From Seattle, WA, USA
by Alex プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。 ● 詳しいプロフィール ● 旅行記メニュー (個人的に連絡を取りたい方は、メールアドレスの入ったメッセージを非公開コメントとして残していただけると嬉しいです) カテゴリ
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イタリア2009: チンクェ・テッレ (Day 3)
波の音で目が覚める。今日はヴェルナッツァ以外の村にもハイキングで行く予定。前日のように快晴で、とてもすがすがしい朝。まずは美味しいパンでも食べに行きましょうか。ガイドブックで朝食が美味しいと薦められていたIl Pirata delle Cinque Terreは、ヴェルナッツァの反対側の端にある。それでも歩いて15分もかからない。双子の兄弟が経営するカフェで、ここで作られるシチリア風ペイストリーは有名らしい。僕はチーズとハムの入ったパンと、ヌテッラの入ったパン、それにエスプレッソを注文。……うん、なんで有名かがよくわかる。チーズとハムは中でとろけてネットリとなっていて、それをサクサクと香ばしい皮が包んでいる。焼きたてなので香りも味も本当に最高。ヌテッラのパンの方はヘーゼルナッツの香りに恍惚となる感じで、ほどよい甘さはこれから始まるハイキングへ向けてのエネルギーを蓄えてくれる。ここでは夕食も出しているらしいので、今夜はまたここに来よう!
さて、いよいよハイキングの開始。チンクェ・テッレには5つの村があって、ヴェルナッツァはその4番目。予定としては東に向かい、コーニリア(Corniglia)、マナローラ(Manarola)、リオマッジョーレ(Riomaggiore)と歩き、電車かボートで帰ってくるという感じ。エネルギーと時間があったら、ヴェルナッツァの西側のモンテロッソ・アル・マーレ(Monterosso al Mare)にも行ってみる予定。 コーニリアに向けての道を歩き出す。のっけからいきなり厳しいスイッチバックの道。そういえばガイドブックにもヴェルナッツァとコーニリアの間が一番険しいって書いてあったっけ。でもねー、いくらなんでもこれはないでしょーって感じの山道。朝の空気は冷たいから最初はセーターを着てたんだけど、歩き始めて10分以内に脱いじゃったよ。今朝はまだ誰もこの道を通っていないのか、クモの糸が道を跨ぐように20~30m毎にかかっていて、クモ恐怖症の僕としてはビビることしきり。最初のうちこそ景色を楽しんでいたんだけど、あまりの険しさにただ黙々と歩き続けることになってしまう。途中でオリーブ畑の世話をしてるらしきイタリア人夫婦がいたくらいで、その他は一カップルと出会っただけだった。歩き始めたのが8:15くらいで、コーニリアに到着したのがもう10時も近くなってから。汗はダラダラ、足はパンパンで、甘かったーって感じだった。 ここは5つの村の中で唯一、海岸ではなく丘の上にある場所。チンクェ・テッレのワインの産地として有名らしい。コーニリアではちょっと村の中を歩いた後、ちょっとしたワインバーのようなところに入って、スプライトで一服。ここでワインを飲んだらもうヘロヘロになっちゃうってば。 コーニリアからマナローラの間は、それまでに比べたらもうぜんぜん楽だった。時間も半分の約45分くらい。これくらい楽だと、周りを見る余裕が出てくる。今まではかなり上の方を歩いてたから気づかなかったんだけど、海岸を見てみるといかに水が澄んでいるかがよくわかる。夏は混むらしいけど、この水の色には惹かれるものがあるなぁ。 事前にレストランのことについては調べておいたので、マナローラで食事することになっていた。Trattoria dal Billyという店。11:30開店だったので、その時間ピッタリに着くと僕らが一番最初の客だった。眺めのいい席に座って、まずワインを注文。僕はアペタイザーにタコとジャガイモ、メインには「ビリー風」パスタを頼んだ。タコとジャガイモはどうやらこの辺ではよく食べられる組み合わせらしい。これがまたシンプルなんだけど味わい深いんだわ。タコの茹でたのに、ジャガイモの茹でたの、それと白ワインベースのソースにオリーブオイル。これだけだと思うんだけど、もう本当に美味しかった。タコはビックリするくらい柔らかかったのが印象的。 ビリー風パスタは、エビがメインのパスタ。写真で見るとあまり美味しそうには見えないんだけど、エビの香ばしさが前面に出てて、パスタはもちろんアルデンテ。すごく美味しかったので、二皿ともペロッと平らげてしまった。まぁ運動してお腹も空いてたしね。このレストランは本当に大満足だった。 マナローラからリオマッジョーレまでは約20分、一番楽な道のりだった。この間の道は「愛の小道(Via dell’Amore)」と呼ばれている。入口と出口には門のような場所があって、その門には錠前がぶら下げてある。たぶん「愛をロックする」というような意味なんだろう。中間のトンネルのようになっている場所は、かなりの落書きでちょっと閉口したけど、やはりおびただしい数の錠前があっちこっちにぶらさげてある。願掛けの意味もあるのかな。落書きのせいでロマンチックには程遠い感じだったけど、まあ面白かったかな。 リオマッジョーレに着く頃にはもうかなり疲れていて、それに5つの村は結構どれも同じような景色なので、村をあまりじっくり見ることはなく、ボート乗り場に向かってそこの近くのカフェで休むことにした。ソーダを飲みながら海をじっくりと眺めて、ボートが来るまでのんびりとした時間を過ごした。きれいな海の水の中にアンチョビの群れが見えたのが印象的だったな。ボートはモンテロッソ・アル・マーレまで行くんだけど、もう疲れていたのでヴェルナッツァに帰ることにする。海から見るチンクェ・テッレはまた格別だった。疲れたけどハイキングして本当によかった! ヴェルナッツァに戻ると、宿のすぐ下のメイン・スクエアにたくさんの人が集まっている。どうやら、ヴェルナッツァの住人だった18歳の女の子が交通事故で亡くなったらしく、そのお葬式があるらしい。小さな村なのでみんな彼女のことを知っていたらしく、ヴェルナッツァのかなりの店がクローズして、住人のほとんどが葬式に集まっていたらしい。宿の部屋の窓から、しばらくメイン・スクエアに並ぶ人々を見ていた。沈痛な面持ちの人、号泣している人、胸が痛くなる思いだった。教会から棺が運び出されてきたときは、みんな拍手で迎え送っていた。所変われば葬式のやり方も違うんだなって思った。 部屋でシャワーを浴びて一休みした後はまた村をぶらついたんだけど、まだまだ半数以上の店が閉まってる。ディナーを食べに、朝行ったIl Pirata delle Cinque Terreまで歩いて行ったんだけど、開店時間になっても店が開く気配はない。残念だったけど、お葬式があったんだからしょうがないか。昨日食べたGianni Franziは開店するらしい。旅行中は同じレストランに二度行くことはほとんどないんだけど、今日は例外的にここに行かざるを得なかった。今夜は貝のパスタと、タコとジャガイモの料理。パスタはやっぱりシコシコで文句のつけようのない味だし、タコとジャガイモの方は昼に食べたのとは味付けが全然違っていて、これぞ家庭料理!って感じのホッとできる味だった。最後はビスコッティとヴィン・サントで締め。 かなりの運動で体は疲れ果てていたので、宿に帰って次の日の荷造りをすると、すぐに眠ってしまった。
by alexsea
| 2009-10-27 00:00
| 旅行記
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