる。本当はこの後タクシーで中井まで行って、劇団こまどりのあった場所をカメラに収めてこようかと思っていたんだけど、タクシーが全然来ないし、暑さでもうかなりバテてきていたので、それは諦めることにした。

この後は4年前と同じように、アメリカに住む直前まで住んでいた団地まで歩いていって、その裏の戸山公園にある箱根山に登ってきた。僕が住んでいた頃にはそんな話はなかったんだけど、いつの頃からこの戸山公園が心霊スポットになったという話を聞いた時には驚いた。確かにいつもジトッとした感じの公園ではあったけど、別に怖い体験をしたこともなかったし。でもそういう話を聞いてしまうと、やっぱりちょっと怖くなっちゃうかも。

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戸山公園の箱根山に行く道。
新宿でこんなに緑が多いのも珍しいよね

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箱根山は標高44.6mの人造の山

タクシーでホテルに戻ろうと思ったんだけど、やっぱり全然捕まらない。このまま暑い中で待っていても無駄な気がしたので、思い切ってホテルまで歩くことにした。約25分の道のり。太陽がギラギラと照っていてとても暑かったんだけど、途中でしばらく霧雨が降ってきたことがあった。最近では東京にも所々にミストシャワーが設置されている場所ができてきたみたいだけど(昨日の芝公園の入り口にもあった)、まさにミストシャワーを浴びてる感じで涼しくて気持ちよかったー! 暑くてヘロヘロになった僕を見かねて、神様か誰かが助けてくれたんじゃないかと思った(笑)。ありがとうございます!

麦茶を買い込んで部屋に戻った後は、まず速攻でシャワー。この部屋のシャワーは温度設定がシビアで、頻繁に水になったりお湯になったりする。ここのホテルの数少ない欠点の一つなんだけど、こんなに外が暑いとお湯があまり使えなくても全然OK。その後は恒例の昼寝。

今夜は待ちに待った、劇団のプチ同窓会。Facebookで「まめたん」こと松田辰也くんと繋がれたので、日本に行ったら彼と会いたいと思ってたんだけど、それじゃ連絡が取れる人だけでも集めてプチ同窓会にしちゃおうか?ということになった。

言い出しっぺなので幹事役を買って出たんだけど、これが想像していたよりも大変だった(笑)。まず30年以上幹事をやっていないので店のことは全くわからないし、今の日本でOKとされる会費の相場も知らない。Facebookに書き込んで、日本の友達のお勧めの店を教えてもらったりしなきゃいけなかった。それにみんなにLINEやメッセージを送る時や店に電話する時も、ちゃんと時差を考えなきゃいけなかった。色々な店に質問の電話を入れるために、夜中の1時頃まで待たなきゃいけなかったのが結構ツラかった。

食べログとかでオンライン予約が可能な店はたくさんあるけど、オンライン予約をするためには日本の電話番号を登録しなきゃいけないので、僕には不可能。店によってはTableCheckでオンライン予約をしていて、それは海外の電話番号でも可能だったので嬉しかったな。他のオンライン予約システムも、早く国際化してほしいと思う。

個室で12~15人入れるところが結構限られていて、最終的に予約したのが『いかの墨 新宿南口店』。一人¥6,000で飲み放題つきのコースをお願いした。せっかく久しぶりに会うんだから他の客を気にせずに会話したいし、飲み放題つきだったら会計の時に面倒じゃなくていいだろうと思った。

こまどりのメンバーで連絡がついたのは14人。そのうち3人は仕事とかで都合が悪くて参加できなくて、結局僕を含めて12人のプチ(なのか?)同窓会となった。

店はとてもいい場所だった。掘りごたつ式の個室はちゃんと扉を閉めてプライベートにできたし、料理も次から次へとたくさん美味しいものが出てきて、すごくよかったと思う。みんなに会えて本当に嬉しかったので結構舞い上がっていて、料理の写真をあまり撮っていなかったのが残念。でもそれだけ楽しんだってことだよね。

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『いかの墨』での美味しい料理の一部

岩っちょ、大見川さん、亜美、お玉姉ちゃん、みーなさん、直江さん、永久さん、ふっちゃん、ミキ、まめたん、大。ついこの間のみーなさんのイベントや新八同窓会で会ったメンバーもいるけれど、30~40年ぶりに再会した人たちもいて、本当に懐かしかった。みんなで毎日のようにスタジオに収録に行ったり、箱根の方に合宿に行ったりしたよね。クラウドにアップロードしてある写真をスマホで見たりしながら(タブレットか何か持ってくればよかった!)、みんな思い出話に花を咲かせた。

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宴会場で記念撮影!

