プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。 ● 詳しいプロフィール ● 旅行記メニュー (個人的に連絡を取りたい方は、メールアドレスの入ったメッセージを非公開コメントとして残していただけると嬉しいです) カテゴリ
[一覧] 旅行記日記 旅行記 エッセイ パリ生活2018 夢日記 映画・DVD レストラン 過去日記 以前の記事
2024年 11月2024年 10月 2024年 09月 2024年 08月 2024年 07月 2024年 06月 2024年 05月 2024年 02月 2024年 01月 2023年 12月 2023年 08月 2023年 07月 2023年 06月 2023年 03月 2022年 12月 2022年 11月 2022年 10月 2022年 09月 2022年 06月 2022年 04月 2021年 12月 2021年 10月 2021年 09月 2021年 08月 2021年 05月 2021年 04月 2021年 03月 2021年 02月 2021年 01月 2020年 12月 2020年 10月 2020年 09月 2020年 08月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2020年 01月 2019年 12月 2019年 11月 2019年 10月 2019年 09月 2019年 08月 2019年 07月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 08月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2016年 10月 2016年 08月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 04月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 10月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 10月 2005年 08月 2005年 07月 2005年 05月 2005年 03月 2005年 02月 2005年 01月 2004年 12月 2004年 11月 2004年 10月 2004年 09月 2004年 08月 2004年 06月 2004年 05月 2004年 04月 2004年 03月 2004年 02月 2004年 01月 2003年 12月 2003年 11月 2003年 10月 2003年 09月 2003年 08月 2003年 07月 2003年 06月 2003年 05月 2003年 04月 2003年 03月 2003年 02月 2003年 01月 2002年 12月 2002年 11月 2002年 10月 2002年 09月 2002年 08月 2002年 07月 2002年 06月 2002年 05月 2001年 03月 2001年 02月 2001年 01月 検索
ブログジャンル
|
スペイン2024: 豪華な修道院と、豪華な景色と
昨日と同じくGran Café Bib-Ramblaで朝食。今日はハムとチーズのサンドイッチを注文した。美味しかったけど、シンプルなトマトトーストの方が僕には満足度が高いかな。
これも美味しかったけど、トマトトーストの方が好き 今日の観光はカルトゥハ修道院(Monasterio de la Cartuja)から。ホテルのすぐ近くの大通りから8番のバスに乗っていく。バスに乗ったカップルが、地元の乗客に「これ修道院に行きますよね?」みたいなことをスペイン語で聞いたみたいで、乗客がみんなあーだこーだ言いながら、総出で助けようとしていた。みんな優しいけど、誰一人として運転手に聞きに行かなかったのが僕はすごく不思議だった。乗客の間でははっきりとした答えが出ないようだったので、僕はそのカップルにスマホのGoogle Mapsでバスのルートを見せて、「僕もそこに行きます」と英語で言ったので安心したみたい。次の停車駅になったときに、スマホで「次」という単語を調べて“Próxima”と言ってあげたら、満面の笑顔でお礼を言われた。嬉しかったけど、本当になんでみんな運転手に聞かなかったんだろう?(笑) 修道院の質素な外観 門の上にはカルトジオ会の創設者、聖ブルーノの像が。 でもちょっと怖いよ 修道院の中では、絵画がたくさん並んでいる昔の食堂から観光が始まった。修道士の頭に斧が刺さっているような絵が3つもあって、しかも彼らが全くの無表情だったので、クスッと心の中で笑ってしまった。なんなんだろうと思ってタイトルを見ると、殉教とか殉死についての絵らしい。笑っちゃいけないけど、あの無表情さがツボにはまって…(笑)。 回廊もシンプル 元食堂だった場所に並ぶ絵画 「殉教」についての3本セット。 無表情さがなんとも これも怖いよ。楳図かずお?! この元食堂も回廊も結構地味な感じだったので、そういう修道院なのかと思いきや、教会に入ってその豪華さにビックリした。ドームの彫刻もすごいし、壁の絵も素晴らしいし、祭壇も素晴らしく綺麗だ。 豪華な教会にビックリ 感心して周りを見ていると、一人のおじさんが僕を呼んで、祭壇の裏を指差してきた。え?と思ってそっちを見ると、祭壇の後ろには鏡張りの壁があると思っていたんだけど、それは実はガラスで、その向こうには豪華できらびやかな礼拝堂が! 教会もスゴイと思ったけど、この礼拝堂はもはや芸術作品だ。床も祭壇も柱も高価であろう石をふんだんに使い、天井の壁画も数々の彫刻も、全てに美しい動きがある。この旅行で見てきたどこよりも芸術的な場所で、僕の心を鷲掴みにしてしまった。修道院って地味なイメージがあったけど、こんなに豪華でいいわけ?(笑) あまりに感動したので、この小さな部屋だけで20分は使ってしまった。いやはや、これだけでバスに乗ってきた甲斐があった! 礼拝堂はもう芸術品でしかない 何から何までスゴイ 全てにストーリーと動きがある 教会の左隣の部屋は聖具室。ここも壁のスタッコ装飾がすごくて、まるでどこかの宮殿に来ているかのように錯覚する。派手な壁の装飾は一つ間違うとけばけばしくなってしまうと思うけど、白と金色を基調としたデザインのためか、とてもエレガントに見えた。 聖具室の豪華さにも息を呑む いやー、ここは本当にスゴかった! グラナダの中心部からちょっと離れているけど、隠れた名所だと思う。1時間たっぷりと堪能したけど、修道院を出る時も後ろ髪を引かれる思いだった。 この後はちょっと遠いけど、サン・ニコラス展望台を目指してずっと歩いてみよう。街の大通りからちょっと脇に逸れて、どんどん坂を上っていく。それほど急な坂ではないけど、ずっと続くので途中で息を整えなければいけないくらいだった。20分ちょっと歩くと、サン・クリストバル展望台(Mirador de San Cristóbal)に到達。ここからアルハンブラはあまり見えないけど、グラナダの街を見渡すことができて気持ちがいい。観光客のグループがいくつも来ていて、ガイドから説明を受けていたみたい。 こんな感じの坂をどんどん上っていく サン・クリストバル展望台 もうこの辺りはアルバイシン。雰囲気のいい細い道をちょっと歩くと、ラルガ広場(Plaza Larga)に出る。ここには果物と野菜を売る小さなミニ市場が出ていて、その脇のカフェも人気があるらしく、たくさんの人で溢れかえっていた。そこからはすぐペサスの門(Arco de las Pesas)が見えていて、この鍵の穴のようなトンネルは11世紀の城壁の一部らしい。 賑わうラルガ広場 ペサスの門は昔の城壁の一部 グラナダで一番有名な展望台、サン・ニコラス展望台(Mirador de San Nicolás)はもうそこから歩いてすぐ。アルハンブラを真ん前に見ることができる最高の場所だけど、とにかく人がいっぱい! ここには後で戻ってくることにして、お昼の前にこの近くの観光スポットに行くことにしよう。 アルハンブラが真正面に見えるサン・ニコラス展望台は、 いつも多くの人で混みあっている 展望台から歩いて3分のところには、マックス・モローの家(Carmen de los Geranios - Casa Museo de Max Moreau)という、ベルギー人画家が住んでいた家がある。現在ここは博物館になっていて、アート作品や彼の生活空間を見ることができた。リビングルームにはアジア的なものが数多く置かれていたので、モローはアジア好きだったのかもしれない。