From Seattle, WA, USA
by Alex
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シアトル在住のAlexです。
ソフトウェアデベロッパーをやっていましたが現在は休憩中。日本にいるときには役者をやってたりしました。歌ったり踊ったり、食べたり飲んだりが大好きです。

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フランス2019: Guy Savoyのランチに悶絶

朝起きたら、雨が降っている。傘を差さなきゃいけないような雨は、この間の日曜日以来だな。ここ一週間はずっと雨の予報だったんだけど、実際に傘を差して観光しなきゃいけないことになったのは、この間の日曜日と今日だけかも。それには感謝しなくちゃいけないな。雨が降ってたら長時間歩くのはキツイもんね。今日は昼にレストランを予約してあるので、雨の音を聞きながら昼までずっとゆっくりしてた。

11時半過ぎにアパートを出て、ゆっくりとレストランまで歩いていくことにしよう。シテ島の西の端には、『ドフィーヌ広場(Place Dauphine)』というパリ最古の広場と言われている場所がある。三角形のこの広場は、古い建物に囲まれていてとても雰囲気がよくて、僕もパリで一番好きな場所の一つ。去年初めてここに来た時には、何人かのおじさんが『ペタンク(pétanque)』という金属のボールを投げるゲームをここでしていたのを見たっけ。今日は雨だからあまり人はいなかったけど、秋の空気に満ちていてすごく気持ちよかった。

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ドフィーヌ広場は僕のお気に入りの場所の一つ

今日ランチに行くレストランは、この広場から左岸に渡ってすぐの『Guy Savoy(ギ・サヴォワ)』。ミシュラン3つ星で、パリで最高峰のレストランの一つ。パリの3つ星には何軒か行ったけど、ここには行ったことがなかったので楽しみにしていたんだ。ランチだったらディナーよりも安いしね。

Guy Savoyは造幣局の重鎮な建物の中に入ってる。12時に中に入って名前を告げると、なんと予約が入っていないと言われてビックリ。えー! なんかヨーロッパはこういうのが多すぎ! これで3度目だ。最初はローマに行った時、2度目はパリのエッフェル塔近くのレストラン。そんなこともあって、ちゃんと確認メールをすぐに見せられるようにしてきたんだ。スマホでそれを見せると2人くらい集まって、「担当は誰?」「Marieよ」とかあーだこーだ言ってた。ちゃんと席を作ってくれたからよかったけど、ミシュラン3つ星クラスのレストランでこういうことがあっちゃいけないよなぁ。3か月以上前に予約したのに! まぁちゃんとランチを食べられるんだったらいいけど、最初からちょっと減点だった。

ダイニングルームはいくつかの部屋に分かれているみたい。黒と灰色が基調の部屋はとても伝統的な重さがあるけど、窓際に飾ってあるアートやチャージャープレートなんかのデザインはモダンアート。とても高級だけど、以前Le Grand Véfourに行ったときみたいに緊張するような雰囲気はない。とてもスマートでエレガントな感じ。

ここでは1日に1テーブル、インターネットで予約した時に限り、アペタイザー、メイン、デザートの3コースが€130で食べられるセットがある。高いようだけど、これは3つ星レストランではお得な方。僕は今回それを予約しておいたんだけど、ここには一度しか来ないかもしれないし、こんなところでケチっても後で後悔する気がしてきた。ということで、『シンプルにお願い(Keep It Simple)』という名の7コースのランチメニューを頼んでしまうことにした。食べ物だけだと€250、シャンパーニュと3種類のワイン付きだと€320。せっかくだから飲み物つきでお願いした。

まずはアミューズ・ブーシュ。まず串に刺さったマッシュルームを食べてから、その後マッシュルームのブイヨンを飲む。マッシュルーム自体が秋の香りいっぱいで美味しいのに、その後ブイヨンを飲むと、まるで白黒だった画面がいきなりカラーになったような感じ。マッシュルームの素晴らしい香りはそのままに、味が立体化する。こういうシンプルな料理、僕は本当にファンなんだよなぁ。この後にもう一種類、小さなスープがアミューズ・ブーシュとして出されてきた。