劇団の仲間っていうのは、学校や会社仲間とは少し違う気がする。もちろん学校や会社で知り合った人たちも僕にとって大切であることに変わりないんだけど、小さい頃から一緒に演技を学んで一緒に仕事に行った仲間というのは、やっぱり僕の中では特別な存在だ。悲しい思い出やツライ思い出もあるけど、あの頃は毎日が輝いていた。演技が楽しかったのはもちろんだけど、こまどりの仲間と西村先生がいたからこそあれだけ楽しかったんだと思う。本当に僕は、素晴らしい人たちとの縁に恵まれたなぁ。過去に戻ることができたとしても、こまどり関係の出来事に関しては何一つ変えたくない。

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これはたぶん39年前(1984年)、
みんなで箱根に合宿に行った時の写真。
この中から8人が今日の同窓会に参加できた

なんだか本当に舞い上がっていたようで、誰とどんなことを話したかなんて、もはやぼんやりとしか覚えていない。今になって「あの人ともっと話しておけばよかったー!」とか後悔がわき上がってくる。でも参加者のほとんどを今回LINEグループに登録できたので、次にまたみんなで集まるって時にはもう少し楽だろう。今回来れなかった人や連絡が取れなかった人も、次回は参加してくれるといいなぁ。僕が日本に行く度に召集をかけてしまおっかな(笑)。

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ワイワイとみんなで楽しかった!

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最後に店の前で集合写真。
素晴らしい時間をありがとう!

2時間ちょっとの楽しい時は一瞬で過ぎ去り、一本締めで一次会は終了。僕を含めて7人は二次会へと繰り出して、そこでもしばし盛り上がった。結局全部終わったのは23時近くになってから。いやー本当に心から楽しい最高の夜だった。みんな、ありがとう!

ホテルまで歩いて帰る間、なんだか別の次元にいるかのようにフワフワしている感じだった。これは酒のせいだけじゃない。今、心から幸せだと感じられる自分が、世界一ラッキーな人間のように思えた。
# by alexsea | 2023-08-06 00:00 | 旅行記 | Comments(0)

日本2023: 音楽部の思い出と、新八先生の思い出

旅程通りならば、今朝はミスタードーナツが8時に開店するのと同時にそこで朝食(ミスドを旅程に入れてる僕って一体…)、その後はランチの時間まで花園神社に行ったり新宿御苑ミュージアムに行ったりするはずだったんだけど、昨日は遅くまで飲んでたんで全部パス(笑)。二日酔いこそないとはいえ、体に少しずつ疲れが溜まってきているような気がするので、ここで無理して体を壊したりすると大変だからね。

ただ間の悪いことに、今日は部屋の清掃日。新しいバスタオルなんかは毎日貰えるけど、部屋の掃除は3日毎ということになってる。僕としては、実はその方が嬉しい。早めに部屋に帰ってきて休みたいこともあるし、一日中部屋が自由に使える方が僕にとっては便利なんだ。清掃時間は10時から15時までなので、9時頃までベッドでゆっくりと過ごして、10時には出かけることにしよう。ホテルを出る時に、13時頃帰ってきてもいいように、掃除を早めに終わらせてくれるようフロントに頼んでおいた。

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あんなに精力的に鳴くセミも、命は短い。
ああ、諸行無常

今日のランチは11時なので、それまでまだ1時間ある。これから新宿御苑ミュージアムに行くのはちょっと時間が足りない気がしたので、新宿駅近くのスタバでアイスコーヒーを飲みながら時間つぶしをすることにした。昨日スタバに行った時に貰ったレシートに付いてたアンケートに答えたので、トールドリンクが1杯無料になる。普通のアイスコーヒーをそれで頼もうと思ったら、「コールドブリューでもできますけど」と言ってくれたので、それを貰うことにした。Cold Brewのアイスコーヒーはエグみが少なくて好きなんだけど、ただそれだけに追加料金を払う価値はあまりないと思っているので、いつもは注文しないんだ。でも無料というなら話は別!