今まで全く知らなかった人なのに、なんだか親近感がわいてきた。無料で入れるんだけど、開いている時間がトリッキーなこともあってか、観光客にはあまり知られていないみたい。 マックス・モローの家は結構見どころがある 彼はアジアが好きだったらしい 今日のランチはサン・ニコラス展望台のすぐ下にある、El Huerto de Juan Ranas, La Terrazaを13時に予約してある。ここは11年前にも来た場所で、テラスからはアルハンブラが真正面に見えるので、ここでいい景色を楽しみながら食事をしたかったんだ。テラスの最前列に座るには、追加料金€10が必要。僕がここに来ることにしたのは景色が一番重要だったからなので、喜んで追加料金を払った。 このレストランはサン・ニコラス展望台のすぐ下なので、 アルハンブラが真正面に見える やっぱりここからの景色は最高だー! 以前来た時にはビールをおつまみだけだったけど、今回はちゃんとした食事を注文。料理の味に感動はないにせよ、安心して食べられるクオリティでよかった。天気も良くて太陽の光が気持ちよかったし、食べ物も飲み物も美味しかったし、それにアルハンブラとグラナダの街を一望できる特等席だったし、これ以上何を望むことがあろうかって感じ。約1時間半ずっと景色を眺めながら、ゆったりとした時間を心から楽しんでいた。 アルハンブラを見ながらのランチ。 贅沢なひと時 食事の後はサン・ニコラス展望台に戻って、音楽の演奏を聴いたり、巨大なシャボン玉を飛ばす人たちを見たり。たくさんの人で混雑している場所だとはいえ、ここはグラナダで絶対に訪れなきゃいけない場所の一つだと思う。 サン・ニコラス展望台では、いつも音楽が聞こえる 巨大シャボン玉を作る人たちも アルバイシンの迷路のような細い道は、とても静かでいい雰囲気。のんびり下りていくと、可愛い広場があったり、いきなり展望台が現れたりして、とても面白い散歩道だ。坂の下の方はアラブ系の店が立ち並んでいて、とても賑やか。グラナダを離れる前に、この辺りでお茶してみたいな。 アルバイシンの細い道は大好きだ Mirador Placeta de Carvajalesという展望台 アラブ系の店が立ち並ぶ場所も 坂を下りきると、もうホテルのすぐ近く。でも今日はもう一か所観光する予定なんだ。歩いて10分ほどの、サン・ヘロニモ修道院(Monasterio de San Jerónimo)。ここもとても質素な感じで始まるんだけど、やっぱり教会が豪華! 天井のアーチには壁画と共に精巧な装飾がしてあるし、祭壇にはたくさんの彫刻が収められていて芸術品そのものだし、その上の天井も彫られていない場所はないんじゃないかというレベルの彫刻づくしだし。信者を集めるためにはこんな豪華な教会が役に立ったのか、それともやっぱり教会は権力を誇示する場所だったのか。 外から見た修道院は、かなり大きい 回廊の内側にはオレンジ(?)の木がたくさん ここも教会がスゴイー! 天井まで彫刻だらけ! いやー、今日はよく歩いた! この旅行でたくさん歩くことに慣れたとはいえ、今日は足が痛くなってしまった。ホテルに戻ってすぐにお風呂を入れて、お湯の中で足をマッサージ。こういうメンテナンスはやっぱり大切だよ。マッサージするのとしないのとでは、回復度合いが違うのがはっきりわかる。歳を取るにしたがって、自分に合ったメンテ方法を見つけていかなきゃいけないね。 今日の夕食は、ここらでまたスペイン料理ではないものを食べようということで、Utopia Ramen Barというラーメン屋を予約しておいた。日本の小物も置いてあるけど、大音量のDJの音楽が流れていたりネオンサインが輝いていたりして、アジアンポップ的な雰囲気が面白い。 アペタイザーとして頼んだバオはビーフが入っているんだけど、味が薄くて美味しくないので半分しか食べられなかったのが残念。ここの店はこういうレベルなのか?と危惧したけど、メインに頼んだ担々麺はなかなか美味しくてホッとした。もっと美味しいのは食べたことがあるけど、スープは複雑な味でとても良かったし、麺もなかなかだった。日本国外で食べられるラーメン系のメニューとしては上出来な方なんじゃないかと思う。 バオは肉の味が薄くてあまり美味しくなかった 担々麺はなかなかの美味しさ この後は、近くのバーでちょっとビールを飲んだ。土曜の夜なのでどこかハシゴしようかとも思ったけど、結局そのままホテルに戻ることにした。疲れてたってのもあるけど、1人でバーに行くっていうのが僕にとってハードルがすごく高いみたいで、精神エネルギーを大量に消費しちゃうんだよね。MPが0になって、明日「どこにも行きたくなーい」なんて言うことがないように、今夜はおとなしく寝ることにしよう。 #
by alexsea
| 2024-11-09 00:00
| 旅行記
|
Comments(0)
スペイン2024: サクロモンテからアルハンブラへ
昨日はパニックアタックなしでぐっすりと眠れた。今日は朝食を外に食べに行こう。
向かったのは、ホテルから歩いて5分ほどのビブランブラ広場にあるGran Café Bib-Rambla。朝食のセットが5つほどあって、お得な値段で簡単に朝食を頼めるのがいい。ここもチュロスとチョコレートで有名らしいけど、僕はトマトトースト、オレンジジュース、コーヒーのセット(€5)を注文した。スペインのトマトトーストは、個人的なツボにドはまり。トマトの酸味と甘み、トーストの香ばしさが一体となって、僕にとっては最高の朝食だ。オレンジジュースも搾りたてだし、カフェ・コン・レチェも美味しいし、これ全部で€5なんだから言うことなし! トマトトーストの朝食セット 今日の観光はサクロモンテから始まって、アルハンブラまで歩くつもり。ヌエバ広場のバス停からC34のバスに乗って(バスカードが買えなかったので、もう毎回現金で乗ることにした。€1.60なり)、サクロモンテ修道院(Abadía del Sacromonte)へと向かう。バスの窓から見えた景色がどんどん綺麗になっていくので、ちょっと興奮した。 バスからの景色がどんどん綺麗になっていく 修道院前のバス停で降りた時には、この景色! サクロモンテ修道院は僕は初めてだ。修道院関係はこの旅行で何度も見たし、ここは中心部から離れているので、それほど行きたいと思っている場所じゃなかった。Combine Ticketがなかったら、行く気になっていなかったかもしれない。そういうことを考えると、やっぱり抱き合わせの割引チケットって、いい仕事してるんだなって思う。 修道院には最初の客として入った。Combined Ticketで行ける場所は全てアプリがあって、それをスマホにインストールするとオーディオガイドが聴けるようになっている。ちゃんとWi-Fiでアプリをダウンロードできるように、無料のWi-Fiを提供しているってのも素晴らしい。僕もアプリをインストールして、オーディオガイドに従って見ていこうと思っていた。 でもねー、最初のいくつかのスポットでオーディオガイドを聴いていると、やっぱり自分とはテンポが合わない気がするんだよね。情報をできるだけたくさん伝えてくれようとする気持ちはわかるんだけど、個人的に興味のないものまで深く掘り下げて説明されると、早く次に行きたい!と思ってしまう。以前どこかの博物館のオーディオガイドであったけど、最初はサラッと説明するだけで、「これについてもっと説明を聞きたければ(番号)を押してください」と、詳しい説明は別のアイテムにするっていうのが一番いいかもしれないな。ここのオーディオガイドはちょっと冗長に感じたし、聴いているうちに後から来た人たちで騒がしくなったりしたので、途中から聴くのをやめてしまった。難しいよね、こういうの。 でもオーディオガイドから得た情報で驚いたのが、ここは修道院と名がつくものの、修道僧たちがいた場所ではないということ。キリスト教に改宗したアラブ人が書いた「鉛の本」が洞窟から見つかり、その地に17世紀に学校が建てられたのが始まりらしい。その後、ここはキリスト教の学校として使われてきたとのこと。 回廊はとても修道院っぽいんだけど、実は修道僧はいない 礼拝堂の祭壇はとても豪華 Venancio Blancoによるモダンな彫刻がたくさん飾ってある中庭を抜けると、その鉛の本が見つかった「聖なる洞窟」に入ることができる。中にはいくつもの礼拝堂があり、綺麗に保たれた場所と洞窟のような場所が交互に現れる感じで、独特な雰囲気。ここはグラナダのキリスト教信仰にとって、とても重要な場所なんだろう。 『最後の晩餐』の彫刻 こういうモダンな彫刻も大好きだ 『聖なる洞窟』は独特な雰囲気 今でもキリスト教信仰にとって大切な場所なんだろう 1時間弱見学した後は、ここから20分ほど歩いた場所にあるサクロモンテ洞窟博物館(Museo Cuevas del Sacromonte)に向かう。