From Seattle, WA, USA
by Alex
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シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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日本2016: メモリーレーン、再び

今日もまったく予定は立ててなかったんだけど、日本に来るたびにやってるように、昔住んでた辺りを散策してみようと思ってた。

ゆっくりと起床して、11時ちょっと前にホテルを出発。ホテルのすぐ前の青梅街道を、新宿駅とは反対方向に歩き出す。今日は昨日とは打って変わって肌寒い。ポツポツと雨もパラついてるようなんだけど、傘を差すほどでもないな。

5分ほど歩いた所には、昔僕が通っていた中学校だった場所がある。中学がなくなってしまったのはもうずっと前のことなんだけど、その跡地の近くまで来たのはこれが初めてだ。あの頃から30年以上経った現在、新宿オークシティという大きなビルが建っていた。僕が通ってた頃、「新宿の高層ビルに一番近い中学校」としてテレビでも紹介された場所だったんだよな。高校のときのような楽しい思い出はなかったものの、近くまで来ると色々と思い出すもんだね。美術教室から外を眺めて描いた絵のこととか、水が冷たくて嫌で嫌でしょうがなかったプールの授業のこと。初恋のこととか、卒業式の後に見た桜のこと。なんだか思い出が土地に刻み込まれていて、僕がそこに来たことによってそれが活性化して僕の中に飛び込んできたみたいだった。

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昔、僕の中学校があった辺り。今ではビルが立ち並ぶ

この後は、去年の6月に来たときにも歩いた場所を通ったりしながら、熊野神社にお参り。その後お昼を「昔ながらのラーメン屋!」って感じのところで食べようと探しながら歩いていたら、昔住んでいたところから徒歩5分ほどの所にとてもいい感じの店を発見。『ラーメン 山田屋』。外も中も、まさに昭和の雰囲気がそのまま残ってる。一人で入るのになぜだかちょっと緊張しちゃったけど、チャーハンと餃子を注文。これこれ! この味だよね。ちょっとだけチャーハンはベタッとした感じがあったけど、味は最高。チャーハンについてくるあの定番のスープも、もう10年以上飲んでなかったんじゃないかな(って、よく考えたら去年の6月にもチャーハンと一緒に飲んだじゃん(笑))。餃子はニラの香りがたっぷり。皮もプリプリしていて、とても新鮮な感じで美味しかった! こういう昭和の雰囲気、本当に懐かしい。

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熊野神社には、日本に来る度にお参りしてる

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いい感じの店でしょ?

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望み通りの「ラーメン屋のチャーハン」が食べられて満足!

チャーハンと餃子でお腹がはちきれんばかりになって大満足した後は(二品も頼むなってば)、昔の通学路を歩いて通っていた小学校の前を通り、オペラシティの方へと向かう。ここは5年前に日本に来たときにKさんに連れてきてもらった場所。この歩道橋のような場所は、いつ来ても人がいない。目の前には新宿の街が広がっているんだけど、なんだかここには新宿の東側でも西側でも感じられない、独特なオーラが漂っている感じがする。

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ここら辺はちょっと未来チックな感じ

オペラシティのコーヒー屋でコーヒーをテイクアウトして、飲みながら甲州街道を駅とは逆方向に歩く。昔住んでいた代田橋まで歩いて行ってみることにした。途中の交番で、「代田橋ってここをずっと行けばいいんですよね?」と確認すると、時間はかかるけどこの方角でいいとのこと。一駅10分くらいの換算だから、30分以上はかかるかもしれないと教えてくれた。えっ、電車だとすぐなんだけどやっぱりそんなにかかるのか。まぁ時間はあるからずっと歩いて行こう。

笹塚の交差点のところで、いきなり『声優ミュージアム』というインパクトのある看板が目に飛び込んできた。あー、ここは81プロデュースのビルなのか。面白そうだから入ってみたら、残念ながら声優ミュージアムは月曜日は休館日らしい。えーんショック! まぁ縁があったら、また訪れることもできるだろう。

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声優ミュージアムはお休みで残念

しっかし日本にはゴミ箱がないのがツライ! コーヒーを飲み終わった後、このカップをいったいどうすりゃいいんだよ! ラッキーなことに月曜日はこの辺りのゴミの収集日らしく、甲州街道沿いにはたくさんのゴミが出されている。なんとなく後ろめたい気持ちも感じながら、飲み終わったカップをその上に置いてきた。海外からの旅行者は困っちゃうよー。

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交番の上に"KOBAN"の表示が。なんだかすごく可愛い

やっぱり30分ほど歩いた頃、ようやく代田橋に到着。昔住んでた通りは小さめの商店街だったんだけど、今ではかなりの建物にシャッターが下りていて、とてもヒッソリとしている。まぁ平日のお昼過ぎだから仕方ないのかな。なぜか『沖縄タウン』というサインがあちこちに掛けられてる。人を集めるための苦肉の策だったのかな。僕が住んでいた場所の隣にはその家の大きな前庭があったんだけど、そこにも今では家が建てられていてビックリした。昔の僕の部屋の窓を開けたら、すぐ隣の壁が見えることになる。やっぱり時は流れたんだなぁ。昔よく行ったレンタルレコード屋や、その前にあったゲームセンターの場所にも行ってみたんだけど、もうどの建物だったかもわからない。変わってしまったことが悲しくはないけど、なんとなくやるせない気持ちにはなったなぁ。