でもさ、Cold Brewがなんでコールド「ブリュー」なの?? Brewの発音は完全に「ブルー」で、「リュ」の発音はどこにもないよ! こういう変なカタカナ表記の日本語には、なぜか過剰に反応しちゃうんだよなぁ。Teaserが「ティザー」と書かれていたり(発音どおり「ティーザー」って書こうよ!)、Bulletが「バレット」と書かれていたり(発音どおり「ブレット」って書こうよ!!)、そういうのには異様に目くじらを立ててしまう。性格的に、一貫性のないのはすごくイヤなんだ!(笑)

スタバの涼しい店内で30分ほど時間つぶしをした後は、以前ホテルに泊まったこともあるサザンタワーへ。今日は高校の音楽部の同期とランチの予定なんだ。友達が予約してくれたレストランは、『ダイナミックキッチン&バー 響』。11時の開店と同時の予約だったんだけど、もう何人もの人たちが並んでいたのには驚いた。そんなに人気のある場所なの?

僕らのランチは、個室でコース料理(¥4,500)。『壱の膳』にはたくさんの料理が並んでいて、見ているだけで嬉しくなってくる。クオリティも抜群! こんな風にちょっとずつ色々な味を食べられるのって、個人的には大好きだ。でも、とうもろこしさつま揚げは個人的なツボにハマって、これあと3~4個欲しいー!って感じだったけど(笑)。『弐の膳』が出てくるまでものすごく時間がかかってて心配になったんだけど、メインコースもデザートもとても美味しかった。特に銀しゃりご飯の美味しさには感動。今回の旅行は食事のセレクションにかなり幅を持たせてあるので、こういう純粋な日本料理を満喫できるのはとても嬉しい。Uくん、いい場所を選んでくれてありがとう!

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本日の刺身盛り合わせ / 鱸とふのりの梅吸い / とうもろこしさつま揚げ / 金目鯛茗荷味噌焼き / ローストビーフサラダ / 冬瓜と牛筋の煮物 / 茄子とオクラのお浸し
国産牛ステーキ 焼き野菜添え
甘味盛り合わせ

音楽部のみんなとは4年半前に会ったけど、高校の3年間苦楽を共にしてきた仲間なので、いつ会っても嬉しい。彼らと会うと、すぐにあの頃の自分に戻る気がする。合宿の話、先輩の話、みんなで歌った新宿区のベートーベン第九の話、いくら話しても話題が尽きることがない。こうして考えると、みんな一人ひとりがうまい具合にかみ合って、お互いにいい影響を与えてたんだなってわかる。高校に入った当時は声変わり後のコンプレックスの塊で、友達ができるかどうかもとても不安だったことをよく覚えてる。一つ間違えばとても暗い人間になっていたかもしれないけど、毎日彼らと一緒に歌ったり喋ったりすることで、少しずつコンプレックスから抜け出せていったんだと思う。みんな、本当にありがとう。やっぱりこの歳になると健康についての話題もかなり出てきたけど、次に会う時もみんな元気でいようね!

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楽しいランチ。みんなありがとう!

女性群はこの後お茶をしに行ったけど、僕は今夜も宴会が控えているので、ホテルに帰って休むことにした。今日は観光が全くない日だけど、こういうのも時にはいいと思う。

綺麗になった部屋でゆっくりとくつろいだ後、17時半ちょっと前にホテルを出て霞が関方面へ。今日の宴会場所まで歩いていく途中に、いくつか目を引いたアートがあった。日比谷公園のカモメの噴水と、レアンドロ・エルリッヒ(Leandro Erlich)氏の『Cloud』という作品。こんな風に歩いていて、あちこちにアートが見つかるのはすごくいい。『Cloud』は文字通り雲のように見える作品。横から見ると何枚ものガラス盤一つひとつに雲が描かれていて、それを重ねることで三次元的な奥行きを出している。シンプルながらに、すごく説得力のあるアートだと思う。彼のことをネットで調べたら、プールの底に人々が沈んでいるように見える作品『スイミング・プール』も彼の作品だということがわかってビックリした。いつか何かで紹介された時のことをはっきりと覚えている。残念ながらその作品は金沢にあるので今回は見に行けないけど、いつか見てみたいなぁ。