修道院から坂を下りて、サクロモンテのメインの通りを西に歩く。アルハンブラも遠くに見えてとても気持ちがいい通りなんだけど、南側の丘の斜面に掘っ立て小屋のような場所がいくつも見えたのが気になった。カメラでズームしてみると、キャンプ用のテントも見えるけど、洞窟みたいな場所や、家の玄関のようなものもある。道もないような場所なのに、これは正規の洞窟住居なのか、それともホームレスの人たちが暮らす場所なんだろうか? 修道院の前からは、アルハンブラとグラナダの街を一緒に見渡せる 丘の斜面にはテントや洞窟のような場所が…? 皿だらけのカワイイ家 気持ちいい景色を見ながら歩いていく サクロモンテ洞窟博物館には、大通りからかなり階段を上がっていかなきゃいけなくて死ぬかと思った(笑)。ここは最近まで実際に洞窟住居だった場所が、住人の暮らしや伝統工芸なんかを見学できる博物館となったもの。狭いけど工夫して空間を使っていて、ベッドルームやキッチンがあったり、陶器を作ったりする場所が見れて、結構生活感が伝わってきた。 ここは最近まで洞窟住居だった場所 洞窟で暮らしていた人々の生活感が味わえる 陶器を作るワークショップもあったみたい 展望台からはアルハンブラを含めた気持ちのいい景色が見えるので、僕はそこでベンチに座ってしばらく風景を楽しんでいた。でもね、しばらくすると若いカップルがすぐそばでセルフィーを撮り始めて、そのイチャイチャぶりに目のやり場を失ったりもした(笑)。 展望台から見えるアルハンブラを眺めながら小休止 しばらくそこで休んだ後は、アルハンブラの方に歩いていくことにしよう。サクロモンテの丘からゆるゆると坂を下って、Puente del Aljibilloという橋を渡った後、今度はアルハンブラの方に向かって坂を上っていく。これもまた気持ちのいい散歩道! アルハンブラに近づくにつれて両側が壁になっていくのが面白い。それほどキツイ坂ではないけれど、写真撮影なんかをしながら休み休み上がっていった。 サクロモンテの丘を下りていく最中に、 11年前にフラメンコを観たタブラオを発見。 昼に見るとこんな感じだったのか! アルハンブラへの坂道は今までと雰囲気が違う アルハンブラまで、もうすぐだ アルハンブラの入り口に到達したのは13時ちょっと前。洞窟博物館から約40分歩いたことになるけど、景色がよかったからかそれほど長く歩いた感じはしないな。ランチをパラドール・デ・グラナダ(Parador de Granada)のレストランで予約しているので、ちょうどいいタイミングだった。 ここのパラドールのレストランは、残念ながら眺めはよくない。窓から見えるのはカフェのテラス席だけ。カフェはかなりたくさんの人で混みあっていて、少し並ばなきゃ入れない感じだったので、レストランを予約しておいてよかったと思った。 テラス席の景色しか見えないが残念 最初にサービスで出てきた豆とジャガイモのスープはとても美味しかったし、アペタイザーに頼んだハーフサイズのフォアグラも、見た目が綺麗な上にフルーツと甘いワインでとても上品に味つけされていて、唸るくらい美味しかった。メインはイベリコ豚のロースト。肉がちょっとドライに感じたけど、トロッとして旨味のあるソースは見事だったし、下に敷いてあるマスタードをつけて食べると雰囲気が変わって飽きないのがいい。肉のドライさにちょっと不満はあったとはいえ、ここの料理は今までに訪れたパラドールの中で一番美味しいと思う。って、ロンダとトレドのパラドールしか経験がないので、確率1/3だけど(笑)。 お通しのスープはホッとする美味しさ Duck-foie terrine, chestnuts, apple and sweet wine P.X. (€8) Iberian pork roasted Andalusian style with red pepper (€23) 満足のランチの後は、いよいよアルハンブラ宮殿(Alhambra)へと行くことにしよう。まずは11年前に来た時には行かなかったヘネラリフェ(Generalife)から。パラドールのすぐ前にあるゲートでチケットを見せて、アルハンブラの敷地内に入場した。 ヘネラリフェは14世紀に建設されたナスル朝の夏の別荘で、「水の宮殿」とも呼ばれているらしい。なるほど、あちこちに水路や噴水があって、綺麗な花々や緑と一緒に、しっとりと爽やかな雰囲気を演出している。11月なのに様々な花が咲いているのには驚いた。手入れが大変だろうなぁ。え……、あれ? 噴水? 14世紀は電気なんてないよね。全部これを高低差でやってたわけ? 水を引いてくるところから考えると、技術にもお金をかけていたんだなぁ。改めてスゴイと思った。 ヘネラリフェには緑がたくさん 花もたくさん咲いていて綺麗だった 噴水とふんだんな水は、当時のパワーの象徴だ ヘネラリフェは手入れが大変だろうなぁ この後はさっき来た道を戻って、反対側のアルカサバ(Alcazaba)へ。いかにここが要塞だったかを示すような強固な造りで、スケールのデカさに感心してしまう。塔の上からはアルハンブラとグラナダの街が見渡せて、最高に気持ちがいい。アルカサバは前に来ているからパスしようかとも思ったけど、来てよかったー。 アルカサバは要塞の顔 強固な造りで人々を守っていたんだろう 塔からはグラナダの街を一望できて気持ちがいい この時点で15時半前で、この後は20時まで予定がない。実はHotel Alhambra Palaceのテラスを18時に予約してあって、そこから景色を見ながらのんびりしようかと思っていたんだけど、どうも時間を持て余しそうだったので昨日キャンセルしておいたんだ。うん、それは大正解。ホテルまで歩いて戻って、夜まで部屋でゆっくりすることにしよう。 近くの「裁きの門」(Puerta de la Justicia)からアルハンブラを出て坂を降りていくと、ヌエバ広場の近くまでは徒歩でたった10分程度だった。そこで目に入ったのがCasa Yslaというカフェ。そういえばグラナダ名物のお菓子、ピオノノ(Pionono)をまだ食べていなかったっけ! エスプレッソとピオノノを1つ(€1.70)頼んで食べてみると……甘っ! 超甘っっ!! もう甘さ以外感じない。どうやって作ったらこんなに甘くなるのかと思って調べたら、カスタードクリームの入ったスポンジケーキをシロップに浸して、上にまたクリームと砂糖を乗せてバーナーでキャラメリゼしたものだそう。なんかもう砂糖の2乗どころか3乗くらい? こりゃ甘党のアメリカ人もビックリだ! 口の中の甘さを洗い流してくれるようで、エスプレッソが本当に美味しく感じた。 ピオノノは、甘さの権化だ ホテルには16時ちょっと前に帰還して、お風呂に入ったり昼寝したりしてリラックス。 今夜はまたアルハンブラに戻って、20時から夜のナスル宮殿(Palacios Nazaríes)に行くことになっている。実はアルハンブラ宮殿自体、前に行ったから今回はパスしようかと考えていたんだけど、夜にライトアップされたナスル宮殿を体験できることを発見したので当然行きたくなったわけ。 19時半前に満員御礼のバスに乗って「裁きの門」まで行き、そこからナスル宮殿の入り口に行くと、20分くらい前なのにもうかなりの人が並んでいた。ちょっと早めに出てきてよかったな。20時ちょうどにチケットとパスポートのチェックを受けて、いよいよ夜のナスル宮殿に入場。 「裁きの門」もライトアップされている アルハンブラから見えるグラナダの夜景も素晴らしい ここには11年前にも来たけど、今回は薄暗く、あちこちがライトで照らされているので、全然雰囲気が違って面白い。それほど芝居がかった演出はないけど、ナスル宮殿は元が素晴らしいので、ライトを当てただけで夢のように輝いて見える。壁の精巧な彫り物も光と影のコンビネーションで際立って見えるし、アラヤネスのパティオのプールに映るコマレスの塔も、スポットライトで照らし出されたライオンの中庭の噴水も、感動の美しさだった。あまりに綺麗だったので2周してしまったほど。これは昼の姿を知っているからこその感動なのかもしれないな。光と影が織りなすアルハンブラの夢物語、おとぎ話の世界に迷い込んだかのようだった。 精巧な壁の彫り物も、光が当たることでより美しく どこかのカメラクルーが撮影していた カメラクルーが去った瞬間を狙って、有名すぎるアングルを写真に収めた 昼には見えないような美しさも前面に出る まるでおとぎ話の世界だ 夜に来ることにして本当によかった この後はカルロス5世宮殿(Palacio de Carlos V)をチラッと見て、暗い坂道を下って中心街まで戻った。 