From Seattle, WA, USA
by Alex
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シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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ポルトガル2016: 岩の村、モンサントへ

今日はナザレを離れなければいけない日。ビーチで遊ぶわけでもないし、特にここにいて何をやりたいってわけでもないんだけど、離れるときにはなぜか後ろ髪を引かれる思いだった。

予定していた3つ目の修道院があるトマール(Tomar)までは、ナザレから1時間ちょっとの旅。トマールのキリスト教修道院(Convento de Cristo)は、昨日の2つの修道院とは雰囲気が違って、まるでお城のような外観だった。

最初見学し始めたときには思わなかったんだけど、この修道院広すぎ!! 回廊だけで4つ以上もあって、地図を手にしていても「あれ? こっち行ったっけ?」としばしば迷子になってしまった。本当に色々なものがあって、この修道院自体が一つの村のように感じる。たくさんある回廊もそれぞれに雰囲気が違っていて面白かったんだけど、やっぱりここでの見どころといえば、『テンプル騎士団聖堂』だと思う。部屋の真ん中の円堂は、まるで天井に溶け込むかのようなカーブを持っていて、色とりどりに装飾されていて豪華そのもの。SFに例えるのが好きだねって言われそうだけど、本当にSF映画の宇宙船のコンピュータかコアエンジンルームみたいな感じに思えてしまった。とにかく、ものすごい存在感だった。

ポルトガル2016: 岩の村、モンサントへ_d0113429_1218366.jpg
圧倒的な存在感のテンプル騎士団聖堂

あと印象に残ってるのは、修道士たちの寝室。長い長い廊下に小さい部屋がたくさんあって、言っちゃ悪いけどまるで牢屋みたいな感じ。部屋の一つは暖房専用になっていて大きな煙突があり、ここで薪を燃やして、その空気を各部屋に流していたらしい。今でいうセントラルヒーティングだけど、効率は悪かっただろうなぁ。

ポルトガル2016: 岩の村、モンサントへ_d0113429_1218677.jpg
大小の回廊がたくさんある

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長い廊下に並ぶ修道士たちの寝室

最後には足が痛くなってしまうくらい広い場所で、ここに他の2つの修道院の後来なくてよかったと心から思った。もし3つの修道院を一日で周ってたら、肉体的にも精神的にもキツかったと思う。

修道院を出た後は、駐車場の脇にカフェがあったので、そこでランチとしてパンを食べることにした。クロワッサンのようなパイ皮の中にソーセージが入ったヤツだったんだけど、これが美味しくないことこの上ない。この先モンサントまで行く途中でどこで食べられるかわからないから、ここで食べておくのがベストだと思ったんだけど…。

今日の目的地モンサント(Monsanto)までは、ここから約2時間ちょっと。途中から細い道になって、いくつかの小さな村を通り抜ける。人もまばらだったし天気もどんよりとした曇り空だったので、なんだか寂しい感じだったなぁ。村と村の間は、本当に何もないような草原が広がってたし。ふと気づくと、大きな岩山の中腹くらいに村があるところが見えた。あれがモンサントだ! 細いウネウネ道を上っていって、やっとのことでモンサント到着。止めようと思っていた駐車場は満杯だったので、路上駐車した。幸い車を止めるところはたくさんあったし。

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あの岩山に村が見える。あれがモンサントだ!

ホテルには1時半過ぎに到着。Casa Pires Mateusという場所。おばあさん姉妹が経営していて、建物はかなり新しくていい感じ。一泊€60。おばあさんたちはあまり英語が話せないらしいので、Koreyがポルトガル語に堪能でよかった。チェックインのときに地図を見せてくれながら、どこに何があるとか色々と細かく教えてくれた。明日の朝食は9時かららしいんだけど、僕たちは8時頃モンサントを出発しなきゃならないのでそのことを伝えると、「それじゃダイニングのテーブルの上に、あなた達専用で今晩から出しておくわね」とのこと。こういう心配りはとても嬉しい。

部屋に荷物を置いて顔を洗ってリフレッシュした後は、待ちに待ったモンサントの観光。村の細い道は石畳で覆われていて、石造りの建物ばかりでとても雰囲気がいい。観光案内所に行ってみると、2時すぎだというのに開いてない。ドアにも午後は2時からと書いてあるのになんで開いてないんだろう?と不思議に思っていた矢先に、バイクに乗った男の人が到着。鍵を開けて中に入っていった。このノンビリ感がまたいい(笑)。中で地図をもらってから、頂上の城跡まで行ってみることにしよう。

どんどん坂を上っていくと、いかにこの村が巨石と共存しているかがよくわかる。背丈の2倍以上もある大きな岩があちこちにあって、それらを除けて村を作ってるんじゃなくて、逆に活用している感じ。二つの大きな岩に挟まれた間には『洞窟』という名で部屋を作ってあったり、傾いた岩があるところには、その下に石のブロックを積み上げて塀のようにしてたりとか。すごく現実離れした光景だけど、作り物のように感じられないのは、岩の表面が苔むしていて時代を感じさせてくれるからだろう。

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岩だらけのモンサント

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岩と生活感のある洗濯物とのシュールなブレンド

城壁の手前には、なぜか石で作られた豚小屋があった。『豚小屋』って名前は地図に書いてあったから、昔豚小屋に使ってたのかなとか思ったんだ。ブヒブヒ音が聞こえるのは臨場感を出すためにテープか何かで流してると思ったんだけど、いきなり本物の豚が顔を覗かせてビックリ。なんかちょっと疲れた顔をした豚だった(笑)。

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石造りの豚小屋の中には本物の豚が!