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日比谷公園のカモメの噴水。
真ん中のオブジェに「おおっ?!」となってしまった

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レアンドロ・エルリッヒ氏の『Cloud』

夜の宴会は新橋の『有薫酒蔵』で、『1年B組新八先生』の同窓会。18時に着くと、すでに丈二、洋一、純子、それに幹事をやってくれてる康平が来ていた。日本に来る度に康平が飲み会を企画してくれるので、毎回何人かには会ってるんだけど、やっぱりいつ会っても懐かしくて嬉しくなる。いつもそれで舞い上がって食べるのが二の次になっちゃうことが多いんだけど、今回は真剣に食べるぞ!と決めていたので(笑)、全ての料理をじっくりと味わうことができた。やっぱりここ美味しいや! ここの店は、新八先生では昭の役をやっていた劇団友達の家族が経営している場所で、たくさんの高校の同窓生が書くことができる『高校よせがきノート』で有名な居酒屋。九州の郷土料理が食べられる場所で、今回もお造りからラーメンの締めまで、本当に美味しい料理ばかりで感動した。女将さんにも久しぶりにお会いすることができて、とても嬉しかった。

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九州の郷土料理。どれもとても美味しかった!

キャストの中には、今では亡くなってしまった人も一人いる。彼とは8年前にここで会った時が最後だった。仲の良かったヤツが旅立つと、本当にへこむ。去年の11月にエジプトを旅行している最中に彼から突然LINEがあって、別の生徒役と共演した作品の動画を見つけたので時間がある時に見てみて!とのことだった。旅行中だったのでじっくりと会話できなかったのが、今となっては本当に悔やまれる。いつも同窓会ではワタワタしちゃってゆっくり話せた気がしなかったので、新八先生の撮影当時に仲のよかった彼とは、いつか二人で飲みたかったんだよなぁ……。考えたくないことだけど、これからはこういう話も色々な方面で増えてくるかもしれない。その時に後悔しないように、みんなとの接点をもう一度見直してみたい。

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撮影当時に教室のセットに使われていた札が、43年の時を超えて

今回の同窓会では10人の生徒役と共に、その頃アシスタントディレクターだったTさんも参加してくれた。Tさんとは新八が終わって以来? あ、でもその後『桜中学大音楽会』があったから、その時に会ったとしたら40年ぶりかな? 全然変わってなくてビックリした。それと今回初めて同窓会で会うことができたのが、いずみちゃん! 彼女は僕が以前参加したどの同窓会にも来ていなかったので、40年以上ぶりの再会ということになる。あの頃はお互いに中学生だったので、最初はちょっとだけ気恥ずかしかったなぁ。今でも昔のままのチャーミングな彼女でよかった。

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楽しい同窓会だった!

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いずみちゃん、会えて嬉しかったよ!

本当ならば今日の宴会には先生役だった岸田敏志さんも来られる予定だったんだけど、急に都合が悪くなったらしく会えなかったのが残念。先生とは20年前に同窓会で会ったのが最後だ。今でも精力的に音楽活動を続けていらっしゃるみたいで、とても嬉しい。いつか先生のコンサートに合わせて日本に行くことができたらいいな。

いやー、心から楽しかった! たった6か月間の仲間だったけど、密度としては最高に濃かったからね。これからもみんな元気で、次の同窓会も楽しくやりたいね!

この後はどこにも行くことはなく、ほんわかとした余韻を胸にホテルに戻ってすぐに寝た。今日は懐かしいことだらけの一日だったけど、明日もまたそんな感じの日だ!
# by alexsea | 2023-08-05 00:00 | 旅行記 | Comments(3)

日本2023: 芝近辺の散策と、新旧の友達

昨日アスピリンを飲んでから寝たせいか、二日酔いはなかった。でも昨日のエントリーに書いたように、会うはずだった友達からのメッセージを読んで、自分のダメさに気分がダダ下がり…。ああ、ごめんねごめんねRくん!!