誰もいないカルロス5世宮殿の迫力がスゴイ 暗い道を下っていく。全然危険は感じなかった 今日のディナーは、予約しておいたTaberna La Tana。ここは11年前に来てとても楽しい経験をした店だったので、今回も絶対に来たかったんだ。夜の部の予約は22:15以降しか取れないことになっているので、ナスル宮殿の夜間訪問の後に組み合わせたわけ。ここは土・日が休みなので、一番忙しいであろう金曜の夜に1人だけで予約するのはちょっと悪い気がしたけど、しょうがないよね。 さすがに大人気店らしく、外も中もいっぱいの人だった。前のようにワインを頼むたびにタパスが出てくるというのはやめてしまったらしく、料理をメニューから頼まなければならなかったのがすごく残念! 入り口のすぐ横のテーブルに座って、まずワインとトマトを頼んだら、お通しのような感じでタパスが1皿来た。でもトマト被り。 大人気の店らしく、中も外もいっぱい! 最初のワインとお通しの1皿 結局料理は3皿注文して、ワインは4杯。白、軽めの赤、重めの赤、甘いワインと指定して、それぞれ選んでもらった。さすがにワインを売りとする店だけあって全て美味しかったけど、料理に以前のような感動が全くなかったのが残念。まぁ1人で食べられる量は限られているし、料理の選択を間違ったのかもしれないけど、11年前の感動が頭に焼き付いているだけにガッカリしてしまった。美味しいことは美味しいんだけどねぇ…。ちょっと高くてもいいから、小皿料理が次々と出てくるテイスティングメニューのようなものがあれば嬉しかったのになぁ。それにワインペアリングもつけてくれたら最高。 Salmón ahumado con alga nori y wasabi y con trufa y oro (€8) Tomate aliñado (media/€8) Ternera mechada con jamón, huevo y especias (cuatro/€5.50) この店に来るのを心待ちにしていたので、それだけにガッカリ度が高かった。なんか今回のグラナダ、最初のタパスツアーを除いて、心から美味しいと思うものに出会えていない気がする。ソロ旅行での食事は色々とハードルが高いけど、もっとリサーチしておくべきだった! そんなことを考えながら歩いてホテルに戻り、すぐにベッドに入った。本当はこの後飲みに行こうかとも思ってたんだけど、なんだか疲れちゃったよ。 #
by alexsea
| 2024-11-08 00:00
| 旅行記
|
Comments(0)
スペイン2024: アルプハラ地方のバスツアー
昨日はベッドに入ってから数時間寝た後に目が覚めて、プチ・パニックアタックが起こりそうになった。ちょっと暑くて新鮮な空気が欲しかったんだけど、窓の外に景色がないということを思い出して、それで心がざわついてしまった。景色はないにせよ、窓を開けると涼しい空気が部屋に流れ込んできたので、それで落ちついたのでホッとした、やっぱり僕は閉所恐怖症ぎみなんだなぁ。でも窓を開けたら新鮮な空気が吸えるということがわかったので、もうこれからは大丈夫な気がする。少し冷たい空気を部屋に入れた後はまた窓を閉じて、それ以降はぐっすりと眠ることができた。
6時半に起きて、7時半にはロビー脇のダイニングルームで朝食を食べた。ホテルでの朝食は高いから好きじゃないんだけど、今日はバスツアーで8時半には待ち合わせ場所に行かなければいけないので仕方なかったんだ。朝食の後は洗濯物をまとめてバッグに入れ、フロントでランドリーサービスをお願いした。アイロンがけをするシャツは明日になるけど、その他は今日中にできるらしい。 朝食はしっかりと食べておかなければ 今日はViatorで見つけたアルプハラ地方(Las Alpujarras)への1日バスツアー。グラナダに5泊しようと決めた時、グラナダだけに留まっていると時間を持て余す気がしたので、どこかに日帰りでサイドトリップに行こうと思っていた。コルドバ(Cordoba)は前に日帰りで行ったことがあるし、グアディクス(Guadix)は面白そうだけどバスを使って行くのは面倒そうだし、海沿いのネルハ(Nerja)に11月に行くのもちょっと違う気がするし……。と悩みながらViatorのツアーを検索した時、聞いたこともないアルプハラ地方へのツアーがあることを知った。山の上にある、いくつかの小さな町をまわるらしい。今回の旅で訪れた場所とは毛色が違って面白いかも!ということで申し込んでおいた。約8時間のツアーは、ランチ付きで$106.80。高いと思うかは人次第だと思うけど、あちこち連れて行ってくれてガイドも付くんだから、僕は妥当な値段なんじゃないかと思った。 昨日タパスツアーで待ち合わせしたHotel Colonの前で、8時半にピックアップしてくれるとのこと。その時間を5分ほど過ぎた頃、ガイドらしき人が息を切らしながら走ってきた。「アルプハラツアーですよね? ちょっとツアーバスに問題があったので遅れてすみません」と言ってきた。どうやらバスのドアが閉まらなくなったらしく、今直そうとしているみたいなんだけど、そこまで歩いていかなきゃいけないみたい。5分くらい歩いた場所にバスが止まっていて、もう何人か乗っているバスに乗り込んだ。バスの運転手は修理会社の人と電話で話していて、バスの電源を一度全部切ったりシステムをリセットしたり、色々なことを試しているんだけど、ドアを閉めるとすぐに自動的に開いてしまう。20分くらい試していたんだけどどうにもダメみたいなので、ツアー会社が他のバスを調達する間、近くのカフェで待つことになった。 どうやってもドアが閉まらない! -----ちょっと脱線するけど、笑ってしまったことがあるので書いておきたい。 バスの運転手が修理会社の人と電話で話していた時、いきなり運転手が「ケロンパ!」と口にした。もう本当に、はっきりと日本語発音で「ケロンパ」。-----脱線終わり。 それで近くのカフェで待つことになったんだけど、そのカフェというのが昨日グっちゃんと行ったCafé Fútbolだった。ここで待っている間、コーヒーでもチョコレートでも飲んでいいらしい。もちろん向こう持ちで。「ここはチョコレートとチュロスが有名な店なんですよ」とガイドが言ったので、ほとんどの人がそれを頼んでいたみたい。ここのチョコレートはマドリードのChocolatería San Ginésに比べるともっと茶色で、そのせいかミルクチョコレートのような風味だった。美味しかったけど、どちらかというと僕はマドリードで食べたやつの方が、もうちょっと大人の味って感じで好きだったかな。 Café Fútbolのチュロスとチョコレート 注文が出てきて5分くらい、コーヒーもチョコレートも飲み終わらないうちに、慌ただしく出発することになった。カフェの前で小さめのバン2台に分かれて乗り込まなきゃいけなくてゲゲッとなったけど、この車は新しいツアーバスの場所まで連れて行ってくれるだけらしく、たった10分ほど乗るだけだったのでホッとした。 ハイウェイの脇のガソリンスタンドで新たなバスに乗り換え。前のバスの方が新しくて快適っぽかったけど、文句など言っていられない。ツアーが催行されるだけで感謝しなきゃ。結局1時間ちょっと遅れてツアーがスタートしたけど、それくらいだったら全く問題ないので、旅程は何も変えないとのこと。それにしても右往左往してツアーを救ってくれたガイドさんやツアー会社の人たち、お疲れ様です。ちなみにガイドの名前はザルック(Zaruq)。アラブ系の人だけど英国で育ったらしく、彼の英語はとても聞き取りやすい。 バスに乗り換えてからハイウェイを20分ほど走り、タブラテ橋(Puente de Tablate)に到着。ここはアルプハラの入り口とも言える場所で、レコンキスタの後、モリスコと呼ばれるイスラムの人たちがキリスト教からの迫害を逃れるために、この橋を渡ってアルプハラに逃げたらしい。元々の橋は木造で、追っ手から逃れるために渡った後破壊したとのこと。宗教は心の拠り所にもなるけど、それを「利用する」人間たちによって、どれだけの争いが起き、どれだけの人々が命を落としたんだろうか。 タブラテ橋には悲しい過去がある バスはこの後1時間ほど走って少しずつ高い場所に上っていき、標高1,060mのパンパネイラ(Pampaneira)に12時ちょっと前に到着。白い家々が山肌を覆うように建てられていて、高原の町という感じでとても気持ちいい。町の地面を走る水路には水が流れ、自由に使える水場もたくさんある。水が豊富な場所なんだね。昔モリスコの人たちの隠れ里だったというのが信じられないような爽やかさだ。ここでは織物や陶器、それになぜかチョコレートが名産品らしい。