From Seattle, WA, USA
by Alex
プロフィール
シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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アンデス少年Alexの冒険: 音楽という力

音楽という力 … 2003年12月29日(月)~30日(火)

 これはウチのコーラスの指揮者Dennis Colemanが南アフリカに次いで提案したツアー。チリのコーラスに会うついでに、チリのサンティアゴ近辺とペルーのクスコとマチュピチュを観光しちゃおうというもの。こないだのニュージーランド・オーストラリアツアーとは違って、今回はコンサートがメインではない(スケジュールを見るとちょっとだけ唄うことは唄うらしいけど)。だからツアーの人数ももっと少なく、30~40人を予定しているらしい。今までずっとマチュピチュに行ってみたかったんだけど、日本人に対する治安が悪いらしい話をずっと聞いていたので、行く勇気が出なかった。個人旅行するにはプラニングがちょっとツライ感じだったし。というわけで、この話が出たときにはここぞとばかりに飛びついてしまった。

 いやはや、やっぱり遠いよ。ツアーがスタートするのはロスアンジェルスからなので、そこまではツアー料金とは別に自腹で行かなきゃいけない。何人かは前日までに行ってたらしいけど、僕はホテル代が惜しくて、当日朝早くの便で行くことにした。全然寝付けないまま約30分くらいウトウトしただけで朝3時に起きて仕度をして、7時シアトル発の便で約2時間のロスへの飛行。ロスからはランチリという航空会社を使って、まずペルーのリマ(Lima)まで約8時間。そこで1時間の休憩があった後、チリのサンティアゴ(Santiago)まで約3時間。合計2+8+3=13時間も同じ日に飛行機に乗ってたことになる。ガタガタ騒いでも始まらないからじっと我慢してたんだけど、あんなに長時間エコノミークラスで旅をするのってやっぱりツライよ。足は伸ばせないわ、お尻は痛くなるわで、もう最低。前夜眠れなかったのが幸いしてか少しは眠ることができたけど、起きてる時間はPirates of the Caribbeanの映画を観たりとか(結構面白かった!)、Harry Potterの最新巻を読んだりして過ごしてた。やっぱりHarry Potterは面白い。分厚くて重いのに持ってきて本当によかった。

 それはおいといて、サンティアゴに到着したのは30日の朝6時過ぎ。いつもの旅行では朝早くに到着するとすぐにチェックインできないっていう地獄が待ってるのが普通だったんだけど、今回は旅行会社がちゃんとその辺を心得てくれてたみたいで、すぐにHotel Plaza San Franciscoにチェックインすることができて本当によかった。ホテルは旧市街のど真ん中の大通りに面していて、すんげー最高級とは言えないけど、ロビーからしてかなり高級感の溢れるなかなかのホテル。部屋からは大きな柱が邪魔しているとはいえ大通りの風景も見えて、いいんでないかい?

 部屋でシャワーを浴びて新しい服に着替えてスッキリした後は、東海岸グループが到着する午後2時までフリーなので、ガイドブックを片手に近場を歩いてみることにする。天気は快晴! とてもドライでまるでシアトルの夏と同じような陽気! でも今日は30度以上まで上がるようなことをニュースで言ってたから、午後は汗をかくことになるのかもしれないな。まずはホテルのすぐ隣にあるサンフランシスコ教会(Iglesia de San Fransisco)に行ってみる。アーチがたくさんのこの教会は、その雰囲気といい静けさといい、すごく重鎮な感じがした。この隣にはコロニアル芸術博物館(Museo Colonial de San Fransisco)があるんだけど、時間はまだ9時ちょっと過ぎでまだ開いていなかった。

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教会の中のマリア像

 仕方がないので、歩行者天国のPaseo Ahumadaという道を北上してアルマス広場(Plaza de Armas)に向かってみることにする…んだけど、腹が空いて空いてたまらなくなってきた。そういえば飛行機で朝食を食べたのは朝の5時。もうエネルギー切れになっても仕方がないかもしれない。本当はどこか地元の人が入るようなところで何か食べようと思ってたんだけど、腹の空き具合が尋常じゃない。このまま観光も続けられないようなレベルなので、仕方がなく目の前にあったマクドナルドに入ってクォーターパウンダーのセットを頼んでしまった。1950チリペソ(約US$3.30)。普通はこういうどこにでもあるような場所に入るのはやめようと心に決めてるんだけど、緊急事態だからしょうがない。ペロッと平らげた後はPaseo Ahumadaをどんどん北上していく。