今日も行ったことのない場所を観光しようと思う。僕はホラー漫画家の永久保貴一さんが20代の頃から大好きなんだけど、彼の著書『東京開運散歩 芝・浅草』を読んで、芝あたりを観光してみたくなった。今日も猛暑日らしいんだよなぁ。結構歩く旅程だけど大丈夫なんだろうか?

ホテルを8時半くらいに出て、地下鉄を乗り継いで大門駅で降り、まずは『芝大神宮』へと向かう。ここはビルの間にある都会の中の神社なんだけど、古くからある伊勢神宮の分社らしい。平日の朝9時頃だというのに、参拝客が結構途切れずに来ていたのには驚いた。僕も無事に楽しい旅行を続けられていることを神様に感謝してから、境内にあるちょっと陰になったところで一休みさせてもらった。永久保貴一さんのコミックによると、ここでは伊勢神宮の外宮と内宮、両方の気が感じられるとのこと。僕はまったくそういうのはわからないけど、こんな都会の中にある神社なのに、まるで自然の中にいるような涼しい風がとても気持ちよかった。無宗教ではあるけれど、神社仏閣の気持ちのいい空気には、絶対何かがあると思う。

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芝大神宮。境内の清浄な空気が心地よい

お参りする場所の左にお焚き上げ用の木箱があったので、そこにシアトルから持ってきた古いお守りを全部入れたら、母が持っていたお守りが目に入った。どこかのお守りを布で包んで、その上に母の字で「達者でポックリ」と書いてある。ボケや病気で僕らに負担をかけたくなかったんだろう。本当に優しく、潔い人だった。シアトルで荷物を整理している時にこのお守りは見ていたんだけど、いざ手元から離れるとなると寂しくなってしまって、木箱から拾い上げようかと思ったくらい。でもそれを手元に置いておいても何もならないし、古いお守りには穢れが溜まることもあるらしいのでやめておいた。母が亡くなってから4年近く経った今でも、母の字が書いてある物と別れる時はとても悲しい。

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母の字が書かれたお守りを返納。
手放す時はツラかった

この後は大門を通り抜けて、『増上寺』へ。子供の頃は、東京タワーの近くのシネビームという録音スタジオに洋画のアテレコとかで足繁く通っていたので、増上寺というお寺があるということは知っていた。「芝の増上寺じゃぞえ」とか、劇団の先生と早口言葉のように言って遊んでたっけ。でも行ったことは一度もなくて、今回が初めての訪問。大門よりももっともっと大きな三門をくぐり抜けると、東京タワーと並ぶようにして荘厳な増上寺があった。

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増上寺の大殿と東京タワー

この大きな大殿にはお参りができないみたいで、隣の安国殿でお参りした。ここでもこの旅と健康に対するお礼だけ。お寺はお香のいい匂いがして、心が落ち着く気がする。そこから出るとすぐに、たくさんのお地蔵さんが見える場所があった。みんな赤い毛糸の帽子を被り、風車を持っていてとても可愛い。『千躰子育地蔵尊』と呼ばれるそうで、子どもの健康と成長を願って安置されたお地蔵さんたちらしい。ビデオに撮らせてくださいねと心の中でお願いしてスマホを向けると、急に風が吹き始めて、カラカラと元気に回る風車と一緒にお地蔵さんたちを撮ることができた。なんだかとても微笑ましい気持ちになったなぁ。全ての子どもたちが健康で元気に育ちますように。

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千躰子育地蔵尊はとても可愛い

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奥の方までお地蔵さんがずーっと並んでる

この後は三門を出て、芝公園の方に歩いていく。この公園からは東京タワーがよく見えるし、広々とした公園でとても気持ちがいいんだけど、いかんせん殺人的な温度になってきているので、日向でゆっくりはできない。日陰のベンチに座ってちょっと休んだ後は、芝丸山古墳を抜けて大通りに出て、次の目的地に向かって歩いていった。本当ならば、さっき書いた録音スタジオ、シネビームの跡地辺りにも行ってみたかったんだけど、この暑さでは余計な旅程は切り落としていかないと死んでしまう。

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東京タワーも見えてとても気持ちのいい場所だけど、暑いっっ!