ガイドから説明を受けた後は自由時間になったので、僕は坂を上って住宅街の方に行ってみることにした。 パンパネイラには水場がたくさん 山の上の方には、後で行くカピレイラの町が見える 町には水が流れている水路がある 中心部には店が立ち並んでいるけど、せかせかした雰囲気はない 中心部から一つ路地を離れると、それだけでとても静かになる。白い家々を眺めながら石畳の道を上がっていって、ローカルな雰囲気を楽しんでいた。遠くに見える景色がとても綺麗。地元の人たちが水場の脇のベンチに腰掛けて世間話をしている。ゆったりした時間が流れている感じで、いいな、こういうの。 景色を見ながら坂を上がっていく この水場の脇では、住人の井戸端会議が ネコものんびり 気持ちのいい景色! ちょっと離れたところから歓声が聞こえてきた。見ると、5人くらいの観光客のグループが地元の人にお礼を言っている。そのグループのおばさんが僕を見かけて、「あなたも来なさいよ!」と誘ってくれた。そこの家の住人が自分のバルコニーで取れたブドウをプレゼントしてくれたらしく、僕も一房もらってしまった。甘くて美味しい! 彼らは中国人のグループで、僕に声をかけてくれたおばさんはラスベガスに住んでいるとのこと。一人旅もいいけど、こんな風な出会いがあると心が豊かになる。おばさん、声をかけてくれてありがとう! このブドウは、あの上のテラスで取れたものらしい 町の教会にあった人形。 たぶんクリスマスに使われるんだろうけど、なんか怖い チョコレート工場もあった パンパネイラを離れた後、バスはFuente Agriaという場所に停車。湧き水が出ていて、「苦い泉」という名の通り、ここの水にはミネラルが多く含まれているらしい。水の中の鉄分が周りをオレンジ色に染めていて、ちょっと不気味。飲めるらしいので手で掬って口に入れると、苦さと酸味を一緒くたにしたような強い味が舌を攻撃して、思わず吐き出してしまった。こんなの飲めないよ! 鉄分が必要な病気には薬用として使えるのかもしれないけど、味は酷いものだった。その泉からちょっと離れた場所には湧き水が小さな滝のようになっていて、オレンジ色に染まった滝というのはとても異様な光景だった。……でもこういう不気味な景色、大好きだけど(笑) ミネラルを多く含んだ水が湧き出ている 湧き水の鉄分のために、辺り一面オレンジ色! この後バスはトレベレス(Trevélez)という町に停車。ここは標高1,476mの高地にあって、その気候とシエラネバダ山脈から吹き降ろす乾いた風が、生ハムの製造にピッタリとのこと。ここで製造されたハム類のテイスティングが、ツアーに組み込まれていた。Gourmet del Jamón Daniという店に入ると、天井からは無数の生ハムが吊り下げられていて、「わあっ!」とみんな声を上げてしまう。テーブルの上には、生ハム、サラミ、チョリソー、チーズ、クラッカーなんかが並べられていて、ちょっと甘めのロゼワインか赤ワインも出してくれた。もうこの時点で14時前。ちょっとお腹が空いてきていたので、このテイスティングはとても嬉しかったな。店にはハム類の他にドライフルーツなんかも売っていて、ツアー客の中には色々と買った人もいたみたい。 山肌を抱くようなトレベレスの町 みんな美味しかった! 店の天井からは、生ハムがたくさん吊り下げられている 生ハムから滴り落ちる脂の受け皿 最後の訪問地であるカピレイラ(Capileira)にバスが到着したのは15時。ツアーを予約する時にランチのオプションを選択した人だけ、Hotel Finca Los Llanosに併設されているGloria Restauranteで昼食の時間になる。ランチのメンバーは、バスク地方のビトリア(Vitoria)から来たらしい年配のカップル、フロリダからのゲイカップル、インド系メキシコ人の女性(彼女は僕のいるワシントン州にしばらく住んでいたらしい)、そして僕の6人だけ。バスクからのカップルが英語が話せないみたいで、自然とテーブルでの会話がスペイン語になってしまった。僕以外全員スペイン語が話せるみたいでちょっと焦ったけど、みんな僕を会話に含めようとしてくれて嬉しかったなぁ。 カピレイラ到着! 食事の方は、結構本格的な3コースが出てきたのでビックリ。ツアーだからもっと簡単なものが出ると思ってたんだよね。グリーンサラダは体がすごく喜んでいたし、メインの自家製ソーセージも味わい深かったし(玉子、生ハム、ソーセージ、ポテト、ペッパーなんかが皿に乗った料理はPlato Alpujarreñoと言って、アルプハラ地方の地元料理らしい)、デザートのレモンシャーベットもとても美味しかった。このツアーの値段、ランチがあるのとないのとでは、確か$15くらいしか違わないんじゃなかったかな。その程度の追加料金でこのクオリティの食事をゆっくりと楽しめるというのは、とてもお得に感じた。 とてもクオリティの高いランチだった 食事の後は自由行動。ガイドのZaruqに、「そこの道をずっと行ったところに展望台があって、そこからの景色がすごく綺麗だよ」と教えてもらったので、そっちに向かうことにした。ここも高原の町の清涼な雰囲気がいっぱいで、どこを見ても絵になる感じ。『スペインの最も美しい村』のリストに載っているというのも頷ける(さっき行ったパンパネイラも載っているらしい)。静かな道をずっと歩いていくと、大きな展望台に到着。そしてそこからの景色は、息を呑む美しさ! ちょっと山には雲がかかっているけど、それが逆にダイナミックな雰囲気を演出していて、もう写真を撮る手が止まらない。ちょうど紅葉の時期で、目の前には緑の木、赤や黄色に紅葉した木、そして空の青と雲の白と、素晴らしい大自然のパレットが広がっている。空気も美味しいし、もう最高。このツアーに参加することにして、本当によかったなぁ。 静かな道をずっと歩いて行く 紅葉もあって、目を楽しませてくれる この素晴らしい景色には感動! さっきランチで一緒だったインド系メキシコ人のPujaも展望台に来たので一緒に写真を撮ったりしていたら、ずっと下の方からカランコロンという音が聞こえる。ウィンドチャイム(風鈴のようなもの)の音かなと思っていたんだけど、よく見ると子ヤギが何匹も下の道を歩いてるじゃないですか! カランコロンという音は、子ヤギが着けている鐘の音だったみたい。ハイジだ! ハイジの世界だ!!(笑) この牧歌的な風景とシチュエーションには本当に感動した。ああ神様、ありがとう! Pujaも一人旅だった のんびりと子ヤギが道を行く この風景は見飽きることがない 17時にバスは帰途に就き、グラナダに帰ってきたのは18時半になってからだった。ガイドのZaruqは知識も豊富で説明もわかりやすかったし、色々といいアドバイスもくれたので、最後に€10をチップで渡してきた。スペインにはチップ文化がないのは知ってるけど、僕の中でガイドは別格なんだ。良いガイドには、やっぱり感謝の気持ちを伝えたい。とてもいいツアーだった! ホテルに戻って一息ついた後は、食事に出かけることにしよう。昨日の夜にクスクスやタジンを食べられなかったし、今日のツアーのイスラム文化繋がりのこともあって、やっぱり今夜はクスクスが食べたい! というわけで、調べておいたモロッコ料理のレストランRestaurante Palacio Andaluz Almonaに行くことにした。 開店と同時に入店 ここはトリップアドバイザーでもかなり高く評価されているのでとても楽しみだったんだけど、クスクスがちょっと期待外れ…。不味いということはないんだけど、僕が求めていた味の方向ではなかったので、個人的に満足できなかった。パリの小さなチュニジア料理の店でとても美味しいクスクスを経験しているから、どうしてもそれを基準に考えてしまうんだよな。モロッコとチュニジアでは味の方向性が違うのかな? まあ美味しかったけど、期待していた味ではなかった 夕食がちょっと期待外れだったとはいえ、今日は素晴らしい一日だった。ホテルに戻ってゆっくりとお風呂に入って、早めにベッドに入ることにした。 #
by alexsea
| 2024-11-07 00:00
| 旅行記
|
Comments(0)
スペイン2024: グラナダでタパスツアー
さすがに4時間睡眠はツライけど、朝早く起きて荷造りして、6時にはホテルを出る。外はまだ真っ暗。いつも人で賑わっているソル広場も、マリブランカ像(La Mariblanca)がライトに照らされて輝いているだけで、とてもひっそり。ここは人がいないと、別世界のように感じるな。