 この道、音楽から、飾り付けから、雰囲気からして、まだまだクリスマス全開モード。そういえばカソリックとかではクリスマスってのは12月25日の後12日間も続くんだっけ。アメリカでは終わってしまったクリスマスなんだけど、チリに来てクリスマス音楽のかかる道を歩くってのはなかなか不思議な気がした。人も多いし店も多いし、雰囲気自体は新宿の裏通りって感じかな。結構楽しそうな店がたくさんあったんだけど、なにせ飛行機を降りたすぐ後でいつ極度の疲労に襲われるかわからない状態。見るものだけ見てその後休めばいいってことで、どこにも目をくれずに、市民の憩いの場として知られているアルマス広場に向かった。

 アルマス広場は雰囲気がどことなくメキシコシティのソカロ広場みたい。とても歴史を感じさせる建物に囲まれた正方形の広場には木が植えてあってベンチもたくさん置いてあり、ローカルの人たちがそこに座って喋ったり寝たりしてる。周りの雰囲気が慌しいだけに、この広場のノンビリした感覚がアンバランスに感じてなかなか面白かった。

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アルマス広場

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…の石像

 この横にある大聖堂(Catedral)は見所らしいんだけど、2/3の部分が改装工事中で足組みで隠されていたのが残念だった。でもメインの入口は開いてたので中に入ると、サンフランシスコ教会よりももっと重い神々しさを感じた。パリほどじゃないとはいえもちろん観光客はいるんだけど、それにも増してブラッと立ち寄りがてらに祈っていくっていう雰囲気の市民がたくさんいて、この国の人たちの宗教との結びつきがとても強く感じた瞬間だった。十字架がある度に胸に十字架を書いて跪いていくんだよね。宗教そのものはあまり好きじゃないんだけど、こういう場所の人々の“信念”ってものが一番神々しさを感じさせる気がする。いつの時代も政治に悪用されている宗教だけど、中心にある神を崇める心だけはとても美しいのかもしれない。

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大聖堂のてっぺん

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中から出口を見たところ

 大聖堂の後は国立歴史博物館(Museo Histórico Nacional)に入ってみる。ここは植民地時代から現代までのチリの歴史を、色々な調度品や美術品によって説明してある場所。とはいえ全部スペイン語で書いてあるからわからなかったけど(笑)。部屋ごとに時代を変えてあるみたいだったから、その移り変わりが面白かったけどね。

 ちょっとアルマス広場のベンチに座って休憩した後は、ここから3ブロック北にある中央市場(Mercado Central)に行ってみる。アルマス広場を北に向かうとすぐに、店のレベルっていうか雰囲気が一段階落ちた気がした。歩いている人たちも小奇麗な格好をしてる人は少なくなって、むしろ生活感の溢れた汚い格好をしている人が多くなってくる。中央市場の周りになると「え? これってなんか開発途上国の雰囲気?」って感じになっちゃってて、その変貌ぶりにビックリしてしまった。わずか数ブロックの間にこんなに雰囲気が違うなんて、こんな街は珍しいと思う。中央市場は、観光客というよりも地元の人たちが生活に使うもので満載の場所。中に入るとまずムアッとくるのが魚介類の匂い。魚介類から肉類、フルーツなんかまで品揃え豊富で感動。やっぱりその土地の本当の顔を見るのには、市場に行ってみるのがいいのかもしれないな。

 市場を通り抜けた後は、サンタ・ルシアの丘の方まで歩いて行ってみようかとも思ったんだけど、やっぱり疲れが出てきてるのかな。足がだんだん痛くなってきた。仕方ないので、さっきはまだ開いてなかったコロニアル芸術博物館だけに寄った後、ホテルに戻って休むことにする。どんどん人通りが多くなっていく道を歩いていきながら気づいたんだけど、ここってアイスクリーム屋が異様に多い! 1ブロックごとにアイスクリーム屋かジェラート屋があって、どこでもアイスクリームを買えるようになってる。まるでシアトルのスターバックスのノリ。天気は快晴で気温もどんどん上がってたから買ってみようかと思ったんだけど、さっき食べたハンバーガーが食欲を邪魔してたから試すことができなかった。こっちにいる間にぜひ食べてみたいな。

