デルフィから北に車を走らせること約4時間、不思議な黄色がかった霞の向こうにいきなり奇石群が登場した。その真下が今回のホテルがある町、カランバカ(Kalambaka)だ。ここも「地球の歩き方」の写真を見て決めた場所。空に伸びるように立っている岩の上にちょこんと乗っている修道院たち。007シリーズでも使われたらしいけど、よく憶えてない。そういえば修道院と道路を結ぶ物品運送用のロープウェイかなんかに、ジェームス・ボンドがしがみついている姿を見たような見ないような…。でもこういう地球じゃないような不思議な景色って大好き。写真を見たときにここに来ようと一発で決めてしまった。
さんざん迷ったあげく、やっと予約しておいたHotel Edelweissを見つけた。ここのベランダからは夜にはライトアップされる奇石群を見ることができる。この日はカランバカの町をちょっと歩いて、次の日の朝から始まるメテオラ(Meteora)の観光に備えることにする。
霞の向こうから突然現れた奇石群
ホテルのベランダから見える景色
早起きして外を見ると、昨日はなんとなく霞みがかっていたような天気だったんだけど、今日は青空にとても澄んだ空気。これなら気持ちのいい観光ができそうである。カランバカの町を出て、メテオラに向かって車を走らせる。すべての修道院で止まって、中を見せてもらう。最初に行った修道院では、修道僧が英語で話しかけてくれたりして、なかなか楽しかった。他に観光客が誰もいない修道院は、やっぱりとても澄んで見えた。まぁ誰もいなかったのは最初の所だけで、他は観光バスの群れがもう来てたけどね(笑)。なんで奇石の上に修道院なんだろう。やっぱり神秘的に見えたからなんだろうか。
岩の上の修道院
修道院の中の手動エレベータ
途中で車を止めて、大きな岩の上に乗っかって写真を撮る。本来は高所恐怖症な僕なんだけど、この時は1m先は断崖絶壁だっていうのに、全然怖くなかった。写真を撮ってるKoreyの方が、僕を見てて怖かったらしいけどね。地面からニョキニョキはえてる奇石群と、眼下に広がるカランバカの町。とても気持ちがよかった。衝動的に来るって決めちゃった場所だけど、本当に来てよかった。残念なことに、007の映画で使われた修道院は、なぜか閉まってて入れなかった。まぁロープウェイは見れたからいっか。でも近々この場所が使われた007の映画を観てみたいな。修道院を見て回った後は、アイコン(キリストや聖母マリアを板に書いて着色したもの)を作っているところに行って、シアトルの友達に頼まれていたアイコンを買ってくる。キリスト教信者にとっては、ここのアイコンは結構有名らしい。山道では横の崖の上に、放牧されている山羊やメェメェいいながら通ってたりとか、とても田舎な雰囲気を味わえた。
絶壁の僕。不思議に怖くはなかった
アイコン作成現場
道路にまで出てくるヤギ君たち
帰ってきてからはホテルのバーで飲んで、ホテルのレストランで手作りのピザを味わったりして時を過ごした。次の日にはアテネに帰らなければならない。