ひっそりとしたソル広場は別世界のよう 今日僕はグラナダ(Granada)に移動する。随分前に高速鉄道AVEの切符を買ったので、€35.90ととても安かった。直前に買うと2倍くらいの値段になるらしい。 高速鉄道の切符には、4時間以内に乗るならばという条件つきで、通勤鉄道セルカニアスの切符が1つだけ含まれている。東京で新幹線の切符を買ったら、都内から東京駅に行くまでのJR線が無料で使えるのと似ているな。AVEの切符についているCombinado CercaníasのQRコードをかざして、ソル駅のセルカニアスのホームに入ることができた。 僕はアトーチャ駅方面、Koreyは空港に行くのでチャマルティン(Chamartin)駅方面と、別々のホームから電車に乗り込んだ。Koreyさん、シアトルまで気をつけて帰ってくださいね。 アトーチャ駅では荷物のセキュリティチェックを受け、高速線のターミナルに入場。ディスプレイに表示される自分の電車を探して、どのホームかを見つけなきゃいけない。高速線のホームは地上階(Planta Primera)と地下階(Planta Baja)の2層あるらしい。電車によってどっちの階かということはかなり前から表示されるけど、実際のホームは20分ほど前にならないとわからないので、みんなディスプレイの前で待つことになる。僕の電車はホームが表示されるまでにまだまだ時間があるので、その間にカフェテリアで朝食を食べておくことにした。ハモン・イベリコのサンドイッチ。なかなか美味しかったけど、高かったー。 電車のホームが表示されるまで、このディスプレイとにらめっこ 朝食にはハモン・イベリコのサンドイッチ 7:25発のグラナダ行きの電車のホームが表示されたのは7時頃。そのホームの入り口でまた並んで切符をチェック(スマホのQRコードを見せるだけ)されて、やっと電車に乗ることができた。 最初はシーンとした車内だったんだけど、6人くらいのスペイン人おばさんたちが近くの席に乗り込んできた時にそれは激変。「あんた何番?」「あたしは9A」「7番の列ってどこよ??」「荷物あんたのとこ置いてよ」(雰囲気訳)とか、もう喋り続けて賑やか賑やか! なんだか微笑ましくて、不思議とイライラしなかった。みんなずっと喋り続けていたんだけど、騒々しいのには結構慣れちゃうもんだね(笑)。僕は車窓から日の出を見たり、ちょっとウトウトしたりして、グラナダまでの3時間39分の旅を楽しんだ。ずっと座っていたので、最後にはちょっとお尻が痛くなったけど。 窓から見える日の出が綺麗だった 綺麗な景色は見飽きることがない グラナダの駅には11時過ぎに到着。バス停の位置も調べておいたので、そこでバスに乗るCredibúsというカードを買おうとすると……、え、買えないんですけど?! 「カード新規購入」のボタンがグレーになっていて押せない。もしかしてこの機械の中の新しいカードがなくなっちゃった? えーん、着いた早々問題発生ですか。仕方がないので、一度だけ乗れる紙チケットを購入して、グラナダの中心部に向かう4番のバスに乗り込んだ。 10分程でバスはカテドラルの近くに到着。そこで降りて歩いてすぐのHotel Inglaterraにチェックインした。5泊で€237.36。1泊€50以下なんて、かなりお得だよね。実はここ、11年前にグラナダに来た時に泊まったホテルなんだ。その経験とは関係なく値段で選んだホテルなんだけど、どんな感じの場所か知っているというのは心強かった。 本来のチェックイン時間は15時なのに、もう部屋が用意できていて本当にラッキーだった。シングルルームだから小さめだけど、バスルームは広くてバスタブもついているのでお風呂にも入れる。ただね、窓がビルの中の吹き抜け部分に面しているらしく、小さなスペースと他の窓が見えるだけ。ちょっとだけ閉所恐怖症がウズウズしていたので、大丈夫かなーという不安はあった。でもこの場所がこれから5日間の間、僕の家になる。すぐに観光に出かけようかとも思ったんだけど、予定は13時まで入っていないので、ちょっとの間ベッドの上で横になることにした。 シングルルームは小さめだけど快適 でも窓から見えるのは…… ロビーが吹き抜けになっていていい雰囲気だけど、 ロビーの音が部屋まで聞こえてきてしまう 12:45くらいにホテルを出て、待ち合わせ場所のHotel Colon Centroの前まで歩いていった。グラナダはほとんどの飲み屋でドリンクを注文すると無料タパスが出てくる、いわば飲兵衛のためのような街。なので、今日はグラナダ日本語情報センターのタパスツアーに参加して、そういう場所に何軒か連れて行ってもらう予定なんだ。 待ち合わせ場所の前にあった豪華な噴水 実は最初は英語のタパスツアーを別のところで申し込んでいたんだけど、この日が最低人数割れしているらしく、1か月前になっても開催されるかどうかわからない状況だったので、仕方なくキャンセル。そして日本語でグラナダ情報を検索している時に、このタパスツアーの情報に出会ったというわけ。最低催行人数が1人だし、値段が前のタパスツアーより安いし、最近全然日本語を使えていないので日本語で会話できるのは嬉しいかも! ということで、速攻で申し込んでおいた。 待ち合わせホテルの前に来てくれたのは、グラナダ日本語情報センターのブログを書いている「グっちゃん」さん。このブログにはグラナダのレストラン情報が満載で、僕もレストランを決める時に参考にさせてもらってたんだ。グっちゃんはフワッとしたオーラをまとった方で、とても話しやすくて安心した。今日は僕1人だけのタパスツアーらしい。いきなりのプライベートツアーですか! 以前グラナダに来た時に行ったバルやレストランなんかを彼女に告げてから、最初に連れて行ってくれた場所はLos DiamantesのNavas店。ここは今回の滞在で行きたいと思っていた店の一つだったので驚いた。魚介類が美味しいらしく、もし滞在中に行けたらアンチョビを揚げたやつを食べたいと思っていたんだけど、ビールを頼んで出てきた無料タパスが、まさにそのアンチョビ(カタクチイワシ)の揚げ物! いきなり食べたいと思っていたものが食べられてラッキーだった。こういう揚げ物とビールって合うよねー。すごく美味しい! グっちゃんとも飲み食いしながら、グラナダやスペインのことなんかを色々と話せて楽しかった。 Los Diamantesは来たいと思ってた場所なんだ アンチョビのフライが美味しい! 次に行ったのは、Restaurante La Botillería。豪華な料理や肉が美味しい店らしい。ここでは白ワインを注文して、出てきたタパスはチキンのカレー煮。これがねー、最高に美味しかった! カレー煮というよりは、様々なスパイスで煮込んだチキンという雰囲気。スパイスの味と香りがチキンとよく合って、これでお腹をいっぱいにしたい感じだった。ポテトとパンもついてきて、なかなかのボリュームだし。これは本当に、2~3軒のバーをまわってビールやワイン(ノンアルコールでもOKらしい)を頼むだけで、それが食事になってしまいそうだ。グっちゃんによると、この店は無料タパスも良いものが出て、ワインの種類も豊富とのこと。長期滞在していたら、通いたくなるような店かもしれない。 これは心から美味しいと思った 3軒目は、Restaurante Asador de Castilla。赤ワインを頼んで、豆と芋を煮たものが出てきた。これは優しくて、心に染みわたるような家庭的な味。場所によっては、パンの上にハムとチーズを乗せただけのものが無料タパスとして出されることがあるけど、ここのは本当にちゃんとした料理って感じ。バルにはたくさんの人がいてとても賑やかだったけど、ここのレストランは特別な日に利用するような豪華な場所らしい。 家庭的な味わい 最後はCafé Fútbolという、チュロスとアイスクリームの専門店で食後のコーヒー(これはツアー外なので自腹)。3軒ともそれぞれ違う性格の場所に連れて行ってもらえて、美味しかったし、話も楽しかったし、大満足のタパスツアーだった。僕はグラナダは2度目だけど、ここを初めて訪れる人には特に、グラナダの食文化へのイントロダクションという感じで最高のツアーなんじゃないかと思う。 グっちゃんと記念撮影。お世話になりました! この後はスーパーで歯磨きを買うのに付き合ってもらった後、グっちゃんとお別れ。楽しいツアー、本当にありがとうございました! レストラン情報も頂いて、感謝感激です! さて、この後は本格的な観光に出かけることにしよう。カテドラル(Catedral de Granada)には前にも行ったことがあるのでパスしようかとも思ったけど、あの美術館のような祭壇をもう一度見てみたかったので、結局行くことにした。 今回の旅行で発見したのが、グラナダの6つの観光スポットに割引価格で入れるCombined Ticketというもの。たくさん行くほど割引率が高くなるらしい。