ロンドン2022: 最後のアフタヌーンティーと『ライオンキング』

朝起きると、やっぱり今日は遠出したくないと思った。本当ならば、片道1時間くらいかかるWalthamstowにある、God’s Own Junkyardという場所に行きたかったんだ。たくさんのネオンサインを製作している場所で、その数多くが展示されているらしい。写真を見た時に綺麗だから行ってみたかったんだけど、片道1時間もかかるとなると話は違ってくる。最近人混みが超苦手だし、今夜はロンドンで最後のアフタヌーンティーと、その後はミュージカル『ライオンキング』が控えてるので、それまでに疲れ果ててしまいたくない。てなわけで、今夜の予定までアパートに引きこもってしまうことにした。

そうはいってもお腹は空くので、ちょっと髪を整えた後、いつものパン屋に朝食兼昼食を買いに行った。昨日と同じハムとチーズのクロワッサンに加え、チョコレートクロワッサンとパン・オー・ショコラ。ちょっと量が多いかなとも思ったけど、これで17時まで持たせなきゃいけないので平気だろう。アパートに帰ってから食べたら、どれも美味しかった。特にチョコレートクロワッサン！ ここのパン・オー・ショコラはなんかちょっとふっくらしていないので、チョコレートクロワッサンの方が美味しく感じてしまった。

Granier Bakery Cafeは、美味しいだけあって人でいっぱい

とてもパンな朝食＋昼食

食事の後は旅行記をアップしたりしたけど、その後はベッドの中で引きこもり。昼寝したりネットサーフしたりして、何もしないことを楽しんだ。来週はシアトルに帰るから、ロンドンでの時間がもったいないような気もちょっとしたけど、でもこういう日があったっていいじゃないか。特に今回は全くの一人旅で、内気とか孤独感とか、自分の内面に関することをじっくり考えることが多いので、心の息抜きをしてあげないと。

15時半過ぎまでずっとウダウダした後は、シャワーを浴びてちゃんとした服に着替えて出かけよう。

まず最初はフォートナム＆メイソン(Fortnum & Mason)のアフタヌーンティー。ロンドンでアフタヌーンティーを経験するにあたって、どこが一番いいかをじっくり調べたんだけど、どのランキングにも載っていたのがフォートナム＆メイソン。高いけど、その価値があるアフタヌーンティーを提供してくれるらしい。今までにロンドンとバースで経験した2回のアフタヌーンティーは、美味しかったけど満足度はあまり高くなかったので、今回それを打ち破ってくれることを期待していたんだ。

電車でGreen Park駅まで行って、綺麗な電飾がしてあるリッツ(Ritz)の前を通って、フォートナム＆メイソンの建物に到着。店の前のショーウィンドウには、マンガに出てくるようなキャラクターでクリスマスの飾りつけがされていて、とても可愛かった。そういえばこの間『ウィキッド』でヘレンと出会った時、「見て見て！ 今日フォートナム＆メイソンに行ってこれ撮ってきたの！」とスマホで見せてくれたなぁ。クリスマスのショーウィンドウの飾りつけは、その店にとってとても重要だって聞くけど、たくさんの人が群がって写真を撮っていたみたいなので、フォートナム＆メイソンにとっては大成功だろう。

フォートナム＆メイソンの建物はデカい！

クリスマスのショーウィンドウは、ちょっとマンガ的な感じ

建物の4階(日本やアメリカだと5階)に階段で上がって、ダイアモンド・ジュビリー・ティー・サロン(Diamond Jubilee Tea Salon)へ。かなり大きな場所でビックリ。それと、サヴォイよりももっとカジュアルな感じだったのも少し驚いた。

今回はアフタヌーンティーじゃなくて、ハイ・ティー(High Tea)(£80)を注文。アフタヌーンティーではサンドイッチが軽食として出てくるけど、ハイ・ティーではその代わりに調理された料理を選ぶことができる。アフタヌーンティーよりも、もうちょっとしっかりしたものをお腹に入れたい人用かな。僕は今日の夕食代わりにしようと思っているので、これを頼んだわけ。色々な料理の中から選べたんだけど、僕はロブスターオムレツを注文。それと、この後はミュージカルを観に行くし、ちょっと優雅にシャンペンもつけてしまった。

まずはシャンペンでホッと一息

シャンペンも美味しかったけど、頼んだフォートメイソン(Fortmason)という紅茶が美味しい！ 1935年に作られたというこの紅茶は、ダージリンと中国のお茶のブレンド。だからなのか、どことなくジャスミン茶のような香りがして、他の紅茶の香りと一線を画していた気がする。これには僕は砂糖もミルクも不要だと思った。