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芝丸山古墳は、ただの丘のような場所だった

次の目的地までは徒歩で15分くらい。でもこの時が一番ツラかった! ほとんど日陰のない道を歩かなきゃいけなかったし、喉が渇いたけど自動販売機は見つからないしコンビニは大通りの向こう側だし…。仕方がないので休憩は後にして、歩ききってしまうことにした。

辿り着いた目的地は、『元神明宮(天祖神社)』。ビルの中にある神社なんだけど、永久保貴一さんによると、ここでも伊勢神宮の内宮の気を感じられるらしい。僕はただお参りした後、そこにあった椅子でちょっと休ませてもらおうと思ったんだけど、屋内なもんで暑い暑い! こりゃダメだということで、数分でリタイヤ。すぐに近くのコンビニに飛び込み、冷房の効いた涼しい店内で、スポーツドリンクをがぶ飲みしながら少し休ませてもらった。いやー、真夏の日本旅行、こんな感じになるんじゃないかとは思っていたけど、やっぱりこんな感じになっちゃったか(笑)。まぁ最近の夏は異常な暑さらしいけど、「旅は夏に」と決めている人たちの気持ちが個人的にわからない! 僕としては、ちょっと寒いくらいの気候の中を歩きまくる旅が一番いいかな。

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元新明宮への入り口

さて11時も近くなってきたので、予定していたランチの店に向かおうとしよう。今日お昼を食べるのは、『浪花家 総本店 ナニワヤ・カフェ』。東京三大たい焼きの一つに数えられる店で、いつもたい焼きを買う人で行列を作っているような場所らしいけど、その二階のカフェでは焼きそばやたい焼きを食べられる。11時開店のはずなので店に近づくと、こんな貼り紙が。

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えーっ?! 僕が予定していた日を狙ったように……

えーっ、今日に限って店内飲食は13時半から?! そんなのないよー! この間の渋谷スカイのように、まるでピンポイントで狙ってくるって一体どういうこと? どうしようかと貼り紙を見ながら悩んでいると、中から「たい焼き注文できますよー、どうぞどうぞ!」との声が。むぅ、仕方ないからたい焼きだけでも買っていかなきゃな。2つ買ったたい焼きはすぐに出てきたんだけど、どこで食べたらいいのか悩んでしまった。店の前で食べるのも失礼だと思ったので、中で待つ人用の椅子で速攻で食べていいかと聞くと、断られてしまった。誰もいないし誰も座ってないのに! 仕方がないので、ちょっと横道にある自動販売機の横の陰に入って、こそこそと隠れるようにして食べなきゃいけなかった。

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2つ買ったたい焼き。なんかちょっと薄い感じ?

お味の方は……、本当にこれが東京の三大たい焼きの一つなんですか?ってのが正直な気持ち。別に店内で食べられなかったことを根に持っているわけじゃなくて、「東京の三大たい焼き」の基準がわからないってこと。確かに餡子は不満のない美味しさだけど、皮は今までに僕が食べたたい焼きの中で一番パリパリで薄かったし、たい焼き自体もとても薄くてボリューム感がない。もしかしてパリパリの皮の方が評価が高いってこと? うーん、でもこれだったら昔中野坂上のマンションに住んでた頃に、すぐ近くにあったおじいさんとおばあさんが作る大判焼きの方が、香りもよくて僕的には美味しかった気がするなぁ。まぁたい焼きと大判焼きじゃ全然違うんだろうけどね。一つ食べたらもう十分だったので、もう一つは後で食べることにした。やっぱり「東京の三大なんとか!」とか「世界の三大なんとか!」ってのは、あまり当てにならないということかもしれないね。