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秋の香り豊かなアミューズ・ブーシュ

最初のコースはロブスター。まずビートで赤く染まった皿が出され、それにロブスターを乗せてくれて、ピンク色のソースを皿の上に流し込む。最後にCedratというコルシカ島のレモンの皮を皿の上で削って出来上がり。ロブスターの身はとても柔らかで甘く、ソースがその全てを強調しているかのよう。さらにCedratの柑橘系の香りが、全体をとても爽やかに仕上げてる。さすがミシュラン3つ星を長く保ってきただけの場所。最初のコースからすごい力の入りようだと思った。

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Tender lobster with earthy beetroot and grated cedrat lemon

次はマトウダイ(John Dory)という魚とマテ貝、それにSea Beanと呼ばれる塩性湿地帯に生える植物が皿に乗って出てきた。テーブルの横にはフライパンの上でパンパンに膨らんだプラスチックを持ってきて、それを目の前で切り裂き、中に入ってる小さな貝と汁を皿の上にかけてくれる。貝の香り、マトウダイの優しい味わい、Sea Beanの酸味とコリッとした食感が一体となって、素晴らしい三重奏の音楽を聴いているかのようだった。

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これを破いて中身を皿の上にかけてくれる

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Oven-baked John Dory with a delicate shellfish parcel

次のコースは、メニューには載っていない、サービスで付け加えてくれたらしいサーモン。最初は串に刺さった小さなサーモンだけが出された。それを食べた後、テーブルの横のカートで、氷に乗せてあった少し大きめの冷凍サーモン、レモンとライムをミックスしたソース、まるで小さなザクロのようなレモンキャビア、緑色のキューブ(何だったか忘れた!)を皿の上に乗せて、野菜とレモングラスのブイヨンをサーモンの上にかけて、ゆっくりとサーモンを温める。柑橘系の香りが立ち昇ってきて、とても爽やか。サーモンの優しい塩味と甘味に酸味が追加されて、素晴らしく美味しい。さっきサーモンだけの味を確かめておいたので、味の歴然とした違いが楽しい。テーブル脇でのパフォーマンスで、目を楽しませてくれるのも嬉しいよなぁ。それにこのコースには違うワインもサーブしてくれて、ますますお得感アップ!

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一つひとつ説明しながら皿に乗せてくれた

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Frozen salmon

お次は黒トリュフ入りのアーティチョークスープ。ブリオッシュにマッシュルームとトリュフのクリームを塗ったものがついてきた。このブリオッシュは、スープに浸して食べてもいいらしい。もうね、スープを口に運ぶ前からトリュフの素晴らしい香りがして泣きそうになる。アーティチョークは滋味あふれる味で、どこか懐かしさを感じるのはなぜだろう。それにトリュフの蠱惑的な香りが加わって、全身が恍惚となってしまう。ブリオッシュを浸して食べると、スープの味にバターの香りが加わって、また違った印象で素晴らしい。惜しむらくは、塗ってあるクリームがちょっと塩が多くて、全体的にしょっぱくなってしまったこと。ブリオッシュだけなら、スープの味を壊さずに優しい味を楽しめたのになぁ。とにかくこれは最高に美味しい。リヨンで行ったPaul Bocuseレストランのトリュフのスープも美味しかったけど、どちらかというとこっちのスープの方が僅かながら満足度が高かったかもしれない。このアーティチョークスープはGuy Savoyの名物料理らしいけど、なるほどって感じ。

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Artichoke soup with black truffle, layered truffled mushroom brioche

メインディッシュは鶏。ブレスチキンのコンフィに、キノコ(シャントレルかな?)、それに酢を使ったソースがかかってる。なんとなく焼き鳥のようないい香りがして、チキンはほんのり甘酸っぱく香ばしい。結構お腹がいっぱいだったはずなのに、なんだか懐かしいような味がしてどんどん食べられてしまった。それにサーバーが途中でチキンを追加してくれたりして、完食できなかったらどうしようって不安になったけど、結局全部食べられた。そういえば、このレストランでは「重い」と感じる料理が一つもなかった。これってスゴイことだと思う。

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Confit glazed Bresse chicken, vinegar jus

次は3年熟成されたコンテチーズ。ナッツのような味と香りのコンテは僕が大好きなチーズの一つ。デザートコースが始まる前に、今までの素晴らしい料理の締めくくりをするのにピッタリの味だった。

