From Seattle, WA, USA
by Alex
プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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匿名コミュニケーション

 人とのコミュニケーションって難しいよね。特に顔が見えないとなおさら。しかも自分のアイデンティティを相手に見せなくていいとなると、それがコミュニケーションにどんなインパクトを与えるやら。

 今日はインターネットという、とても不思議な世界のお話。

 最近シアトルの日本人向け情報ホームページに出入りしていて、そこのBBSに書き込むことも多くなった。「パソコン通信」の黎明期時代から顔の見えないコミュニケーションは慣れていたので、大勢の人に反感を買われないような口調はお手の物だと思っていた。ところがどっこい、今回ある書き込みに単に”(笑)”をつけたことから大論争に発展してしまって、はっきりいってビビってしまった。

 「”(笑)”はむかつく」
 「自分の文章に”(笑)”を入れるのは単に文章が下手」
 「きちんと文章で表現しないで誤解を招くような記号に頼ってしまうのがおかしい」

 なるほどねー。まぁ言いたいことはわかる。でも最初に「むかつく」という言葉を見たときに、「えっ? これって僕に向かって言ってるの? 面と向かって言われたこともないのに、名前も知らない会った事もない人にどうしてこんな言葉を使えるの?」と、カルチャーショックを受けた。なんだかインターネットの向こう側にいる人達が、僕の知っているこの地球上の人間じゃないようにすら感じてしまった。

 もちろん僕の中では”(笑)”は”(笑)”。単に笑いながら言ってるだけ、それ以上でもそれ以下でもない。嘲笑してるんだったら”(嘲笑)”って書くしね。自分では悪いことをしたなんて全く思ってない。でも掲示板の雰囲気を壊すのもイヤだったし、下手(したて)に出てみてこの攻撃的な人がどんな反応を示すかってのにも興味があったので、シンプルに「ごめんなさい。これから注意します」みたいなお詫びを書き込んだ。想像した反応として、「こちらこそキツイ言い方をしてすみませんでした」と謝ってくるか、もしくはその逆だと思っていた。結局その攻撃者は「これ以上追及するつもりはないのですが…」から始まり、自分が思うことを厳しい口調で書き連ねてくる。この時点でこの人と議論しても無駄だと思ったので、これ以上は何も書かなかった。何を書いても、この人にとっては納得がいかないだろうしね。

 その後のやりとりを読んでいると、その攻撃者は他の人に「ああ言えばこう言う」と言われたことに対して、その人に攻撃を開始した。んー、正確に言うと攻撃じゃないな。自分が他の人よりも偉いということを書き連ねている。

 「いつからそんなに偉くなったんだ」
 「よっぽどいいもん書かなきゃ認めてやらない」
 「一人の心のひだを君たちにも分け与えてやったまで」

 すごいよ、この人。ある意味で感心してしまった。僕だったら絶対に一生使えないような言葉を、平気で他人に対して使ってる。

 ここでふと思ったのが、このBBSで本名とメールアドレスなんかが表示されていたら、この人はこういう表現を使えたんだろうかということ。このBBSは完全匿名制。どんな投稿者名も受けつけてくれる。この人は元々こういう性格なんだろうか? それとも匿名ということがこの人の心を不必要なまでに大きくしてしまっているんだろうか? もしかするとこの人は匿名という盾の影に隠れて、現実で言えないようなことを言って鬱憤晴らしをしているのかもしれない。そしてそれを見て噛み付いてくる人達を嘲笑しているのかもしれない。どうして素のままの自分を出せないんだろう? 怖いのかな? それとも現実とインターネットのダブル・ライフを楽しんでるのかな? ネット上でもこれ以上ないってくらい素のままの僕としては、本当に不思議な限り。

 もしくは人とのコミュニケーションの基本を本当にわかってないのかもしれない。そういう言葉の応酬をするのが、本物の議論だと思っているのかもしれない。もしこれを議論だと思っているならば、この人はとても損してると思うな。言いたいことはわかる。世の中に深読みしてしまう人もいるってことは初めて知ったし、その意味ではこの人に感謝してる。でも問題はそのアプローチの方法。もしこの人がこういう書き方をしていたらどうなっていただろう。

 「”(笑)”は深読みされると嘲笑のような意味に取る人もいるので、あまり使わない方がいいですよ」
 「あまり記号に頼らずに文章で表現するようにすると誤解も少なくなると思います」

 まぁ、インターネットのBBSごときで、こういう言葉遣いをするのは面倒くさいと思ってるのかもしれないけどね。

 そういえば今思い出した。先日このBBSで飲み会があったんだけど、その予約してあったレストランにその日、参加者以外の誰かが電話をかけてきてキャンセルしたらしい。レストラン名、時間、予約の名前なんかがBBSに書いてあったから、BBSを読んでいる人ならば誰でもキャンセルできてしまう。その話を聞いて開いた口が塞がらなかった。なんで? 僕たちの飲み会をキャンセルして、その人には何の得がある? ただの悪戯なんだろうけど、大人になってまで普通そういうことやるかな? 精神的に不安定な人が、僕たちが楽しそうに飲み会の話をしているのが気に入らなかったとか? ちょっと背筋が寒くなった。「あっちの世界ゾーン」とか読んで怖かったけど、なんだかんだいって生きてる人間の方が数倍怖いじゃん!とか思ってしまった。予定通りそのレストランで飲み会は開催されて、初めて会った人達ばかりの中で、とてもいい時間が過ごせたけどね。

 顔が見えない、名前が見えない、完全なブラックボックス。その中から文字だけが飛び出してくるインターネットの掲示板というパラレルワールド。ほとんどの人はコミュニケーションの場として使ってるんだけど、小数の人には鬱憤晴らしの場らしい。なんとも悲しい話ではあるんだけど、この世界には本当にいろんな人がいろんだなって、ある意味いい勉強になる。こういう経験をすると、心理学とか人類学とか本気で勉強したくなっちゃうから不思議だよな(笑)←あっ、また使っちゃった。僕にとってはマイナスよりもプラスの方が多い掲示板、これからまたどんな不思議体験をするか、ちょっと楽しみだったりする。
by alexsea | 2002-08-31 00:00 | エッセイ | Comments(0)
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