ロブスターオムレツにはトリュフの薄切りも乗ってきたんだけど、僕が大好きなトリュフの香りが全くと言っていいほどしなかったのが残念。それでもロブスターオムレツはとても美味しかった。ロブスターのプリプリ感を包み込む味わい深い卵が最高で、一気に食べ切ってしまった。それにスコーンの美味しいこと！ バターの味と香りが強くて、今までスコーンであまり感動したことのない僕が2つとも完食してしまったほど。なるほど、ここのアフタヌーンティーやハイ・ティーは、食べ物のクオリティが高いんだな。甘いものは全部食べ切れずに残してしまったけど、いくつか食べたものはとても美味しかった。最後にアフタヌーンティー(今回はハイ・ティーだけど)を見直すことができてよかった！

手前左がロブスターオムレツ

綺麗な甘いお菓子の数々。
やっぱり全部は食べられないよ…

あんまり関係ないけど、隣に座った熟年夫婦らしき男女が、お互いに会話することもなく黙々と食べていたのがちょっと怖かった。何か喧嘩でもしたんだろうか、それとも会話しなくてもOKな間柄なんだろうか？

大満足で外に出ると、雨がポツポツ降っていた。えー、今日は雨の予報なんてなかったのにー！ ここから劇場まで20分徒歩で行こうと思ってたんだけど、雨が降ってるから2駅だけだけど地下鉄で行った方がいいな。

……てなことをみんな考えているらしく、地下鉄は激混み！ ラッシュ時の山手線か丸の内線かと思うくらいの混雑で、日本以外で一番のぎゅうぎゅう詰め電車経験となってしまった。ただでさえ人混みに辟易しているというのに、この追い打ちはツラかった。降りた時にはもうヘロヘロだったもん。

ミュージカル『ライオンキング(The Lion King)』を上演しているライシアム・シアター(Lyceum Theatre)には、開演30分以上前に到着。いい席(£98.50)を取ったので、前から4列目の中央近辺だった。

とてもいい席！

予想通り、このミュージカルはスゴかった！ もうストーリーは知ってるだけあって感動はあまりないんだけど、どんな風に動物を表現するかの発想がスゴイと思った。通路から役者たちが出てくるし、2階の両サイドボックス席にパーカッションプレイヤーがいて、サラウンドサウンドで迫ってくる感じ。踊りもよかった！ さっきも言ったように感動はあまりなかったけど、ショーとしてとても素晴らしいものだったと思う。

ただ、真後ろの席に7歳くらいの女の子が座っていて、絶えず「ほら、あれ見て！」とか「えー信じられない」とかお母さんに言いまくっていたので、うるさくてしょうがなかった。僕の左隣に座った女性も、時々後ろを振り返ってプレッシャーをかけてたし。でも女の子のお喋りは劇の最後まで止まることがなかった。お母さんさぁ、舞台を観る時には喋っちゃダメだって、ちゃんと教育してくださいよ…。

それと、1幕の2/3くらい進んだところで、いきなり舞台が止まったことがあった。頭が『ライオンキング』の世界にどっぷりと浸かっていたので、ヘッドセットをした裏方さんが舞台に現れたのを見た時には、すごく奇妙に感じたなぁ。いきなり世界観が歪むっていうか、そんな感じ。「技術的障害のため舞台が中断されました。席に座ってお待ちください」というアナウンスが何度か入って、客席はザワザワ。再開不能なトラブルとか、役者の負傷とかだったらイヤだなぁと思っていたら、何人かの客が客席左上の方を見上げているのに気がついた。2階の席にいる客が体調不良を起こしたのかな？ でもそうだとしたら舞台をストップするかなぁ？ 何が起こったのかはわからないけど、20分ほど後にちゃんと舞台が再開したのでよかった。

帰りにはまたバーでビールでも飲んでいこうかとも思ってたんだけど、予定外の舞台中断によってもう23時近くになっているので、そのままアパートに戻ることにした。小腹が空いたからどこかで食べたいとも思ったんだけど、最寄り駅の周りのレストランはみんな閉まってきてるし、マクドナルドには長蛇の列ができていたので、これは食べるなっていうお告げだなと思って、おとなしくアパートに戻った(笑)。

アパートのロビーにクリスマスデコレーションが

明日はソーホーでランチを食べたいのと、夕方にちょっと遠出してクリスマスマーケットを見に行きたいのと、それしか予定がない。ランチの後、夕方まで何をするか決まってないけど、まぁなんとかなるでしょ。