 コロニアル芸術博物館は入った瞬間「失敗か?!」とか思ったんだけど、よくよく見てみると面白い芸術品が一杯。なんかここの芸術品はちょっと不気味さを孕んだものがとても多くて、誰もいない部屋に入るとちょっと怖い感じ。外の天気の良さと気持ちのいい鳥の声が、目の前にあるアートの不気味さを一段と強調してた気がする。こんな不気味なアートが好きなので、見終わって出てくる頃にはすっかりここの博物館のファンになってしまった。もしかしたら帰るまでにもう一度くらい行っちゃうかも。

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なんか不気味でそ? 聖人なんだとさ

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この人形もなんか怖い~

 ホテルには正午頃戻った。目覚ましを1時半にセットしてお昼寝の開始。窓の外の大通りの音がちょっとうるさいけど、都会が好きな僕はその音を子守唄代わりにしてすぐに寝てしまった。時差ボケがあるらしくて、泥のような眠りから起きるのが大変だったけど。

 2時からは東海岸グループも含めて、みんなでバスでベヤビスタ(Bellavista)というエリアに行って昼食を取ることになっている。ここには色々なレストランが集まっていて、そのレベルもかなり高いらしい。ウチのコーラスの指揮者で今回の旅の言いだしっぺであるDennisは、僕が美味しい食べ物が大好きだということを知ってるので、しきりに一緒に来いと誘ってくる。彼のテイストに間違いがないことを知ってるので、もちろん僕も一緒についていくことにした。このエリアはお洒落でかわいいレストランが本当にたくさん集まっていて、道を歩いているだけでも楽しい感じ。ちょうどシアトルのベルタウン近辺の雰囲気かな。僕たちが行ったのはComo Agua Para Chocolateという店。この名前は同名の小説・映画から来ていて、僕も途中まで小説を読んだことがあった。中もかわいかったし、味もかなり高いレベルだったのでとても嬉しかった。他のコーラスの連中が行ったのはAzul Profundoという「深い青」という意味の店。ここも評判は高かったんだけど、後で行った人の一人に聞いてみるとそうでもなかったらしい。違う方に行ってよかったぜい。

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レストラン "Like Water for Chocolate"

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シーフードリゾット、最高!!!

 さてこの後はまたバスに乗り込んで、Sidaccionというエイズの知識をサンティアゴの若者に広めてその感染を防止するというボランティア団体に会いに行く。どうしていきなりこれが日程に組み込まれたのかは不明だけど、ウチのコーラスもシアトルの団体の資金集めに協力してたりするからそういう経路なんだろう。教会の影響力の強いこの国では言い出せない・誰にも相談できないっていう若者が増えているんだそうな。そんな中でボランティアでこういうグループを作ってるってのはすごく立派だと思った。シアトルでもこういう団体に会う機会って滅多にないから、そういう現場で働いている人たちの実際の話が聞けてとても勉強になった。それにみんな若いんだよな~。若いうちからそういう難しい場所で働くって楽じゃないよ。ホントに偉いと思う。

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Sidaccionで働くみんな

 ホテルに戻ってちょっと一休みした後は、またバスに乗ってビクトール・ハラ(Victor Jara)というフォークシンガーの記念グループに会いに行く。本当に初日から予定満載なんだけど、このビクトールって人の未亡人に話を聞いて、その後はちょっとしたパーティーがあるらしい。この人のことは今日まで全然聞いたこともなかったんだけど、フォークシンガーで、貧しい人たちのための歌を書いたり、反政府運動に加わったりしていたため、ピノチェト大統領時代に暗殺された人らしい。これは今からたった30年前のこと。僕が生まれてからそんなことが起こっていたなんて本当に信じられない感じ。ビクトールの未亡人Joanにその事件のバックグラウンドを聞いた後、このVictor Jara Foundationに協力している様々なフォークシンガーの生演奏が聞けた。音楽を通じて人の心を良い方向に動かそうとする目的は、ビクトールもうちのコーラスも同じ。演奏の後はワインを飲みながらちょっとしたパーティーがあったんだけど、向こうの人たちも僕らに会えてよかったって行ってくれたのが印象的だった。音楽って、宗教とは違う方法で人々を動かす大いなる力があると思う。

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有名な人たちによるパフォーマンスもあった

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DennisとJoan

 予定時間を大幅に超過したパーティーは10時半頃終わったんだけど、何人からそれからちょっと食べに行ったらしい。僕はもうかなり疲れてたし、明日の朝も気持ちよく起きたかったからパス。んでこの旅行記を書いているというワケ。明日はワイナリーを二つばかり訪問する予定。楽しみだ~! 時差ボケの影響が出ませんように!
by alexsea | 2003-12-29 01:00 | 旅行記 | Comments(0)
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