僕はサン・ニコラス教会以外の5つの場所を訪れることにして、このチケットを買っておいた。全部で€24.84。1つの場所の入場料が€6くらいなので、今回僕は€5ほど得したことになる。でもチケットを買う時に全ての場所の訪問日時を指定しなきゃいけないのがネックだなぁ。フレキシブルな旅程を求める人にはお勧めできないかもしれない。 カテドラルはやっぱり豪華! 祭壇の上の美術館のようになっている場所がとても好きだ。全体的に白と金色をメインに使ったインテリアで、重鎮だけどエレガントな感じがいい。 この豪華さが素晴らしい パイプオルガンもとても綺麗 シンプルで、ゴテゴテし過ぎていないのがいい 次は王室礼拝堂(Capilla Real de Granada)。ここは撮影禁止なので写真がないけど、歴史や宗教的なものが好きじゃなければ、あまり面白い場所でもないかもしれない。僕はどちらにも興味がないので、教会のような場所や棺を見たことしか覚えていない。前にも来たはずなのになぁ。 この辺りの道の雰囲気がとても好きだ この後はアルカイセリア(Alcaiceria)に立ち並ぶ店を横目で見ながら通り過ぎて、一度ホテルに戻って1時間ほど休んだ。 色々な店が立ち並ぶアルカイセリア ほとんど土産物屋なので、あまり興味はないけど 今日は18時からハマム・アル・アンダルス(Hammam Al Ándalus)で、スパタイムを予約してある。2週間の旅の後には、絶対にマッサージが必要だと思ったんだ。60分のマッサージを含んだパッケージが€125。ほとんどアメリカ価格という感じで高いけど、思い切って予約してしまった。 ハマム・アル・アンダルスの入り口は細い路地にある とてもアラブ的な場所で、雰囲気は抜群。最初は温水プールやサウナでリラックスした後、マッサージの時間になったら呼びに来てくれる。僕の担当はMitziというガッチリした女性。4種類の香りから好きなものを選んで、マッサージ開始。最初はリラックス系の軽いマッサージだったので、これは失敗か?と思ったんだけど、肩やふくらはぎなんかはちゃんと強くマッサージしてくれたのでホッとした。それでも僕の好みよりは軽めだったけど。それと一番の不満は、旅行中なので足を重点的にと言っておいたのにも関わらず、足裏にはほとんどタッチしてくれなかったこと。まぁ1時間のマッサージが終わった後は体が軽くなった感じがしてよかったけど、全体的に60点というレベルだった。マッサージに満足したらチップをあげることも考えていたんだけど、それは静かに却下。まぁこの場所自体とても雰囲気がいいので、まるで別世界にいるようにリラックスできたのはいい。マッサージには不満はあったけど、この体験ができてよかったと思う。 このアラブ的雰囲気が素晴らしい (写真は公式ウェブサイトより) ホテルの部屋に荷物を置いた後は、夕食に出かけることにしよう。今晩のことはあまり考えていかなったんだけど、ハマム繋がりで、アラブ系のタパスが食べられるというOm-Kalsumに行ってみることにした。 開店の20時ちょっと前に着くと、もう6~7人の人が外で待っていたので、僕もその列に加わった。カウンター席に座って、まずワインを注文。ちょっと待ってみたんだけど何も出てこないので、無料タパスがない店なのかと思ってメニューを見ることにした。するとPlato Degustaciónというテイスティングメニューが€14.50であるらしい。それだったら色々なタパスを味わえるよなと思って注文した。 開店前から行列だなんて、期待できるかも でも出てきたものを見てビックリ。たくさんのパンに様々な種類のスプレッドを乗せたものが、大皿の上にズラリ。えー、これって思っていたのと違う(笑)。メニューにはクスクスとかタジンとか並んでいたのに、それはどこ行っちゃったの? それにこんなにたくさん、逆立ちしたって全部食べきれないよ。まあまあ美味しかったけど、それでもコレジャナイ感がすごい。一つひとつ全部食べていたらすぐお腹いっぱいになってしまうので、味見する感じで全部一口か二口食べるという、とても汚い食べ方になってしまった。 えー、思ってたのと全然違う… 後で他の人を見ていたら、メニューの中で値段が書いていないタパを自分で選べるんだね。そんなの最初に教えてくれよー!! 食べ物が不味いということはなかったけど、グラナダ最初の晩から大失敗って感じだった。クスクスとかタジンとか、食べたかったなぁ…。 無料タパスはこの中から選べるらしい。 最初に説明してくれよー!! まぁラッキーもあればアンラッキーもあるということで。打ちひしがれてホテルに戻り、まだ21時過ぎだというのにベッドに入った。明日はグラナダの外のバスツアーを予約してあるから、それは楽しみだ! #
by alexsea
| 2024-11-06 00:00
| 旅行記
|
Comments(0)
スペイン2024: パーフェクトなマドリードの一日
ゆっくりと起床して、ホテルで朝食。10時にはチェックアウトして、マドリードに向けて約3時間の帰途に就く。途中で一度ガソリンを入れて休憩しただけで、さしたるトラブルもなくマドリードに到着した。
朝食はしっかりと 忘れた頃に出てくる雄牛。これで3回目くらいかな? マドリードに戻ってきた! マドリード市内に入ってからレンタカーの駐車場に車を返しに行く間、Google Mapsが行けと言っている道に、一般車両は入れないというようなサインが出ている(タクシーや配送車両は入っていけるみたい)。レンタカーの駐車場はすぐこの先なので、この道が通れないとするとかなり大回りしなきゃいけない。結局レンタカーを返すためなんだから一般車両じゃないよね、という変な理由をつけて、その道に入ってしまうことにした。入り口にパトカーが止まっていたのでヒヤッとしたけど、追いかけられることはなかったのでよかった。駐車場の前で工事をやっていて(たぶんレンタカー会社と駐車場が入るためのビルを建てているんじゃないかな)、交通量を減らすために通行止めになっていたんだと思う。 レンタカーを返却した際、サン・セバスティアンで車に傷をつけてしまったことは言ったんだけど、後で被害を調べて保険会社と話すからと、車を見ようともしなかった。たぶん日常茶飯事なんだろうな。 アトーチャ駅からソル駅まで地下鉄に乗って、ソル広場からすぐのHostal Aresolにチェックイン。1泊で€76.95。マドリードの前のホテルが1泊約€130だったことを考えると、いかにこのホテルがお得かがわかる。部屋はシンプルだけど、最近改装されたみたいでバスルームなんか新品みたい。窓を開けるとすぐ下は繁華街なので少しは騒音が入ってきそうだけど、一晩だけだからいいんだ。 シンプルだけど綺麗な部屋 もう13時半だったので、荷物を置いてすぐにお昼を食べに行くことにしよう。予定していた場所は、ホテルから徒歩15分のCasa Amadeo Los Caracoles。ここはカタツムリ(スペイン版エスカルゴですね)が有名らしく、あちこちのウェブサイトや動画で紹介されていた。中に入ると、工事現場の作業員みたいな人たちがズラッとカウンターでお昼を食べていて、店の人はとても忙しそうな感じ。僕らはちょっと離れたカウンターで注文するタイミングを待っていたんだけど、そこに現れたのが店のオーナーのおじいさん。僕らがまだ何も飲み食いしていないことを見ると、「カタツムリ食べるんだろ? 美味いよ! 飲み物は? ビールとワイン? OK!」みたいな感じで話してきて、カウンターに向かって大声で注文してくれた。おじいさん、ありがとう! マドリードでカタツムリ料理といったらココ 入ってすぐのところで、カタツムリを料理しているのが見える 爪楊枝で身を引き出して食べる。 ピリッとしていて美味しい! カタツムリが来て美味しく飲み食いしていると、またさっきのおじいさんが来て「どうだい美味いだろ? パンも浸して食べてみな。美味いぞ!」と、忙しそうにカウンターを拭いたりしながらも、僕らのことを気にかけてくれた。これには嬉しくて心が温かくなったねー。今まで訪れたスペインのバルって、なんとなくちょっと突き放されたような印象もあったので、こんな風に気にかけてもらっただけで、ありがたさで食べ物も飲み物も2倍美味しく感じてしまう。まぁそれだけじゃなくて、実際チョリソーと一緒に煮込まれたカタツムリはピリ辛の汁を吸って、すごく美味しいんだけどね。かなりたくさんあったカタツムリも、全部残さず食べられて大満足だった。雰囲気と味だけじゃなくて、優しく接してくれたオーナーのおじいさんに会えて本当によかった! オーナーのおじいさん、気にかけてくれてありがとう! この後はマヨール広場の一角のテーブルに座って、ワイン休憩。