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36-month aged Comté with a walnut crisp

この後はちょっとしたアイスクリームが出て、その次は「ミルフィーユの開き」。普通は何層にも重ねたパイ生地にクリームを挟みこんだものだけど、ここのはそれを横に倒してあって、バニラクリームも線状にちょっとついてるだけ。でももうこれが、今まで食べたミルフィーユの中で一番美味しかった! クリームがちょっとついてるだけなので、パイ生地の香ばしさとサクサク感を純粋に味わえる。もっと甘いのが好きな人は別に出してくれたクリームを追加することができるけど、僕はこのクリームの量でピッタリだった。シンプルでエレガント、まさにこのレストランを象徴するかのようなデザートに脱帽だった。

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‘Open’ mille-feuille with Tahitian vanilla

最後にはシャーベットが出て、その他にまだ何か欲しければアイスクリームやシャーベット、ビスケットなんかが乗ってるカートから選ぶこともできる。僕はバニラアイスをもらった。他のレストランのデザートカートに比べると地味だけど、ここのはプチフールの代わりなんじゃないかな。僕はプチフールはいつも残してしまうほどなので、ありがたかった。

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Trolley of ice creams, sorbets, dessert jars and traditional biscuits

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本当に至福のひと時だった。幸せ……

あー、もう本当に最高だった! 『シンプルにお願い』コースを頼んでよかった。4万円近いランチだったけど、この幸福感はそれくらい出してもいい気がしてしまう。やっぱりGuy Savoyのミシュラン3つ星は伊達じゃない。もう体中ハッピー感で溢れてる。たぶんこのランチのことは、後々までずっと覚えてるだろうなぁ。最後にはお土産のお菓子を入口でもらって、レストランを後にした。

せっかく『造幣局(Monnaie de Paris)』にいるんだから、ここの中も見ていくことにしよう。特別展も含めたチケットは€14。造幣局自体の博物館も、昔お金がどう作られていたかとか、色々な硬貨が展示されていて面白かったけど、一番の見どころは今回の特別展。Kiki Smithというアメリカ人アーティストの彫刻や絵を展示してある。メルヘンチックな彫刻もあれば、ホラー系の彫刻もある。造幣局の豪華な建物の中にセンスよく配置されているアートの数々は、なぜかとても説得力がある。どれも何か不安にさせるような要素があって、僕の好みにピッタリだった。

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Kiki Smithのアートは、
メルヘンなものもどこか不安にさせてくれる

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このホラー感覚はどうよ

家に帰ったらもう16時近く。今日は祝日だから、サントゥスタッシュ教会でまたパイプオルガンのコンサートがあるけど、ランチでかなり冒険した感じなのでアパートでゆっくり休みたいなぁ。明後日の日曜日にもまたコンサートはあるし、今日はパスすることにしよう。その旨をHerbとKhoaに伝えて、コンサートの後でバーで会おうということになった。それまでは昼寝!

バーで18時過ぎに彼らと会って飲んでる最中に、JulianとJean-Paulいうおじいさん達と新たに出会った。Julianはアメリカ人だけど、幼少をブラジルで過ごして、その後フランスに移住した人。彼の義理の母親がブラジルで有名な歌手だったとのこと。1980年代にはパリでブラジル料理のレストランを経営していて、有名人とかも来たりしてとても繁盛していたらしい。僕もブラジルに行ったことがあるし、その時に食べた料理のことなんかを話してとても盛り上がってしまった。僕は結構シャイな方なので、こちらから話しかけることはできないんだけど、今回はHerbの知人だということで新しい人たちと知り合えて楽しかった。こういう出会いっていいよね。

結局2時間近くバーで飲んでいて、その後はお腹も空いたので一人で近くのインド料理屋でチキンブリヤニを食べた。えー、このチキンブリヤニ、去年食べたのと味が違う! 去年はまあまあだったブリヤニが、今回は不味くなっちゃってる。シェフが変わっちゃったのかなぁ? んー、このクオリティだったら、ここにはもう来なくていいかな。

素晴らしいランチで始まった一日は、失望のディナーで終わってしまった。まぁ人生、そんなもんだよね(笑)。

by alexsea | 2019-11-01 00:00 | 旅行記 | Comments(0)
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