認知症患者たち

5時に兄の部屋のアラームの音で目が覚めた。これからみんな起きてきてうるさくなるので、耳栓をしてからまた寝に入った。次に目が覚めたのは8時過ぎ。夜中に何度か起きたとはいえ、今日は結構ぐっすりと眠れた気がするな。

朝は日記を書いたりしながらゆっくり過ごし、12時過ぎにこの間行った『紅葉』でランチ。今日は『紅葉スパゲティ』を注文。トマトベースのピリ辛スープスパゲティとのことで、スープがシャツにかからないように、黒いエプロンのような胸かけもついてきた。炒めたニンニクのいい香りのスープには、豚肉、イカ、キャベツなんかが入っていて、かなりのボリューム。スープがスパゲッティによく合って、とても美味しい。ニンニクの香りとどっしりしたソースの味、なんか記憶にあるなと思ったら、昔日本に住んでいた頃に行った『カプリチョーザ』というレストランで食べた、魚介類のスパゲティの味に似てるかも。あの強いニンニクの香りが僕には初めてで、記憶に焼きついた味だった。そういえば、まだカプリチョーザってあるんだろうか？ 紅葉のランチ、やっぱりクオリティが高いや。

ピリ辛スープスパゲティはとても美味しかった

コンビニで昨日と同じアイスのチョコレート版とプリンを買って、病院へ。チョコレートの『飲むアイス』も美味しいー！ 本当に個人的な好みにピッタリの味で、これだったら毎日食べたい感じ。でも最近は食って飲んで寝てばかりなので太りそうだなぁ。少しはセーブするようにしなきゃ。

このアイス、今僕の中で一番のヒット中

今日母とは、認知症の人たちの話から始まった。僕の友達にも認知症の親の介護をしてる人もいるけど、考える力がなくなるっていうのは、僕にとって一番怖いことだと思う。母も同じ考えらしく、自分が認知症になったらどうしようと思っていたらしい。母が毎年の同窓会で会っていた友達も、ある時から同じ事を何度も話すようになっていて、他の友達もそれに気づいて認知症じゃないかと話していたみたい。どんどん自分がなくなっていくのって、どんなに恐ろしいことだろう。

途中で病院のコンビニでお菓子を買いたくなったので行こうとしたら、母も行ってみたいと言う。看護師さんに頼んで車椅子を貸してもらって、病院の一階のコンビニに行くことにしよう。母は入院の日からシャワーを浴びに何度か部屋を出たくらいで、一階に下りるのは初めて。僕も車椅子を押すのは生まれて初めての体験。ナースステーションの周りにはお年寄りの入院患者が何人かいて、一人のお爺さんが僕らを見ると何か怒鳴りちらしてきた。たぶんあの人たちも認知症なんだろうなぁ。別のお婆さんは時々びっくりするような裏声を出して、それが廊下中に響き渡ってるし。こんなにたくさんの認知症の人たちを見るのは、僕はこれが初めてだ。家族はどんなにツライことだろうか。

母はコンビニでサラダくらいしか見つけられなかったんだけど、何があるかは把握したので、今度食べたいもののアイデアにもなるだろう。僕もいくつかお菓子をピックアップして、病室に戻った。

病室でまたテレビを見ながら、ふと思いついて周りのレストランを探そうと思って地図アプリを立ち上げた。地図を見ていると、近くに『百観音温泉』なるものがあることを発見。調べてみると、東京から日帰りのできる温泉として、かなり評判のいい場所らしい。温泉には6項目の評価基準(源泉、泉質、引湯給排湯方式、加水、新湯注入率)があって、それぞれに5段階に評価されている。百観音温泉は全ての項目が最高評価で、こういう温泉は全国で十数カ所しかないとのこと。マッサージもあるらしいし、明日の朝にでも行ってみようかな。

16時過ぎに家に帰った後、百観音温泉に電話をかけてマッサージを予約しておいた。しばらくしたら雨が降り出したらしく、雨粒が当たる音が家中に響き渡ってた。帰るのがちょっと遅かったら、ずぶ濡れになってたかもしれない。今日の夕食は鮭がメインで、何かに漬けておいた後調理したものらしく、中までしっとりと味がしみ込んでいてとても美味しかった。

鮭が美味しい！

夕食の後は、いつものごとくテレビをダラダラと見ながら過ごし(難病をどうやって診断したかっていう番組だった)、23時には就寝。