さっき友達から、声優の松野太紀くんのお別れ会に行ってきたというメッセージをもらった。彼とは子供の頃からの友達で、去年の夏にも日本で一緒に飲んだので、6月に突然彼がこの世を去った時には本当に信じられなかった。彼の冥福を祈りながら、ワインでたっちゃんに献杯した。 たっちゃんに献杯。 お疲れ様、どうか安らかに… なんだか甘いものが食べたくなったので、デザートを注文。このしっとりとしたフレンチトーストみたいなの、予想以上に美味しくて感動した。マヨール広場に出ている観光客用の店にしてはクオリティが高すぎないか?と思って調べたら、このカフェはPestana Plaza Mayorというホテルのものだったらしい。なるほど、クオリティとサービスに納得! Torrija caramelizada con azúcar de caña y helado de vainilla (€8) ワインを飲みながらデザートを食べていると、目の前のマヨール広場で男の子と2人の大人がサッカーボールで遊んでいるのが見えた。へえ、うまいもんだなと思って見ていると、参加者が増え始めて、女の子も参加して8人くらいのグループになった。みんなボールの扱い方の上手いこと! 参加者全員が楽しんでいるのがわかるので、見ているこっちも自然と笑顔になる。のんびりした、とてもいい時間を過ごすことができた。 楽しく遊んでいるのを見ていると、こっちまで楽しくなる マヨール広場で治安を守ってくれている警官の人たち。 カッコいいー! 時計を見ると16時頃。「時間があったら」ということで旅程に入れていた、屋上にあるバーのことを思い出した。この屋上に行くのは有料で、17時までは€5、その後は€10になるらしい。それだったら値段が上がる前に行こうか?ということで、急遽そっちに向かうことにした。 通りにはクリスマスの飾りが準備されているのに点灯はまだ。 悲しい… 360° Rooftop BarのあるHotel Riu Plaza Españaまでは、マヨール広場から徒歩約20分。ホテルの裏にある入り口でお金を払い(16:45くらいに到着したので1人€5で済んだ!)、エレベーターで屋上に上がった。うわー、これは想像以上にいい眺めだ! ホステスに最初に通された場所はあまり眺めが良くなかったんだけど、建物の外側の壁に沿うように設置されているカウンター席が空いていたので「あそこは?」とリクエストすると、そこに座らせてくれた。ラッキー! この席は南側を向いていて、グラン・ビア通りとマドリードの中心を眺める感じだし、右を向くと沈んでいく太陽も見える。マドリードの景色と日没を見るには最高の場所だ。 マドリードの街に乾杯! まずMonkey 47というジンのマティーニで飲み始めることにしよう。少しスパイシーな感じのジンで、僕は初めてだったけどとても気に入った。傾いていく太陽の光が眼下の街をピンク色に染めていって、景色は見飽きることがない。2杯目のZacapa en la 360というカクテルを飲み始めた頃にはおつまみが欲しくなったので、ハモン・イベリコを注文。トレドでもそうだったけど、今回の旅行ではいつも素晴らしい景色を見ながらハモン・イベリコを食べている感じ。心いっぱいの幸せを感じると、ちまちました不運なんてどうでもよくなってしまう。幸せだと感じられるということ自体が、すごく恵まれていることだと思う。そんなことを話しながら、刻々と変わる街の風景を見ていた。このバーに来ることにしてよかった! 沈んでいく夕陽がとても綺麗だった 小腹が空いたのでハモン・イベリコ マドリードは夜景も当然のように美しい シースルー床もあった ちなみにこのバー、ジンやカクテルの価格上限は€16ほど。スペインでは高い方なのかもしれないけど、もっと高い場所はたくさんあるし、素晴らしい景色を楽しめるんだったらこの値段は妥当な方だと思う。 たっぷり2時間、景色を楽しみながら飲み食いした後は、ホテルに戻ってちょっと休憩することにしよう。今夜のディナーの予約は21時過ぎ。それまでに水をガブ飲みして、少し酔いを醒まさなければ! 今夜はKoreyの最終日。彼は明日シアトルに戻ることになっている。僕の旅はあと2週間続くけど、今日の夜はちょっといいレストランに行きたいということで、予約したのがCorral de la Morería。ミシュラン1つ星で、しかもディナーの後にフラメンコが鑑賞できる、マドリード最古のタブラオの一つだ。フラメンコは11年前のスペイン旅行で観たのでそれほど重要視はしていなかったけど、ミシュラン星つきレストランの食事が出るとなると話は別。食事とフラメンコのコンビネーションは、素晴らしいものになるだろう。 21時ちょっと前にCorral de la Moreríaに着くと、もう何人か外で待っている。21:10ちょうどに開館して、中の席に通された。それほど舞台に近いわけじゃないけど、柱が視界を遮らない舞台正面なので、とてもいい席だと思った。ここの料理は3段階のコースメニューのみ。一番高いテイスティングメニューは品数が多すぎる気がしたので、その下の4コースのAlegrías Menu(€65.95)を選ぶことにした。このメニューは、各コース2種類の料理の中から選ぶことができる。 マドリード最古のタブラオの一つ 舞台に近くはないけど、とてもいい席だ どの料理も、さすが星つきレストラン!と思わせてくれるような自信に溢れた味わいで、ほとんど不満がなかった。特に最初のトマト・スイカ・サフラン・松の実のスープが秀逸で、サフランの微かな風味が、この一品を非凡で素晴らしいものに変身させていた。仔牛のパイ(薄く切った仔牛肉を重ねたもの)は少し重い気がしたけど、とても味わい深いメインコースだった。 Fresh Tomato, Watermelon, Saffron and Pine Nuts Soup Grilled Salmon, Smoked Leak Sauce and Tender Cabbage Ragout Braised Veal Pie, Sautéed Boletus and Mashed Potatoes Crunchy Rice Pudding with Cinnamon Iced Cream フラメンコが始まるまでに食べ終えるようなタイミングで出してくれるか心配だったんだけど、ちゃんと食べ終えてパフォーマンスに集中できたからよかった。僕はディナーショーとかでも、食べながら観るってことができない人なんだ。パフォーマンスが始まったら100%そちらに集中したい。パフォーマーへの礼儀でもあると思うんだよね。 ここは最初の5分は撮影OKなのが嬉しい。最初はEduardo Guerreroという男性ダンサーが出てきたんだけど、この人の迫力がスゴイこと! 時には狂ったように、時には流れるように踊る様を見ていると、息をするのも忘れてしまうほどだった。2人の女性シンガーの泣くような絞り出すような声も、このフラメンコにピッタリ。 男性ダンサーEduardo Guerreroの迫力がスゴイ その後に出てきた女性ダンサーMaría Morenoのフラメンコも最高! 彼女の踊りと表情がものすごく感情的で、その世界に引き込まれてしまう。激情的な恋と、その苦しみ、悲しみを踊っているかのようで、涙が出てしまった。フラメンコで涙が出るなんて思ってなかったから驚いたけど、それほど彼女の踊りは心に訴えかけてくるものがあった。 パフォーマンスの最後には、男性ダンサーの知人の誕生日だったらしく、その人にみんなでスペイン版の誕生日ソングを歌って踊っていた。途中で女性ダンサーも舞台に上がって、男性ダンサーが何か叫んだ途端、二人で同じ動きの踊りをし始めた。二人ともよく知っているような振り付けだったけど、もしかするとあれがフラメンコを学ぶ時の基本の振り付けだったりするのかな? バレエでもあるよね、そういう基本的な動きのコンビネーション。二人のフラメンコダンサーが同じ動きをしているところって見たことがなかったから、ちょっと興奮した。 いやー、食事もフラメンコも本当に最高だった! ここに来てよかったなぁ。興奮冷めやらぬまま夜のマドリードの道を歩いてホテルに帰った。 部屋に着いたのは0時過ぎ。明日の朝は4時半には起きて支度をしなければいけないので、すぐにベッドに入らなければ! 今日はマドリードに帰ってきてから、カタツムリを食べたバルも、マヨール広場でのワイン休憩も、屋上バーも、ディナーとフラメンコも、全てがパーフェクトに動いた日だった。素晴らしい時間を過ごせたことを心から感謝。明日からも素晴らしい旅が続けられますように! #
by alexsea
| 2024-11-05 00:00
| 旅行記
|
Comments(0)
|