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『第一食堂』の向こう隣が昔の家だった

かなり歩いて疲れてしまったので、ゆっくりとホテルの方に向かうとしますか。代田橋の駅から新宿まで電車で戻ると、昭和のあのノンビリとしたリズムからいきなり都会のテンポになったので、体調がおかしくなってしまった気がした。新宿の繁華街では、気を張っておかないとダメージを受けちゃうのかもしれないな。店でCDを一枚だけ買った後、ホテルに戻って昼寝した。風邪かもしれないと思ったんだけど、しばらく休んでたらよくなった。やっぱり人ごみの悪い気にあてられちゃったのかな。

今夜も予定を全然入れてなかったので、ホテルのすぐ近くのビルで働いている友達のTSUさんに連絡を取って、夕食に付き合ってもらうことにした。どこの店に入ろうかと悩んだんだけど、以前一緒に働いていた会社のビルが近くにあって、その下によく行った定食屋があるのを思い出した。TSUさんに言ってみると、「懐かし~! いいねぇ!」とのことだったので即決。以前はあまり賑やかな場所じゃなかった小滝橋通りも、いろんなレストランや飲み屋で溢れる場所になっていてビックリした。新宿の繁華街も広がり続けているんだなぁ。

以前よく行っていた定食屋『さつき』は、内装とかはよく覚えてなかったんだけど、定食屋的な雰囲気が溢れていて嬉しくなってしまった。たらこ焼き定食にチューハイを頼んで、TSUさんと懐かしい話に花を咲かせた。定食もホッとする味で美味しかった! この後どこか店を替えて飲むこともできたんだけど、ここでも飲めるからいいじゃんってことで、さらにチューハイを追加して、おつまみに唐揚げも注文。TSUさんは昔からリラックスしたオーラを発してる人だったけど、今でのその雰囲気そのままで安心した。一緒にいて疲れない友達って、本当に貴重だと思う。

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日本で定食を食べるのは久しぶり!

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定食屋で飲みまくっちゃったよ。楽しかったー

お金を払って店を出るとき、「25年くらい前に裏のビルで働いてたんで、ここにはよく来てたんですよ」とサーバーのおばさんに伝えたら、「あら25年前だったら、あたしもいましたよ」とのこと。えっっ? 店を出てからTSUさんと、「そういえば『さつき』にお姉ちゃんいたよねぇ! もしかしてあの人がそう?!」と盛り上がってしまった。時の流れというものを実感した出来事だった。

TSUさんと別れた後は新宿の街を通り抜けて、日本に来るたびに顔を出すバーでUさんと再会。Uさんと会ったのはもう10年以上前になるんだけど、最近は漫画家・作家として大活躍している人で、忙しい毎日を送っているらしい。このバーに来ると、いつもUさんお手製のお菓子をご馳走になる。本当に上品な味で最高に美味しい。今度はUさんに、初心者でも簡単に作れるレシピ本を出してほしいぞ!

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Uさんお手製のケーキ。絶品!

隣にYuちゃんという女の子が座ってたんで話をしたんだけど、なんと彼女はシアトルからすぐの、カナダのバンクーバーに住んでいるらしい。僕もバンクーバーにはよく行くこともあって、ローカルな話題で盛り上がってしまった。すごくチャーミングな女の子で、初めての人と話すときには緊張しがちの僕でも、とても楽しく会話することができた。ありがとね、Yuちゃん。いつかバンクーバーかシアトルで再会できたら面白いだろうな。

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初めて会ったけど楽しい会話ができてよかった!

今日は最初から最後までノンビリした感じで、最後までホワホワな気分だった。23時半ごろホテルに向かったんだけど、なんとなく小腹が空いた気がして、途中でコンビニに寄って豚まんをゲット。こんなのシアトルじゃ食べられないもん! アツアツの豚まんは本当に久しぶりで、最高に美味しかった。

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豚まん、美味しいよ~

豚まんを食べながらメールをチェックすると、『1年B組新八先生』の仲間から何通か来ていた。演出をしていただいた柳井さんが亡くなられたとのことだった。当時、演出は何人かでローテーションを組まれていたんだけど、僕が主役の回は柳井さんに演技指導をしていただいた。物静かな、あの柔らかな笑顔が今でも忘れられない。演技を無理やり変えたり、頭ごなしに違うと叱ったりするようなことは全くなく、ほとんど自分の思った通りに演技させていただいたと思う。夜の河原で泣くシーンがあったときには、僕が作っている気分を壊さないように、そっと遠くから見ていてくれた。演出の方々はいい人ばかりだったけど、やっぱり自分の回の演出をやっていただいたためか、柳井さんは僕にとって特別な方だった。もう35年以上お会いしていなかったんだけど、こういう訃報はとても痛い。もうこれからは、こういう悲しい知らせがどんどん増えていくだけなのかなぁ。そう考えると、やりきれない気持ちでいっぱいになる。

柳井さんに心から感謝の気持ちを伝えた後、ベッドに入った。
by alexsea | 2016-02-15 00:00 | 旅行記 | Comments(0)
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