大きな岩に囲まれながら、運動不足の体にはかなりキツイ坂を上って城跡の中に入る。これは本当に城の遺跡だね。門と城壁、塔や井戸のようなものが残ってるだけで、他は昔どんな姿をしていたのかわからないものばかり。見張り塔のようなものがあることから、昔は何かの守りの拠点だったのかな。教会とかも建てられてたけど、これは城よりもずっと後の時代のものだと思う。墓地が発掘された場所もあって、内側が人型をした石棺がいくつもあって、ちょっと怖かった。

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こんな急な坂道を上っていく

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城跡の一番上は広場みたいになってる

一番上には山の頂上を示すであろう柱が立っていて、ここからの村の風景は素晴らしかった。遠く彼方には水のようなものも見えたけど、川か湖なんて近くにあったっけ?

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頂上から見たモンサントの村

体に鞭を打ちながら1時間近くも城跡を見学してたけど、そろそろ一服したいなぁ。見晴らしのいいテラス席のあるレストランみたいなところが途中にあったので、そこに行くことにしよう。Taverna Lusitanaというレストランには、屋上に木でデッキが作ってある。ちょうど一番上のテーブルが空いたのでラッキーだった。ここからだと村の方も、城跡の方も、どっちも見渡せる。サイダーを飲みながら、重労働で吹き出た汗を乾かしながら、この岩だらけの不思議な村の景色を心ゆくまで楽しんでた。

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村を眺めながら一服

しばらく休憩した後は、村の道を練り歩いてみることにしよう。地元のおばさんたちが手作りの人形を売ってたり、家の外で煙草ブレイクしてるおばさんがいたり、もう地元の色が満載だった。屋根の上に大きな岩が突き出ていたり、岩に溶け込んでしまったかのような家もあって、もう僕は驚いてばかり。こういう風景が見たかったんだ。本当に来てよかった! 途中で工事中の家があって横目に見ながら歩いていたら、英語を話すおじさんが出てきて、中を見せてくれたりした。彼はリスボンに住んでるポルトガル人なんだけど、このモンサントが大好きでちょくちょく来てるらしい。家もここに何軒も持っていて、人に貸したりしているらしい。長期滞在者用のアパートみたいな感じなのかな。すごくフレンドリーに改築のことを話してくれて、なんだか嬉しくなってしまった。こういう旅先のコミュニケーション、後々まで記憶に残りそうだ。

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岩に支えられてるような家があったり

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屋根まで岩が突き出た家があったり

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岩の上に建てちゃったような家があったり

村は小さいから1時間もあれば十分に見学ができてしまう。疲れたことだし、ホテルに戻ってちょっと休むことにしよう。部屋で1時間ほど寝た後ベッドから出たら、全身が震えだしてビックリした。それほど寒いっていう気温じゃないのに、寒くて寒くてたまらない。たまらずにベッドの中に戻って、震えながら体を温めるように動いたら、少しはましになった。こんな震えはギリシャで1日インフルエンザにかかったときに経験したなぁ。でも今回は熱があるような感じもないし、震え以外は全て正常に思えるし、一体なんなんだろう? 夕食に行く時間までにはなんとなく収まったのでよかったけど、これは本当に焦った。もしかしてこれは脱水症状の一つなんじゃないかなぁ。城跡を探索してるときに、喉は渇いてなかったので水は飲まなかった。下りてきてからもサイダーとかアルコールの入ってるものを飲んでたし。これからは気をつけなきゃ。

夕食は Adega Tipica O Cruzeiro (訪問記へ)で。最初に着いたときには誰もいなくてドキドキしたけど、そのうちに人が出てきてくれてよかった。この村では10分くらいの遅れは当たり前なのかもしれない。ディナーは量がすごく多かったけど、素晴らしい味で大満足! ワインもたくさん飲んでいい気持になっちゃった。いつも食事のときにはあまり飲まない水もがぶ飲みしてたんで、やっぱり体に水分が足りてなかったんだなぁ。危ない危ない。

レストランからホテルまでは歩いて5分ほど。とても静かな夜の村は、オレンジ色の光に照らされて、まるでこの世のものではないような気さえする。ポルトガルに来たいという気を起こさせてくれたこの村の写真。実際に来ることができて本当によかった。交通の便は悪いけど、こういう雰囲気が好きな人は一度は来てみる価値があると思う。

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ひっそりとした村はミステリアスな雰囲気

9時過ぎにはベッドに入って寝たと思う。明日はポルトまでの長時間ドライブだ。
by alexsea | 2016-10-21 00:00 | 旅行記 | Comments(0)
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