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美味しいけど、皮がパリパリ

たい焼きだけじゃお昼としては寂しいし、どうしようかと近所をうろついていると、近くに『カシュク』というカレー屋があることを発見。オープンの11時半までにはまだちょっと時間があったので、近くのスタバでアイスコーヒーで時間つぶしをしてから、開店と同時に入店。二種類の具を選べるコンビネーションカレー(¥1,300)を注文した。具は、じっくり煮込んだビーフと季節の野菜で。

うーん、確かにコクというか深みがあって美味しい。でも個人的に、なんかちょっと一辺倒な味に感じてしまった。やけに中音域だけが強い音楽を聴いているような? それに僕のあまり好きではない酸味が奥底に感じられて、食べているうちにそれが鼻についてきてしまう。でもまぁこれは僕の好みによるもので、十分美味しいカレーだとは思うけどね。

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カシュクのミックスカレー

さて、ランチの後は麻布十番から南北線に乗って目黒駅まで。そこからまた灼熱地獄を歩いて、ホテル雅叙園東京に行く。ここには2015年に「神の手」アートを見に来た時以来だ。今回は『和のあかり×百段階段2023』というイベントをやっていることを偶然見つけて、写真を見て絶対に行きたくなったので、ネットでチケット(¥1,500)を購入しておいたんだ。

百段階段へのエレベーターを降りると、もうそこから展示が始まっていた。綺麗な金魚の提灯や、浴衣の布のような色とりどりの素材で作られた灯篭を抜けて、百段階段を上がっていく。最初の部屋に着くと、もうそこはいきなり異世界! 『百鬼夜行』をテーマとしたこの展示の最初の部屋は、『異界へと続く道』。花や木が鳥居のように連なっていて、本当にそれが異次元に繋がっているかのような感覚を受ける。ここだけで僕はもう圧倒されてしまった。ああ、これは想像以上にスゴイ!

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エレベーターを降りたらすぐにアートが!

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これからこの百段階段を上っていく

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『異界へと続く道』

次の部屋は『鬼の住処』。日本画や彫刻でいっぱいの部屋の真ん中には、不気味に赤く青く輝くクリスタル(のようなアート)があって、その光が部屋を染めて全てが炎にでも包まれているかのよう。「鬼」がどこにいるか探さなきゃいけなかったけど、見つけた時にはその不気味さで全体の印象が変わってしまったくらい。

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『鬼の住処』

『異世界の四季』は今までの二つの部屋に比べるとおとなしめだけど、極彩色の部屋の奥で踊る人形がとても不気味に見えた。

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『異世界の四季』

『白き狐の世界』には、三次元と二次元のススキに囲まれた狐がいる。冷房から吹き出す風がススキを揺らすと、なぜか狐がとても悲しく見えてしまった。でも、この風景が懐かしいと思うのはなぜだろう?

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『白き狐の世界』

『対岸の現世』の部屋でまず目を惹かれるのは、畳の部屋の中央に置かれた筒状の物体から照らし出されるアルファベット。いきなり異界からSFの世界に紛れ込んだような感じ。この呪文に体を包まれたら、僕は現世に生きて帰れるんだろうか? 物体の中央には「……エカセニクリニ タメルサケ テエヒ……」とカタカナで書かれていて何だろうと思ってたんだけど、ネットで検索してみると、これは百鬼夜行の害を避けられる呪文らしい。

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『対岸の現世』のモノリスとでも言うべきか

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青い彼岸花のかんざしは、とても現実離れして見えた

百段階段を上り切った頂上の間は、『神々の園』。色とりどりに輝くオブジェが部屋いっぱいに広がっていて、解けた呪文の欠片のようにも思えた。

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『神々の園』

いやいやいや、本当に最初から最後まで圧巻だった。このイベントのことを偶然見つけることができて、心からよかったと思う。以前百段階段に来た時には撮影は禁止だったんだけど、今回は撮影OKだったのがとても嬉しい。この感動は、記憶の中で風化させたくない。各部屋で流れていた音楽もテーマにピッタリだと思ったので、ショップでCDを買えたのも嬉しかった(ヨダタケシ氏の『鬼火』)。お風呂に入る時にでもじっくり聴いてみよう。

この後は興奮した心を落ち着けるために、雅叙園のカフェに入って、外の綺麗な景色を見ながらコーヒーフロートで一服。高級感溢れる場所だけど、とてもリラックスできた。

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外の景色を見ながらリラックス

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ここは本当に綺麗な場所だ

さあ、今日の観光はこれで終了。ホテルに戻って一休みすることにしよう。

今夜は、僕が小1から小4までの間に通っていた小学校の宴会に呼ばれている。初めて宴会に呼ばれたのは2018年の12月、次は2019年の8月で、それに引き続いて今回は3回目になる。前の2回は同期生の一人がやっていた居酒屋を貸し切っての大宴会だったんだけど、残念ながらその店がもうなくなってしまったので、今回が初めて別の店での宴会ということになる。

新宿西口の『明月館』に18時半集合。今日は僕を含めて6人という小さめの会だけど、焼肉の老舗で色々なものを食べられて楽しかったな。だいたい僕は日本で焼肉屋に行くこと自体が少なかったので、カルビとハラミくらいしか美味しいものを知らない。もちろん今回もカルビやハラミはとても美味しかったけど、他の人が頼んでくれたタンや、自分で混ぜて作るユッケ、それに冷麺など、自分では普通注文しないアイテムを体験できてすごくよかった。タンは軟らかくてムチャクチャ美味しかったし、ユッケも冷麺もさっぱりとした深い味わいで最高! みんな、僕の味の世界を広げてくれてありがとう!

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このタンが柔らかくて美味しいー!

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ユッケは材料が運ばれてきて、自分で混ぜ合わせる

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スイカの入った冷麺。爽やかで美味しい!

僕は彼らと一緒の小学校には最初の4年間しか通っていなかったので、当時のことはそれほどはっきりと覚えてないんだけど、クラス担任だった先生のこととか、僕がよく遊んだ友達とかの話題で盛り上がった。僕が持ってる写真はクラウドに全てアップロードしてあるので、それを見ながら話したりしたし。僕はたぶん知らないと思うんだけど、亡くなった同期生の話題も出てた。悲しいけど、やっぱりこの歳になってくるとそういう話も出てくるよね……。

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子供の頃よく遊んでいた「あきちゃん」が、
僕が子供の頃書いたバースデーカードを持ってきてくれた。
こんな字を書いていたんだなぁ

人数が多いと色々な人とたくさん話せて楽しいけど、6人くらいの少人数もじっくり話せていいね。すごく楽しい時間を過ごせた。みんなありがとう! そしていつも幹事をやってくれているKくん、本当にご苦労様です。心から感謝!

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すごく楽しかった。みんなありがとう!

この後は、フランスで知り合った日本人友達のヒロラくんが東京に帰ってきていたので、彼と会うことになっていた。2018年に僕がパリでフランス語を勉強していた時には、たくさん遊びに連れて行ってもらったなぁ。彼とは4年前の夏に同じように新宿で会って、そのすぐ後にパリでちらっと会ったのが最後。

彼は結構年下なんだけど、もう話が合う合う! いくつかバーホッピングをしながら、近況とか色々な話をしていた。あるバーでドイツ人のMatias(マティアス)と知り合って、3人で色々とまた盛り上がったのも楽しかった。彼はハーメルン(Hameln)で先生をしている人で、何週間か友達と日本を旅していたんだけど、その友達は最近ドイツに帰って今は一人らしい。こういう出会いも面白いよね。たぶん僕一人だったら話をしなかったかもしれないけど、ヒロラくんのフレンドリーさが出会いを招いた感じ。僕ももっとフランクに他人に話しかけたいと思うことは多々あるんだけど、なかなかそれができないんだよなぁ。世界が広がるかもしれないんだから、もっと努力しなければ!

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ヒロラくんとMatiasと記念撮影!

この夜は夜中の1時近くまで飲んでた。僕は歩きで、ヒロラくんはタクシーで帰れるけど、Matiasは始発まであちこちのバーに入ったりして過ごす予定らしい。すごいエネルギッシュだな(笑)。今夜は、昔からの友達、最近の友達、そして新しい出会い、みんなに感謝!
# by alexsea | 2023-08-04 00:00 | 旅行記 | Comments(4)